中村獅童&尾上松也らが絵本を歌舞伎に 新作歌舞伎『あらしのよるに』製作発表会
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きむらゆういち原作の絵本シリーズ「あらしのよるに」が、京都・南座の『九月花形歌舞伎』で新作歌舞伎として上演されることになり、14日都内で会見が行われた。
原作はオオカミとヤギの友情をテーマに1994年に出版され、シリーズ累計300万部を超えたベストセラー絵本。脚本の今井豊茂は「新作歌舞伎ということで、皆さまよくご存じの、流れる歌舞伎といいますか懐かしさを感じられるような、それでいて新しさも漂うものを書かせていただきます。ヤギとオオカミと森の動物たちという、人間が一人も出てこないお芝居ですが、歌舞伎の技を盛り込んで、ベースとしては原作のイメージを崩さずに、歌舞伎って面白いんだなと感じていただける作品にしたいと思っております」と歌舞伎にこだわった構想を明かした。
今回、主人公のオオカミ・がぶ役を、中村獅童が演じる。獅童は2002年にNHK Eテレ「てれび絵本 あらしのよるに」ですべてのキャラクターとナレーション務め、その後05年に公開されたアニメ映画でもがぶの声を担当している。
自身の発案からこの企画が始まったという獅童は「NHKさんからお話をいただいた時、私のような不良少年が子どもに読み聞かせるということで、当時、母はとても喜んでおりました。今回は歌舞伎で、大好きな尾上松也君と一緒にやらせていただけるのはとてもうれしいです。どうしてもこういうお芝居では子ども向けにつくった着ぐるみ劇を想像されると思いますが、歌舞伎の演技法、演出法、音楽にこだわって表現するとこうなる、というところを見せられたらと思っております」と語った。
松也も「僕も光栄の極みです。獅童さんは、どんな役でも命懸けで挑戦してらっしゃる。その姿をみると一生懸命必死についていかなきゃと思わせてくれる、芝居に対して本当に熱い先輩です。たっての思いがあっての作品ということで、出演者の皆さんと全力で、今は新作歌舞伎と呼ばれていますけど、何百年後かには古典歌舞伎と呼ばれるように頑張ります。僕が演じるヤギのめい役は、一見すごく大人しそうで、気の弱いなよなよした風ぼうだけれども実はすごく気の強いところもあり、今までの歌舞伎には無いキャラクターだと思っています。歌舞伎の演出方法、また技法というのも意識しながら、あまり観たことがないようなものを皆さまとつくっていけたらいいなと思っております」と、意気込みを語った。
また、獅童は会見中記者が発言した“松也”のイントネーションを指摘し、「僕、“松也”の発音を直す運動をしているんです」とコメントして会場の笑いを誘った。
九月花形歌舞伎『新作歌舞伎 あらしのよるに』は、9月3日(木)〜26日(土)京都・南座にて上演。
『新作歌舞伎 あらしのよるに』
原作:きむらゆういち
脚本:今井豊茂
演出:藤間勘十郎
出演:中村獅童 市川月乃助 尾上松也 中村梅枝 中村萬太郎
期間:9/3(木)~9/26(土)
会場:京都四條 南座
公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/play/minamiza/