「生きる意味を考える機会を作りたい」~舞台『二十五億秒トリップ』佐藤流司&早乙女友貴&福井巴也インタビュー

2026.1.30
インタビュー
舞台

(上段)佐藤流司、(下段左から)早乙女友貴、福井巴也

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佐藤流司が脚本・演出を手掛ける、舞台作品第2弾『二十五億秒トリップ』が、2026年1月30日(金)から2月8日(日)まで銀河劇場にて上演される。出演には早乙女友貴、松田 凌をはじめ、田村 心、福井巴也、京典和玖、定本楓馬、小坂涼太郎、髙木 俊、うえきやサトシといった豪華キャスト陣が揃う。脚本・演出を担当する佐藤もキャストに名を連ねる。

タイトルにある“二十五億秒”は約80年。「人生の尊さを思い出していただきたい」という佐藤の思いは、どんな作品を生み出すのだろうか。絶賛稽古中の佐藤流司、早乙女友貴、福井巴也にインタビューを実施。作品への手応えや見どころなどを語ってもらった。

『⼆⼗五億秒トリップ』

テーマは“生死”、佐藤流司が人間の生きる意味を問う

ーーまずは脚本についてお聞かせください。どういった思いから生まれた作品なのでしょうか?

佐藤流司(以下、佐藤):今回は「生死とはなんぞや?」というところが、一番の大きなテーマになっています。死といっても、物理的な死もあれば精神的な死もある。そういったものを身近に感じたときに、改めて「何のために生きて、何のために死ぬのか」を考える機会って人生の中でもそう多くないなと思ったんです。これまで考えてこなかった、生きる意味や人を愛することについて考える機会を、舞台を通して作ってみたいなというところから書きました。

佐藤流司

ーー早乙女さんと福井さんは、そんな佐藤さんの脚本を読んで、どういったメッセージや思いを受け取りましたか?

早乙女友貴(以下、早乙女):たしかに生死がテーマとなっていますが、僕は特に「重い」とは思わなかったんですよね。なぜかというと、こういうテーマって、僕たちが生きている以上、本当は向き合わなくてはならないもの。目を背けがちになってしまいますが、身近なものだからこそ、ちゃんと考えないといけないことだと思うんです。この台本はそれをメッセージとして訴えかけているんだなと受け取ったので、お客様に観てもらうのがすごく楽しみになりました。

福井巴也(以下、福井):日々、いろんなことがありますが、それでも僕たちは今日も明日も生きていかなきゃいけない。こういう思いって、きっと多くの人が抱えていると思うんですよね。そんなときには、この作品から生きていく力のようなものを受け取っていただけるんじゃないのかなと思いました。

ーー絶賛稽古中とのこと。演出家の立場からご覧になって、稽古の手応えはいかがですか?

佐藤:いい感じです。ただ、やばいのが、演出のことばっかり考えすぎてしまい俺自身の台本がまだ入ってないんですよ(苦笑)。ちょうど昨日「やべぇ」と思って、台本を覚え始める作業に入ったんですが、先に2人には謝っとくね。マジ申し訳ないんだけど、俺が入るシーンのミザンス(注:舞台上での動き)が、かなり変わりそう(笑)。

早乙女・福井:(笑)

佐藤:俺自身の稽古がまだできていないので、そこが今一番怖いなと思っています。他はいい感じなので、あとは俺だけですね(笑)。

ーー皆さんの演じる役についてもお聞かせください。ネタバレのない範囲で、簡単な役柄の紹介と、演じる上で大切にしたいことを教えてください。

早乙女:ネタバレしないっていうのが一番難しい役なんだよな〜。どう説明しよう。

早乙女友貴

佐藤:たしかに(笑)。友貴くんの役は根幹となる部分が言えないよね。

早乙女:すごく簡単にいうと、僕の演じる折原 ⼀という人物は、巴也くん演じる⽩⿃ 岳と松⽥ 凌くん演じる星奈 遥と親友です。あることがきっかけで、もう一つの世界線へ飛ぶことになって……というところから物語がスタートします。折原に関しては、何を言ってもネタバレになるんですが(苦笑)、一見すると彼は強い人のように見えるんです。でも、心の中では孤独を感じてボロボロになっていて。折原自身がメッセージ性を強く含む人物なので、そこをうまく自分と一体化させながら演じていけたらいいなと思っています。

福井:僕の演じる白鳥はすごく物知りという印象ですね。初めて台本を読んだときに感じたのは、“流司くんの持っているセンスの権化的な存在”でした!

