つかこうへい×錦織一清×戸塚祥太『寝盗られ宗介』製作発表会
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『寝盗られ宗介』製作発表会での高橋由美子
80年に初演、92年には原田芳雄&藤谷美和子で映画化、その後も時代を代表する俳優により上演を重ねてきたつかこうへい作『寝盗られ宗介』。数あるつか作品の中でも、人情について描かれためずらしい作品だ。“大人の色気満載の衝撃作”と言われる本作が、このたびA.B.C-Zの戸塚祥太主演、錦織一清演出で上演される。
つか作品×錦織演出×戸塚主演のタッグは、13年の『熱海殺人事件』を皮切りに、『出発』(14年)、『広島に原爆を落とす日』(15年)と続き、今回が4度目となる。
女房への愛の昂揚のため、幾度となく女房をほかの男と駆け落ちさせるドサ回り一座の座長・宗介(戸塚)を軸に、一癖も二癖もある座員たちの姿を通して、男女の愛とは、人情とは何かが描かれる本作。宗介の女房・レイ子役に高橋由美子、レイ子と駆け落ちする一座の副座長・ノブオ役に姜暢雄、レイ子の後釜をもくろむサキ役に福田沙紀、レイ子の父親・留造役に酒井敏也、そして個性豊かな座員たちに関西ジャニーズJr.の藤原丈一郎、小川菜摘、篠山輝信、蔵下穂波、冨浦智嗣、三浦祐介、D-BOYSの西井幸人といった、舞台やTVドラマ、映画などで活躍する俳優陣が名を連ねる。
大衆演劇の一座という設定から、製作発表の冒頭では「北村宗介一座によるSHOW TIME」も披露された。戸塚は着物姿で妖艶に扇子を操り、周りの座員役たちも息の合った舞いやアクロバットで華を添えた。演出の錦織は本作がつかこうへいの七回忌を偲んでの上演であることに触れ、「この作品は、ファンの間で“つかさん戯曲の中でも珠玉の作品”と呼んでる方もいるように、つかさんがやりたかったことがこれに集約されているというか、“つか調”がふんだんに入っています。そういった意味で本当にふさわしい」と、自信と意欲をのぞかせた。
また、会見が行われた当日はジミー役・藤原丈一郎の誕生日ということで、囲み取材の直前には出演者からサプライズでケーキとバースデーソングが贈られる一幕も。スタッフとキャストの団結をうかがわせる和やかな会見となった。
登壇者の主なコメントは以下の通り。
■我孫子正(松竹株式会社取締役副社長 演劇本部長)
松竹がつかさんと初めてご縁がございましたのが09年で、新橋演舞場で『幕末純情伝』をつかさんの演出でやらせていただいたことから始まります。つかさんとの会話で思い出しますのは、「大劇場とか小劇場とかそういう垣根がなくなったね」という話です。つかさんの作品も、小劇場を中心に本当に多くの方の感動を得てきましたが、それを新橋演舞場という大きい劇場で上演できるということを本当に喜ばれておられました。そして10年の『飛龍伝』が、つかさん最後の演出作品になったわけです。そのご縁をもちまして、こうしてつかさんの作品を続けさせていただけることとなりました。素晴らしいキャストを迎えて、どんな芝居になるのか、つかさんもあの世で本当に楽しみにされていると思います。
■錦織一清(演出)
今年で僕もつか作品4本目ということで、かなり恐縮しております。毎年思うのですが、つか演劇をやるたびに本当に出演者の皆さんに恵まれているなと。今回も僕の方が足を引っ張らないように、新しいものをつくっていきたいと思います。つかさんの台本は、演じる人物に合わせた当て書きになっています。今回初めての方もかなりいらっしゃいますんで、皆さんの個性が本当に生きる作品に変えていきたいというのは常々思っています。(冒頭のショーを)観ていただいてお分かりのように、舞台はもう半分以上出来上がっていますので(一同笑)、あとはなるようになれということです(笑)。面白い作品にします。
■戸塚祥太 宗介役
今回で僕もつかこうへいさんの作品、そして錦織さんが演出を手掛けてくださる作品には4回目の出演となります。今までやってきたこともそうですけど、ここでまた新たなチャレンジをして、新しい自分に出会えたらいいなと思います。大人の男性の色気にかんしては、僕自身まだまだ空っぽなので、稽古から初日までの期間、いろいろなものを抱える中、キャストの方々と一緒に作品をつくっていく中で、邁進していけたらなと思っています。大衆演劇は、先日この木馬館さんで拝見し、出演者の皆さんの団結力、そして要所要所で個性が輝くところを見させていただきました。この作品でも劇中劇として(大衆演劇を)やらせていただくので、そういった色がちょっとでも出せたらなと思っています。所作などの部分もしっかりやっていきたいです。
■高橋由美子 レイ子役
今回は憧れのつかさんの作品に参加させていただけることになりまして、先ほどのSHOW TIMEでは踊っておりませんでしたが、もしかしたら錦織さんから踊ることになるかもしれないということを聞きました。体力だけは若い方に負けないように、ちゃんと筋トレして頑張りたいなと思います。
■福田沙紀 サキ役
今回、一度は参加したいとずっと思っていたつかこうへいさんの作品に皆さまと一緒に参加できること、すごくうれしく思っています。とにかくドキドキしていて、どんな作品になるのか、とてもワクワクしているので、皆さんぜひ期待して、そして応援していただけたらいいなと思います。
■姜暢雄 ノブオ役
大衆演劇は何度か観せてもらったことがあるんですけど、家族の方たちが本当に一体感をもってやっているのをすごく感じました。その“家族感”を出しつつ、初めて共演する方とも一生懸命体当たりしていきたいと思います。
■藤原丈一郎 ジミー役
この中で僕と西井(幸人)君が一番若いので、皆さんに負けずに若い力で千秋楽まで突っ走って、ケガなく頑張っていきたいと思います!
