常在戦場のパンクバンドが向かう新たな地平──ふたたび4ピースへ生まれ変わるTOTALFATが現在地の全てを語る
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TOTALFAT
これは“回帰”ではない。“前進”だ。
結成から25周年を迎えたTOTALFATが先日、再び4ピース体制をとることを発表した。2019年に当時のギタリスト・Kubotyが脱退して以降、新メンバーの加入やサポートギタリストを加えることを選ばず、3ピースバンドとして活動を続けてきた彼らがなぜ今、新たな未来を選び取ろうとしているのか。
本インタビュー前半では3ピースへの移行やコロナ禍、事務所の独立など激動の期間でもあったここ5、6年を経た現在のスタンスやマインドを聞きながら、パンクバンドとして駆け抜け辿り着いた現在地を浮き彫りに。そしてインタビュー後半からは新たに迎えるギタリスト・Q汰も交え、加入の経緯から決め手、期する想い、これからの姿についても語ってくれる。
Q汰のデビュー戦となる主催イベント『UTAGE MATSURI PARTY』は4月4日(土)と5日(日)、Zepp DiverCityで数多くの盟友を迎え開催される。参加する予定の方はもちろん、そうでなくともパンクにやられた全てのキッズ必読のロングインタビューとなった。
──実際、25周年に対する感慨ってどのくらいあります?
Shun:20周年ではそういう、やってきた感みたいなものもあったけど……そこからコロナ禍を生き延びるために頑張ってきて。今は何不自由なくバンドができていて、超楽しくて、ツアーを回れば良い感じにやれてる。わりと肩の力が抜けた状態になった実感はあって。今はやってきた感よりもこの先に何をやってやろう感が強いというか、よりTOTALFATの将来性にフォーカスできてるモードかもしれないですね。たとえば、25周年でアリーナ!とかだったら、やってきた感はめちゃめちゃあったかもしれないけど、まだ全然道半ばのバンドでもあるし。
Jose:そうね。
Shun:あと、演奏とか作曲っていうものに常に向き合っていることは自負しているので、そういった意味でもどんどん後ろを振り返らなくはなりましたね。
Jose:新体制の話もそうだけど、常にワクワクすることが続いてきているので。Xとかで25周年アニバーサリーを謳ったりはしてますけど、あんまりそういう感覚というよりは、どんどん次に行きてえっていう先の楽しみの方が強いですね。
Bunta:普通のバンドだったら25周年で今までの曲をやるとか、懐古的になることもあると思うんですけど、12枚目のアルバムができてツアーを回って、“今”のライブをしてる感じでした。3ピースになって独立してから5〜6年くらい、やっと3人で良い作品と良いライブができて次のビジョンを見た時に、やっと4人になるという空気になってきた。もう一回ギターを入れた方が絶対にもっとステップアップできるじゃん、みたいなところまで見えてきたのは、25周年だから良いアルバムを作ろうって振り絞ったからこそ芽生えてきた気持ちというか。
──思えば20周年の頃はコロナ禍だったし、3ピースになって間もなかったから、ハードモードな期間でしたよね。そこからの5年って、今のモードに至る上でかなり大きいはずで。
Shun:間違いなくそうだと思います。今回の『UTAGE MATSURI PARTY』の構想って、本当は20周年の流れの中で八王子の大きいアリーナを借りてやろうと思ってて。会場も視察して「じゃあいこうか」っていう時にコロナで、告知もせずバンドを集めることもなく、ただ俺らの脳みそだけで──
Jose:あとは市役所の人とね(笑)。
Shun:それだけで終わったしまったものだったんですね。プラス、予定外のことが多すぎて、Kubotyが抜ける、Joseがジストニアになる、コロナでライブもできない。そんな中で最大限リリースをして、ライブや配信もしてきたのが俺たちだと思ってるんですね。そうなった時にメロコア、パンクが持ってる本当の可能性にめちゃくちゃ気付かされた5年間だったなと思ってて。インスタとか見てても、海外の俺らの倍くらいキャリアがある、たとえばバッド・レリジョンとかペニー・ワイズとかディセンデンツとかも、みんなもう一回お客さんを沸かせまくってツアー回ってる。あの人たちができるなら、俺らなんて超余裕でできんじゃんって希望をもらえたし、レベルミュージックとしてパンクが持ってる力をもう一度信じて、絶対にこれから先の世の中で必要になるのって俺らみたいな音楽でしょって、すごく思えた時に、どんどんバンドを更新していきたくなったんですよね。
