Superfly キャリア最大規模のアリーナツアー終幕、色とりどりのステージに刻んだ意志

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Superfly  Photo by Kazuki Watanabe(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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Superfly Arena Tour 2016 “Into The Circle!”ツアーファイナル
2016.3.20 名古屋・日本ガイシホール

桜の開花宣言と重なった、Superflyの名古屋・日本ガイシホール2days。全国7ヵ所11公演で開催された、キャリア最大規模のアリーナツアー『Superfly Arena Tour 2016 “Into The Circle!”』から、ファイナルの3月20日(日)の公演をレポートする。

オープニングSEが流れると、会場を埋め尽くす観客全員が一斉に立ち上がった。最初にSuperflyの越智志帆がステージ中央に立つと、大きな手拍子が湧き上がる。ステージセット後方のセリから次々と登場したバンドメンバーが、彼女にハイタッチしたりしながらそれぞれのポジションに着いた。1曲目「Rollin' Days」が大音量で鳴り出すと、アリーナ席もスタンド席も総立ちでリズムに合わせ手拍子する様を、照明が隅々まで走るように照らし出す。続く「How Do I Survive?」でさらに濃密なロックサウンドが広がった。

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「Superflyです!来てくれてありがとうございます!ツアー11本目、あっという間にファイナルです。今回はアルバム(を携えた)ツアーじゃないので、どんな感じなのかなってドキドキしながら来てくれてる人もいるかと思うんですけど、新しい曲から昔の曲まで、いろいろ織り交ぜながら盛り沢山にお送りしたいと思っております!」
「“Into The Circle!”のタイトル通り、Superflyが作る音楽の輪の中に、みんな思いっ切り飛び込んできていただきたいなと思います。この会場、8194人のお客さんが来てくれております、ありがとう!今日はこの会場全員で、ひとつの大きな音楽の輪を作り上げたいと思いますので、最後までよろしくお願いします!」

「Beep!!」間奏のギターソロではステージ前面に飛び出し、八橋義幸(G)がハードにロックギターを弾きまくる。「誕生」では、名越由貴夫(G)のシタールの音色が響き、妖しくサイケデリックな世界が展開された。バンマスの蔦谷好位置(Key)が奏でる美しいピアノのイントロに歓声があがり、志帆が「みんな一緒に歌いましょうー!」と叫んだ「愛をこめて花束を」。ステージを右に左にゆっくり移動しながら、自然にかつ豊かな声量で歌い上げるメロディー。そんな彼女の唯一無二の存在感に心打たれて、グッと涙がこみ上げてきた。「カモン!」の合図で歌をオーディエンスに託すと、会場中に合唱の輪が広がった。

Superfly  Photo by Kazuki Watanabe(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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今回のツアーでは、メインステージの他にアリーナ席の中にサブステージが二つ作られ、それぞれに趣向を凝らしたプログラムが用意されていた。ここまでのRED Stageから、アリーナの前方にある蔦で装飾されたGREEN Stageへ移動。すでにサックス、トランペット、トロンボーンの“管一発ホーンズ” が待っている。ピアノ、アコギ、パーカッションのアコースティック編成と共に演奏するのは「愛と感謝」。内向きの輪になって志帆がホーン隊の指揮を執ったり、一緒にダンスしたりしながら、ピースフルな雰囲気を醸し出す。曲の終盤、志帆がアコギを弾く八橋にマイクを向け歌わせるサプライズでは、会場に笑顔が広がった。次に披露したのはライヴでの定番曲「マニフェスト」。「Into The Circle!スペシャルアレンジにしてきました」と志帆。イントロが始まるや否や会場の雰囲気が一転、ブルージーで渋みの効いたアレンジ、そして何より圧倒的な歌唱力を魅せつけて誇らしげにキメる志帆に、オーディエンスは喝采を送っていた。

Into The Circle!のテーマ曲が流れる中、再び移動タイム。アリーナ後方にあるBLUE Stageへは、なんと旗を振って歩く志帆を先頭に、メンバー全員でお客さんの至近距離の通路を使って向かう。金銀の紙ふぶきを舞わせながら、ひととき音楽隊のパレードを敢行。夜をイメージし、輝く星をあしらったBLUE Stageで待っていたのは“声一発クワイヤー”と名付けられた男女のコーラス隊。ここでは、Superfly初のアカペラを披露。「プリマドンナ」ではドゥーワップ・アレンジ。美しいハーモニーと共に、しっとりと歌い上げた「輝く月のように」は、心の奥まで沁みた。ラストは「スタンディングオベーション」。「この曲は一日の終わりに頑張った自分に思いっ切り拍手を送ってあげようという曲です。みんなにもクラップで参加してもらいたいなと思います」メンバー全員でサークルになってステージをまわりながらのパフォーマンス。ルーパーを使用したボイスパーカッションと会場の手拍子に乗って、志帆の歌声が弾んだ。