佐藤:ふふ。

福井:流司くんのことはよく知っているので、台本を読んですごくリアルにイメージできたんですよね。「このセリフは流司くんがこういう感じで言いそうだな」とか。そこにプラスして、白鳥が持つ明るさや、僕が演じるからこその色を乗せてお届けできたらなと思っています。

福井巴也

佐藤:⿊野はギリシャ神話に登場する神クロノスをモチーフにしています。世界的に成功した作品って、神話のモチーフが入っているんですよ。なので、俺も神話を絡めておこうと思って。

一同:(笑)

佐藤:零司は、“ゼロ(零)を司る”からつけていて、要は生かすも殺すも⿊野次第。去年の年末に神様の話をやらせてもらったんですが、神様って死なない存在なので、やっぱり人より生死への関心や、死への恐怖心が薄くて、本能的な部分があるなと思っていて。⿊野に関しても、生き死にを人間より軽く捉えているところがある。そんな⿊野と、そこに違和感を感じていく人間たちの対比を作っていきたいなと思っています。

役と役者、想像以上の親和性に感じる手応え

ーー折原と白鳥は親友の間柄とのこと。初共演となるお二人は、一緒に芝居をしてみていかがですか?

早乙女:巴也くんはすごく白鳥のイメージと合っているなと思いますね。いい意味で力みがなくて、地頭もよくて。普段の巴也くんとリンクするところも多いので、やりやすいです。彼が親友役で心強いですね。

福井:ありがとうございます(照)。友貴くんに関しては、初対面のときにクールというか、覇気をまとっている感じがしたので、ちょっと近寄りがたいなと思っていたんです。

早乙女:そうだったの?

福井:実は。でも、稽古が始まってみたらマジで優しくて! さっき、折原は孤独を抱えているという話もありましたが、友貴くんもそれに通じるものがあって。自我が確立されている感じが、折原に近い部分があるのかなと思っています。

ーー役との親和性という話がありましたが、佐藤さんの目にはどう映っていますか?

佐藤:友貴くんとは今回初共演なんですが、稽古で見ていて、折原がすごく似合うなと感じています。殺陣のすごさというのはもちろん以前から知っていたので、今作での殺陣も楽しみにしていたんですが、稽古場で皆が友貴くんの殺陣に引いているんですよ(笑)。

佐藤流司

ーー引いている、というのは?

佐藤:殺陣入れのスピードが半端ないんですよ。パーッと2回くらい流して見たら、「もう行けます」みたいな。

早乙女:ふふ。

佐藤:他のキャストが裏で自主練する暇もないくらいのスピード感なので、ただただすげぇなと。その姿も終盤の折原とリンクする部分があるなと感じています。巴也の白鳥役に関しては、(サトウ役の京典)和玖に「当て書きじゃないですか」って言われたんですよ。それくらいぴったりですね。

ーー実際に当て書きなんですか?

佐藤:それが違うんですよ。なんなら、一番最後までキャストが決まらなかったのが白鳥なんです。俺の中では高身長でシュールなヤツがいいなというのがあって、これに当てはまる人が全然思いつかなくて。そんなときに偶然、巴也と食事に行ったんだったかな。それで「巴也がいるじゃん!」と。実際にぴったりハマってくれていますね。

ーー稽古場の雰囲気や、印象的なエピソードについて教えてください。

早乙女:すごく楽しいし、同時に全員が集中して濃い稽古をやれている現場だなという印象です。

早乙女友貴

福井:カシマ役のうえきやサトシさんは、以前共演させていただいたことがあって、すごくお世話になっているんです。今回、久々の共演なんですが、あの人の持つ爆発力に触れて、改めてすごいなと。たくさん学ばせてもらいたいなと思っています。

