girugamesh ONEMAN TOUR 2016”鵺-chimera-” 密着度激高の初日O-NESTをレポート
girugamesh ONEMAN TOUR 2016”鵺-chimera-”初日 2016.1.24 渋谷TSUTAYA O-NEST
1月20日にドロップされたミニ・アルバム『鵺-chimera-』を引っ提げてのgirugamesh ONEMAN TOUR 2016”鵺-chimera-”が、1月24日に東京・渋谷O-NESTで開幕した。“モバイル・ファンクラブの限定公演”という形式で初日を切ったこのツアー。ちょっと珍しいが、「最新作をファンの元へ一番に届けたい」というメンバーの想いがあってのことだそうだ。彼らにしては小箱とも言えるキャパシティの会場だったことも相乗効果となって、ファンとの密着度が極めて高い一夜となった。
「アーユーレディー!?」
左迅(Vo)のシャウトを合図に、最新作『鵺-chimera-』より新曲「wither mind」でライブはスタート。歓声は瞬く間に轟音に溶け込み、強靭なメタル・サウンドとスクリーミング・ヴォーカルが会場を支配した。客席とステージが近い上、華美な演出を取っ払ったシンプルなセット。それ故メンバーの気迫と音像が生々しいほどリアルに伝わってくる。間髪入れずに同作より新曲「slip out」へと繋げた。girugameshはヴィジュアル系シーンの中でも圧倒的にラウドな音を鳴らすバンドだが、これは彼らのツアー史上最も凶悪なオープニングなんじゃないだろうか。とはいえ、客席側はのっけからヘドバンあり一斉ジャンプありと新曲とは思えないほどの盛り上がりようで、ファンの誰もが新作『鵺-chimera-』を大いに歓迎している印象だった。そこからライブの定番曲「お前に捧げる醜い声」で一体感を更に増し、会場は早くも熱狂の渦と化した。
「キメラツアー初日! みんな来てくれてどうもありがとうございます!」と清々しい挨拶に始まった左迅のMC。大事な日には必ず悪天候に見舞われることをネタに(この日は西日本を大寒波が襲った当日でした)、「天気が良くなって欲しい日に限って必ず天気が悪くなるバンドです!」と笑いを誘っていた。
「Vermillion」では再びヘドバンの嵐に。インダストリアルなミクスチャー・ロック曲「アングリージュース」からキラー・チューン「CRAZY-FLAG」へ繋げ、勢いをぐんぐんと加速させたところで、「VOLTAGE」で最初のクライマックスを迎えた。会場の全員が手を上げ、バンドが放つ爆音にも負けないほどの大合唱を巻き起こすその光景は、まるでライブハウスの壁を吹っ飛ばしたような圧倒的なスケールを生んでいた。そこから新曲「鵺-chimera-」への流れも、重厚さが際立っていて最高だった。中期から今日までの音楽性の進化を濃縮したようなターンだったが、ここから「腐界の闇」や「終わりと未来」といった初期の楽曲もしっかりとプレイ。ファンクラブ限定公演ならではの、ファンに寄り添ったセットリストである。
ハードな演奏とは一転して、いつになくリラックス・ムードで進んでいくMCタイムは、茶目っ気のある4人の等身大の姿が垣間見れてとても楽しい。
「自分が好きなバンドのライブを見に行った時に、自分がそのバンドを好きになった曲とかやってくれないと、テンション下がると思うんですよ。ねぇ弐さん、そうだよねー?」と左迅が言えば、「だったら毎回入れてやれよッ!」とすかさず弐(gt)がツッコむ。こんなやりとりに、会場は大ウケだ。
「暴れていこうかー!」と左迅が煽ったところで、ライブはいよいよ後半戦に突入。「gravitation」「斬鉄拳」とアッパーな楽曲から、愁(b)のスラップ・ベースが心地よい「driving time」に繋がり高揚感はマックスに。「踊れる準備は出来てますかー!?」と放たれた新曲「Horizon」で、会場の温度をさらに上げた。コールアンドレスポンスからの「Another way」でとびきりキャッチーに盛り上げたところで、激情系の新曲「END」を投下。ヒリヒリとしたヘヴィネスを会場いっぱいに残して本編が終了した。
再びアットホームなMCを挟んで「亡者ノ行進」から始まったアンコール。とりわけバンドの凄味が感じられたのは「獄」だ。今のgirugameshが放つ凶悪なダイナミズムは、もはや完全にメタル・バンドのそれで、ブラッシュアップされたこの日の「獄」に鳥肌を立てずにはいられなかった。ラストは「evolution」。パーティーハードな盛り上がりとともに初日の幕を降ろした。
girugameshはこれから全国17会場をまわり、7月10日にはZepp DiverCityでファイナル公演"鵺-period-"を予定している。このツアーではメンバーに挑戦してほしい企画をファンから募集していて、その中からピックアップしたものをツアー中に実践しようというユニークな試みもあるそう。そんなことも踏まえて、ONEMAN TOUR 2016”鵺-chimera-”は対バン形式だった近年のツアーとはがらりと嗜好を変えた、ファンの元へと立ち戻るツアーになりそうだ。
1. wither mind
2. slip out
3. お前に捧げる醜い声
4. Vermillion
5. アングリージュース
6. CRAZY-FLAG
7. VOLTAGE
8. 鵺-chimera
9. 腐界の闇
10. takt
11. 終わりと未来
12. gravitation
13. 斬鉄拳
14. driving time
15. Holizon
16. Another way
17. END
[ENCORE]
18. 亡者ノ行進
19. 獄
20. evolution
2/05(金)広島 SECOND CRUTCH
2/06(土)福岡 DRUM SON
2/13(土)名古屋 CLUB QUATTRO
2/20(土)高松 MONSTER
3/05(土)Club Lizard YOKOHAMA
3/12(土)長野 LIVE HOUSE J
3/13(日)柏 ThumbUp
3/20(日)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
3/21(月・祝)仙台 MACANA
3/26(土)大阪 STUDIO PARTITA
4/02(土)金沢 vanvan V4
4/03(日)静岡 UMBER
4/09(土)札幌 CrazyMonkey
4/10(日)札幌 CrazyMonkey
4/16(土)神戸太陽と虎