結成10周年のRe:name、思い出の地で軌跡を振り返るーー「全てを出し切った」フルアルバム『1626』を携え、キャリア初のクアトロ東名阪ツアーへ

2026.3.23
インタビュー
音楽

Re:name 撮影=浜村晴奈

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大阪・北摂発、高木一成(Vo)、Soma(Gt)、ヤマケン(Dr)からなる3ピースバンド・Re:nameが、3月25日に結成10周年を迎え、同時にフルアルバム『1626』をリリースする。中学や高校の同級生から始まった彼らの10年間を振り返るインタビューの舞台は、茨木市を流れる安威川の河川敷。彼らにとっては地元で、高校生の頃にカバー動画を撮影した思い出の場所だ。阪急茨木市駅に3人が揃って降り立つのも久しぶりとのことで、メンバーは思わず「なつ〜!」「(地元でインタビューするのって)不思議やなあ〜」と頬を緩ませていた。そんな3人に、10年間の思い出や最新アルバム『1626』について、キャリア初のクアトロ東名阪ツアーについて、たっぷり話を訊いた。

写真左からヤマケン(Dr)、高木一成(Vo)、Soma(Gt)

懐かしの安威川の河川敷で振り返る、10年の変化

ーー10周年おめでとうございます! 続けていたら10年が経っていた、という感じですか?

高木:僕はそうですね。高校生の時にバンドを組んで、部活の代わりに熱中できたらいいなと思ってたんですけど、良い感じに続けることができて「10年経ったか〜」という感じです。

Soma:僕は誘われてバンドを始めて、しんどいことも全然あったんですけど、ずっと根底に「おもしろいな」という気持ちがあったので、10年続けてこられたのかなと思いますね。

ヤマケン:僕も基本的には同じです。バンドを組んだ時から10年後の今を想像してたわけでは全然なくて。本当に部活の代わりでやってきて、その度にやりたいことが新しくできて今に至ります。僕は就職先を選ぶ時も全部バンドありきで考えてて、気づけばバンドが自分の真ん中になってるなと思います。

ーーこの安威川の河川敷に集うのは高校生ぶりですか?

高木:リアルに言うと、コロナ禍の2020年ぶりやと思います。でもその時もだいぶ久しぶりやった。メインで来てたのは高校生の時かな。もうめっちゃ懐かしいですよ。

ーーSNSにアップするカバー動画を撮る時にやって来たと。

高木:そうですね。さっき思い出したんですけど「Forward」(2017年)という初期の曲のMVも一部ここで撮ったりして。「外で撮ろう」となったら、ここは僕らの1個目の候補に出てきた場所。みんなの実家から近くて、景色的にも抜け感があって。その時は何となく選んでましたけどね。

ヤマケン:多分外の方がテンションが上がるんだと思います。あとは高校生でお金がなかったので、スタジオを借りるよりも良かった。時間の制限もないし。

Soma:人もあんま通らんしな。

高木:向こうに見える、あの丸太みたいなのに座って動画撮ってたな。3人で自転車で来て、自転車にスマホを置いて。当時は撮影もMVの編集もSomaがiPhoneでやってましたね。多分SNSで「#リネイムカバー」で検索したら、今も見られると思います。当時着てた服が高校生すぎてやばい(笑)。

ーー見た目は大人になって垢抜けたけど、3人の関係性は全然変わっていないですよね。

高木:変わってないと思います。

ーーミュージシャンとしての成長や、内面的な変化はありますか?

高木:僕は音楽が生活の中心になってきたんですけど、それはコロナ禍で作曲をたくさんしたり、会社を辞めたりして、必然的に自分の中で「これが正解やな」というのがわかってきたから。僕は性格的に一気に大きな一歩を踏み出せるタイプじゃないので、結構考えて決断するんですけど、それでも高校生や大学生の時は学生生活ありきのバンド活動でした。その感覚はだいぶ変わってきましたね。

ーー仕事との両立から音楽中心になったら、意識も生活も変わりますよね。

高木:レールを外れた気分でしたね。Somaと出会ったのも小学校6年の塾だったんです。僕らの住んでた地域は、受験勉強をして進学校に行くのが正当なルートとされてる感じがあって。僕もそれが当たり前だと思ってて、学校や会社に片足を置きながらバンドをしていたのが、ここ2〜3年で一気に変わりました。

ーー音楽一本になって自由になったとか、熱中できる喜びはあったりします?