■酒井敏也 留造役
さっき楽屋で錦織さんが煙草を吸っている姿がつかさんを見ているようで、あー今日つかさん来てるんだなぁって。ちょっと緊張しました(笑)。この芝居も多分、つかさんが助けてくれるんだな……、そんなふうに今日思いました。この作品の初演ではジミーの役をやっていました。歌って踊って、バイセクシャルです!(一同笑)
■小川菜摘 リリー役
憧れのつかさんの作品に出られるということで、とても今ワクワクしております。リリーは座員のお母さん的存在ですので、母性とエロスを出せたらなと(笑)、今から思っております。
■篠山輝信 花岡裕次郎役
僕は今回、6年ぶりの舞台になります。前回出させていただいたのが、先ほどお話にもありました、つかさんが最後に演舞場で演出をされた『飛龍伝』です。今回6年ぶり、久しぶりの舞台で、またつかさんの作品ということで、つかさんの愛とエネルギー溢れる舞台に触れられることをうれしく思っています。もしつかさんが天国から見ていた時に、篠山ちょっとは成長したなって言ってもらえるように今回頑張りたいと思います。
■蔵下穂波 スズ子役
つかこうへいさんの作品を錦織さん演出でやらせていただくのは今回が3回目なんですが、毎回すごく特徴的な役が多いんです。特に印象に残っているのが『広島に原爆を落とす日』のビアンカという原住民の役だったんですが、兵隊に何度罵倒されてもその人が好きで好きでたまらないという役で、その時(芝居が)分からなかった私に、錦織さんが相手役の代役をやってくださったんです。錦織さんが(ダメ出しの代わりに)セリフで罵倒してくださったおかげで、ビアンカという役の、言葉では表せない気持ちや熱量が分かって成り切ることができました。また人間ではない特徴的な役なので(笑)、今回も頑張りたいなと思います。
■冨浦智嗣 トミー役
僕は『出発』という作品で2年前初めて舞台に出た時、錦織さんや戸塚さんに舞台の素晴らしさというものを教えていただきました。昨年『広島に原爆を落とす日』を京都の南座に観に行かせていただいたら、皆さん一人ひとりが本当に輝いていて、いいなぁ僕もまた舞台に出たいなぁと思っていたので、今回また錦織さんや戸塚さんたちと一緒にできて本当にうれしいです。この幸せを噛み締めながら一生懸命頑張りたいと思います!
■三浦祐介 三浦役
今年も錦織さんの演出のもと、戸塚座長のもと、キャストの皆さん、スタッフの皆さんと肩を組んで全精力を懸けてやりたいと思います! どうぞよろしくお願いします。
■西井幸人 猿の彦次郎役
つかさんの作品、そして錦織さんの(演出)作品に出るのは初めてなんですが、本当に光栄でうれしいです! この作品でアクセントになる役柄になれたらいいなと思っています。チームワークよく取り組めたらと考えていますので、応援よろしくお願いします!
公演は4月16日(土)より大阪松竹座から開幕し、5月24日(火)より東京・新橋演舞場、その後、福岡、愛知を“ドサ回る”予定だ。
『寝盗られ宗介』
【キャスト】戸塚祥太/高橋由美子/福田沙紀/姜暢雄/藤原丈一郎/酒井敏也/小川菜摘/篠山輝信/蔵下穂波/冨浦智嗣/三浦祐介/西井幸人
2016年4月16日(土)〜24日(日)
・会場=大阪松竹座
・一般前売=2月14日(日)開始
・料金=全席指定 1等席8,500円/2等席5,500円
2016年5月24日(火)〜29日(日)
・会場=新橋演舞場
・一般前売=3月27日(日)開始
・料金=全席指定 S席8,500円/A席5,500円/桟敷席9,000円
2016年5月3日(火・祝)・4日(水・祝)
・会場=福岡ももちパレス
・一般前売=2月14日(日)開始
・料金=全席指定8,500円
2016年5月14日(土)
・会場=刈谷市総合文化センター
・一般前売=2月14日(日)開始
・料金=全席指定 S席7,500円/A席4,500円