「アクティブデトックス」で取り戻す、自分だけの時間ーークラシック音楽と共鳴し感性を満たすワイナリー6選
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Z世代を中心としたデジタルネイティブ世代の視線はいま、アナログなものへと向いている。単にスマホを置くだけでなく、時間やお金を使ってデジタルデトックスをはかる「アクティブデトックス」や、オススメに頼らない購買行動「自分探し消費」が新たなトレンドに。あふれる情報から距離を置き、自分の心のままに過ごす時間が、現代で最も贅沢な体験と言えそうだ。そんな上質なひとときを彩る趣味として再注目される趣味のひとつが、クラシック音楽だ。そこで今回は、クラシックと相性の良いワインにまで視野を広げ、芸術に造詣の深いシャトーや、そこで生まれた逸品を一度に試せるイベント『2026 リカマンワインフェスタ in OSAKA』を紹介。楽曲やワインが生まれた景色を思い浮かべ、人生に美しい“余白”を描き出してみては。
ワインと音楽の幸せな関係
クラシック音楽を鑑賞する醍醐味は、“現在”という時空間の中で作曲家たちが生きた情景やその時の感情に想いを馳せつつ、悠久なる時の流れに身を委ねること。「音楽とワイン」———もちろんその幸せな関係性には、音楽が発する波動や周波数などの科学的根拠が存在するに違いない。しかし何と言っても、時間をかけてゆっくりと熟成されたワインを楽しむ喜びそのものが、この醍醐味と共通するものがあるように感じる。
「馥郁たる香りや時の経過がもたらす余韻、そして自らの思いによってもその熟成度の感じ方が違ってくるなど、“余白”にこそ感じるものがある……」という点においても、また、音楽とワインは同様の魅力を湛えている。作曲家たちは我々が感じている時間軸の遥か遠くにある偉大なる最終地点に思いを馳せ、そしてワインの造り手たちも、“熟成”という妙なる化学反応にすべてを委ね、ワイン醸造や創造的作業に励んでいることだろう。
「音楽とワイン」という切り口でワインの魅力にアプローチしだすと枚挙に暇がないが、俯瞰してみると、意外に数多くのシャトーが“音楽”というものにフォーカスしていることがわかる。その中でも、今回は6つのシャトーやワイナリーをピックアップしよう。
クラシック音楽と関係性が深いワイナリー
ハッピーポメリー(左)とポメリーのカーヴ(右)
世界の名だたる銘柄の中でも、“音楽とともにあるライフスタイル”を大切にしている国内外のシャトーの逸品は数知れず。(フランス語で畑を意味する「シャトー」。ワイン用語では、ボルドー地方で栽培から瓶詰まで一貫して行う生産者のこと)例えば、フランスの代表的なシャンパン生産地であるランスを代表する「ポメリー」は、カーヴ(地下貯蔵庫)の巨大な空間と独特の音響を活かし、クラシック音楽の演奏会場として公式に空間を提供している。ランスが誇る世界的なクラシックの音楽祭『Les Flâneries Musicales de Reims』の主要スポンサーとしても自社カーヴ内でプロのオーケストラやソリストたちに演奏の場を提供している。
テンポ・ダンジェリュス(左)とシャトー・アンジェリュスの内観(右)
「シャトー・アンジェリュス」は、周囲の3つの教会が鳴らす「鐘の音」が聞こえる場所にあったことから「アンジェリュス(祈りの鐘)」と名付けられた。「テンポ・ダンジェリュス」のパッケージに鐘のイラストが施されているのも納得だ。現在、シャトー内には「世界一美しい」と称される特注のカリヨン(組鐘)が設置され、訪問者の国歌やクラシックの名曲を奏でているのだそう。
ダイヤモンドコレクション(左)とフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー外観(右)
オーナーとその父が『アカデミー賞』を親子同時受賞したという目を見張るワイナリーもある。オーナーのフランシス・フォード・コッポラは、映画史上最高傑作とうたわれる『ゴッドファーザー』の監督であり、父のカーマインも同作で作曲を務めたプロの音楽家。ワイナリーでは彼が愛用した楽器や楽譜が展示されている。ここでいただく「ダイヤモンド・コレクション」は絶品だろう。
