OddRe:が初ワンマンで感じさせた急加速するバンドの現在地と、予測不能なミクスチャーミュージック
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OddRe:
『OddRe:showcase LIVE“TAPE:C-46”』2026.02.05(thu)SHIBUYA WWW X
新しいバンドに接する時ほど楽しい事はない。それが初ワンマンならなおさらだ。2月5日、SHIBUYA WWW Xで開催された『OddRe:showcase LIVE“TAPE:C-46”』。フロアはパンパン、お披露目の晴れ舞台は整った。
OddRe:
強力なハウスミュージックのSE、全面スクリーンに映し出されるカラフル映像から、ジャンクな質感とストリートの匂いをまとったポップセンスが溢れ出す。カセットテープのアイコンもポップでレトロ。大歓声を浴びて登場したバンドが、イントロなしでいきなり歌いだす。曲は「東京ゴッドストリートボーイズ」。昨年11月リリースの初EP『THE GOLDEN PROTOTYPE.』のクロージングチューン。したたかなファンクビート、うねるベース、ツボを押さえたカッティング。そして何たって、しなやかでパワフルなボーカルのド迫力。新人離れ、おまけにJ-POP離れした、レトロで新しくてファンクでロックなミクスチャー。ボーカルはAirA、ベース・ボーカルのユウキ サダ、ギターとコンポーズ、トラックメイクのSOI ANFIVER、プラスサポートドラム。みなぎる自信と若さがステージからほとばしる。
AirA(Vo)
2曲目「shiori」もEPの中から。AirAがウクレレを弾きながら歌い、SOIがパッドを叩き、リズム隊が軽快なシャッフルビートを刻む、愛らしい曲。ボーカルも優しく柔らかく、切ないメロディを丁寧に歌う。1曲目とはまるで別のバンドみたいだ。「調子はどうだい? 今日は最後まで楽しんでください」と、ちょっと気取った調子でAirAが呼び掛ける。続く「CRASH OUT!!!!」はディスコビートにファンクを混ぜて、激しくソウルフルなシャウトをトッピングしたダンスナンバー。SOIが「飛べるよな!」とフロアを煽り、全員ジャンプの勢いで床がぐらぐら揺れる。ストロボライトを使ったモノトーンの演出がかっこいい。
ユウキ サダ(Ba/Vo)
今のジャンプすごかったねとAirAが言うと、「まだまだ足りない!」と声が飛ぶ。こっちもカロリー使うんだよとSOIが返すと、何抑えてんだよ!と野次が飛ぶ。「うちのファンはイキがいいんだよな」とSOIが笑う。こんなにフロアに活気のあるライブは久々だ。型にはまった盛り上がり、エンタメを受け取るだけのライブが目に付く昨今、それだけでもOddRe:のライブには価値がある。歌とは真逆、しゃべると途端にふわふわするAirA。クールさと親しみやすさが同居した、マイペースを崩さないサダ。フロアを統率しながらも周囲への目配りを欠かさない、愛すべきボスキャラのSOI ANFIVER。三者三様に華がある。
ここから2曲は「未発表曲」だ。1曲は、水の音と虫の声の幻想的なイントロと、たおやかなアコースティックギターのループが印象的な、メランコリックミドルチューン。フードを深くかぶって歌うAirAの、R&Bスタイルの繊細なボーカルがいい。もう1曲は、AirAがエレクトリックギターを弾く、80’sニューウェーブ風のストイックな質感のダンスロック。徐々に熱気が高まり、サビで切なさが爆発するボーカルのド迫力。音楽的に引き出しの多さと深さに恐れ入る、恐るべき新人バンド。
SOI ANFIVER(Gt/Comp/Trackmaker)
「ここにいる人、みんな私たちのこと好きだから。怖がることないよ。何してもいいよ」(サダ)
「イヤホンを外してライブに来て、みんなで同じ音を浴びる。今の時代にそんなことにお金を払える、みんなみたいなバカヤローが俺は大好きです」(SOI ANFIVER)
今年はライブやりまくるから。ヤバイことするから――SOIの煽りに応える怒号のような大歓声。曲は『THE GOLDEN PROTOTYPE.』の中から「ai my me」。端正なヒップホップトラックと生バンドの融合が、ゴスペル的なおおらかな一体感を生み出す曲。指弾きで太いビートを刻むサダ、ストイックなカッティングで音空間を広げるSOI、「歌聴かせてよ!」と呼びかけて、全員参加のコーラスをリードするAirA。そしてラストは「FEVER TIME」、現時点でのOddRe:を代表するヒットチューン。グラマラスな歪みギターがリードするアッパーなダンスロックに乗せて、盛大なクラップとコーラスがステージの上と下を一つにする。たった7曲、されど7曲。バンドの巨大なポテンシャルを測るには十分な、全力疾走の7曲。
AirA(Vo)
そしてアンコール。スクリーンにでかでかと映し出された、「2月18日メジャーデビュー」と「7月にワンマンツアー開催」のビッグニュースに、今日一番の歓声が湧いた。そして演奏されたメジャーデビュー曲「Revival」は、ハードロックなギターリフと疾走感、マイナー調のキャッチーなメロディ、パワフルなボーカルの凄みを兼ね備えた、挑発的ロックナンバー。これまで以上にストレートでダイナミックな曲調で、OddRe:はメジャーシーンに討って出る。賽は投げられた。
熱烈な拍手と歓声に応えて手を振る、笑顔溢れるエンディング。新旧ロックを中心にボーダーレスに広がる音楽性と予測不能なミクスチャーミュージックを武器に、最短距離でてっぺんを目指す。OddRe:の今後に絶対注目だ。
取材・文=宮本英夫 撮影=小杉歩
OddRe:
セットリスト
2026.02.05(thu)SHIBUYA WWW X