高木:めっちゃありますね。僕は人生において特に熱中してるのが作曲で、それが生活の真ん中になるのはすごく嬉しい。でもその反面、「何も思いつかなくなったら終わるな」という怖さもあります。今のところは楽しくやれてるので、理想に近づいてるなと思います。

ヤマケン:僕も最近、会社員を辞めたんですけど、音楽だけに絞った感覚はあまりなくて。「バンド1本こそが優等生だ」というニュアンスが逆にレールだと思って、反骨精神で就職したので。仕事をして「自分は書くことが好きなんだ」と気づいて、そこに時間を割きたくて仕事を辞めて。バンドや仕事のおかげで好きなことが明確になりました。

ーーヤマケンさんが本格的に作詞に関わりだしたのは?

高木:だいぶ序盤からですね。高校生の時の「アイデンティティー」(2018年)がヤマケン作詞の1曲目なんです。Re:nameでいうと3曲目ぐらい。でも制作の進め方は試行錯誤の中で徐々に変化しました。以前よりも僕はがっつりDTMを触り始めたし、僕1人で作るよりもラリーの数が多かったし。僕は歌詞をつける前に「フェイク英語」と呼ぶ「英語っぽいけど英語じゃない、ふにゃふにゃした言葉」で曲を作るんですけど、それをヤマケンにも送ったり、送るものを変えてみたり、曲を良くするために色々試しましたね。

ーー今はベストな形が定まってきましたか?

ヤマケン:回を重ねるごとに定まってる感覚です。それもバンドを始めた時と同じで、1番最初に歌詞を書いた時は何の目的も意図もなかったんです。「俺も何かやらしてやー」みたいなノリで書いたのが「アイデンティティー」で、書いてみたらめちゃくちゃ楽しくて。ただ、我を出したいわけでは全くなくて、大前提、一成が作る音楽にリスペクトがある。でも書くのは好きだし、どうしたら両立できるんだろうと思った上での模索でした。最初は自分が歌詞を書くと邦楽っぽくなるというか。自分が歌詞を書くことで一成が作る音楽をより強められたらいいなと思ってるのに、こっちに引き寄せてるのは違うなと思って。今は一成の「フェイク英語」の空耳をベースに歌詞を書いてるんですけど、そうすることで一成の洋楽的な部分を残したまま歌詞を書けることに気づいて。毎回ブラッシュアップして、最新が1番良い感じです。

ーーSomaさんは音楽活動に対して変化はありましたか?

Soma:僕は根底にずっと「おもしろいことを優先してやりたい」という気持ちがあって、そこは10年前から変わらずやれてるのかなと思いますね。ただストイックになる部分は年々増えて。楽曲制作であれば「どんなアプローチをしたら1番曲が良くなるか」をより考えるようになったと思います。「こんなもんでいいか」がない。ちゃんとこだわり抜くようになりました。

ーー最近は高木さんがデモで9割作った状態でお渡しするそうですが、そこにSomaさんとヤマケンさんのこだわりがプラスされて完成していくんですか?

Soma:そうですね。でも一成のデモの段階でほぼ完成はしているので、僕は最終的に綺麗に整えてベストな状態で返すことが多いですね。

Re:nameという概念をみんなで作り上げている

ーー10年でターニングポイントだったなと思う瞬間はありました?

高木:僕はFM802のヘビーローテーションですね。「prettyfine :)」が2023年3月度のヘビーローテーションになって、そこから色々変わったんです。Re:nameを代表するサウンドが見えてきたのと、その時期からライブが4人体制になって。僕がベースボーカルで3ピースでやってたのがピンボーカルになったので、曲の作り方も、ライブの姿勢や思考も変わりました。

ヤマケン:それも確かにターニングポイントだけど、僕にも個人的なターニングポイントがあります。実は僕は1回バンドを辞めようと2人に伝えた時があって、イオンモール茨木のコメダ珈琲でめちゃめちゃ長く喋ったんです。Re:nameはどういう形でやっていくか、Re:nameに対してヤマケンはどう関わっていくかを大きく話して、「そういう形なら光が見える」と僕も決心がついて。そこから軌道修正して、今自分が作詞する形になったりしてる。だから僕の中ではコメダ珈琲での話し合いが本当に大きかったんですよね。その後に「prettyfine :)」が出たりしました。

ーー良いお話です。Somaさんはいかがですか?

