小林亮太・山田健登、渡邉蒼・島太星がペアによって別物のような感覚で作り上げる 『ブラッド・ブラザーズ』製作発表会見レポート

10:25
レポート
舞台

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』製作発表会見より

画像を全て表示(13件)


1983年にイギリスで初演が行われると、魅力的なストーリー展開と楽曲、時代や国を超えて届くテーマが評価され、ウエストエンドやブロードウェイ、ドイツ、オーストラリア、韓国などで上演されてきたミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』。日本においても1991年から繰り返し上演され、高い評価を得てきた。

東宝製作としては17年ぶりの上演となる今回、小林亮太/渡邉蒼(Wキャスト)、山田健登/島太星(Wキャスト)というフレッシュな顔ぶれが運命に翻弄される双子を演じる。さらに小向なる、秋沢健太朗、東山義久、戸井勝海、瀬奈じゅん、安蘭けいと、若手からベテランまで実力派が勢揃いしている。

製作発表会見には小林亮太、渡邉蒼、山田健登、島太星、瀬奈じゅん、安蘭けい、演出・日澤雄介が登壇した。

ーー小林さんと渡邉さんが思うミッキーというキャラクターの魅力、ミッキーから見たエディについて教えてください。

小林:僕らは7歳からの子供時代を演じます。演じる上で子供目線に立つと、いろいろなしがらみを排除できる。ミッキーは生活的に苦しい部分もありつつ、めげずに人生を謳歌しようとしていて、一人の人間として魅力的だと思います。ミッキーにとってのエディは、稽古前は自分を補完してくれるような存在だと思っていました。稽古が始まってみても、自分が笑えない時に笑ってくれたり、言葉にしなくても通じ合えたりする。すごく救われるし、(ミッキーにとって)最高の友達なんじゃないかと思います。

渡邉:先日の稽古で、日澤さんが「子供を演じるというのは子供時代を思い出すことなんじゃないか」というお話をされていました。ミッキーのような子って、皆さんの近くにも一人はいたと思います。自分にとって楽しいこと、好きなものにとことんストイックに向き合っていくところが可愛いし、自分もその気持ちは持ち続けたいです。脚本を見ていると、ミッキーが持っていなかったものをエディが持ってきてくれる。絶対に一緒にいるべき存在だと感じます。

ーーエディ役のお二人は、稽古場でお互いのエディを見た印象、ご自身との違いや共通点をどのように感じていますか?

山田:たいちゃん(島)とは一緒にグループ活動をしていた時期もあり、音楽をやっている姿は知っていましたが、お芝居は初めてなので、どんな感じで来るのかワクワクしていました。やってみるとまあ良くて。人柄がすごくお芝居に出ているというか、独特なテンポ感と空気がすごく良いし、狙って出せるものじゃないなと思っています。僕も負けじとフレッシュにいきたいです。

:僕は健登が『レ・ミゼラブル』に出ているときにお芝居を見たんですが、本当に素敵で、今回もすごく楽しみにしていました。お稽古が始まってからもやっぱりすごいし、これ言ってもいいのかな……すごく優しいんですよ。

一同:(笑)。

山田:言っていいよ(笑)!

:びっくりするほど裏表がなくて、こんなに優しくて完璧な人っているのかなと思います。でもお芝居を見ているとしっかりと葛藤もあって、健登も人間なんだなと。共通点としては、僕たち同じ人間なんだなってことですね。本当に大好きな友です。両ペアご覧いただけると嬉しいです!

ーー安蘭さんと瀬奈さんは対照的な母親を演じられます。また、宝塚退団後初の共演ですがお稽古の手応えはいかがでしょう。

安蘭:実は宝塚時代も共演したことがないので人生初です。でも、初めてとは思えないような意思疎通ができているような、不思議な感じがあります。(瀬奈に)どうですか?

