竹内結子と橋本愛、ビクビクしたミステリーの現場を語る!

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2016.1.28


極上のミステリーには、細面のおびえる美女が不可欠である。小野不由美の傑作小説を映画化した『 残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―』(1月30日公開)の竹内結子と橋本愛もしかり。2人がじわじわと襲い来る恐怖と対峙していくストーリーは、最後の最後まで予断を許さない。竹内と橋本にインタビューし、撮影秘話を語ってもらった。

原作は、第26回山本周五郎賞に輝いた小野不由美の同名小説。ある小説家(竹内結子)が、奇妙な“音”のする部屋に住む女子大生(橋本愛)から投書を受け取ったことをきっかけに、その謎の原因を探っていく。謎は連鎖していき、やがて過去の謎へとつながっていく。

本作で初共演となった2人に互いの印象を聞いてみた。竹内は「愛ちゃんと共演するまでは、静かでちょっと冷たい感じのイメージがあったけど、お会いしてみたら、冷たいという意味ではない透明感と、良い意味での緊張感があり、中身が温かそうだなと思いました。1人で面白いことをいっぱい考えているんだろうなという印象を最初に受けました」と語った。

橋本も竹内に対しては好印象だった。「お会いする前は、私が全然獲得していないものを、絶妙なバランスで得ている大人の方なんだろうなと思っていました。実際お会いしてみたら、何をしていてもすごく自然体で、素敵な方だなと。おかげで、肩肘張らずに現場にいることができてすごくありがたかったです」。

元々怖がりだったという竹内は「台本を読んでしまったらもう後には引けないなと。どうポジティブにこの作品に向き合うかを一生懸命、悶々と考えていました」と苦笑い。

橋本は、以前から中村義洋監督の作品が好きだったということで、初の中村組に喜んで参加したそうだ。「10年ぶりにホラー作品を撮られるということで、監督が以前撮られていたシリーズなどを観たのですが、けっこう天邪鬼な見せ方をされている印象を受けたので、今回はどんなふうに撮られるのか、とても興味が湧きました」。

竹内は、Jホラーの人気作『リング』(98)に出演したことをこう振り返る。「すごく怖かったです。ちょっとトラウマみたいな感じで、何か日常とつながっているもの、この世のものではない世界に、すごく恐怖を植えつけられたんです。それ以降、自分が怖がりだということを忘れていたぐらい、ずっとそういう作品を避けてきました。特にこういう類の映画は観られなくて。でも、今回1つ救いなのは、傍観者の役柄だということでした。自分が出演するということで冷静に観られるだろうと高をくくっていたら、やっぱり怖かったです(苦笑)」。

橋本は「私はフィクションだと平気な方ですが、大げさな起伏があると、ぴくっとしてしまいます。たとえば足元に手が出てきた時、自分の叫び声と合わせて2回びっくりしました」と言う。「リアルになると全然ダメです。現実的にそういうことに直面するとびびります。普通に怖いです」。

竹内は「明るいところと暗いところのコントラストが耐えられないんです」と困ったような表情を見せると、橋本も「そうですね。最近は電気を全部つけます。なんだか怖いから」とうなずく。竹内も「寝る時、全部つけて、順番に消していきます。だから最後まで手前は明るいです(笑)」。

出演した2人ですら、とことん怖がっていた『 残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―』。観終わった後、あと引くような怖さは、きっと観るものの期待を裏切らない。是非、覚悟して臨んでほしい。【取材・文/山崎伸子】
 

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