Bunta:マシンガン・ケリーがコロナ禍だからこそトラヴィス(バーカー)とパラモアのカバーとかやって、それがバズったことで、ラッパーなのにポップパンクみたいなことを始めて。そうやってコロナだったからこそ起きたことがカルチャーになって、ラッパーがいきなりロックをやっても違和感のない時代になったわけじゃないですか。その中で俺らはそういう音楽をどう昇華して、生のロックバンドとしてやっていこうか?ってところが、すごく見えてきたというか。俺らの感度とかやろうとしてきたことが間違ってなかったなって思ったし、若手たちとも一緒になってもう一回日本でも盛り上がっていけたらいいなっていうのは、ここ5年で思ったんですよね。コロナはちょっとあれだったけど、そのおかげで広がれたっていう良い部分はあったよね。
Shun:うん。この25年間で音楽というものの主戦場──もちろんライブハウスが主戦場なんですけど、ビジネスという面でもどんどん変わってきたなと感じてるんですね。
Jose:早すぎるよね(笑)。
Shun:俺らの始めた時なんてMySpace、mixi、MP3.com、魔法のiらんど……そんなもんで、フライヤーを撒きに行く方がよっぽど宣伝になったし、インタビューを1本やらせてもらったら親戚中のニュースになった。そういう時代からやってきて、ソーシャルメディアに翻弄もされながら来ましたけど、主戦場が変わる中で盛者必衰をたくさん見てきて。でも周りを見渡せば俺らの仲間はみんなライブハウスが主戦場だから、そういうバンドがやっぱり強かったんだなっていうのも垣間見ました。
TOTALFAT
──先日のパニシャでもメロコアというワードを強めに使っていたりと、音楽的には貪欲に色々と取り込んできつつも、TOTALFATはパンクバンドであるという自負を強烈に感じたんですね。そのパンク、メロコアという音楽、あるいは概念と自分たちの向き合い方って、たとえば始めたての頃と比べてどこが変わって、何が変わらないものですか。
Shun:……振り返ると、結果変わってなかったなと──
Jose:うん。
Shun:とは思う。個人の肌感だけど。
Bunta:「こういう演奏をしよう」とか音楽的な練習って部活みたいなもので、バンド内でずーっとその積み上げをやってきてるんで、そこは部活をそのまま25年やってきた感覚なんですよ。ただ、気づいたら自分らに影響を受けて楽器を始めましたみたいなバンドマンが出てきたりとか……Q汰もそうだし(笑)。気づいたら背負う側になっちゃってるというか、影響を与える側になってるというか。
Jose:そうだね。憧れから始まり、気づけば与える側になってる。
Bunta:だから、自分たちも救われたぶん、自分らもカルチャーや音楽に対する恩返しをできる立ち位置でいるために、頑張らなきゃっていう方向性になってきてるなって。
Shun:俺らも歴戦のパンクスたちから遺伝子をもらったわけじゃないですか。その遺伝子を繋げたいなってより思ったというか。今回のツアーも、ヤバTでさえ『高校生の時にTOTALFATのCD買ってた』っていうのを、MCで初めて言われて。
Jose:もっと早く言えよ!っていう。
Bunta:陰キャすぎてずっと言ってなかったって(笑)。
Jose:LiSAだってヒゲダンだってそこから来たっていう事実があって。その先でそいつらがパンクをやってようがなかろうが、継承できてるってことにすごく喜びを感じるようにはなりましたね。そういう意味での、パンクに対する気持ちの持ち方はすごい変化してきてると思います。
Bunta:もし俺らが続けてなかったら、派生してきたすごい奴らとも出会えないじゃないですか。そこが今いちばんやりがいとして良かったなぁって。
──今ってYouTubeやサブスクでいろいろ聴けるから、ジャンルの歴史とか文脈を飛び越えた出てき方をする人もたくさんいる中で、パンク界隈って歴史が脈々と受け継がれている方だと思うんですよ。
Shun:家系図がね(笑)。
──そうそう。傍目にもわかるし、そのことを自負してやってるバンドが多い印象はあります。
Shun:そうっすね、本当に。
Bunta:この年になってかっこよく聴こえてくるものもあるじゃないですか。たぶん20代とか30代前半だったらわかんなかったけど、40代になったら「これだ!」みたいに思えるものが。この前も「日本脳炎ヤバいよね」って話してたし、本当にヤバかった時代のヤバいバンドって演奏もヤバいと思うから。いいよね、そういうの。
Shun:時代が変わって、おっしゃるようにどの系譜かもわからない突然変異みたいなものを前触れなく見つけられる良さもあると思うんですけど、そういう奴らと戦っていかなきゃいけないと思うと、俺らもこれから作曲とかも気合い入っていくっすね。
──なんというか、続けてきたことで背負う側の自覚も芽生えつつ、まだまだキッズっぽさもあるバンドですよね。
Jose:ああー、そうですねえ。
Shun:この前もパニシャの日の朝にBuntaからLINEでシュガー・レイのリンクが送られてきたんですけど、それが「Dance Party USA」って曲だったんですよ。これ、俺らがアップデートして「UTAGE MATSURI JAPAN」って曲にしたら絶対ヤバくない?みたいな。……っていう話をするところから俺らの作曲は始まるんで。
Shun(Vo/Ba)
──そういうノリってずっとそうですか?
