WurtS、PEOPLE 1、Chilli Beans.によるスリーマン『UPDATE 2.0』 三者三様のUPDATEを見る者の記憶に焼き付ける
『UPDATE 2.0』 撮影=マスダレンゾ
『UPDATE 2.0』2026.07.09(thu)東京ガーデンシアター
WurtS、PEOPLE 1、Chilli Beans.によるスリーマンライブイベントが、1年前の「UPDATE」からさらにバージョンアップ、「UPDATE 2.0」として東京ガーデンシアターに帰って来た。あれから1年、3組はそれぞれ大きく成長した。WurtSは今年に入り、体調不良により一時活動を休止していたが、先月のFC限定ライブでステージに復帰、今日からいよいよ本格的に再始動する。間違いない、記憶に残るライブにきっとなる。
WurtS 撮影=ヤオタケシ
WurtS 撮影=ヤオタケシ
イベントの先陣を切るのはそのWurtS。オープニング映像内の「THE RETURNS」という文字を受け、「魔法のスープ」でライブをスタートすると、ラウドに歪んだグランジなギターロックを爆音で叩きつける。オーバーサイズの黒スーツに白キャップを目深にかぶり、「暴れようぜ!」と叫ぶ姿はとても元気。ド派手なレーザービームが飛び交う中、「ふたり計画」「クラッシュ」と激しい曲を立て続けに発射。DJのウサギもステージ前に躍り出て観客を煽る。PEOPLE 1とChilli Beans.のTシャツ、タオルを身に着けたファンも味方につけてぐいぐい飛ばす。
「やっと帰ってきました、みんなありがとう。伝えたいことはいっぱいあるけど、まずはみんなに音楽を届けたいと思っています」
WurtS 撮影=ヤオタケシ
WurtS 撮影=ヤオタケシ
1月にリリースされた「SOMEDAY」は、この日がライブ初披露。過去のWurtSのイメージをくつがえす穏やかなミドルテンポ、優しいメロディ、前向きなメッセージを伝えるハートウォーミングな新機軸だ。一転して「デジタルラブ」「Talking Box (Dirty Pop Remix)」と、ミラーボールとレーザービームに照らされてエレクトロダンスロック2連発。カラフル&パワフル、ここはもうダンスホール。
「PEOPLE 1、Chilli Beans.のライブを見ることが自分の活力になって、もっとアップデートしようと気持ちになれる素敵なイベントだと思います」
WurtS 撮影=ヤオタケシ
WurtS 撮影=ヤオタケシ
「UPDATE」の最初のきっかけはWurtSが作ったが、3組は同じステージで切磋琢磨しあう仲。「タイムラグ!」ではChilli Beans.のMoniを呼び込んでラブリーなデュエットを披露、「リトルダンサー」ではPEOPLE 1のItoと共に、軽快なディスコビートに乗って歌い踊る。三組の関係は対等でフレンドリーだ。ラストは会場全体を巻き込んだコール&レスポンスで盛り上がる「分かってないよ」、そしてサプライズで新曲「INSIDE」を最後に歌い、復帰ステージを締めくくった。「INSIDE」はアコースティックギターをかき鳴らし歌う、これまた新機軸の壮大な楽曲。今後の活動に期待大だ。
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
二番手に登場するのはPEOPLE 1だ。巨大な犬のオブジェが光を放ち、1曲目「PEOPLE SAVE THE MACHINE」から「金字塔」へ、生音とプログラミング、ラウドとポップが交錯する刺激的なミクスチャーで観客を圧倒。Ito(Vo,Gt)が「WurtSくんに負けないライブをしたいと思います」と宣言して「メリバ」へ、さらに「新訳:スクール!!」でDeu(Vo,Gt,Ba,Other)がメガホンを持って「踊れ踊れ!」と叫べば、Takeuchi(Dr)も負けじと前に出て「ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!」と煽りまくる。傍若無人なまでにカオティックなパフォーマンスに、観客は拍手喝采だ。
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
「WurtSもチリビも三者三様。全然別ベクトルを行ってて、二年連続でここで集まれるなんてすごいんじゃないですか」
二組へのリスペクトを口にしつつも主役の座は渡さない。「夏は巡る」、「DOGLAND」、「銃の部品」と、DeuとItoのツインボーカルで観客を魅了する。
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
PEOPLE 1 撮影=マスダレンゾ
「自分の生活を愛するところからきっと幸せは始まります。どうかみなさんも自分の生活を歌ってください」
極めつけは、Deuがクリエイターとして生きる苦悩と喜びの全てをさらけ出した楽曲「生活」。サウンドの特異性と中毒性フォーカスされがちなPEOPLE1だが、この日も全曲歌詞をビジョンに出していたように、その核には共感を呼ぶメッセージがある。最後は「エッジワース・カイパーベルト」でWurtSとウサギを呼び込み、全員参加のタオル回しで明るいフィナーレ。バンドの持つ多面性を垣間見せた、短くも充実の40分間。
