フレッシュ名曲コンサート 日本フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン “ふたつの5番”

感動必至の“5番”勝負!


 ベートーヴェンの“ふたつの5番”、ピアノ協奏曲「皇帝」と交響曲「運命」は、聴くたびに感銘を受ける作品であり、クラシックのコンサートが初めての人、いやクラシック自体を初めて聴く人でも感動し得る作品だ。その2曲を広上淳一指揮、日本フィルの演奏で体験できるのが、3月の太田区民ホール・アプリコの公演。これなら文句なしに万人が楽しめる。

 まずは「皇帝」と「運命」。中期“傑作の森”の真っ只中に書かれた両曲は、旋律や迫真の展開において、最も“ベートーヴェンらしい”音楽であり、特に生で聴けば確実に引き込まれる。演奏に熱がこもっていればさらにいい。その点で広上&日本フィルはうってつけだ。内外のポストを歴任し、近年京都市響の水準向上で評価も高い彼は、かねてより熱気と躍動感に富んだ演奏で、聴く者を魅了してきた。しかも最近はスケールの大きさや懐の深さを増している。かたや日本フィルは、常に全力投球の姿勢で長年ファンの支持を集め、こちらも近年は名匠ラザレフのもとで緻密さやパワーをアップさせている。加えて広上にとっては、1991年から2000年まで正指揮者を務めた旧知の間柄。しからば吸引力抜群の熱演は必至だ。

 ピアノ独奏の梅田智也も要注目。1991年生まれの彼は、2014年の東京音楽コンクールで第1位及び聴衆賞を受賞し、日本フィルとも数回共演している。特に「皇帝」は、同コンクールの本選でも弾いた演目であり、その時の生気漲る雄弁な演奏から、今回も大いに期待できる。

 本公演は、ビギナーにはぜひ、そして長年のクラシック・ファンにも改めてお勧めしたい。

文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)


フレッシュ名曲コンサート 日本フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン “ふたつの5番”
3/3(木)19:15
大田区民ホール・アプリコ
問合せ:大田区文化振興協会03-3750-1555
http://www.ota-bunka.or.jp
WEBぶらあぼ
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