井上喜久子×井上ほの花 はじめての母娘17才対談【前編】 母17才(おいおい)×娘17才(リアル)ってどういうこと!?
井上喜久子×井上ほの花 はじめての母娘17才対談【前編】
17才教でおなじみの、お姉ちゃんこと井上喜久子さんには「ほっちゃん」の愛称で知られる愛娘がいます。そのほっちゃんが17才になり、「お姉ちゃんがついに娘と同い年になった」という話は、イベントや声優ラジオ番組でも「時空を超えた」と話題に取り上げられてきました。
そして2,015年の年末、リアルJKで17才のほっちゃんが、ゲーム『太鼓の達人』のオリジナル曲で「HONOKA」名義にて歌手デビュー。さらにお姉ちゃんの事務所オフィスアネモネにも声優「井上ほの花」としてジュニア所属することになりました。
デビューしたことで、晴れてメディアにも登場できるようになった井上ほの花さん。2016年2月9日には18才になるということで、17才のうちに母・井上喜久子さんとの最初で最後の「17才対談」をここに企画! メディアではじめて語るほの花さんの人となりや、ふたりの面白親子ぶりを前後編でたっぷりとお届けします!
■井上母娘、ただいま17才の同い年ですっ!
井上喜久子さん(以下、お姉):井上喜久子、17才ですっ!
一同:おいおい。
井上ほの花さん(以下、ほの花):井上ほの花、17才ですっ!
――若い若い。
お姉:あははっ!
――ステージに立つようになってみると、挨拶でひとネタある便利さに気がつきませんか?
ほの花:気がつきます。母が17才って言っているおかげで、私も17才でデビューできたというのもあるし、ネタがあるのはすごいなと思います。
お姉:ネタ!? ネタって言われちゃった(笑)。
――デビュー以前は17才ネタを、どのように見ていましたか?
ほの花:「ママかわいい!」って感じですね。
――「ママ」から「声優・井上喜久子」に見方が変わったのはいつ頃?
ほの花:変わらないんですよ。家でもこのままなので。ファンの方が見ている井上喜久子と、家でのママが変わらないから。
――テレビの中からお母さんの声が聞こえてくるのも、あまり違和感がない感じ?
ほの花:お母さん系のキャラとかベルダンディーとか、『ガールフレンド(仮)』の天都かなたちゃんとかは、あまり違和感はないんですけど、『サクラ大戦』のロベリアとか、『マクロスF』のグレイスとかは「おおっ……」てなります。
お姉:そういえば、ちっちゃいころに『サクラ大戦』の舞台を観に来たときに、「ママじゃない~!!」ってすごい悲しそうな顔をしたんですよ。それが高校生くらいになったら、「ロベリアかっこいい!」って。女の子として成長して、いろいろ変わったみたいですね。
――自宅で喜久子さんが、ああいう怖い声を出すことはあるのですか?
ほの花:ないです。
お姉:あらら。
――ということは、テレビの中でしかお母さんの怖い声を聞いたことがない?
ほの花:たぶん、ないと思います。
お姉:そっか~。怒るっていうより、泣いちゃうよね。「もう~、ほっちゃん!(泣)」って。
ほの花:注意されてるのに勉強をやらなかったりすると、「なんでやってくれないの!?(泣)」ってなるから。「なんでやんないの!?(怒)」みたいな言い方にはならないんですよ。
――役でしか、そういう面を見ることがなかったんですね。そうなると、子供の頃に舞台のロベリアを見たら確かに怖いですね。
お姉:ショックだったみたい。
ほの花:腕に鎖とかつけてたしね。しかも、ショックでほーが具合悪くなっちゃって、一緒に帰ってくれたんだよ。サクラ大戦の武道館ライブの時。憶えてない?
お姉:そうだっけ?
ほの花:うち、家が遠いんですけど、一緒にタクシーで帰ってくれたんですよ。その後に打ち上げに参加するために、もう1回東京に行ったんです。
お姉:あー、あったね。そんなこともね。
――さて、聞いたところによると、物真似が得意とか?
ほの花:はい、できます! いろんなのやってるんですけど、『クレヨンしんちゃん』とか。
――では、お願いします。
ほの花:「ねぇねぇおねいさぁ~ん、野原しんのすけだゾ~。ドキがムネムネ~ェェ!」
――普通に上手いですね(笑)。
お姉:ほんと!? よかったぁ! あといま、「ひとりラブライブ!」っていうのも練習中なんだよね。でもまだすっごいクオリティ低いんですよ。やってみる?
ほの花:じゃあ、西木野真姫ちゃんだけやっていいですか? 母が真姫ちゃんのママ役なので。「なにそれ、意味わかんない!」
――似てると思いますよ。
ほの花:似てますよね!?
お姉:なんかすいません。ほんとはメンバー全員を練習してるんですよ。似てないけどやってみる?
ほの花:いえ、いいです!
お姉:はい、穂乃果ちゃんどうぞ。「ファイトだよっ!」。って、ママがやっちゃった(笑)。
――ママの真似はできないんですか?
