『フジロック』出演で話題の岩崎桃子と日髙晴野ーー注目のシンガー2人が語る意外な共通点と、京都で共演『優游涵泳』の楽しみ方

インタビュー
音楽
2026.9.17

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シルバーウィークの9月22日(火・祝)に京都メトロで2部構成のスペシャルなイベントが開催される。第1部はGREENSのライブシリーズ『優游涵泳』と京都を代表するレーベル/パーティーのSECOND ROYALがコラボレーション。『優游涵泳5』となる今回は、『FUJI ROCK FESTIVAL '26』(以下、『フジロック』)の「ROOKIE A GO-GO」ステージに出演した岩崎桃子財団や日髙晴野、さらにミツメのフロントマンである川辺素がバンドセットで登場。オープニングアクトのsakimoriも含め、インディー、オルタナティブシーンを切り拓く顔ぶれを、ライブタイトルの通り心のままにじっくり深く楽しみたい。また第2部は、メトロで長年にわたってロックイベントの代名詞として愛され続ける『LONDON CALLING』が開催。アナ feat. 岩崎桃子財団らのライブとともにDJも豪華な面々がスタンバイし、祝祭空間を作り上げる準備は万端。

ここでは第1部の『優游涵泳5』に出演する岩崎桃子と日髙晴野の対談をお届け。心を揺らす歌声と旋律で聴き手を惹き寄せる2人が、お互いの楽曲への印象や当日への意気込み、意外な共通点についても語ってくれた。

『フジロック』で互いに意識し合っていた2人が遂に共演

日髙晴野

日髙晴野

ーー今年『フジロック』の「ROOKIE A GO-GO」に出演された2人が今回『優游涵泳5』で共演。2人の出会いについて聞きたかったのですが、実はまだご対面したことがないとか。

日髙晴野(以下、日髙):そうなんです。岩崎さんが『フジロック』の3日目のご出演で、私は2日目でした。個人的にはSNSで岩崎さんがどういうスケジュールで会場まで来られてるのかをチェックしてました(笑)。『フジロック』では直接お話できなかったので、今回のイベントが楽しみです。 

岩崎桃子(以下、岩崎):『フジロック』が決まった時に日髙さんが私のインスタをフォローしてくださって、私もフォローして、日髙さんの普段の生活を見てました(笑)。日髙さんの『フジロック』のステージをバンドメンバーと一緒に観に行ったんですが、すごく素敵なステージで……それから、より日髙さんの生活をインスタで見るようになって、早く会いたいなと思っているところです。

岩崎桃子

岩崎桃子

ーーお互いの楽曲についてはどんなふうに感じていますか?

日髙:岩崎さんの曲はとても生活に寄り添った歌とメロディーで、中でも「大型連休」のメロディーラインが特に好きなんですね。サビを聴いた時に、これは社会人としてちゃんと働いたことがある人の曲に違いないと思って。私も9月まで仕事をしていたので、自分と近い空気を感じる人だなっていう印象を受けました。あと、おそらく年齢が近いような気がして。私の周りには年齢が近い人があまりいないので、そこも嬉しくて。

岩崎:年齢は近いですね! 私は日髙さんの『フジロック』のステージを観た時に、すごく凛としているのと同時に、闇を切り裂くような鋭さを感じたというか。まずフジロックのステージに一人で立たれること自体すごいなって。私だったらそれは選ばないからそこをすごく尊敬しているのと、MCでお話されている様子はすごくキュートだったりもして、そのギャップも素敵だなと思っています。仕事もしているので、さっき言ってくださった曲の印象も嬉しかったですね(笑)。音楽以外の場から学ぶことやインスピレーションを得ること、気づきって多いですよね。学生時代に音楽とは異なる分野を専攻していたことも自分のアイデンティティになってるなと思っていて。

日髙:わかります。いろんなところにアンテナを立てたり、受信できるように無理矢理でも窓を開けておいたりすることって大事ですよね。

岩崎桃子「大型連休」MV

ふたりをつなぐ、素敵で意外な共通点は芸術祭?