Soma:僕も802のヘビーローテーションです。あの辺りからライブでお客さんの反応が目に見えて変化した。地元の友達からも「ラジオで聴いたで」みたいな連絡がめっちゃきましたし、自分たちにとって大きなターニングポイントやったと思いますね。

ーー以前SPICEで『RADIO∞INFINITY』(2010年1月からFM802で生放送されているラジオ番組)の歴代DJ鼎談をさせてもらった時に、樋口大喜さんが「岸本(優二/ヘッドライン代表取締役。Re:name担当)さんと一緒に「prettyfine :)」でヘビロを獲れた時が1番嬉しかった」と言われていて。だからRe:nameは周りの人たちとワンチームで積み上げている感覚があります。

高木:チームが増えていくのは単純にすごく嬉しいですね。人に恵まれた10年でした。

ヤマケン:さっき、一成が9割デモを作って僕とSomaはそれをどう活かすかという話がありましたが、僕は3人だけのRe:nameというよりは、「Re:nameという概念」みたいなものだと思っていて。音楽の大部分を一成が占めていて、映像の部分をSomaが、アウトプットをどうするかという部分を自分が占めている。いろんな人が関わってくれて、Re:nameがどんどん大きくなってる感覚が嬉しい。みんなで作ってる感じがします。

ーーTRACK15やthe paddles、『電波無限大』(FM802の番組『RADIO∞INFINITY』から誕生した、Re:name、Bye-Bye-Handの方程式、CAT ATE HOTDOGS、the paddlesの4バンドによるスペシャルユニット)といった大阪の同世代バンドと一緒に上がっている感覚もありますね。

高木:同世代の仲間が多いのはすごく嬉しいです。みんながちゃんとステップアップしていってる。違うベクトルで挑戦する中で「僕らもこういうことをやっていこうと思ってる」と言えるし、言いたいなと思える。その輪の中にいれて僕は本当に幸せです。

ヤマケン:2〜3年前に、the paddlesやBye-Bye-Handの方程式とライブをやりすぎてるなと思う時期があって。仲が良いから組みやすかったんだと思うんですけど、当時は「それをやってたら全員で終わっちゃうんじゃないか」という気持ちがあって。たぶん他のバンドも思ってたと思う。僕らもそこからいち抜けたいと思って、彼らとの対バンを能動的に避けるようになって。そしたらお互いがお互いの場所でどんどんポジションを築いていって。1月に『LIVE TOUR 2026 “SIXTEEN + TEN』で、the paddlesとESAKA MUSEで3年ぶりにやったツーマンはソールドアウトしました。お互いポジションを築いた末に混ざり合っている今があるのが、カッコ良いです。

ーーライブは感無量でしたか?

ヤマケン:はい。ESAKA MUSEが埋まってること自体が感動的でした。

ーーthe paddlesと出会ったのがESAKA MUSE?

高木:そうです。初めて対バンした場所がESAKA MUSE。キャパが大きいけど若手バンドが出やすい場所なので、埋まってるところをなかなか見たことがなかった。僕らも自主企画でツーマンをやるなら、ESAKA MUSEで縁のあるバンドとやろうと。だからソールドアウトしたのも嬉しかったし、お互い自分たちの強みを見つけて変化して、それを最大限に活かした状態でツーマンをやれたのもすごく良かったですね。

Soma:あの日は昔をめっちゃ思い出して、1曲目で泣きそうでした。

ーー東京・WWW(『LIVE TOUR 2026 “SIXTEEN + TEN』)ではw.o.d.ともツーマンライブをされましたが、そちらはどうでした?

