ハク。が地元大阪から世界に知らしめるーー若者たちが挑み、新たな旅へと出航を果たした東名阪クアトロツアーファイナルをレポート

2026.3.23
レポート
音楽

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ハク。『GO-東名阪クアトロツアー編-』2026.3.13(FRI) 大阪・梅田CLUB QUATTRO 

ハク。の東名阪ワンマンツアー『GO -クアトロツアー編』。3月13日(金)、地元である大阪の梅田CLUB QUATTROでファイナルを迎えた。初の東名阪クアトロツアーであり、最大キャパへの挑戦でもあったが、見事にソールドアウト。この日、会場には生配信のカメラも入っており、開演前から観客の目撃願望による熱気と興奮に包まれていた。

Geowulf「Saltwater」が流れて、あい(Vo.Gt)、カノ(Ba)、なずな(Gt)、まゆ(Dr)の4人全員が黒の衣装で登場する。いつものようにドラムの前に全員が集い、静かに気合いを入れていく。1曲目「頭の中の宇宙」から、カノとなずなが両手を高く掲げてハンドクラップを促す。ライブが始まったばかりならではの音を掴んでいく様子もあるものの、何にも動じないかの如く明るく笑顔を振りまく。全員同学年で二十歳を少し過ぎたばかりの若さながらも、高校生時代からキャリアがあるため威風堂々に感じる。

続く「南新町」では、しっとりと聴かせていき、あいが<叫べ叫んでよ ゆけよゆけよ>と歌ったところで一気に弾けて広がっていく。「あいっ!」でもハンドクラップを促し、そこに「あいっ!」という可愛いコーラスの声が合わさっていく。大舞台であるにも関わらず、笑顔で落ち着き払って、観客に対峙する姿は、5年前の初期からライブを観ている身からすると頼もしくてたまらなかった。そして、まゆのドラムによるリズムが心地よい「夢中猫」。音を鳴らすことへの楽しさが伝わってくるし、<今はもうニャンでも出来そうだ>という言葉で〆られるのも何だか嬉しかった。

この日、1回目のあいによるMC。今日は配信があるので、ここにいる人だけが全てじゃないということへの驚き、それから色々な人に出逢って色々な人に届けるという自覚を宣言するようなMC。何気ないMCからもタイトさとシャープさがうかがえる。カノのベースによる始まりが期待を募らせる、誠に良い「ナイーブ女の子」。あい・カノ・なずなが夢中にがむしゃらに弦を弾く姿が気持ち良さそうで、観ているだけで惚れ惚れする。天井で回るミラーボールも綺麗である。そのまま、まゆの力強いドラムカウントから「奥二重で見る」。この日は、特に4人それぞれの演奏が熟してきているのがわかり、だからこそのバンドの一体感なのだと納得する。同じく「ふわ輪」も、やはりドラムが力強い。

「楽しい?」

あいから観客への問いかけ。楽しいことが1番目だが、みなさんの自由と2番目の感情を観客に委ねるところも良かった。寝たかったら寝たら良いし、叫びたかったら叫んだら良いし、ただ脱ぐのは止めて欲しいなどという小粋なジョークもこれまた良い。で、早いドラムカウントから、3人がドラムに向かって重厚感ある音をゆっくりじっくりと鳴らしていく「無題」。メンバーは白く照らされて神々しさすらある。<今日も生きる>という叫びが胸に刺さってくる。ざくざくとしたあいのギターの音像にも胸がざわつく。

「第六感」は柔らかく可愛い歌だが、まゆのドラムが重要な起点になっている事にも改めて気付く。「直感way」では、またもやカノとなずによるハンドクラップの促し。それは決して予定調和や紋切り型やマニュアルでは無く、もはやひとつの様式美であり、絶対的に必要な感情の呼び起こしでもある。兎にも角にもハンドクラップが似合う曲。つまりはリズムを取りたくなる曲なのだ。自然に誘われた「自由のショート」は、浮遊感がありトリップ感のある曲。冷たいひんやりとした感触であり、淡々と飄々としている。この地に足が着いて音を奏でるのが、ハク。の魅力であり醍醐味であり真骨頂でもあるのだ。

「MC、ここ考えてないのさ。フリータイムなのさ」

あら、そう手の内ばらすのねと思っちゃうも、考えながら喋るたどたどしさが決してイヤではなくて。純粋さを感じるし、大事なクアトロのツアーファイナルで考えていなくてフリータイムと言い切る強さに本物を感じてしまう。

「私の栄養になる日。みんなの栄養になって欲しい日」

という言葉の選び方は非凡としか言いようがない……。簡単にスターやヒーローやヒロインという言葉を使ってはいけないと思っているが、完全に選ばれた人の言葉であった。「私、明るくなれた気がする」とあいは言っていたが、完璧に何か殻を突き破っている。「みんなも話したいことあると思うけど、私が代表なので」と自らリーダーを背負う姿も格好良かった。ハク。は4人によるものだが、あいがハク。を背負って引っ張らなくてどうするとも思うし、見事に背負って引っ張っていた。今日一日への有り難うという感謝を述べた後に、「忘れませーん!」なんていう放り投げる様なまとめもニクい。

