巳之助・彌十郎が登壇!シネマ歌舞伎『喜撰/棒しばり』全国公開の初日舞台挨拶レポート

坂東巳之助・坂東彌十郎

坂東巳之助・坂東彌十郎


シネマ歌舞伎最新作は、2015年2月に早逝した十世坂東三津五郎の代表作とも言える2作品、『喜撰/棒しばり』を豪華二本立てで2月13日(土)から全国公開した。

坂東三津五郎は、古典での折り目正しい格式、新作や復活狂言への取り組みと、剛柔併せ持つ歌舞伎俳優として活躍し、また、舞踊の名手としても、その名を知られていた。
 
『棒しばり』は中村勘三郎との名コンビで人気を博した作品。初演時、六世尾上菊五郎と七世坂東三津五郎が大当たりをとった人気舞踊を、それぞれの孫、曾孫にあたる勘三郎と三津五郎が勤めている。昨年の八月納涼歌舞伎では、“十世坂東三津五郎に捧ぐ”演目として、二人のそれぞれの息子、勘九郎と巳之助が演じたことも、大きな話題を呼んだ。
 
『喜撰』は三津五郎襲名公演でも踊った作品で、今回の映像は、三津五郎最後の『喜撰』となった平成25年6月「歌舞伎座新開場杮葺落公演」の舞台を収録している。
 
坂東巳之助・坂東彌十郎

坂東巳之助・坂東彌十郎

全国公開の初日、2月13日に、三津五郎の長男の坂東巳之助が坂東彌十郎とともに揃って登壇、舞台挨拶を行った。
 
坂東彌十郎は、『棒しばり』では曽根松兵衛役で出演、同世代の三津五郎、十八世中村勘三郎とは、歌舞伎座の「納涼歌舞伎」などで数多く共演している。「新春浅草歌舞伎」やスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』での活躍も記憶に新しい巳之助は、『喜撰』では所化浄念坊として出演、また昨年の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」では"十世坂東三津五郎に捧ぐ"演目として『棒しばり』を演じたことも大きな話題となった。
 
当日開演前、満員の観客の大きな拍手とともに2人が登壇、司会の質問に答える形で、色々なエピソードを披露した。
 
坂東巳之助・坂東彌十郎

坂東巳之助・坂東彌十郎

──『棒しばり』についての思い出は?
 
彌十郎 思い出深いというか、ずっと出たかった作品です。僕はお二人と世代がほとんど一緒なんですが…ただ、僕が役者になったのが遅いのですが。三津五郎の兄貴は4か月違いで生まれて、子供の頃から生まれた時から付き合いが、まぁ覚えてないんですけど(笑)ありましたし、勘三郎さんとは私が小学校3年の元旦、これは覚えてますね。出会いは正月挨拶に行って、「あけましておめでとうございます」って父と一緒に行ったときに、奥からダーッて走ってきて、その頃もうテレビでよく僕はもう知っていましたけどね。「君いくつ?」「僕8歳です」「僕9歳!」それが最初の言葉です。全然変わってない。もういきなり上から目線で(笑)、身長は僕の方がその時から大きかったので。でもそれで「今日遊んでいきなよ!」って1軒目の挨拶だったんです。それが父と初めての元旦デビューだったんで、お年玉いっぱいもらえるぞと思ったら1軒目で止められちゃって(笑)。で、父が全部あいさつ回りして迎えにくるまで、ずっと中村屋のおうちで遊んでたんです。それからのお付き合いですから、でまぁ、お二方はそのころから舞台出てらっしゃいましたし、私は17歳からで遅かったんですが、『棒しばり』をお二人で初めてなさった時から拝見してるんですね。で、先輩が皆さん大名をやってらっしゃいまして、私の兄もやっていまして、いつかやりたいな、やらせていただきたいな、三人でできたらこんなうれしいことはないなと思ったら、ある時お声をかけていただいて、一回目はもう本当にうれしくてたまらなかったですね。その時の初日の感動っていうのは今でも覚えてます。もう一つ初日覚えているのは「太郎冠者あるか」ってふっと振り向くと、いつもほとんどの場合三津五郎さん、最近たまに勘九郎さんがいる、ふっと見たらみっくん(巳之助)」
 
巳之助 そうですよね(笑)。
 
彌十郎 いや、お稽古の時からそうだったんですけど、初日ぱっと振り返った瞬間にみっくんの顔があったからちょっとその時セリフ間違えました。あれだけやってるのに、ちょっとやばいなと、くるものがっていうか…勘九郎さんも言ってましたね、今日なんかきちゃいましたよねって、まぁ、そんな感じでした。
 
巳之助 僕はもうそれどころじゃなかったです。
 
彌十郎 本当に真剣な目でしたからね。
 
坂東巳之助・坂東彌十郎

坂東巳之助・坂東彌十郎

──『喜撰』の思い出は?
 
巳之助 (今回上映されているのは)杮落としの時ですよね? 僕、思い出がありまして。歌舞伎座閉場の時のさよなら公演の時の『喜撰』にも僕、出させていただけて、父が踊っている背中の向こうに、こう歌舞伎座の提灯がばーっと並んで、これを見るのはもう最後なんだなあと思って、よく覚えておこうと思ってたら、ほとんど同じに出来上がっちゃったからまた見れてるという(笑)。
 
彌十郎 ちなみに皆様、客席からご覧になっていらっしゃいますけども、舞台から見る歌舞伎座の客席の景色ってね、ほとんど変わらないんですよ。ですから新しく開場になってもなんかほっとした感じはありました。
 
こんな楽しいトークとともに初日挨拶は盛り上がった。

〈情報〉

『喜撰/棒しばり』二本立て 本編尺:80分(予定)
『棒しばり』(平成16年4月 歌舞伎座公演)本作品はアナログ素材をHD化して上映します。
出演:中村勘三郎、坂東三津五郎、坂東彌十郎
『喜撰』(平成25年6月 歌舞伎座公演)
 
出演:坂東三津五郎、中村時蔵、坂東秀調、坂東亀三郎、坂東亀寿、尾上松也、中村梅枝、中村歌昇、中村萬太郎、坂東巳之助、中村壱太郎、坂東新悟、尾上右近、大谷廣太郎、中村種之助、中村米吉、大谷廣松、中村児太郎、中村鷹之賞
●2016年2月13日より東劇ほか全国公開
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/30/
    
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