Shun:特に3人になってからですね。4人の時はKubotyも制作者気質で、四角取るくらいしっかり作り込んでくるタイプだったから。
Bunta:バンド内コンペみたいになってたもんね。
Jose:うん。みんな曲書けるんで。
Shun:4人で出し合ったものから選ぶ期間が長かったんですけど、3人になってからはとりあえず思いついたことはみんなに共有する。溜めておいたそれをスタジオに集まって爆音で聴いて、その場でBPMやキーを変えたりしながらやってみて作っていくので。もうスタイルとして日常生活がバンドマンっていう感じですかね。
──そのやり方ゆえに生まれたものって、それまでとの違いは明確でした? たとえば自由度であったり。
Shun:自由度は遥かに上がりましたね。
Bunta:去年と一昨年に『FUTURES IN SILHOUETTE』『PURE 40』ってアルバムを1年に1枚作って──制作期間2ヶ月とか3ヶ月でゴリ押しで作った感じなんですけど(笑)。おかげで、1コーラスできてからフル尺の展開を作る発想のスピードもめっちゃ上がった感じがするんですよね。
Jose:「Fireworks」を作曲しようってなった時なんて、僕が1時間くらい遅れて行ったたら、ほぼほぼ全体像ができてて。
Shun:……なんか、ふざけると早いっすね、制作って(笑)。サビのメロディも「あ、バブルガム・ブラザーズを入れてみよう」とか本当、そんな感じ。作曲の時点でバイブスが高いから、とにかく入れてみて「これはヤバいでしょ!」みたいな。アリかナシかとかはジャッジしないです。ヤバいかヤバくないか。
──ははは!
Shun:〈酒持ってこい〉(「夏ノ大蜥蜴」)とかも「ヤバいっすねぇ、これは」つって(笑)。
Bunta(Dr/Cho)
──そのあたりが近年の定番曲にもなってますしね。そういう在り方を見出せた3人編成から、さらに先へいくための選択肢として再び4人体制になろうと決断したきっかけ、要因ってどんなものだったんですか?
Shun:半年前くらいにBuntaがいきなり電話かけてきて。業務連絡ってわりとLINEで2行くらいじゃないですか。だから何か問題が起きたか相談か、個人的に納得いってないことか?みたいな(笑)。出てみたら、なんか興奮してるんですよ。
Jose:テンション上がってた(笑)。
Shun:「あのさぁー!? ギター入れて、戦うっしょ?」みたいな、「やっぱ俺たちギターいたらもっと戦えると思うんだよね!」とか言い始めたんですよ。Buntaは結構いろんな現場でドラムを叩くから、リードギタリストがいるバンドの強さを他所で痛感したということをすごく力説されて。長く続けていく上ではJoseの手のケアもしていかなければいけないし、ここまでやってこれた3人のグルーヴだったらマジで負けないから、ここにヤバい奴がひとり乗っかってもう一個デカい波を起こしたら、俺たちはメインステージのどのバンドにも負けないっしょ、薙ぎ倒すっしょ!みたいなことを、ドゥワーって言ってきて。「う、うん、そうだな!」と。
Bunta:やっぱり良いギタリストがいると、ドラマーとしても楽になるし、バンドとしてもShunとJoseの楽器の負担が減ればもっと歌とかプレイに集中できる。独立してからやっと年末のフェスとかにも出れるようになってきた時に、デカいところでいくら同期でいろんな音を付け足しても、演奏してるのはこの3人なわけで。もうひとりギターがいればストレスフリーに、本来のTOTALFATの良い部分をそれぞれが出しながら演奏できるかなって。そう思ったのがデカいかな。
Shun:でも、Kubotyが辞めるってなった時にはどうしても入れる気になれなかったギターを──
Jose:うん、そうね。
Shun:6年、俺らは頑張って練習して、やっと自分たちのやり方を確立したと思えるようになったんですよ。そこがデカいなって。そこまでやってこれた俺たちっていうのが。
