川平慈英、長野博、松岡充、鈴木壮麻がハーモニーを響かせる!『Forever Plaid』公開稽古&会見

2016.4.25
レポート
舞台

川平慈英、松岡充、鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

50年代のアメリカを舞台に男性4人のコーラスグループによるライブステージを描いた、オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「Forever Plaid」(フォーエヴァー プラッド。以下「FP」)。2013年の日本初演ではその美しい楽曲とハーモニー、温かいステージが話題となった。そして今年、本作の再演が決定し、4月26日(火)の志木市民会館パルシティのプレビュー公演を皮切りに、全国12都市で上演される。

フランシス、ジンクス、スパーキー、スマッジの4人は高校時代に出会い、アメリカンドリームを夢見て男性4声のコーラスグループを結成する。大スターになることを夢見て奮闘する彼らにビックショーに出演できるチャンスが舞い込んできた…が。彼らのトレードマークである「プラッド=格子柄」をあしらったお揃いのステージ衣装を取りに行く途中で4人を乗せた車が事故にあい、4人は全員即死してしまう。
しかし、果たせなかった想いと、様々な天空の条件が奇跡を起こし、実現できなかった自分たちのライブステージを成功させるべく、4人は再び地上に舞い降りたのだった。

本作の公開稽古が4月21日(木)都内で披露され、出演の川平慈英、長野博、松岡充、鈴木壮麻が、楽曲を演奏するEverly(松尾賛之、松尾悟郎、小向忍)と共にステージに登場した。

公開稽古では、30を超える劇中曲の中から「Three Coins In The Fountain(3枚のコイン)」「Moments To Remenber(あふれる思い出)」「Crazy‘Bout Ya Baby(君に夢中)」を披露。
フランシスこと川平が「僕らのステージを一部ハイライトでお届けします!」と挨拶したあと、「Testing~Testing~」「ワン」「トゥー」「スリー」「フォー」「Plaid!」と早くも美しいハーモニーを奏ではじめる4人。

「よし、皆行くぞ!その前にズボンの“チェック”を“チャック”しろ!」という初演でも見せた同じセリフを口にしながら、実は難解なハモリをそうとは見せずに余裕で歌いあげる4人。長野が高音を、中低音は川平と松岡、重低音を鈴木が担当。マイクスタンドを使ったパフォーマンスあり、実際の舞台でもやっているメンバー同士のセリフのやり取りも本番さながらに披露。
「以上、ミニコンサートでした!」と川平が締めた後は、詰めかけたマスコミから拍手が沸き起こっていた。

川平慈英、松岡充、鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

楽曲披露の後は、フォトセッション。「ドゥワー♪」とTVカメラに向かってハモっている風ポーズや、片手でパーティージャケットを開けながらプラッド柄のカマーバンドをチラ見せするポーズなど、自分たち発信でポーズを少しずつ変えていく4人。
撮影が続く中、ふと気が付くと「次、目線こちらお願いしますー!笑顔でお願いしまーす!」とカメラ席の近くで長野が3人に撮影指示(?)を送っており、笑いに包まれる中、長野の姿を本来のカメラマンたちが慌てて撮影する一幕も。

これがプラッド柄のカマーバンド! 鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

そして囲み会見がスタート。以下、その内容をなるべく詳しくご紹介。

■再演が決定したことについて

川平:ミラクルですね。

松岡:同じキャストで同じ演目をできるってなかなかない。

長野:一人変わってもプラッドじゃなくなる感じがするので同じ顔触れでよかった。
3年の間にお互いに変化があったか?と聞かれると、

長野:変わってねぇなぁー(笑)いい意味でね。会話とかの内容も変わってないですね。

■今月末の本番に向けての仕上がりは?

川平:いい感じに仕上がってます。(初演時は)生みの苦しみを相当経験したので。今回は前回よりはずっと上(のレベル)からスタートできました。コーラスが身体にしみこんでいるので、今回はいい意味で「あれ?相当ハモってない?」って。いろいろな音が聴こえるようになって、バランスもすごくよくなりました。

川平慈英「Forever Plaid 2016」

■この座組みの座長は誰?

