季節の終わり際に「リフレインみたいな春一番」animate Theater LIVE 2026~spring~レポート

18:00
レポート
アニメ/ゲーム

左からDayRe:、asmi、シユイ 撮影:中井 智久

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2026.5.31(SUN)@アニメイトシアター animate Theater LIVE 2026~spring~ DAY2

アニメイトの新たなプロジェクト「AOM(animate opportunity meeting)」が主催するライブイベント、『animate Theater LIVE』。2025年の春から行われているこのライブも5回目。今回初めての2DAYS開催となった最新のアニソンフェスの二日目をお伝えする。

大前提としてこのイベントの背景には「AOM」の理念というものがある。きっかけとなる場所、という意味があるこの言葉。演者同士、関係者同士、そしてファン同士、それぞれの新しい出会い・発見のきっかけとなる場所になればいい、という思いのもと開催されている。アニメイトならではの予想を超えるブッキング、そのケミストリーを凝縮して感じられる時間だ。

トップバッターはシユイ。入場SEもなく、一曲目であるアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1クールEDテーマ「君よ 気高くあれ」の前奏をバンドが奏で出す。その中、勢いよくステージに登場したシユイは初速からトップスピードだ。

「今日はスモークも炊いていただいております。これ、昆布の匂いがするんですよ」

MCではいきなりそんな話をして客席からは笑いも巻き起こる。今日のセトリはアニソン縛り、と自身が言う通り、アニメイトでのイベントというのを最大限考えたセットリストでシユイは勝負を仕掛けてきた。

アニメ『アンデッドアンラック』第2クールオープニングテーマ「ラブコール」、DECO*27の紡いだこの楽曲ではシユイの中性的なボイスが映える。サビの16ビートがどんどんと会場の温度を上げていく。続いてのTVアニメ『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』EDテーマ「インフェリア」は雰囲気を変えてゴシックな一曲。だがシユイが放つエネルギーの放出は変わらない。

シユイ

TVアニメ『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』EDテーマ「ハピネス オブ ザ デッド」ではどこかハッピーな空気感に切り替えて客席も踊り出す。ドープからハッピーまで、一曲の中でもコロコロと変わる感情がシユイの面白さかもしれない。

MCでは現在放送中のTVアニメ『杖と剣のウィストリア』の話にも言及。自身の青く染めた髪を主人公のウィルに寄せた、という話も出たところで、勿論次曲はSeason2エンディング主題歌「リーチライト」だ。壮大なスケールを感じさせるバラード、シユイの持つ可能性を存分に味わったところで、シームレスにまるで一曲のように繋がった最後の曲は、スマートフォンゲーム『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』より『魔法少女まどか☆マギカ scene0』主題歌「GLOW」。巻き起こる手拍子、喜怒哀楽をあますところなく、春のつむじ風のように会場を巻き込んでいき、あっという間にシユイはステージを去っていった。

続いての登場はasmi。MAISONdesの[feat. asmi, すりぃ]として発表したTVアニメ『うる星やつら』第2クール オープニング・テーマである「アイワナムチュー」からスタート。前奏が奏でられると同時に「こんにちはー!asmiでーす!」の叫び声からステージに駆け込み、弾けるように歌いあげる。もうアイドリングは充分すぎるほど充分だ。

そこからTVアニメ『カッコウの許嫁Season2』オープニングテーマ「君がくれたもの」を連続披露。真っ当に真っ直ぐに「ガールポップ」を感じるそのボーカルがとてつもなく心地よい。

MCでは大阪出身だから池袋は乗り換えくらいしか使わない、という関西人的なトークで笑いを誘いつつ、TVアニメ『レプリカだって、恋をする。』エンディングテーマ「あわ」へと。曲名通り浮かんで弾けるような、跳ねるビートが気持ちいい、勝手に体が揺れてしまうような感覚。

asmi

TVアニメ『デキる猫は今日も憂鬱』エンディングテーマである「破壊前夜のこと」はクリーントーンのエレキの音色も心地よいミドルバラード。続く「東京の夜」へと少しだけシフトを落としていく展開がにくい選曲だ。切なさも、どこか懐かしさも感じてしまう、先ほど関西から東京へ出てきた、というトークがあったから余計にしみてしまうような気もする。

『animate Theater LIVE』は季節ごとの開催だが、今回はSpring。「もう春が終わる!でもみんなで一緒に締めくくれるのは嬉しいですね!」と語ってからの一曲が「モナカ」。それこそ夏の訪れを予感させるようなパワーポップで、少し落ち着いたフロアの心拍がまたBPMを上げていく。ラストが近づいてくる中でドロップするのが「BLACK COFFEE」。クラップを客席に促しながら刻むビートが踊るのに心地よい。最後はTVアニメ『ポケットモンスター』オープニングテーマ「ドキメキダイヤリー」。止まらないリズムとメロディー、そして笑顔を巻き起こしてasmiはステージを去っていった。