アマリアシャルドネ(左)とパルマッツ・ヴィンヤード(右)
カリフォルニアのナパに本拠地を置く「パルマッツ・ヴィンヤード」のオーナーのパルマッツ家。醸造設備に「音響エネルギー」の概念を取り入れた画期的なワイン醸造の研究で知られている。かつてモーツァルトの音楽を聴かせて熟成させたワインなどが日本でも話題をさらったが、「音響エネルギー」の力を科学的に生かしたワイナリーによる、「アマリアシャルドネ」など極上のワインの醍醐味をじっくりと味わってみたい。
アップルワイン(左)とニッカウヰスキー創業者の妻・竹鶴リタ(右)
国内勢も負けてはいない。ニッカウヰスキー創業者の妻・竹鶴リタは、スコットランドで声楽を専門的に学んだ音楽家だった。今でも彼女の功績を称えた音楽イベントが開催され、その場では彼女の故郷や歴史にちなんだ「アップルワイン」や「シードル」が公式飲料として振る舞われているという。
シャトー・ラグランジュ (左)とクラシックコンサート(右)
東京にあるクラシック音楽ホールの殿堂・サントリーホールを運営するサントリーもワインを展開。ボルドーに位置する「シャトー・ラグランジュ」は、シャトーの敷地内で定期的にクラシック音楽のコンサートを主催している。サントリーホールで開催される「音楽×ワイン」の特別講座などでも同シャトーの銘柄が広く紹介されており、音楽と日本・フランスを繋ぐ重要な役割を果たしている。同社はもちろん国内の自社ワイナリー・サントリー フロムファームにおいて「登美の丘」や「塩尻メルロ」などの銘柄も生産しており、毎年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演などの際、楽団員への贈答品や公式レセプション等にも用いられているという稀少価値の高さも逸品級だ。
ワインラバー垂涎の大イベント
先に挙げた6銘柄のワインがすべて試飲できるイベントがまもなく開催される。3月1日(日)、帝国ホテル大阪 3階 「孔雀の間」に、全国各地のシャトーやワイナリーが一堂に会する『2026 リカマンワインフェスタ in OSAKA』だ。「ワインの試飲イベントなら、どこでも開催されているのでは?」と思われるかもしれないが、『リカマンワインフェスタ』は一味違う。
過去開催時の会場の様子
全国202店舗の酒専門小売りチェーンを展開する「リカーマウンテン」が取り扱うワイン8,000種類の中から世界の様々な地域の約500種類の銘柄より、選りすぐりの銘柄をのみ厳選して出品するというゴージャスな内容なのだ。メーカーやインポーター側も、当イベントの際には毎回、最良のラインナップを惜しみなく提供するとあって、通常「リカーマウンテン」が取り扱っていない銘柄までもが出品されることも多々あるという。赤・白・シャンパーニュも含め、貴方・貴女が望む最高の銘柄に出合えるに違いない。
過去開催時の会場の様子
「ワインのあるライフスタイル」再発見
同イベントでは気の置けない仲間たちとグループで楽しく語り合いながら試飲を楽しむのもいいだろう。ラテン語で「Vino Veritas(ワインは真実を語る)」というように、互いのありのままの感情や思いをぶつけあって語り合うのも良し、一人で粛々と味わいを深めるひとときとしても、もちろん良し。いずれにしても、これだけの上質なワインたちを前にして、ワインのあるライフスタイルがどれほど豊かであるかということを改めて感じられる良い機会になることだろう。
デジタルデバイス全盛の昨今、暇さえあれば目がデジタル画面に行ってしまい、タイムラインに流れているインスタント情報を取り込むことに精一杯になってしまう私たち。日々の生活の中で、ほんの少しでもワインをゆったりと味わうことの悦びを一つのきっかけとして、今ある時の流れをしっとりと感じつつ、ワイングラスをかたむけながら、より自分自身と対話する時を楽しんでみてはいかがだろうか。
文=朝岡久美子