WANIMA「この恩は音楽で返していく」万感のツアーファイナル
WANIMA「Are You Coming? Tour Final」の様子。(Photo by Yuji“本田本”Honda)
WANIMAが2月27日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて全国ツアー「Are You Coming? Tour」の最終公演を開催した。
このツアーは彼らが1stフルアルバム「Are You Coming?」を携えて11月から行っていたもの。最終公演となるこの日は、ゲストにMONGOL800を迎え、2組は超満員のZepp DiverCity TOKYOにて熱演を繰り広げた。
MONGOL800は「あなたに」で場内のシンガロングを誘うと、「小さな恋のうた」ではキヨサク(Vo, B)が歌唱をファンに委ねるなど、会場の一体感を生み出していく。またキヨサクが「WANIMAを沖縄に呼びたいんだけど」と切り出し、11月に開催する自主企画フェスティバル「What a Wonderful World!! 16」への出演依頼をする場面も。バンドは終始和やかなムードでライブを進行し、WANIMAへバトンをつないだ。
WANIMAはステージに登場するなり、観客にジャンプしたり手を振ったりするよう促し、ハイテンションにスタートを切る。そしてKENTA(Vo, B)が1曲目「ここから」を歌い始めるとステージ後方には巨大なフラッグが登場。迫力ある演出にオーディエンスはモッシュやクラウドサーフを繰り返し、場内はさっそく異様な熱気に包まれた。
3曲を終えるとKENTAが笑顔で「俺の表情見て、どれだけうれしいかわかると思うけど!」と高揚した様子で声を上げる。さらにFUJI(Dr, Cho)が立ち上がってKO-SHIN(G, Cho)のマイクへと進み、モノマネを織り交ぜながら大塚愛の「さくらんぼ」を歌ってみせるなど、3人はにぎやかにライブを進行していく。KENTAが「ここから連続50曲やりますけど」と笑いを誘って始まったブロックで彼らは、ラスタカラーの照明がステージを照らした「リベンジ」やリズミカルに繰り出される歌詞が印象的な「Japanese Pride」などアップテンポな楽曲を畳み掛けていった。
「沖縄っぽいギター弾いて」とのFUJIの言葉を受けて、KO-SHINが裏拍を刻んでなだれ込んだ「SLOW」では、それまでとは一転して会場にゆったりとした空気が流れる。KENTAが「18歳の頃からずっとずっと歌ってきた歌」と感慨深く紹介した「THANX」ではフロアからこの日一番のシンガロングが発生。場内は感動的なムードに包まれた。
終盤のMCではKENTAが、昔KO-SHINとともにMONGOL800の曲をカバーしていたと言い、KO-SHINに向かって「あの頃の俺らに教えてあげたいね」と笑顔を見せる。またツアーを振り返り「みんな全国で俺らと旅してくれてありがとうございます。いろいろ忘れとったことを思い出させてもらいました。この恩は音楽で返していくのでこれからもよろしくお願いします」とファンへ感謝の気持ちを伝えた。そしてしんと静まり返った場内で、KENTAが弾き語りで「1106」を歌い始める。ドラムとギターが加わると、KENTAは足を踏み鳴らすなど感情をむき出しにして歌唱。FUJIとKO-SHINもより力強いプレイを見せ、感動的な空気で会場を満たした。続けてKENTAが声を張り上げて「また一緒に笑ったり泣いたりしたいけん……『また逢える日まで』!」と曲紹介。3人は超満員のフロアをくまなく見渡しながら楽曲を届け、穏やかな表情で本編を締めくくった。
アンコールで再びステージに登場した3人は「HOME」「つづくもの」「昨日の歌」を一気に連投し演奏を終える。そして最後はKO-SHINによる1本締めでライブを締めくくることに。ステージ中央へ進んだKO-SHINが珍しく「少しだけ気持ちを伝えさせてください」と自発的に話し始めようとすると、すかさずKENTAが「言いたいことは全部俺が言ったけん、やめとけやめとけ!」と冗談交じりに遮る。しかしKO-SHINはそれを振り切って「本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」と挨拶。そして改めて「よー!」と声をかけ、バンドはファンと一緒に1本締めで全国ツアー「Are You Coming? Tour」の幕を下ろした。
WANIMA「Are You Coming? Tour Final」
2016年2月27日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
01. ここから
02. 夏の面影
03. エル
04. リベンジ
05. Japanese Pride
06. いいから
07. Hey Lady
08. SLOW
09. TRACE
10. THANX
11. 雨あがり
12. BIG UP
13. 1106
14. また逢える日まで
<アンコール>
15. HOME
16. つづくもの
17. 昨日の歌