ほの花:やっても似てないんですよ。声のトーンが違うから。「しまじろう、おやつの時間ですよ」みたいな。
――確かに、声質は違うけれど、雰囲気とか喋り方の癖は似てますよ。
お姉:カラオケとかに行くと、パワフルなの。私はどっちかというと弱いので。
ほの花:声の出し方がまったく違うので。母は透き通っているから。癒される声じゃないですか。
お姉:いやいやそんなことない! ちょっとやだもう、ほんとごめんなさい! 親子でほめ合うとか、ダメだよね!?
ほの花:だけど、私の声はずっと聴いていたら、たぶんうるさい声なんですよ。でも母のはずっと聴いていられる声で。
お姉:いやいやいやいや! なんかさ、よくできた答えで、裏で操作しているみたいに見えない、これ!? やだぁ~恥ずかしいっ!!
――ほかに得意なことは? 作詞作曲もされているとか。
ほの花:はいっ! 詞はよく書きます。作曲のほうは、出る時と出ない時があるんですけど。
――春からは音大に進んで、いよいよ本格的に音楽の道に入るわけですが、喜久子さんはオリジナル曲のアルバムを何枚も出しているわけです。改めて、喜久子さんの曲に関してはどのように感じていますか?
ほの花:私とはちょっとタイプが違うのかなと思いますね。
お姉:娘がこの間作ったのが、保健所のワンちゃんの気持ちの歌とかなんですよ。詞とかがわりと社会派なんですよね。
ほの花:母の曲は、井上喜久子そのままみたいな曲じゃないですか。だからほんとに真逆なんです。
――普段はどんな音楽を聴きますか?
ほの花:洋楽とかが多いですね。アリアナ・グランデさんが超大好きですっ!
――喜久子さんは聴いたことありますか?
お姉:あるけど、さっぱりわかんない(笑)。でもほんとに、英語の歌をよく歌うんですよ。発音も良くて、私の娘なのにふしぎ~。
ほの花:水樹奈々さんもすごい好きです! 自叙伝の『深愛』も読ませていただいたんですけど、性格の良さも全部出ているし、どんな努力をしてきたかも伝わってきて、すごく共感しました。
――もう本人とは会いましたか?
ほの花:まだ会ったことがないんですよ! ライブを観には行っているんですけど、次の日が朝から学校とかだと、ライブが終わったら急いで帰らないといけなくて。
お姉:私がよく娘の話をするから、奈々ちゃんは「ほっちゃんに会いたい!」ってずーっと言ってくれてるんだけど、なかなかタイミングが合わないんですよ。
ほの花:あとはアニソンもよく聴きますし、アイドル系も聴きます。モー娘。とか、ハロプロ大好き! 自分と同い年くらいの子が、あんなにがんばっているのを見ると、刺激がもらえるし、応援したくなるんです。
お姉:ときどきハロプロの映像をニヤニヤしながら観てるのがおかしくって(笑)。
――ダンスもやるんですか?
ほの花:小学生の頃にバレエをやっていて、中学の部活でもダンス部だったんですけど、それくらいですね。もう何年もやっていないです。
――芸名の「井上ほの花」と「HONOKA」は、どのようにして決めたのでしょうか?
ほの花:小さい頃からディズニーチャンネルとか海外ドラマが好きで、それで海外好きになったんですよ。その憧れがあったから、私ももしもデビューできるなら、英語でHONOKAがいいって思っていたんです。よく小学生とかが自分のサインを考えるじゃないですか。あれも必ず英語で考えていました。
――これからは歌の活動が「HONOKA」で、それ以外は「井上ほの花」というふうに分ける感じですか?
お姉:いまちょっとそのへんが、まだよくわかんなくて(笑)。私が井上だから「井上ほの花」かなと思ってたんですけど、歌声がけっこうパワフルで、「井上ほの花」って感じじゃないんですよ。それでどうしようかと迷っていたときに、歌のお仕事が先に決まったので、じゃあ「HONOKA」でやってみようかって。でも声優としては「井上ほの花」なのかな。
――声優もやりたいんですか?
ほの花:やりたいです!
――その時は「井上ほの花」でやりたい?
ほの花:はいっ!
――井上を名乗るということは、「井上喜久子の娘」という見方がずっとついて回ると思いますが、それは構わない?
ほの花:最終的に「井上喜久子の娘だからどうこう」というのがなくなれば、それでいいと思っています。今はママを踏み台にして――
お姉:ママを踏み台!? どゆこと!?
ほの花:ごめんね(笑)。でもほら、母のおかげでチャンスがいただけるわけじゃないですか。ただ、性格も声も歌も母とは全然違うから、最終的に素の私を知ってもらえればいいかなって思っています。
■デビュー曲で母娘17才共演が実現!
――将来的にはどんな活動をしていきたいですか?
