35年間の想いを込めて…鼓童創立記念コンサートは3夜連続!

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インタビュー
2016.3.23
「鼓童」(左から)前田剛史、中込健太、船橋裕一郎  撮影=こむらさき

「鼓童」(左から)前田剛史、中込健太、船橋裕一郎  撮影=こむらさき


太鼓芸能集団「鼓童」が創立35周年を迎え、記念のコンサートを3夜連続で開催することとなった。初日は、新日本フィルハーモニー交響楽団とのコラボ、二日目は坂東玉三郎が演出を手掛けるようになった「今」の鼓童を凝縮したステージ、最終日はDAZZLEやBLUE TOKYOら、ストリートダンスと男子新体操をそれぞれルーツに持つダンスグループとのコラボレーションを披露する。記念コンサートに先駆けて、鼓童代表の船橋裕一郎、鼓童いちの爆音を鳴らす中込健太、太鼓はもちろん、笛、筝、鳴り物など多彩に使うオールラウンドプレイヤーの前田剛史に話を聴いてきた。



――鼓童35周年ということですが、船橋さんはいつから在籍されているんですか?

船橋:舞台に立つようになってから16年。研修生のころからだと18年か…おお!(笑)35周年、自分がいた年月は約半分です。その18年の間で鼓童の人数も増え、組織も大きくなってきました。自分の成長の過程と共に、鼓童の幅も広がってきたように思います。ここまで培ってきたことからあるからこそ、いろいろなことができるようになりましたし、それらを振り返りながら新しい挑戦をしていきたいと思います。


――では、今回の企画意図をお伺いしていきたいと思います。3夜連続で開催ということですが、初日の新日本フィルとの競演について。

船橋オーケストラとの共演は、1981年のベルリン芸術祭での鼓童のデビュー公演での「モノプリズム」など数多く、鼓童が世界に知られるきっかけにもなりました。また、「モノプリズム」という作品があったからこそ、太鼓の領域を広げるきっかけにもなりました。

「鼓童」船橋裕一郎  撮影=こむらさき

「鼓童」船橋裕一郎  撮影=こむらさき

――管弦楽においての管楽器(特に金管)は、よく打楽器のように扱われることが多いのですが、鼓童との演奏を聴いていると、まるで管楽器だけでなく弦楽器までもが打楽器の音色のように聞こえてきますね!不思議です!

船橋:新日本フィルさんと一緒に演奏すると、練習中は前列の方々が(耳をふさいで)辛そうにされています(笑)自分たちもいつもやるときはめいっぱい音を出すんですが、このときばかりは音を抑えて抑えて…これが普段出さないような音を出すきっかけにもなりました。とはいえ、つい音を出したくなってしまいますが(笑)あわさることで気持ち良い音になるということは勉強になりました。本番が終わるとお互い喜びあえる、「合わない」と思われたものが、最後に「一体感」につながる、わかりあえるということができましたね。


――やはり音はかなり抑えているんですね。でも本音はもっと大きな音を出したい、と。

中込:そんな感じですね。最終的にはそうなってしまいますね。

船橋:中込は、鼓童で爆音を出す男ですから(笑)

「鼓童」中込健太  撮影=こむらさき

「鼓童」中込健太  撮影=こむらさき

――2日目のステージはどのようなものとなりそうですか?

船橋:自分たちが子どものころから観ていた鼓童のイメージと、玉三郎さんが入ってきてからの鼓童はガラっと変わっています。衣装、音の作り方、舞台の流れの作り方、など。自分たち自身も変わってきていると思います。もちろん、音への探究心や無心に打つという魂は不変なのですが。創作過程、創造する世界など、玉三郎さんが関わるようになってからの数年間を凝縮させた舞台となると思います。


――玉三郎さんが演出に入られたことで具体的にはどう変わりましたか?

船橋:柔軟性が培われてきましたね。20年もやっていると「太鼓はこういうもんだ」っていう固定概念ができていた。ところが、玉三郎さんが来られたときに「これってなんでこういうことができないの?」「これってどうしてこうなの?」と質問されたときにパッって答えられなかった自分たちがいるんです。「確かにこういうのって決まり事という訳じゃないよな…自分たちで勝手に決めていたよなあ」って。そこからひとつひとつ解きほぐして。最初は違和感とか抵抗感とかもありましたが、やってみると改めて自分たちのことを見つめなおすことが出来ましたし、音が広がっていくきっかけにもなって新鮮でしたね。
「これまでのことも、新しいことも、両方できたらいいんじゃないの?昔の事を否定しているわけじゃない。プロとして両方できることがいいんじゃないかな?」って玉三郎さんがおっしゃられて。今でも演出を受けるたびに新たな驚きがありますね。でも、きっとその先に何かがあるんじゃないかな、って思っています。


――3日目、最終日は、太鼓とDAZZLEやBLUE TOKYOとのコラボ!最初にこの方々とのコラボを聴いたときには、日本古来のリズム感と合うのだろうか?と思っていました。実のところはいかがですか?