ーー世代的にも重なる2人ですが、これまでに影響を受けてきたもの、たとえば音楽とか本とか好きな街とかについて教えてください。

日髙:街で言うなら私は京都が大好きで、自分も京都の大学に通っていて、その頃に出町柳のカルチャーに出会ったことが自分にとってはとても大きくて。出町柳は学生の街で、京都を南北に貫く鴨川があって、そこに鴨川デルタという三角州みたいな場所があるんですが、そこで新歓をやったり、みんなが好きなものを持ち寄って交換しあったり……自分にとっては異世界みたいに感じた場所ですね。実はそれまでちゃんと音楽を聴いたことがなくて、Apple Musicとかサブスクに初めて登録したのも大学に入ってからで、初めてアーティストのライブに行ったのも大学2年生の秋なんですね。京都で出会った人とか街とか、そういう文化に触れて自分は音楽を始めたので、京都は自分の中では絶対に外せないなって。

岩崎:私は小学生の頃から「将来の夢は歌手」と書いてたぐらいなんですが、その頃は当時ゴールデンタイムに見ていた音楽番組のキラキラした世界に憧れていたんですね。それから、自分で曲を作って歌うシンガーソングライターというスタイルを知ったり、親の影響で自分より上の世代の音楽に触れたりする中で、自分の曲を作って歌い始めました。曲を作る上で一番影響を受けているのは、やっぱり日々の営みだと思います。私は今は福岡に住んでいるのですが出身は岡山で、子供の頃から瀬戸内国際芸術祭に連れて行ってもらっていたことからも影響を受けていると思います。瀬戸内の島々で自然と芸術に包まれて過ごした豊かな時間は、ずっと自分の根っこにある気がします。 今もよく芸術祭や美術館に足を運ぶのですが、自分が好きな場所・もの・ことの運営に財団が関わっているケースが多くて。それで私も岩崎桃子財団っていう名前でバンドをやったり。そうやって自分の好きを小出しにしてるところです(笑)。

ーー岩崎桃子財団という名のルーツがそこにあったんですね。 

日髙:私も親が小豆島出身だったこともあって、瀬戸内国際芸術祭に子供の頃から行ってました。中でもクリスチャン・ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」という自分の心臓音を録音できる展示があるんですが、12歳の時に録音しました。それを23歳になってかつて自分が残した心臓音を聞くという体験を去年したところです。

岩崎:私も自分の心臓音を録音しましたよ!

日髙晴野 feat.砂場泥棒「春の身体」live video

ーー思いもよらない共通点がありました。これもぜひお聞きしたいんですが、今思い描いている夢とか、この先音楽活動でやってみたいことは何でしょう?

日髙:私は人と一緒に音楽をやりたい気持ちが今最高潮ぐらいに達してて、つまりバンドセットを組もうとしてます。これから仲間探しをしようと思っていて、私は関西に住んでいるので関西のいい感じのミュージシャンと、京都のスタジオに入ってジャムって……みたいなことをこれからどんどんやっていって、そのまま音源制作に突入できたらなと画策してます。

岩崎:そうなんですね!「バンドセットはやらないんですか?」って聞こうと思ってたんです。

日髙:興味はすごくあるんですが、私は人と一緒に何かをやることが子供の頃からことごとくうまくいかなくて(苦笑)。もういい加減大人なので、一旦歯を食いしばっていろんな失敗をしながら、自分がやりたいことを実現させようとかなり強く決意している最中です。

岩崎:今は自分の曲が聴いてくれる人それぞれのものになっていく感覚があり、それがすごく嬉しいです。朝の散歩のお供にしてくれているとか、辛いときに聴いていたら少し穏やかな気持ちになれたとか。ありきたりだけど、これからも曲を作り続けてライブを磨いて、岩崎桃子の音楽がより多くの人のものになっていったら嬉しいです。

『優游涵泳5』は来た人それぞれの楽しみ方ができるライブイベント

――9月22日の『優游涵泳5』も間近です。当日に向けての意気込みはいかがですか?