ほの花:ちょっと恥ずかしいんですけど、私、小さい頃から本当の魔法つかいになりたかったんですよ。それを母に言ったら、母が「笑顔が魔法なんだよ」ってよく話してくれたんです。中学の卒業文集でも「魔法つかいになりたい」って書こうと思ったけど、それを書いたら絶対中二病って思われるじゃないですか。
それなら、自分の好きな歌と笑顔で世界中の人をしあわせにできたらいいな、そういう活動ができるのが魔法つかいなんじゃないかなって思ったんですよ。だから海外にも行って、いろんな国の人とも触れ合って、アニメのこともたくさん知ってもらえたらいいなって思うし、それができる声優になりたいんです。
――喜久子さんも常に願いは「世界平和」ですから、やはり母娘で考えることは似ていますね。
お姉:私の世界平和は祈ることくらいなんだけど、娘のほうが具体的に見てる気がしますね。
ほの花:保健所のワンちゃんとかも、そういうことを知らない人たちに自分の歌を通して広めることで、助けられたらいいなって思うし。世界に行って音楽を教えたりとかもしてみたいし。自分の歌と笑顔でみんながしあわせになればいいなって思っています。だからいつも歯茎まるだしでにっこりってなっちゃうんですけど。
お姉:歯茎まるだしって、自分でもわかってるんだ(笑)。
――春から通う音大では、どんなことを吸収したいですか?
ほの花:作詞作曲の授業は絶対に取りたいです。自分の言葉や音楽で誰かに何かを伝えるには、自分で作詞作曲ができないとって思うんですよ。あとはミュージカルとか、ダンスもまたやってみたいし。
お姉:音大なのにバレエ科とかミュージカル科とかもあって、いろんなコースを自由に取れるみたいなんですよ。そこが楽しみなんだよね。
ほの花:あとは、英語をちゃんとやりたいです。テストの点数は取れないんですけど、しゃべれるようになりたいから。
――楽器はやらないんですか?
ほの花:ピアノは4才くらいから始めて、今も続けているんですけど、あまりうまくないんですよ。つぼみのままなんです。花は咲かない感じですね。
お姉:あははっ! その表現おもしろ~い!
ほの花:でも、曲を作るとなったらちゃんとコードも憶えなきゃだし。ギターも2、3回挫折してるんですけど、今度こそ憶えなきゃとは思うんです。ひとつくらいは得意な楽器を作りたいんですけど。
――カスタネットとか?
ほの花:カスタネットはたぶん得意ですよ! マラカスとか。ママはタンバリンだっけ?
お姉:そう、タンバリン(笑)。
――そして『太鼓の達人』の楽曲「恋幻想(Love Fantasy)」でデビューすることになりましたが、かなり難しい曲ですよね? 喜久子さんも難しいと思いませんでしたか?
お姉:いや、びっくりしちゃった。とーってもステキな曲なんですけど、最初は「歌えな~い!」と思って。難しかった~。
ほの花:歌詞とか曲の雰囲気とか、「え、私でいいの!? こんなかわいい曲、歌っていいの!?」っていうのが最初の感想だったんです。でも、私の声を聴いて、私のために作ってくださった曲だと伺ったので、照れくさいけど本当にありがたいなっていう気持ちでした。
お姉:ディレクターさんが本人といろんなお話をして、「どんな歌が好きですか?」とかいっぱい聞いてくださって、その上でできた楽曲だったので、親としてみればもう涙が出るほどうれしかったです。
ほの花:実はその時、スタジオで母の歌も録ったんですよ。それを聴いたら、母のほうがいいんじゃないかなって思っちゃって。母の声って色があるじゃないですか。でも私は、自分の歌ったのを聴いて、なんか色がないなって。
お姉:まだこれからだから大丈夫だよ。
ほの花:あとこれ、初めて明かすんですけど、「ルールールー♪」のハモりのところは母が歌っているんですよ。
――母娘17才共演を既にやっていたわけですね? 出来上がりを聴いた時の感想は?
お姉:レコーディングについていったので、娘が歌っているときは「ああっ、もっとこうやって!」って思うんだけど、あんまり横から口を出したらステージママみたいだし、ディレクターさんにも申しわけないと思って「言いたいけど言えない……ああ~!」ってなってたんですよ。でも出来上がりはほんとに美しく仕上げていただいて、もう感謝感激です。
ほの花:私は早く、生で聴いてもらいたいです! この曲は絶対、「生のほうが上手いよ!」って自信がある。
お姉:上手いよって言っちゃった!?
ほの花:伝えられる自信がある。今ならママが歌った時みたいな色が出せるよって思う。レコーディングの時は、とにかく素直に歌っていたんですよ。でもそこから歌いこんで、ママの真似もしてみたりして、ちょっとは色が出せるようになったと思うんです。
★ほの花さんの文化祭のステージを観るためお姉ちゃんが来校したところ、生徒が大騒ぎ!? 以下、後編につづく
>>オフィスアネモネ
>>井上喜久子 オフィシャルサイト @manbow
>>劇場版しまじろうのわお!『しまじろうと えほんのくに』公式サイト
3月11日より全国ロードショー