船橋:DAZZLEとBLUE TOKYOとは、 2年前にアースセレブレーションでご一緒させていただきました。そのイベントの直後に「次またやりましょう!」って決まったんですよ。彼らにとっては、普段録音された音楽でやっている練習と本番の躍動感も違うし、僕らにとっては、自分たちの演奏する曲でこんなにすごいパフォーマンスをやってくれるんだと。お互い「ナマ」の感覚を味わえるんです。特に太鼓は「振動」なのでそれを肌で感じながらやってくれるんです。今回はイベントのときの楽曲も洗いなおしてやりますし、2グループがあらたに「やりたい」といっている曲もやりますよ!

「鼓童」(左から)中込健太、船橋裕一郎  撮影=こむらさき

「鼓童」(左から)中込健太、船橋裕一郎  撮影=こむらさき


 

――太鼓の音って体型や年齢によってかなり変わるものですか?

船橋:その人自身によって出す音色は違いますね。鳴らすとだいたいその人の性格もわかるし、ね?

中込:そうですね。

船橋:うちの65歳のメンバーが出す音は本当にしみる音だなって思います。積み重ねで出る音がね。一方で、若い者、研修生が出す音にも感動するし。太鼓の種類によっても音が違いますし、それを叩く人間にとっても音がまた違う。それが魅力の一つなんです。それゆえに大変なこともありますが。同じ種類の太鼓のはずなのにピッチとか合わないこともあるんです。合わないけど許容しあってどう合わせていくか、ピッタリじゃないけど「あわせる」という感覚が太鼓の魅力だなって思います。


――ちなみに、中込さんはどのあたりから爆音に変わったんですか?

中込:(笑)鼓童に入ってすぐはそんな音は出ていませんでした。ずっと鼓童をやっている先輩たちの中にポンと入って、同じ舞台に出なければならないので、それに対抗するには…新人だからとか言ってられないので、そこは気合いれて叩くしかなくて。鼓童の中に入って演奏するとどうしても「前に叩いていたあの人がよかった」とか、そういう目で見られるので、とにかく音だけは負けねえ、と思い出してそれから叩くようになりましたね。いつから変わったのかは実感ないんですが、なんか「うるさい」って言われるようになってきて…(笑)


――前田さんが出す音もまた違うんですね。

前田:実は中込とは1歳しか違わないんですが…。研修所は一緒でした。

「鼓童」前田剛史 撮影=こむらさき

「鼓童」前田剛史 撮影=こむらさき

――1歳しか違わない!?観た感じの印象が結構違いますね・・・。

三人:わははははははは。

船橋:最近は高校生のときからバンバンやっていて、鼓童に入ったときからみんな経験者で太鼓がうまくってね。裾野は広がりましたね。全国の太鼓のコンテストとか、高校だと総文祭(全国高等学校総合文化祭)が盛んなので、全国で競い合って。アマチュアのグループもレベルが高いです。僕が子どものころはそういう活動があまりなかったので。


――鼓童ができたことで興味を持つ人が増えてきたんじゃないかと思います。

船橋:それは大きいと思います。そこからプロのグループが全国各地にできてきた中で、一つの選択肢になってきましたね、子どもたちにとって。「鼓童に入りたい」「他のプロのグループに入りたい」とか。「地元のグループに入ろう」、とかね。


★鼓童の若手と「真田丸」題字の挾土秀平が出会って生まれた特別公演「若い夏」 もお読みください。

 

「鼓童」船橋裕一郎さん・中込健太さんより動画メッセージをいただきました↓
 
公演情報
「鼓童創立35周年記念コンサート」
 
■日時:2016年8月18日(木)~20日(土)
■会場:サントリーホール

 
 8月18日(木) 第一夜 ~出逢い~
 出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団
 指揮:下野竜也

 
 8月19日(金) 第二夜 ~螺旋~
 演出:坂東玉三郎
 出演:鼓童

 
 8月20日(土) 第三夜 ~飛翔~
 演出:坂東玉三郎
 出演:鼓童、ゲスト:BLUE TOKYO、DAZZLE

 
 
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