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
「こんばんは、Chilli Beans.です。今日は最後まで一緒に楽しんでいってください」
3バンドのトリはChilli Beans.のステージ。軽やかにはじける「star flower」からサイケデリックなダンス色を加えた「School」へ、自由にひらひら動き回るMoni(Vo)と、図太い重低音のベースとキュートなコーラスのギャップが映えるMaika(B&Vo)の絡みがかっこいい。いかしたオールディーズ風味の「that’s all i can do」ではLily(G&Vo)が速いリフを決めてコーラスもこなす。楽器の上手さとハーモニーの巧さでぐいぐい引き込む、バンドの実力はライブを見るごとに上がっている。
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
「結成も近くて年齢も近い二組が、近くで活動を続けてくれているのは心強いし、今年もイベントを開けてめちゃめちゃ嬉しいです」
Maikaのスラップがリードする「See C Love」、シンセベースを器用に操る「cyber」と、次第に妖しくディープなファンク色を増しながらライブは進む。Lilyが最高に渋いソロを決める「pain」、Moniの物憂げなボーカルが沁みる「yesterday」から「ひまわり」へ、切ないメロディと繊細な恋心の描写が光る、盛り上がるだけが全てじゃないのがChilli Beans.のライブの深みだ。ステージにあぐらをかいて歌う、Moniの自然体な姿から目が離せない。
ラストスパートは明るく軽快なリズムに乗って飛ばす「just try it」から、MaikaのラップとLilyのソロが光るダンスクラシック風の「Tremolo」、シンプルなエイトビートと爽快コーラスで突っ走る「HAPPY END」と、キャッチーなアップテンポを連ねて一気にゴールラインを駆け抜ける。力みを抜いて軽やかに等身大に、バンドは確実に進化している。
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
Chilli Beans. 撮影=マスダレンゾ
「この二組は、僕がこういう仕事をしていなくても聴いているだろうな、というアーティスト。自分がフェスに来て楽しんでいるような、素敵な夜になりました」(Ito)
「二組のかっこいいライブと、みんなの姿を見れて、すごく元気をもらいました。パワーをもらいました」(WurtS)
「去年はWurtSくんが曲を書いてくれて、今年はChilli Beans.が曲を作りました。二組への“ありがとう”を込めた曲です。みんなにも届いたらいいなと思います」(Moni)
『UPDATE 2.0』 撮影=マスダレンゾ
そしてアンコール。Chilli Beans.がWurtSとPEOPLE1を呼び込んで披露したのは、この日のために書き下ろした新曲「Feel like slowing down」。3バンド7人がフロントに並んでボーカルをリレーする、カントリーやフォークの香りがする爽やかな曲調で、去年のテーマ曲「UPDATE」とはまた違う魅力溢れる曲。ということは、たぶん来年のテーマ曲はPEOPLE 1が作ることになるんだろうか。
そう思ったところへ嬉しいお知らせ、ビジョンに大きく映し出されたのは「2027.7.7 「UPDATE 3.0」SGC HALL ARIAKE」の文字。毎年7月に会える七夕伝説のように、「UPDATE」シリーズは恒例化しそうだ。バンドもファンも、今年以上にアップデートされたライブを楽しむために、今から日々の生活を頑張ろう。そして来年また会おう。
取材・文=宮本英夫
『UPDATE 2.0』 撮影=マスダレンゾ
イベント情報
出演:
WurtS、PEOPLE 1、Chilli Beans.
リリース情報
2026年9月2日(水)Digital Release
セットリスト
WurtS
01. 魔法のスープ
02. ふたり計画
03. クラッシュ
04. SOMEDAY
05. デジタルラブ
06. Talking Box (Dirty Pop Remix)
07. タイムラグ! feat. Moni (Chilli Beans.)
08. リトルダンサー feat. Ito (PEOPLE 1)
09. 分かってないよ
10. INSIDE
PEOPLE 1
01. 金字塔
02. メリバ
03. 新訳:スクール!!
04. 夏は巡る
05. DOGLAND
06. 銃の部品
07. 生活
08. エッジワース・カイパーベルト
Chilli Beans.
01. star flower
02. School
03. that’s all i can do
04. See C Love
05. cyber
06. pain
07. yesterday
08. ひまわり
09. just try it
10. Tremolo
11. HAPPY END
EN Feel like slowing down feat. WurtS, Deu, Ito, Takeuchi(PEOPLE 1)