松岡:そりゃジェイさん(川平)です。年齢的にはいちばんの兄貴はスマッジ(鈴木)なんですが。

鈴木:でもフランシス(川平)は、バンドリーダーだから。

長野:僕らは『座長』って読んでますよ!

川平:ちょっ…(長野に裏拳でつっこむ)僕は旗振りだけですよ!

長野:いやいや、本当に呼んでますよ。ねぇ、『座長』!(笑顔)

川平:…初めて聞きました(笑)

■3年前と今回で、胃の痛みはいかが?
※鈴木が演じるスマッジが心配性で、慢性の胃痛を抱えている、という設定に絡めて。

鈴木:…いい感じです(笑)実際、前回はほかのメンバーと一緒にいたくないなって…自分たちの『音』を死守するために離れていたんですが、今回はぴったり寄り添っていたい。

川平:一回苦労して作り上げたものなので、身体から離れないですね、耳からも。でも譜面をご存知の方、コーラスをやっていらっしゃる方、ピアノを弾く方はこの譜面を見ただけで「これは…アブナイ!デンジャラスゾーンに行っているぞ、この和音は!」って思うでしょうね。でもそれが「FP」の良さなんです。

長野:違う人のパートを聴くとウワッ!となる。こんな感じで歌っているんだ、って未だに思いますもん。

川平:よくそのキーに行けるなってね。ジンクスがいちばん高いキーを歌っているので一番大変なんです。だからこの前(長野が)ソロで歌っていたときに聴いて「俺、それ、無理無理。三日で声帯が口から出ちゃう(笑)」って思った。

長野:前回はみんな壁に向かって歌ってました。

松岡:他のメンバーを嫌いになってもおかしくない状態だった。相手の音が嫌いという状態。それを聴くと自分のパートが歌えなくなってしまうから。ただそこで座長がまとめてくれるので、それでなんとか和音が奏でられるようになった。

川平:今は自分たちの耳にも非常に心地よくハモってます。本番が始まったら申し訳ないんですが、いちばん楽しんでいるのはお客さんより僕たち4人なんじゃないか。そういう瞬間がたくさんあるんです。

川平慈英、松岡充、鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

■松岡さん、とっても楽しそうに歌っていましたね!

松岡:いや、こんなにマスコミが集まってくれるんだって嬉しいなーって思ったんです。
川平:実際に舞台上でいちばんはしゃいでいるのはスパーキー(松岡)なんです。本当に子どものようにキラッキラしながら歌ってるよね!

松岡:でも、子どものようにというならジェイさん負けてないっすよ!(レベルが)小3ですよ、小3!

川平:昨日ちょっと髪切ったらね。刈り上げというか、フリテンくんとか言われちゃって(笑)

松岡充「Forever Plaid 2016」

■どんなステージになりそうか?

川平:兄弟4人で自分たちの遊び部屋でものすごいいいおもちゃを与えられて遊んでいる楽しい瞬間ばかり。

鈴木:毎回ライブだからねー。

川平:(鈴木が過去所属していた)劇団四季ではこんな事絶対しないでしょ?

鈴木:瞬間でクビになりますね(笑)

川平:でしょ?だから壮麻さんも水を得た魚のようにアドリブをやるし。

鈴木:なんだか伝染しちゃったみたい。感染しちゃったかも。止められない!

鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

■初演のときは、この4人でCDデビューしたいという話もありましたが。

川平:…もう今は紅白歌手がいますからね!(長野をチラリ)

長野:おかげさまで(笑)あの(初演の)後で決まりましたからね。まあ紅白はよくわからないですが…あわよくば!(笑)

川平:このユニットでデビューして、東京ドームとかメジャーなドームでライブを…V6の前座でもいい! (松岡のバンド)MICHAEL(ミカエル)の前座でもいい!

鈴木:まずはレーベルとの相談を(笑)

川平:(松岡)充も言っていたんですが、アジアとかアメリカに日本代表として…日本代表フェチの僕としてはジャケットの襟に小さく日の丸を入れたりしつつ、日本を飛び出てライブ活動ができたらいいですね!