瀬奈:お芝居だけではなく、役に向き合う姿勢などを見て私も頑張らなきゃと思っています。でも、面白いことがあるとすぐ私の顔を見るんですよ。チェックされているので、私も気を緩めないようにしないと(笑)。

安蘭:笑いのツボもわかりあっているので、ついつい見てしまうんですよね。

日澤:すごく仲良くて、稽古場でもいつも楽しそうです。少し目を離すとお二人でお喋りしていますよね。

ーー日澤さんの演出プラン、本作における注目ポイントについて教えてください。

日澤:いろいろなカンパニーで上演され、たくさんのお客様に愛されてきた作品です。「寓話のよう」とコメントしましたが、ジョンストンさんの双子の片方が引き取られ、二人が出会ってしまって運命の歯車が回り出す、寓話というか御伽噺のようなところのある物語。そのベースも大切にしつつ、「運命」として片付けたくないなと思っていて。登場人物一人ひとりが悩んで決断した先にある結末が面白い。みんなの選択や決断、そこに絡む欲の部分を重視したいなと。見ていただきたいのは、母親二人の子供に対する決断、葛藤や愛。あとは、ミッキーとエディが子供から大人になっていく中で、子供の時の感覚、大人になって得たもの・無くしたものってなんだろうと考えていただけたら。運命に翻弄される二人の選択や愛情、友情などをベースに描きたいと思っています。

瀬奈じゅん

安蘭けい

ーー稽古場の雰囲気、キャストの印象やエピソードなどはいかがでしょう。

小林:この間みんなで鬼ごっこをしました。本当に楽しかったよね。

山田:楽しかった。あと、すごく会話が多い稽古場だと思います。僕は人見知りなんですが、みんなが声をかけてくださるので居心地がいいです。

安蘭:それぞれのペアが全然違うので面白いよね。自覚あります?

小林:稽古初日に「うわ、向こうのチームいいなあ!」って思うこともありました。でも、稽古を進めているうちに、嫉妬じゃなくて相手ペアを愛おしく思えるようになってきた。それはすごくいいことなのかなと思っています。

日澤:段取りが決まってるところもあるけど、この作品は自由度が高いんです。両チームとも自由にやってくれているので演出としては助かります。

安蘭:受け取る方としては全然違うから驚く時もあるけど面白いよね。

瀬奈:「そうきたか!」ってとこはありますね。でもそれに刺激を受けています。

日澤:東山さんが時々イタズラをしていますよね(笑)。サービス精神が旺盛なので、「こうしてみよう」というと100点でやってくれる。瀬奈さんがよく笑わせられています。

:瀬奈さんとダンスを踊らせていただいたんですが、すごく楽しくて、現実でこんなにお綺麗なママがいたらいいなって思いました。

渡邉:僕と太星くんのペアはふわふわしているところがあって、お兄さんたちのミッキーとエディは推進力があるのでクールだなって思います。多分みんなこういう子供時代だったんだろうなと想像するのが面白いです。

日澤:すごく楽しいカンパニーです。歌とお芝居の狭間をあまり感じさせないような座組で、稽古場でもずっと話していて、そこからアイデアが出てきたり、関係性ができてきたり。冗談抜きで楽しみにしていただいて問題ないと思います。

小林亮太

渡邉蒼

山田健登

島太星

ーー最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。

安蘭:世界中で愛される作品に携わることができて幸せです。私は2003年の公演を見ていて、その時は「なんて悲惨な話なんだろう、一体何が言いたいの?」と思いました。でも今、台本を読んで稽古しながら、運命なのか宿命なのか、それは変えられるのかなと色々考えています。映画『国宝』に近いものも感じて、令和の時代に、この作品がどう受け止められるのか。何か素敵なものを持って帰っていただけるように稽古を重ねて本番に挑みたいです。