赤く照らされたライトの中、あのブリブリしたローファイ感もあるバンドサウンドが聴こえてくる「なつ」。なつソングなのに、なつ過ぎないのもハク。独自のもの。そうハク。は浮かれていないから信頼ができるのだ。そのまま「dedede」が悪い音で鳴らされる。可愛らしい女の子たちなのに、単なる優等生では無い悪いロックの音を鳴らせるギャップが何とも言えない。光が点滅するフラッシュ……、目がくらむ……。声も音も跳ねていく、ビートもリズムも走っていく。心身ともにハク。に身を委ねられる。

「回転してから考える」では、丁寧にリフを繰り返して、4人全員で音を真摯に紡いでいく。「回転してんだベイべ」で観客は一気にタオルを振り回す。普段、観客がタオルを振り回すという動作に何か特別なことは感じないが、この曲でのタオル振り回しには必然さしか無くて、自分もノートとペンを投げ出してタオルを振り回したくなる。抑えきれない衝動が、そこには確かにあるのだ。

回転してギアが入りまくった中、あの切り裂く様なギターが鳴らされる。ベースは唸り、ドラムが叩き込まれていく、「それしか言えない」。言葉が速くなっていく。若き叫び。眩い光。1回のライブで、こんなに神々しさを感じることは稀有過ぎる。ここでは良い意味で4人に笑顔がない。かかってる。憑依してる。挑んできている。目の前の観客とか、そういうレベルではなくて、もっと大きな目には見えない何かに、ハク。は挑んでいる。最後のギター歪みまで浴びまくる。止まることなく、ラストナンバー「世界」へ。「世界は変わっていく」と歌われる。<戻りたいのさ><戻れないのさ>ときて、<戻らないっ!>と断言する凄まじさ。潔い姿勢に痺れるのみ。

アンコール。ツアーグッズのTシャツを着たり、ナップサックを背負ったり、いつものように4人がしゃべっている。無邪気な女の子たち。さっきまでの才能ほとばしりまくった4人とは、まるで別人のようだが、リアルな両面が良いのだ。この振れ幅が人間らしいし、それが人間離れしたライブへと繋がっているのだろう。8月9日を始めとするハク。の日の告知もするが、数年前までライブハウスに観客ひとりなんて状況があったとは信じられない成長ぶり。

「今日が一番人間ぽい感じするわ」

4人の空気感に対して、あいが明かす。さっきも書いたばかりだが、人間離れした超人の凄さがあるのに、やはり人間のチャーミングさを感じてしまうし、何よりも愛らしい。アンコール1曲目は、ちょうど5年前の初期中の初期曲「BLUE GIRL」。きらめくポップナンバーだが、5年経って、よりきらめいているし、よりポップになっている。アンコールラストナンバー「僕らじゃなきゃだめになって」。ポップと対になるコアが根っこに潜むナンバー。どっしりとしている。ハク。の核を魅せつけてくれる。

<愛しい>

そう歌われる言葉だが、それはハク。に対して、僕らが感じる言葉でもある。

約1時間30分のライブ。あっという間であった。初の東名阪クアトロツアーはソールドアウトという現象も含めて大成功であったが、逆に始まったばかりという気がする。ようやく5年かけて、ハク。という才能が世界に知られてきた。ここからが新しい旅。ハク。という素晴らしき船は出港したばかりである。

取材・文=鈴木淳史 撮影=toya

セットリスト

ハク。『GO-東名阪クアトロツアー編-』
2026.3.13(FRI) 大阪・梅田CLUB QUATTRO 

<SET LIST>
01. 頭の中の宇宙
02. 南新町
03. あいっ!
04. 夢中猫
05. ナイーブ女の子
06. 奥二重で見る
07. ふわ輪
08. 無題
09. 第六感
10. 直感 way
11. 自由のショート
12. なつ
13. dedede
14. 回転してから考える
15. それしか言えない
16. 世界
 
EN1. BLUE GIRL
EN2. 僕らじゃなきゃだめになって

ライブ情報

ハク。の日 -大阪編-
日時 2026年8月9日(日) OPEN 17:00 START 18:00 
会場:心斎橋BIGCAT
 
ハク。の日 -東京編-
日時 2026年8月18日(火) OPEN 18:00 START 19:00 
会場:恵比寿LIQUIDROOM
 

料金:¥4,500 ※各公演別途ドリンク代がかかります
◆オフィシャル先行
受付期間:受付中~2026年3月29日(日)23:59

リリース情報

EP「世界」
発売日:2026年3月4日(水)
品番:PPTF-8194
税込価格:¥1,650 税抜価格:¥1,500

<収録曲>
M1. 世界
M2. 夢中猫
M3. ふわ輪
M4. それしか言えない
 
各サブスクリプションはこちら
https://tf.lnk.to/SekaiEP
 
※タワーレコード店舗、タワーレコードオンライン、ライブ会場限定発売
タワーレコード予約サイト:https://tower.jp/article/feature_item/2026/01/08/0701
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