篠原悠那(ヴァイオリン)~『四月は君の嘘』ヒロイン“宮園かをり”のモデル・アーティスト

篠原悠那(ヴァイオリン)

篠原悠那(ヴァイオリン)

 「次代を担う」ヴァイオリニストとして期待を集める、篠原悠那がCDデビューをはたす。現在、桐朋学園大学のソリスト・ディプロマ・コースに在学中の彼女は、2014〜15年にフジテレビ系列で放送されたアニメ『四月は君の嘘』でヒロインの中学生“宮園かをり”のモデル・アーティストを務めたことで大きな話題を呼んだ。
「ヒロインの演奏シーンは私の動きを10台程度のカメラで撮影したものを元に作画されていて、実際にアニメを観ると、『あっ私がいる(笑)』って不思議な気持ちになりました。自分にこんなクセがあったんだって気づかされたりもしました。宮園かをりは非常に個性が強いけれど、聴衆の心を掴んで熱狂させるヴァイオリニストとして描かれているので、それを疑似体験しているようで楽しかったです」

 また、劇中でもうひとりの主人公であるピアニストの“有馬公生”と一緒に圧巻の演奏シーンを繰り広げ、視聴者に絶賛されたサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」なども収録。
「この曲はたくさんの要素を持っているのですが、自分の大きなイメージは『謎めいた東洋系の完璧な美女』です」

 最終話のクライマックス・シーンを彩るショパン「バラード第1番」(原曲はピアノ曲)が、横山克(劇伴担当)による編曲版と、イザイが1916年に編曲したまま埋もれ、2014年に日本人ピアニスト、永田郁代の尽力で世に出た「イザイ版」の2ヴァージョン収録されているのも注目に値する。
「ショパンという作曲家の作品には心から共感できる気がして、ヴァイオリンでも弾いてみたいとずっと思っていました。アニメで演奏の機会をいただけて嬉しかったです。横山さんの編曲ではヴァイオリンが演奏されるのは短い間ですが、ピチカート奏法など楽器の特性が活かされ、低音から高音まで、ピアノと一緒に弾いた時にいちばんいい音で鳴るように考えられていて素晴らしい編曲でした。一方のイザイは技術的にも難しく、特に最後に盛り上がる部分は最初、不可能に思えましたが、演奏を重ねていくうちに自分の響きが作れるようになって手応えが感じられました」

 他にも、サラサーテ「カルメン幻想曲」やグラナドス「スペイン舞曲第2番『オリエンタル』」、ショパン(サラサーテ編)「ノクターン第2番」など盛り沢山。3月のリリース記念公演ではアルバム収録曲に加えてラヴェルのソナタなども演奏予定。
「ソロだけでなく室内楽を演奏することも大好きです。今年はイギリスとスイスに留学を予定しています。いつかはステージで聴衆の皆様に夢を見ているような時間を過ごしてもらえる演奏家になりたいです!」

 デビュー盤のタイトルはスペイン語で“初舞台”を意味する「エストレーノ」。まさにその一歩を踏み出した。

取材・文:東端哲也
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)


ソロアルバム リリース記念
篠原悠那 ヴァイオリン リサイタル
3/20(日・祝)14:45
トッパンホール
問合せ:ティーエーエヌジー06-6850-7151


CD
『Estreno』
EPICレコードジャパン
ESCC-34 ¥2759+税
2/24(水)発売

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