Bunta:やっとやれるようになった途端ぐらいで俺が言っちゃったけどね(笑)。
Shun:でもね、これは誰が言うかゲームになってたと思うんだよ。
──ああ、どこかではみんな思っていた。
Bunta:Shunは、Joseが自分で「4人でやろう」ってギブアップするまでは3人でいたい、って言ってたんですよ。
Jose:俺は意地でも3人でやっていくって思ってたんですよ。
Bunta:じゃあどっちにしろ、俺が言わなかったらなってない(笑)。
Jose:俺らはツアーのアンコールとかで対バン相手のギタリストに一曲弾かせたりするんですけど、リハで外音を聴いたりして「やっぱギター2人いるとカッコいいなあ」とか思ったりは、実はずっとしてたんですよね。そうしたらBuntaが言ってくれた。でもその代わり、新しいギタリストを入れるって言うのは、プレイ面もメンタル面もかなりハードルが高いから、なかなか見つからないんじゃねえか?っていう話はしていて。2026年の1年くらいかけて見つかればいいかなくらいに、僕は思ってたんですよね。
──仮に3人になって1年とか2年でギタリストを入れていたら、前の形に戻るっていう──
Shun:そう!
──そのニュアンスが強くなるけど、これだけの期間やり抜いて作品も出してきた土台がある上に、もう一つの要素としてギタリストが入るとなれば、次の姿になっていくための変化なんだとイメージもしやすくなりますね。
Jose:そうですね。作品面も含めて。
Jose(Vo/Gt)
──それが当初の想定よりは早く、Q汰さんに白羽の矢がたった経緯としては?
Bunta:ツアーがあったから、一旦その話は止まっちゃってたんですよ。で、俺はドラムのレッスンをやってるんですけど、その生徒からQ汰のやってるバンドのドラマーが辞めるって話を聞いたんですよ。
Shun:Q汰の存在は知ってたし──
Jose:なんなら最初に4人になるとしてどういう奴がいいかなって話した時に、俺はQ汰って言ってたんですよ。
Q汰:そうなんですか!?
Jose:そう。でもその時はBubble Babyをやってたから、バンドマンを引き抜くのは嫌だって話になってて。
Bunta:まだやりたい熱量がある奴らを横取りするのって嫌な感じになるから、一旦は拒否ったんですけど。ドラムが抜けるならガンガン活動はできないだろうし、一回声かけてみようかって話を機材車でして。
Jose:昔からちょこちょこ飲んで遊んだりもしてたんで、「元気? 久々に飲みいこうぜ」って誘って。「最近どうなの?」って聞いたら、「いやあ、実はバンドが完全に止まっちゃって」みたいな。年齢的にも30手前になってきて、どういうふうにバンドと向き合ってやっていくか考えたほうがいいのか?っていう、ちょっと悩み相談みたいになってきて。「でもバンドやりたいんでしょ? ギター弾きたいんでしょ? じゃあ……」と(笑)。事情を説明する前に「俺たちも色々と試していかないととは思ってて、でもそれを同期に頼むのはさぁ」みたいな話をしたら「いや、全然俺弾けますよ、やりますよ!」って。「実はその話をちゃんとしたくて」「マジすか!!」で、飲みすぎてギター弾きたくなって帰っちゃったんですよ(笑)。
Q汰:本当に突然、2年ぶりとか3年ぶりに「いついつ空いてる? 久しぶりに飲みにいこう」って呼ばれたから、俺は怒られると思ったんですよ、何かやったかな?って(笑)。で、行ってみたらギターを弾いてみないかっていう話で。僕もバンドや音楽自体をやめるかっていうタイミングで、なんとかギターをステージで弾く方法はないかなってずーっと考えてる中で話が来たので、もうやらないわけないというか。余裕でイエスだし、もともと僕はめちゃくちゃTOTALFATのファンで、今でも高校の頃と同じテンションで聴いてるんですけど、それって同世代だと間違いなく俺しかいないんで!