瀬奈:私自身、特別養子縁組という制度で子供を二人授かっていて、「血が繋がっているとは」ということに直面することが多々あります。でも、1度目は「すごいね、えらいね」という反応が多かったのが、2度目は「おめでとう」に変わったんです。世間が変化していく中で、受け継がれてきたこの作品に対する受け取り方も変わっていると思います。今上演する意味を考えながら、若い皆さんと一緒に最高の作品に仕上げたいです。

:皆さんが作品の素晴らしさを伝えてくれると思うので、僕は自分の思いを伝えさせていただきます。僕は本当の母を「母ちゃん」と呼んでいて、ママなんて久しく呼んでいなかったので、瀬奈さんが本当のお母さんみたいな感覚で。物語とエディという人物を通して子供時代を思い出せて、毎日が新鮮で楽しいです。魅力が詰まった作品なので、ぜひ両ペアご来場いただけると嬉しいです。

山田:絶賛稽古中ですが、稽古するたびに、この作品が長く続いてきた理由を感じる瞬間がたくさんあります。僕らにしかできない表現で皆さんにお届けできるよう、誠実に、生々しく届けていきたいと思うので楽しみにしていてください。

渡邉:長い間、さまざまな場所で上演されてきた作品です。社会は変わっているけど、人間の心の複雑さは昔から変わらないんだろうなと。みんなその時の最善を選択しているはずなのにうまくいかないことってあって。近くで見ると悲劇的だけど、一歩引くと喜劇的だったりするというのが、『ブラッド・ブラザーズ』にはあると感じます。僕ら一人ひとりが持っている人間のおかしさや哀れさが色濃く出る作品だと思うので、リアルで人間的な物語を演じるという意識を持って挑みたいです。

小林:皆さんが言っているように、普遍的なテーマが詰まった作品です。「キッズゲーム」という曲があるんですが、僕は演劇ってどこまでも遊びの延長線上だと思っていて。でも、僕らが真剣に遊ぶことで、日常を頑張っているお客様に、心の余裕や遊び心を届けられたら。もちろん最後には心にずしっとくる結末が待っているけど、それまでの道のりを豊かに見ていただける作品になっています。僕らもしっかり準備をするので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

日澤:脚本のウィリー・ラッセルさんが大人に子供を演じさせた理由を考えると、お芝居の都合よりも大きな必然性があると感じます。これを子役でやったら意味がない。皆一度は子供時代を経験していて、そこから大人になるとどうなるのかを二幕構成で見せる。兄弟を通して皆様の人生とリンクするところを考えていただけたら。Wキャストというよりは二作作っているような感覚で演出しているので、ぜひ両作品劇場で見てください。

日澤雄介

質疑応答後には、ミッキー役の小林亮太と渡邉蒼、エディ役の山田健登と島太星によるスペシャルバージョンの「あいつに」が披露された。「あいつに」は、リンダ(小向なる)に好意を寄せられるミッキー(小林亮太/渡邉蒼)が、コンプレックスから想いに応えられず、「エディ(山田健登/島太星)だったら洒落たことを言えるのに」と気持ちを吐露するナンバー。実はエディも同じような思いを抱いており、互いに「あいつに似ていたらよかった」と歌う楽曲だ。

会見で「それぞれのペアで全く印象が違う」と言われていた通り、小林と山田、渡邉と島でミッキーとエディの距離感やキャラクターが大きく変わって見える。また、歌唱披露は短いシーンのみだったが、等身大の少年らしい悩みを柔らかく透明感のある声で紡ぐ四人のハーモニーに聞き惚れ、他のナンバーも早く聞いてみたいと感じた。ここからさらに稽古を重ね、各ペアが他キャストとどんな化学反応を見せてくれるのか楽しみだ。