そしてこの日のトリはDayRe:だ。年間応援大使卒業のライブ、5回目の出演は勿論最多。

スタイリッシュに登場した5人はポジションに着いたところから「ヒトリ狼」。2nd EPからのソリッドなこの楽曲だが、ダンスのキレが段違いに良くなった。最初のステージに慣れていない感じを見ていた身としては、驚きと感心が止まらない。

2曲目は「鏡面上、今、レ―ゾンテートル」。これもまた強烈なダンスチューン、テックでソリッドな空気感がたまらない一曲、客席の合いの手のタイミングも完璧だ。息をつかせず「刹那的ロマンティック」のオープニングのシャウトが響く。前に聴いたときよりも、「かっこいい」を手に入れた感じがある。

言い方を選ばず言えば、5人の素人っぽさが抜けている。このDayRe:の成長は間違いなく『animate Theater LIVE』があったからだと思う。諸先輩のライブをその場で感じつつ、定期的に出演できるライブというのはとても貴重なことだ。そしてそれはアニメイトがDayRe:というアーティストの未来に大きな期待を持っている、ということでもあると思うのだ。

MCでは過去5回の思い出を語り、先日のワンマンライブで着た衣装で登場して、これをこのライブでお見せできて嬉しいと語った5人、後半戦は「SPARKLE DAYS」。『animate Theater LIVE 2025~Summer~』で初披露したこの楽曲、間奏ではフロアと一体化しながら手を振り、コールも重なっていく。

DayRe:

「みんな飛ぶ準備できてるかぁー!」のシャウトに続くのは、『クラキュラJump』。客席の乗せ方も堂に入ってきたのが頼もしい。走りきった最後の曲は「Here We Run」。未来を信じてステージに上がった5人の今日のステージは、「かっこいい」から始まり、「可愛い」もきっちりと抑えながら、グルーヴを落とさずに温度を上げ続けたのは見事としかいいようがない。何よりもステージに物怖じしなくなったのが素晴らしい、新人声優グループがアーティストの片鱗を見せた瞬間を見ることができた、これ以上の収穫があるだろうか。

全員汗が滴り落ちるくらいノンストップで走ったあと、全員でのラインナップでは「みんながあったかいから、初めてのアニメイトシアターが最高の思い出になりました!」とasmiが語り、シユイは「トップバッターは初めてだったので、緊張していましたが楽しくやれました」と笑顔を浮かべる。「私たちが最初に出演した時は自分たちの曲がなかったんです、でも一年間こうして年間応援大使を務めさせていただいてありがとうございました」とDayRe:も思いを伝える。笑顔でステージを去った三組を見送った客席も満ち足りた空気感を持っていたのが印象的だった。

改めて、CDなどの販売の動線も兼ねたライブを実施するというのは画期的なイベントだと思うし、「このアーティストの音楽はいいんだよ」というレコメンドを行っていく姿勢は新しい価値観の創出であり、業界大手のアニメイトがこれをやる意味は、想像以上にあると思っている。何よりもこの日の三組の音楽は楽しかった。2026年バージョンの新世代のアニメ・ガールポップを体感させてくれたこのライブが、アニソンライブの新しい価値を生み出す日は、きっとそう遠くない。

レポート・文=加東岳史 撮影:中井 智久

セットリスト

2026.5.31(SUN)@アニメイトシアター animaite Theater LIVE 2026~spring~ DAY2

シユイ
  1. 君よ 気高くあれ
  2. ラブコール
  3. インフェリア
  4. ハピネス オブ ザ デッド
  5. リーチライト
  6. GLOW
Asmi
  1. アイワナムチュー
  2. 君がくれたもの
  3. あわ
  4. 破壊前夜のこと
  5. 東京の夜
  6. モナカ
  7. BLACK COFFEE
  8. ドキメキダイヤリー
DayRe:
  1. Overture
  2. ヒトリ狼
  3. 鏡面上、今、レ―ゾンテートル
  4. 刹那的ロマンティック
  5. SPARKLE DAYS
  6. クラキュラJump

イベント情報

AOM presents「animate Theater LIVE 2026 ~summer~」

開催日時 2026年8月29日(土)・30日(日) 16時開場/17時開演
場所 アニメイトシアター
出演アーティスト Day1:ReoNa、Hikaru、Suupeas
Day2:中川翔子、halca、綾野ましろ、METANICK