日髙:私はソロのセットになるんですが、岩崎さんと川辺さんがそれぞれバンドセットということで、自分の立ち位置としては、バンドを見る時とはまたちょっと違う楽しみ方をしてもらえるようなステージにしたいなと思っていて。ひととき心を落ち着かせて、箸休め的なというか、聴く人にとって安心できる場所になるようなステージを目指そうかなと思ってます。 

岩崎:アンサンブルが束になって聴く人の心の中に入っていくようなステージができたらいいなと思っています。そこは日髙さん、川辺さんとの共通点だなって感じているところでもありますね。私もバンドメンバーも、京都で演奏できることをすごく楽しみにしています。 

日髙:初めて京都メトロに来られる方には、メトロがかなり特殊な場所に存在しているっていうのがまず1個、面白ポイントかなと私は思ってます。ライブハウスが電車の高架下にあるとかは結構あるあるですけど、メトロは京阪電鉄の神宮丸太町駅の地上に出る階段の途中、地上に上がる手前の踊り場みたいなところに突然ライブハウスの入り口が現れるんですよ。秘密基地というか、アジトみたいな感じというか。

岩崎:そうなんですね!

日髙:今回は2部構成で、1部はライブで2部はクラブイベント。そういう趣の違ったパーティーが2つある=一晩で2度おいしいみたいなところが出演者としても楽しみだしすごくいいなって。そのままパーティーを続けたい人は夜中ずっとパーティーに参加できるし、それぞれが自分の楽しみ方でライブもパーティーも楽しんで、自分のタイミングで帰れる。そういうイベントなのが素敵だなって。

岩崎:そうですね。私はもともと京都が好きで、親友も京都が好きだから旅行するとなったらいつも京都に行くんですね。さっき日髙さんが話していた鴨川デルタもいろんな方のミュージックビデオにもよく出てくる場所ですよね。

日髙:そう、たしかに!

岩崎:なので鴨川自体にも憧れがあるんですけど、旅行で行くと鴨川に座りに行ったり、お寺に座りに行ったり、京都は座る場所がいっぱいあって、そこでゆっくり物思いに耽るのに絶好の場所だなって。

日髙:京都は座れる場所がいっぱいありますよね。メトロから鴨川までめっちゃ近いんですよ。当日は再入場OKだから、途中でふらっと抜けて休憩しに行くのもアリですよ。私も長時間のイベントへ遊びに行った時、再入場できる時は途中でふらっと鴨川へ休憩しに行って、ちょっと黄昏てまた帰ってくるみたいなことをやってます。これはお客さんにもおすすめかも(笑)。

岩崎:それいいですね!このイベントの終演後、鴨川に座った時の気持ちが最高になる演奏をしようって今決めました(笑)。来てくれたお客さんがそんなふうにいい時間を過ごせるようなライブにしようと思います。

取材・文=梶原有紀子 

イベント情報

『GREENS & SECOND ROYAL presents
優游涵泳 5』

日程:2026年9月22日(火・祝日)
時間:OPEN 17:00 / START 17:25
会場:京都・METRO
出演:岩崎桃子財団 / 川辺素(BAND SET)/ 日髙晴野 / sakimori


●前売料金 一般¥4,000、学割¥3,000(オールスタンディング)

問い合わせ:GREENS 06-6882-1224(平日12:00~18:00)
https://www.greens-corp.co.jp/

【アーティスト情報】
岩崎桃子:https://linktr.ee/IwasakiMomoko_
日髙晴野:https://hidakaharuno.com/

川辺素:https://linkco.re/SGyXaH8s​
sakimori:https://x.com/sakimori_band
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