Superfly  Photo by Kazuki Watanabe(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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次に目指すのはメインステージ。バンドメンバーによるInto The Circle!テーマ曲のセッションが繰り広げられる中、会場全体に志帆の声が響き渡る。「ここからラストステージが始まります。レッド、グリーン、ブルー、今からこの3つのステージがひとつになります。何色のステージが登場するか、楽しみにしてください!さぁSuperflyと一緒にラストステージの幕を開けましょう!」。志帆のカウントとともにRED Stageにかかっていた幕が開き、ドット模様に並べられた白い大きなバルーンが現れた。これは『WHITE』(最新アルバムのタイトル)だ! 「ラストステージはホワイトステージ!盛り上げていくよ!」。総勢14人のバンドメンバーが初めてステージ上に集結した。WHITE Stage1曲目は「Beautiful」。のびやかな歌声が会場中に響き渡り、あっという間に高揚感に包まれる。オリエンタルな「新世界へ」、コーラス隊4人がダンスする「A・HA・HA」、オーディエンスの大合唱が響いた「愛をからだに吹き込んで」と次々に『WHITE』以降の楽曲を披露。松原“マツキチ”寛(Dr)の激しいドラムのイントロで始まった「Alright!!」では、迫力のパフォーマンスに加え、8000人超による<Oh Yeah>が壮観だった。イントロからすでにテンションがMaxに達して、最高にヒートアップした「タマシイレボリューション」ではガイシホールが大きく揺れた!

「919」では、フラフープとリボンを携えてダンス。指先をくるくるまわす振り付けのリピートは、実際にやってみる方が楽しい。曲の途中、それぞれの楽器のソロタイムを入れた後、裏方スタッフもズラリと花道に並び、タオルを振り回して観客と一緒に踊った。楽しい時間は過ぎて行く。ラストソングは「黒い雫」。セットのバルーンがまるで雫の様に下に落とされ、そのひとつが客席へと転げると、いつのまにか白だけでなく黒のバルーンも加わって、お客さんの頭の上で次々に跳ね、みんな楽しそうに跳ね返した。最後まで安定した素晴らしいボーカル・パフォーマンスで魅せた志帆は「ありがとう!」と言い残し、颯爽とステージを後にした。

Superfly  Photo by Kazuki Watanabe(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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アンコール待ちの客席では、スタンドもアリーナも巻き込んで、大きなウェーヴが起こった。ワーっという声とともに笑顔で両手を挙げ、何度も何度も端から端まで伝わって繰り返した。温かい一体感が会場を包んでいる。再び客席が暗くなり、ステージのスクリーンに映像が映し出される。ピアノの音だけが鳴り響く中、何本もの木が左から右に流れ、鳥が舞う。せりあがったクレーンに志帆が一人立っている。映像に「ARIGATO」の文字が大写しにされ、ゆっくり深々とおじぎをした。客席から割れんばかりの拍手が起こる。アンコールに応えた「On Your Side」では、スクリーンに映し出された鳥たちがブルーやオレンジに色を変え、枯れ木も花が咲いたように色づいた。そして、アンコール2曲目の「凛」を壮大なスケールで歌い上げた。

「みなさん、ありがとうございます! Into The Circle!ファイナル、楽しんでいただけましたでしょうか。今回のツアーは、昔のSuperflyではなく、これから先のSuperflyでもなく、今のSuperflyをみんなに思いっ切り体感してもらいたいなって思ってやってきました」
「(最新アルバムの)『WHITE』は色を染めてもらうっていうテーマで作ったんですけど、アルバムツアーをやった後に一呼吸おいてアルバムを眺めたとき、Superflyの音楽の輪に、いろんな人が加わってくれることによって、今のSuperflyは私一人じゃ描ききれない大きなサークルになってるんだなって思ったんですね。このことを、ライブでみんなに楽しんでもらえたら、すごく面白いツアーになるんじゃないかなと“Into The Circle!”っていうテーマに至りました。その円の中にはね、みんながど真ん中にドンといるんです。いつもみんなに会うと、もっともっと大きなアーティストになって帰ってくるぞ、もっともっといい曲を書いてカッコいいアーティストになるぞ、っていう気持ちにさせてもらえます。本当にいつもSuperflyを応援してくれて、そしてSuperflyのそばにいてくれてありがとうございます! まだまだ進化・変化していくので、これからのSuperflyも、面白がってもらいたいなと思います。そして私いま30代なんですけど、10代より20代より、夢を叶えるって面白いなって思ってて。なので、今まで立ったことのないステージとか、どんどん挑戦していこうと思っています。まだまだSuperflyは上をめざしていこうと思うので、みんなついてきてくれますか?大丈夫?(笑) Superfly、まだまだ走り続けたいと思います!」
志帆はそう言い終えると、最後の一曲「Wildflower」を大切な想いを込めるように歌った。ライブが終わり、ステージ前に出てメンバー全員でのラインナップ。肉声で叫んだ志帆の「ありがとう!」の声は、8000人の耳に届いただろう。おじぎを深々とし、ステージに最後の一人きりになっても、袖に入る直前まで「まだ戻りたくない」とつぶやいていた彼女が可愛らしかった。

2016年4月4日でデビュー10年目に突入する、Superfly。来年迎える10周年にはどんなアニバーサリー企画が飛び出すだろうか。大きな期待と共に、その発表の日を待ちたい。
 

レポート・文= 下村祥子

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