高木:それも全然違うベクトルで感慨深かったです。憧れの先輩のw.o.d.とツーマンをやるのは目標やったし、ちゃんと肩を並べて鳴らせる音楽をやってこれた。僕ら主体でツーマンが実現できたのはすごく嬉しかったです。

16歳から26歳までの10年が詰まったアルバム『1626』

ーー最新アルバム『1626』は、バンドの歴史の中ではひとつの点でありながら、集大成でもありますよね。

高木:そうですね。

ーー結成記念日にリリースされるのも運命的ですね。

高木:それはほんとたまたまです。10年なので何かやろうとは思っていたし、水曜でリリースできるのはだいぶ前にわかって「どうせならアルバムを作ろう」となって、去年の春頃から制作を始めました。10年がコンセプトのアルバムにしたいなとは思いつつ、1個1個の楽曲に関してはそこまで10年を意識してるわけじゃなくて、「最新にアップデートされたRe:nameを見せたい」という曲がほとんどですね。今まではアー写やジャケットの写真も含めて色々考えてたけど今回はそこまで作り込んではないかな。10周年というメッセージ性がありすぎて、ビジュアル面にこだわりがなくても自然と味が出るかなと思ってました。

ーージャケットの矢印の道もたまたま?

高木:たまたまです(笑)。カメラマンの方とロケ地を回って色々パターンを撮ったんですけど「これがメッセージ性もあっていいな」というので決めました。あとは3人の服の色味が違って、ジャケットにも3色のマスをつけてるんですけど、3人の色があって1個のバンドとしてまとまってることを意識してデザインしました。

ーーそれこそ16歳から積み上げてきたものが詰まっていますね。

高木:曲に関してはまさにそんな感じです。僕が今興味のあるジャンルや「こういう音楽が作りたい」を躊躇せずに全部取り入れました。当初から一貫して洋楽のポップスに憧れていたんですけど、逆にベースにそれさえあれば何でもやってみたいという感じで、その結果が今作ですね。

ーーグラデーションだと思うんですけど、『GENIUS FOOL』(2025年)で「Re:nameはこれだ」という到達点を感じたのですが、それを経てどういう感じで進んでいきましたか?

高木:『GENIUS FOOL』は音楽的に攻めたことをガンガンやっていて、今作『1626』も割と攻めてるんですけど、ポップさや親しみやすさはだいぶ意識しました。そこが1番前作と違うかな。あとはライブが想像できる曲が多いです。

ーー打ち込みが増えて、ライブもシーケンスありきでされていますが、音源とライブの境目はあまりない感じですか。

高木:Re:nameはライブで音源を再現しているタイプです。それこそシンセベースを取り入れたり、ドラムはパットを叩いてみたり、機材は色々増やしてきました。

ーー今のライブの感触はどうですか?

高木:僕はベースボーカルだった頃と比べたら格段にやりやすいです。曲も幅広くなって、再現しながらやるのも楽しいんですけど、僕が自分で作る曲を歌うのがどんどん難しくなってる(笑)。メロディーがちょっと難しいんですよね。1番こだわってはいるんですけど、その分ライブは大変になってる。自分が作る曲のおかげでステップアップしてます。ギター、ドラムもそうなんかな?

Soma:ギターに関しては元々バッキング的なフレーズを弾くことが多かったんですけど、最近シーケンスをがっつり入れるようになって、リードのフレーズやギターソロも増えて、僕も必然的に難しくなってます。ただその分自由度が上がったので楽しいです。

ヤマケン:シーケンスを取り入れて、ライブではイヤモニでクリックを聴きながら叩いてたんですけど、ライブが急につまらなくなった体感があったんです。でも「それじゃあかんな。ドラムを学ぼう」という気持ちになって色々学んでる時に、クリックを聴きながらでも自由度があることを知って。それに上手い人のドラムを見れば見るほど、シンプルな8ビートが全然違うことに気づいて、自分は甘ちゃんだったなと。そこからはまたライブがめっちゃ楽しくなってきてますね。

思想の根幹を昇華した「i don’t wanna」
バンドへのまなざしが表れた「Forever Always」

ーー今作の新曲は「i don’t wanna」「Forever Always」「one room」の3曲ですね。「i don’t wanna」のテーマはバタフライ・エフェクトだそうですが、何か曲を作るキッカケがあったんですか?

高木:これは僕の思想の根幹というか、日頃思ってることの発露です。「あの時のこれがなかったら、バンドはこれだけ続いてなかったな」とか「あの時これしてなかったら、この人と出会ってなかったな」という考え方が結構好きで、それを曲にしてみたかった。この曲は今回のアルバムで1番最初にできた新曲群のうちの1個で、僕が好きなUKインディー系のバンドのサウンドを入れてます。

ーー「今の選択を正解にしていく」みたいなことですか?