本作は2026年3月9日(月)〜4月2日(木)までシアタークリエ、4月10日(金)〜12日(日)までサンケイホールブリーゼで上演される。
 

取材・文・撮影=吉田沙奈

公演情報

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』
<出演>
ミッキー:小林亮太/渡邉蒼(Wキャスト)
エディ:山田健登/島太星(Wキャスト)
リンダ:小向なる
サミー:秋沢健太朗
ナレーター:東山義久
ミスター・ライオンズ:戸井勝海
ミセス・ライオンズ:瀬奈じゅん
ミセス・ジョンストン:安蘭けい
 
菊地まさはる 白鳥光夏 菅井理久 田代明* 千葉由香莉 花咲まこと* 平山トオル
*(スウィング)

<スタッフ>
脚本・作詞・作曲:ウィリー・ラッセル
演出:日澤雄介

翻訳:伊藤美代子
訳詞:小林 香
音楽監督:松田眞樹
振付:北尾 亘
美術:長田佳代子
照明:松本大介
音響:山本浩一
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:柴崎尚子
歌唱指導:tekkan
稽古ピアノ:久野飛鳥
バンドコーディネート:東宝ミュージック/ダット・ミュージック
演出助手:長町多寿子 小貫流星
舞台監督:和田健汰

制作 いとうちえ
プロデューサー:増永多麻恵、柴原 愛

<公演スケジュール>
【東京公演】
日程・会場:2026年3月9日(月)~4月2日(木) シアタークリエ
料金(全席指定)・税込:13,500円
 
 
■トークショー
①3月24日(火)13:00開演 小林亮太/山田健登/秋沢健太朗
②3月26日(木)13:00開演 渡邉 蒼/島 太星/秋沢健太朗
※各対象公演のをお持ちのお客様がご参加いただけます。
※ご参加の方は、終演後もそのままのお座席にてお待ちください。
※ト―クショーの登壇者は、予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
 
 

日程:2026年3月15日(日)
会場:シアタークリエ
開演:13:00~

【手数料0円】座席選択販売
受付期間:2025/12/20(土)11:00~2026/3/15(日)13:00

出演
渡邉蒼 島太星

小向なる 秋沢健太朗 東山義久 
戸井勝海 瀬奈じゅん 安蘭けい ほか

は【こちら】から


日程:2026年3月29日(日)
会場:シアタークリエ
開演:13:00~

【手数料0円】座席選択販売
受付期間:2025/12/20(土)11:00~2026/3/29(日)13:00

出演
小林亮太 山田健登

小向なる 秋沢健太朗 東山義久 
戸井勝海 瀬奈じゅん 安蘭けい ほか

は【こちら】から
 
【大阪公演】
日程・会場:2026年4月10日(金)~4月12日(日)サンケイホールブリーゼ
 
■トークショー
①4月10日(金)17:30開演 渡邉 蒼/島 太星/小林亮太/山田健登
②4月11日(土)12:00開演 小林亮太/山田健登/渡邉 蒼/島 太星
※各対象公演のをお持ちのお客様がご参加いただけます。
※ご参加の方は、終演後もそのままのお座席にてお待ちください。
※ト―クショーの登壇者は、予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
 
 

日程:2026年4月11日(土)
会場:サンケイホールブリーゼ
開演:17:00~

【お得!手数料0円】先着販売
受付期間:2026/1/30(金)12:00~2026/4/11(土)17:00

出演
渡邉蒼 島太星

小向なる 秋沢健太朗 東山義久 
戸井勝海 瀬奈じゅん 安蘭けい ほか

は【こちら】から


日程:2026年4/12(日)
会場:サンケイホールブリーゼ
開演:12:00~

【お得!手数料0円】先着販売
受付期間:2026/1/30(金)12:00~2026/4/12(日)12:00

出演
小林亮太 山田健登

小向なる 秋沢健太朗 東山義久 
戸井勝海 瀬奈じゅん 安蘭けい ほか

は【こちら】から
 
  • イープラス
  • 小林亮太
  • 小林亮太・山田健登、渡邉蒼・島太星がペアによって別物のような感覚で作り上げる 『ブラッド・ブラザーズ』製作発表会見レポート