Bunta:へっへっへ。
──そして居ても立ってもいられなくなって帰ったと(笑)。
Q汰:はい。「すげえ! 早くギター弾きたい!」ってなって帰っちゃいました(笑)。
Shun:で、後日スタジオに入ってみたら、ギターのギグバッグからドンって出てきたのが、あの頃買ったボロボロのTOTALFATの楽譜だったんですよ。
Bunta:ちゃんと茶ばんでたもんね。
Q汰:高校生の頃に買って、それを見ながら練習してきたので。
Q汰(Gt)
──めちゃくちゃ良い話じゃないですか。
Shun:で、とりあえず合わせてみたらもう「OK!!」って(笑)。
Q汰:俺としては合ってるか合ってないかもわかんないまま、「あー良いね良いね、次行こう」みたいな感じでバンバンやっていって、気づいたら5〜6曲通してた、みたいな。
──もう染み付いてる曲たちって感じでした?
Q汰:えっと、耳には染み付いてて、手には全く染み付いてないなっていうところで、Joseさんから話をいただいてからスタジオまでの間にめちゃくちゃ詰めました。
Shun:さすがにこいつは今日のリハのためじゃなく、人生で聴き込んできたなっていうのが、プレイでめっちゃわかるんですよ。ソロのチョーキングのスピードとか、どこまで上げて戻るかとか、ディテールが本当にKubotyなんですよね。でもそれはKubotyに近づけたいって気持ちでやってるんじゃなくて、自分が好きなTOTALFATのフレーズを脳みそと身体が追いかけてるからで。
Q汰:そうそうそう!
Shun:もしたとえば俺がブリンク182に入るとしたらここをこうする、身体がこう動くだろう、っていうようなレベル。それがめっちゃ嬉しかったです。それこそさっき言ってた、俺たちがもらったDNAを受け継いだバンドマン、クリエイターが、ついにこのスタジオに来た!っていう。
──じゃあ即決だったんですね。
Shun:即決でした。Q汰がけっこう弾けるのは動画とかでも観てたから、テクは間違いないし、あとは人間性とプレイに対してどういう感覚を持ってるかだった。それってちょっと合わせたらわかるから。
Bunta:TOTALFATのリードギターは、やっぱりギター小僧じゃないとダメだと思うんですけど、ギター小僧型だもんね?
Q汰:はい。もう、ギター大好きっすね。
Shun:もう一個の武器としては、客観的にみたTOTALFATのカッコよさを知っているっていうところはデカいなって。
──ああ、なるほど。
Jose:俺らじゃ絶対できないからね。
Q汰:僕が関わるようになってから、よく「ファンだったらこういう目線で見てましたよ」みたいな話もけっこうするんですけど、やっぱりその感覚って3人にはないんで、そこは今後も参考にできるんじゃないかと思いながら。長年ちゃんとファンやってきてよかったなと思います(笑)。
──カッコいいのはここっすよ、先輩!みたいな。
Shun:「わかってないなぁ!」って(笑)。
Q汰:いまTOTALFATを好きでライブハウスに観に来てるお客さんと、俺がいちばん近いと思うので。その感覚がうまくチームに共有できたらなと思ってます。
Shun:あとはまさかの、仕事が映像クリエイターっていう。
Q汰:あ、そうです。普段やってる仕事が映像なんで、それもめちゃくちゃ使っていけたらと思います。
Shun:3人になってからロクにMVも作ってないからね。
Jose:そうそう。
Shun:そういうクリエイティヴな面もあるし、すげえノリが良いしバイブスも高くて俺らに近いというか。もちろんまだ後輩っぽさがすごくあるから、お互い探り合いながら一歩ずつ進んでいきたいんですけど、もっと対等な立場でバンドをやれるところまで来てほしいなと、俺は思ってますね。
TOTALFAT
──まずはサポートではありますけど、精神的にはメンバーに近いというか。
Shun:そうですね。
Bunta:アー写とかも含め、あとはテイ的な話だけだと思うんで。どっかで正式に入るっていうことでイベントか何かするかもしれないですけど、気持ちとしては──
Shun:正式の気持ちで迎え入れようと思ってます。
Q汰:僕もそうっすね。昨日Buntaくんだけにちらっと話したら「あー、それ面白いからインタビューまで2人には言わなくていいよー」って言われたんですけど……俺もここ数日いろいろ考えて、やっぱ3人の本気が一緒にやるようになってからめちゃくちゃ伝わってくるから、一発目のライブを想像した時に、俺が名義上とはいえサポートという立場で立ちたくないなと思っちゃって。
──うん。
Q汰:やるんだったら正規のメンバーとしてやる方が、自分としてもTOTALFATとしても良いんじゃないかなっていうのは、実は考えてます……考えてるっていうと迷ってるみたいなんで、そのつもりです。