佐藤:星奈役の凌くんの合流が稽古後半なので、まだ数回しか稽古で会えていないんですが、とても台本を読み込んできてくれていて。「いろいろ聞きたいことがある」と質問を用意してくれているんですよ。「このシーンはこういう意図があって書いてるんだよね?」と。もうその考察が深すぎて、完全に俺の意図を超えてるんですよ(笑)。でも、悔しかったから「そうです」って答えました。

一同:(爆笑)

ーー松田さんの考察で、佐藤さんご自身の解釈もより深みを増したんですね。

佐藤:そうなんです。こんなパターンもあるんだなと(笑)。

ーー作品の全体像も見えてきた頃かと思います。注目してほしいシーンや見どころを教えてください。

早乙女:後半、白鳥が僕に問いかけるシーンがあるのですが、あそこがすごく好きですね。白鳥が内側の熱を爆発させる姿が、一緒に立っていて楽しいですし、皆さんにも注目してもらいたいです。

福井:(ニコニコと)ありがとうございます!

福井巴也

佐藤:俺としては「細部にこだわって演出してるんだな」って皆さんに感じてほしいシーンがあります。今回ちょっとだけ歌があるんですよ。そこでの個人的な見どころの一つが、アキモト役の小坂涼太郎が発する一言です。歌の中で一言だけ喋るんですけど、マイクもオフにすると思うので、彼が何を言っているのか、皆さんに当てていただきたい。そして、「佐藤こんなところまでこだわってるんだ」と思われたいです(笑)。

福井:(長考して)見どころが多くて選べないんですが、じゃあ、折原と白鳥と星奈がどうなっていくのか、楽しみにしていてください!

佐藤:それはさぁ、もう本編じゃん(苦笑)。

福井:でも一番の見どころですから!

ーー最後に、公演を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

早乙女:この作品は2回、3回観たいと思わせてくれる作品になると思います。何度観ても収穫できるものがあるような作品になっていますので、ぜひ何度も観にきていただきたいです。お待ちしています。

福井:多くのメッセージが込められている作品なので、観劇する日の気持ちによって感じ方も変わるんじゃないかと思います。多くの方に、この作品が持つメッセージを受け取っていただけたら嬉しいなと思います。

佐藤:今作は特にネタバレに気を付けてほしいです。観終わった人もネタバレをしないでほしいし、観劇するまで絶対にネタバレを踏まないでほしい。そうすると、皆さんが100パーセント楽しめる舞台になるのかなと思います。細心の注意を払って、完全初見の無菌状態で劇場に来てください。

(上段)佐藤流司、(下段左から)早乙女友貴、福井巴也

 
ヘア&メイク:
有藤 萌(佐藤流司)
杉野未香(早乙女友貴 福井巴也)
 


取材・文=双海しお    撮影=山崎ユミ

公演情報

『二十五億秒トリップ』

【日程】2026年1月30日(金)~2月8日(日)
【会場】天王洲 銀河劇場
 
【脚本・演出】佐藤流司

【出演】
早乙女友貴
田村 心 福井巴也 京典和玖 定本楓馬 小坂涼太郎
髙木 俊 うえきやサトシ
松田 凌
佐藤流司

 
川島弘之  熊本敬介  佐伯 啓  佐藤 丈  高岩芯泰  西村功我  藤井惇成  藤原儀輝  森 悠人  大橋美優  鈴木彩海

料⾦
11,000円(全席指定/税込)
※未就学児入場不可
 
【公演・に関するお問い合せ】
Mitt /TEL:03-6265-3201(平日12:00〜17:00)
 
【公式サイト】
https://25okubyo-trip.com
【公式X】
@25okubyo_trip
【ハッシュタグ】
#にごステ

【主催】『⼆⼗五億秒トリップ』製作委員会
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