松岡:オフブロードウェイの作品ですから、アメリカ人の方にはなじみも深いですしね。僕らの作品をアメリカの方が笑ったり泣いたりしながら観てくれたら僕らも嬉しいのでチャレンジしたいです。

川平慈英、松岡充、鈴木壮麻「Forever Plaid 2016」

■今回、久留米公演があります。先般起きた熊本の震災に思うことは?

川平:ぼくたちの歌声で少しでも心に平安が訪れてくれたらこんなにも嬉しいことはないです。最初は、九州地方が震災と聴いて、どうなるんだろう、と不安に思ったんですが、あえてこの4人のハーモニー、ハッピーエナジーを送るためにも九州でやるべきだと思って。僕たちもそのつもりで歌いたい。

長野:九州の方が「こういう時期だからこそ、あえて来てください!」って言ってくださったからこそ、僕らも「行けるんだ!」って思いました。本当に楽しい舞台です。舞台の間は違う世界にお連れしますので、違う世界で日常を忘れて楽しくなっていただいて、パワーや元気の源になってくれたらいいなと思っています。僕らもそれを届けていきたい。

松岡:こういうときこそ僕らがやっている「エンタメ」が活躍して、心に安らぎとか忘れかけていた笑顔を取り戻すきっかけになるように、僕らが頑張るのがいちばんの使命だと思います。今はまだ余震が続いて被害も広がっており、全国、世界中から注目をされていて、助けようというパワーが集まっている。が、どうしても時が経っていくと気持ちも薄れてきてしまう。僕らはそれを忘れないで、チャリティ活動や募金活動を末永くやっていきたい。この公演だけではなく、それぞれの活動の中でも。東北の地震もそうですけど、みんなが元気でるような活動につながっていく作品作りをやっていきたい。だからこそ「FP」の久留米公演も楽しみだし、より力が入ると思います。

鈴木:ちょうどあの地震があったとき、僕らも稽古の最中にすごく心配をして、大丈夫かな、皆さん…って話していました。皆さんのお近くの久留米に行ってコーラスという形で僕らの想いを届けられたいいなと思っています。だからこそ一音一音を大事にしながら歌っているので、そのハーモニーが皆さんの心に届いたら。そう思っての稽古の日々です。

「Forever Plaid 2016」



■再演のあとは再々演もあり?

川平:最後は赤いプラッド柄の衣装になりますが、それが赤いちゃんちゃんこになるまで…。(あと何年で?のツッコミに)ムムーッ!まあ僕ら(川平と鈴木)は先に着ることになりますが、4人がちゃんちゃんこ姿になるまで、頑張ってやろうかなと思っています。


会見の最後は、「いつもやる事なんですけど、皆さんでご唱和ください。フォーエヴァー、プラーッド!」と川平の発声でお開きに。その後も「頑張れ熊本!」「Pray for 熊本!」と言葉にしながら会見場を後にするメンバーだった。

公演情報

オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「Forever Plaid 2016」

■日程・会場:
【埼玉】 2016年4月26日(火)志木市民会館パルシティ(プレビュー公演)
【久留米】2016年4月28日(木)石橋文化センター 石橋文化ホール
【島根】 2016年5月1日(日)島根県芸術文化センター「グラントワ」大ホール
【大阪】 2016年5月2日(月)~5月5日(木・祝)サンケイホールブリ―ゼ
【愛知】 2016年5月7日(土)刈谷市総合文化センター 大ホール
【富山】 2016年5月8日(日)富山県民会館ホール
【高知】 2016年5月11日(水)高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
【高松】 2016年5月12日(木)サンポートホール高松 大ホール
【熊谷】 2016年5月15日(日)熊谷文化創造館 さくらめいと 太陽のホール
【東京】 2016年5月18日(水)~30日(月)東京グローブ座
【千葉】 2016年6月1日(水)君津市民文化ホール 大ホール
【仙台】 2016年6月2日(木)電力ホール
【神奈川】2016年6月4日(土)~6月5日(日)KAAT神奈川芸術劇場<ホール>

■作:スチュワート・ロス
■翻訳:小田島恒志
■訳詞:高橋亜子
■演出:板垣恭一
■音楽監督:岩崎廉
■出演:川平慈英、長野博、松岡充、鈴木壮麻
■演奏:Everly(松尾賛之、松尾悟郎、小向忍)


 

 

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