Shun:初めて聞きました(笑)。でも嬉しいっすね、うん。
Bunta:やっぱTOTALFATのギターとしてKubotyを追っかけるとかそういうことだけじゃなくて、ちゃんとQ汰を花形のヤバいギターヒーローにまで仕立て上げるぐらいの気持ちでお互いやっていけたら、また新しい楽曲も生まれると思うんですよね。
TOTALFAT
──新体制のお披露目が4月頭、『UTAGE MATSURI PARTY』です。当日をこんな日にしたい、こんなライブになりそうだ、みたいなこともあれば。
Q汰:僕はTOTALFATでギターを弾いてる夢を高校生の頃から見てたんですよ。っていうのは、寝てる時に見る夢の方。少しずつそのデジャヴみたいなものが近づいてる感覚があって。音楽を諦めようかなと思った瞬間もあったんですけど、ここまで諦めずにやってきて本当に夢が叶う直前まで来てて、シンプルにいま諦めなくてよかったなって思ってます。たぶん、来てくれるお客さんにも俺みたいな人はいっぱいいると思うんですけど、その人たちにいちばん力を与えてあげられるかなって。俺も諦めなかったし、みんなも諦めないでほしい、っていう気持ちがめっちゃライブに出ると思うし、そういう気持ちで臨みます。
Shun:Q汰が2024年3月20日に俺に送ってきたDM、「一生で一度で良いので、TOTALFATで1曲弾くのが夢なので、それまで死ぬ気で練習します」。
Q汰:あ、いま鳥肌立ったわ、俺そんなの送ってたんだ。
Shun:死ぬ気で練習してください!(笑)
──Joseさんはどうですか。
Jose:TOTALFATにしか呼べない面白いメンツが揃ってくれたなって。異色だけど俺らの中では仲間だと思ってるバンドばっかりなんで、来たお客さんから「やっぱTOTALFATのイベントって最高だわ」って言われるような空気は絶対作れると思うので。25周年のファイナルとしての姿を見せつつも、新生TOTALFATの初ライブっていう、いろんな思いが詰まっちゃってるんで、気持ちの渋滞だけしないように楽しみたいと思ってます。
Bunta:Zeppの2Daysってことで、2日とも俺ら的にちゃんと考えて、タイムテーブルとかも含めて自分たちがやってきたことを表現できるような並びになってるんで。来てくれたら絶対に楽しませられるし、ここから4人になることで、全バンドにもう一回殴り込みをかけるじゃないけど、今の俺らヤバいぞっていうのをちゃんと証明して26年目に向かえると思うんで。そこを一緒に共有できたら嬉しいなと思ってます。
Shun:『UTAGE MATSURI PARTY』はこれからも続いていくイベントとして名前をつけて立ち上げて、今回はこのメンツを揃えさせたもらったんで、告知の段階からまずすごく良い狼煙が上がったと自信を持ってます。2日間で内容もだいぶ変わりますけど、そこへさらに4人のTOTALFATの初陣っていう付加価値が乗っかってきてて、TOTALFATがこれからやっていくことの覚悟やステイトメント的なものを伝えられると思ってるんですよ。あとはこの2日間に出ると決めてくれたバンドと、TOTALFATのファンに対する誠意を、演奏に乗せて伝えたいなって。まだまだ行くぞっていうところが見えると思うんで、頑張りたいです。
取材・文=風間大洋 撮影=大橋祐希
TOTALFAT
イベント情報
4月4日(土) Zepp DiverCity (TOKYO)
OPEN 11:30 / START 12:30
TOTALFAT
9mm Parabellum Bullet (NEW!!)
THE BAWDIES (NEW!!)
Dragon Ash
SCAFULL KING
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
グッドモーニングアメリカ
山嵐
HERO COMPLEX
OPEN 11:00 / START 12:00
TOTALFAT
SHADOWS (NEW!!)
FOMARE (NEW!!)
キュウソネコカミ
dustbox
マキシマム ザ ホルモン
Wienners
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
HAWAIIAN6
四星球
Northern19
MEANING
1F ¥6,600-(税込)
2F ¥8,800-(税込)
※2日通し券無し
ツアー情報
w/ENTH
w/Wienners
w/KNOCK OUT MONKEY
w/かずき山盛り
w/BACK LIFT
w/Northern19
OA: Sketchy