襲名の大千穐楽にふさわしい華やかな舞台 『松竹大歌舞伎 尾上菊之助改め 八代目 尾上菊五郎襲名披露』が開幕
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『口上』菊之助改め八代目尾上菊五郎
全国巡業、公文協(公益財団法人全国公立文化施設協会)主催『松竹大歌舞伎 尾上菊之助改め 八代目 尾上菊五郎襲名披露』が2026年7月7日(火)、東京都北区にある北とぴあにて開催された。
昨年五月の歌舞伎座を皮切りにスタートした八代目尾上菊五郎襲名披露興行。その掉尾を飾る本年の巡業は音羽屋ゆかりの演目が多数並び、襲名の大千穐楽にふさわしい華やかな舞台となっている。この度、舞台写真が届いたので紹介する。
■『雨の五郎』
『雨の五郎』曽我五郎時政=片岡愛之助
最初の演目は、片岡愛之助による舞踊『雨の五郎』。仇討ち物の人気ジャンル「曾我物」のひとつで、曽我五郎が蛇の目の傘を片手に向かい来る敵を次々に撃ち倒す。荒事ならではの豪胆さと優美な舞で、巡業公演の幕開きを華やかに彩った。
■『藤娘』
『藤娘』藤の精=菊之助改め八代目尾上菊五郎
続いては『藤娘』。六代目菊五郎の芸を受け継ぐ、音羽屋にとって非常に大切な演目。従来の曲へ、新たに「藤音頭」の曲も加えた六代目による演出は、今も親しまれている。菊之助改め八代目尾上菊五郎が、愛する男性へ純情な思いを募らせる可憐な藤の娘を艶やかに表現し、観客の目は釘付けに。艶やかな一幕となった。
■『口上』
『口上』左より、坂東彦三郎、市村橘太郎、菊之助改め八代目尾上菊五郎、中村雀右衛門、片岡愛之助
尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名を寿ぐ、『口上』。幕が開くと、舞台上には音羽屋の屋号のもととなる、京都清水寺の音羽の滝が荘厳に描かれた舞台が。中村雀右衛門による披露に始まり、片岡愛之助、坂東彦三郎、市村橘太郎とこれまで数々の舞台を共にした面々がお祝いの言葉を述べ、会場は温かい雰囲気に包まれる。口上の結びは菊之助改め八代目菊五郎。「初代より大切にしてまいりました伝統と革新の精神に則りまして、芸道に精進して参ります」と大名跡の襲名にあたり覚悟の念を改めて力強く語った。
■『魚屋宗五郎』
『魚屋宗五郎』(左より)宗五郎女房おはま=中村雀右衛門、魚屋宗五郎=菊之助改め八代目尾上菊五郎
『魚屋宗五郎』は江戸時代、旗本・磯部主計之助の奉公人、お蔦の死をきっかけに繰り広げられる家族の物語を、生き生きと描き出した世話物の名作。菊之助改め八代目菊五郎演じるお蔦の兄、宗五郎は、懐が大きく、それでいて酒に酔うと手の付けられなくなる人間味あふれる役柄。八代目菊五郎にとっては三度目となる宗五郎を見事に演じ切り客席は万雷の拍手に。妻おはまを演じた中村雀右衛門、父太兵衛を演じた市村橘太郎もお蔦の死を悼みながらも酒に飲まれる宗五郎に振り回される様子を見事に演じた。酒に酔って妹の仇を討とうとする宗五郎を大らかに受け止める、片岡愛之助演じる磯部主計之助と坂東彦三郎演じる家老浦戸十左衛門は圧倒的な存在感。最後は大団円で幕となり、客席からはひと際大きな拍手が送られた。
『魚屋宗五郎』(左より)宗五郎女房おはま=中村雀右衛門、魚屋宗五郎=菊之助改め八代目尾上菊五郎、家老浦戸十左衛門=坂東彦三郎、磯部主計之助=片岡愛之助
なお、本公演は7月31日(金)まで全国各地の会場で上演される。