高木:そうですね。基本的に「あの時こうしときゃよかったな」と思わないタイプであり、思いたくないタイプでもあるんです。でも「こういう曲があったらいいな」とも思うので作ってみました。

ーーお2人は「こうしとけばよかった」と思う方ですか?

ヤマケン:僕が作詞した「one room」が、テーマとしてはかなり近くて。「いろんな出来事や日々があっての今だ。そして今の小さな選択もこれからの人生の何かになる」ということをテーマにした曲なので、一成と大枠の考えは似てると思います。

Soma:僕も近しい考え方ですね。割と楽観的なので「あの時ああしといたら」はないかもしれないです。

ーーサウンド面では、2番サビ終わりのコーラスと上昇感が印象的でした。

高木:最近、Re:nameのサウンドに多用してるアコースティックギターが入ってたり、後半でオートチューンのボーカルが入ってきたり、2サビ後半でビートが変わったり。一筋縄ではいかない展開を意識したのかも。飽きない構成にしたかったですね。

ーーいつも分析しながら曲作りをされるんですか?

高木:日常的に聴く音楽の中で驚いた展開や構成は、自分の曲にも取り入れたいなと思うので、普段からそういう耳で聴いてることが多いかもしれないですね。

ーー「Forever Always」はアルバムのコンセプトである「10年」をテーマに、高木さんとヤマケンさんの共同作詞で作られています。それぞれの目線からバンドを見ているのがエモーショナルでした。

高木:「バンドのこれまでとこれから」みたいなアルバムのコンセプトになる曲を1曲作りたくて。この曲は1番最後にできたんですけど、普段と違うことをやりたいなと思いついて「2人で歌詞書くのどうかな?」とヤマケンに言ったら「面白そうやしやってみよう」となって。曲と、僕が1番とサビの歌詞をはめたものをヤマケンに送って、後半の歌詞をつけて返してもらいました。

ーーヤマケンさんの<君をきっと驚かすような 不思議な夢を見た>という一節は、バンドの大きな目標が生まれていくことを示唆する感じがあって。まさにバンドの始まりから未来までを歌っているようですね。

ヤマケン:実はその部分は、自分が過去に書いた歌詞を繋げてるんです。さっきのコメダ珈琲の話みたいに、自分のバンドに対する光の見せ方のストーリーになればいいなと思ってパズルみたいにハメたんですけど、まだ先を見てる感じはしますね。

ーーSomaさんは2人の歌詞を読んで思うことはありました?

Soma:2人のキャラが出て、1番と2番で結構ガラッと変わって面白いなと思いました。一成は空想的な要素があって抽象的。ヤマケンは景色が見える。そういうのがもろに出て、普通にリスナーとして楽しかったですね。

ーーサウンド面ではどうですか?

高木:サウンドは打ち込みとアコギメインで作ってるんですけど、結構新しいことをやってますね。去年の2月にポーター・ロビンソンというアメリカのアーティストを見て「こういうサウンドを作りたいな」と思って、サマソニでイギリスのビーバドゥービーというアーティストを見て「このビート感や」となって、その辺りが合わさった。結局自分が作ったらRe:nameっぽい曲になるというのはこの10年でわかってきたので、「いいな」と思った要素は躊躇わずに取り入れていますね。

ーーバンドとしても大事な1曲になったのでは?

高木:かなり大事な曲ですね。みんなに聴いてほしいです。

少ない音数で紡がれたリード曲「one room」

ーーリード曲の「one room」は、先ほどお話いただいたようにヤマケンさんの作詞で、Re:nameに向き合って自分のことを書いた楽曲だそうですね。

ヤマケン:「Forever Always」は、Re:nameの10年とRe:nameに対して「自分は何なんだろう」ということを歌詞に起こしたんですけど、「one room」に関してはRe:nameに対してどうこうではなく、自分の人生を含めて考えて、結果的にRe:nameのことも言ってるように書きました。

ーー大阪出身なのに、東京の地名が出てきていますね。

高木:僕も最初そこ引っかかりました。「おもろ」と思って。

ーー主人公を設定したんですか?

