横浜を拠点に活動中 結成70年以上の老舗劇団・麦の会へインタビュー

インタビュー
舞台
2016.4.1
みなと・横濱・笑劇場しり~ず☆第七弾!『温泉旅館湯けむりの里』

みなと・横濱・笑劇場しり~ず☆第七弾!『温泉旅館湯けむりの里』

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お子様からお年寄りまで楽しめるオリジナルショートストーリーを笑いあり、涙ありのオムニバスで届ける『劇団麦の会』。横浜を中心に活動し、結成はなんと70年以上前にさかのぼる。そんな老舗劇団である麦の会に、次回公演について伺った。

 

--劇団麦の会結成までの経緯を教えてください。

結成までの経緯は70年以上前の事ですから、もちろん聞いた話です。

1945年の秋、初代代表の高津一郎は中国国民党軍の捕虜として集中営(収容所)にいました。突然、中隊長から芝居をやると言われ、生まれて初めて台本を書かされました。「故郷の春」というそのお芝居は野外劇場で千人の観客(兵隊たち)を総立ちにさせたそうです。演出助手、舞台監督として舞台袖に居た高津はその時、舞台と観客が一体となる芝居のすごさに驚愕したと語っています。これが、劇団麦の会が誕生する最初のきっかけだったのかもしれません。
高津は翌年復員しますが、敗戦の現実は今までの価値観を容赦なく否定します。高津本人が新聞などのインタビューで話してますが、自我の喪失感は相当ひどかったのではないでしょうか。そのぽっかり開いた穴を埋めようと、横浜のYMCAが始めた演劇研究会や哲学の講義などによく顔を出したそうです。「自分を取り戻すのに、1年半くらいかかったんじゃないかな」と高津は話しています。
そして1947年劇団麦の会は結成されました。翌1948年に旗揚げ公演。太宰治原作「春の枯葉」を上演し今に至ってます。
時は流れ現在、劇団麦の会代表は三代目が率いてます。もちろん初代代表、高津一郎は今も健在。毎回の公演には必ず足を運んでいただき、貴重なご意見をいただいてます。

右から、初代、二代目、三代目代表

右から、初代、二代目、三代目代表


 

--劇団麦の会の作品の特徴や雰囲気、作風を教えてください。

特徴は笑い。作品は面白いものから泣けるもの、社会派、オリジナルなど幅広く挑戦してますが、どんな内容でも必ず笑いは忘れません。
また、お芝居の自給自足ということも特徴と言えば特徴かもしれません。衣裳、小道具はもちろん、大道具、照明、音響と全て自分たちでやります。大道具をどこかに発注したりとか、照明、音響を外部に依頼するということをしません。デザインも含め、全部自分たちでという事が基本です。
数年前に仲間になった美術担当は、大道具のクオリティーを上げてくれました。チラシのデザインも最近はとても良い感じだと思ってます。
2年に1度の収穫祭は、劇団員なら誰でも台本を書く資格があり、テーマに沿って書き下ろしたオリジナルショートストーリーを、笑いあり、涙ありのオムニバスでドドーンとお届けしてます。
もうひとつの2年に一度、みなと・横濱・笑劇場しりーず「温泉旅館 湯けむりの里」は、お子様からお年寄りまで楽しめる喜劇を!という掛け声で始まりました。三代目代表の山口が、毎回書き下ろし最新作でお送りしてます。

 

--次回公演『温泉旅館湯けむりの里』について、作品のあらすじを教えてください。

第7回の今回は、古典落語の「禁酒番屋」と「芝浜」をベースにした書き下ろしです。
お馴染みの「温泉旅館湯けむりの里」を舞台に飲めや歌えの大騒ぎ。その裏では、お客様たっての願いで「夢野又三郎一座」が再結成されることになります。一度解散し、バラバラになった一座は無事に舞台を務めることが出来るのか?
日頃の疲れや悩みを吹き飛ばす、笑いの源泉掛け流しをどうぞご堪能下さいませ。

 

昨年秋の公演

昨年秋の公演


 

--次回公演『温泉旅館湯けむりの里』の見どころを教えてください。

旅館の背景となる襖の絵は、必見!楽しい絵柄です。
お芝居は、途中10分の休憩をはさんで、前半戦、後半戦。今回は、一粒で二度美味しい「温泉旅館湯けむりの里」です。

 

--劇団麦の会の今後の展望・野望があれば教えてください。

今後の展望は創立100年まで続けること!
横浜のアマチュア劇団として1世紀の歴史を刻みたいと思います。

 

新年会

新年会

--劇団麦の会に関心を持たれた方に、メッセージをお願いいたします!

降り幅の大きい、役者揃いです!演目に合わせて七変化出来てしまう劇団でもあります!
是非、生の舞台の醍醐味を味わって下さい。まだ、お芝居を観たことの無いあなた!そう、あなた!騙されたと思って観に来て下さい。きっと心がほっこりします。

『劇団麦の会』は劇団員を募集してます。稽古日は、基本毎週、木曜、土曜の夜。年に2回(初夏と秋)の公演。稽古場は、JR東神奈川駅から徒歩5分。年齢も経験もとりあえずは置いておいて、まずは飛び込んでみましょう!見学随時大歓迎です~
▼詳細
http://www6.plala.or.jp/muginokai/kengaku2.html

インターネットにて『横浜劇団麦の会』で検索して下さい。



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公演情報
みなと・横濱・笑劇場しり~ず☆第七弾!『温泉旅館湯けむりの里』

日時:2016年5月14日(土)~15日(日)
14日(土)14:00/18:30
15日(日)14:00
会場:かなっくホール
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