ヤマケン:『海がきこえる』というジブリ映画のリバイバル上映を見た直後に一成からこの曲のデモが送られてきたんです。あらためてリバイバル上映で観てみるとすごく感慨深いシーンがあって「何なんやろうな」と思いながら映画館を出たらデモがきて、その「何なんやろな」をテーマにしたいなと思って聴いたら『海がきこえる』的なメロディーとサウンド感だったので、「繋がりそう」だなと。<吉祥寺>は一成のフェイク英語を聴いて「なんかもう吉祥寺やな、ここ」と思って書きました。

ーーなるほど、空耳から出てきたんですね。

高木:(笑)。最近は想像と全然違うのが返ってくるので面白いですね。

ーーサウンドに関してはいかがですか?

高木:他の曲が音数が多い中で、この曲はだいぶ音数少なくまとまってるんですけど、その中にも遊び要素として生活音や笑い声を入れたり、耳が飽きないようなアレンジにこだわりました。ミドルテンポやけどポジティブな曲にしたいなと思っていました。

Soma:エレキギターに関しては入ってるのがサビぐらい。あまりガチャガチャ鳴らすのも違うなというので、デモからほぼ変えずに、一成から来たフレーズを軽快に弾くように意識してレコーディングしました。

ーー「one room」をリード曲にした意図は?

高木:完成したものをみんなで聴いて、満場一致で「これがリードやな」と。レコーディングが終わるまでは、どれがリードになるかわからない状態で進めてました。

ヤマケン:あとは新生活にもマッチするだろうから、リリース日あたりに1番聴いてほしいなと思いました。アルバムが完成して、レコーディング終わりの帰りの車で聴きながら「これ以上は出えへんな」と思ったほど(笑)。毎回そう思ってるんですけど今回は特に自信作です。持っている全てを出し切りました。

キャリア初の大阪城野音フリーワンマンと、東名阪クアトロツアー

ーーアルバムを引っ提げて、リリース日の3月25日(水)には大阪城音楽堂でフリーライブが行われます。

高木:どんな景色が見れるのか楽しみですね。セットリストも概ね決まっていますし、より多くの人がRe:nameを知ってくれたり、より深くハマるキッカケになったらいいな。大阪城野音はフェスの昼間の時間帯しか立ったことがないので、今回は自分たちだけで夜にやらせてもらえるので楽しみです。

ーーさらに5月と6月には東名阪クアトロツアーが行われます。

高木:バンドをやっていたらクアトロツアーは1個の目標。いつもワンマンはセットリストや曲の繋ぎ、面白いセクションを入れてこだわっているので、Re:nameのワンマンを「ショー」として観てもらえる日にしたいなと思ってます。

ヤマケン:『1626』を聴いてもらうとわかると思うんですけど、いろんな曲のジャンルがあって、いろんな形があって、メンバーそれぞれの特徴がある。僕はそこがRe:nameの魅力だと思ってるんですよ。ワンマンライブは1番Re:nameの魅力が出せる場所。やりたいようにやっていいので、野音で出会った人もぜひワンマンを観てほしいです。

Soma:10周年イヤーのツアーでもあるし、渋谷クアトロではワンマンをやったことがあるんですけど、大阪と名古屋は初。クアトロは憧れの場所でもあるので、ライブできるのがすごく楽しみですね。

取材・文=久保田瑛理 撮影=浜村晴奈

ライブ情報

『Re:name 大阪城音楽堂 フリーライブ』
日程:2026年3月25日(水)
会場:大阪城音楽堂
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:入場無料

『Re:name 東名阪 クアトロワンマンツアー2026』
2026年5月23日(土)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
2026年5月30日(土)東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
2026年6月14日(日)愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:前売¥4,400(+1D)

リリース情報

Album『1626』
2026年3月25日(水)リリース
予約/購入:https://lnk.to/rename_1626_CD
配信:https://lnk.to/rename_1626

<収録曲>
1.MUCHU
2.Bedroom Angel
3.愛はきっとLonely
4.i don’t wanna
5.OTHER SIDE
6.Vintage Car
7.Forever Always
8.one room
9.KISS ME HONEY ※CD限定
10.I’ve ※CD限定

information
公式サイト:https://renamejpn.com/
X:@Rename_official
IG:@rename_jpn/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCqaJgQpjE3RH2FVpI3Fz02Q

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