A9 衝撃的サウンドの変化を提示した『LIGHT AND DARKNESS』全曲解説

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2016.4.24
A9

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4月13日にリリースした最新音源となる2nd EP『LIGHT AND DARKNESS』で、衝撃的ともいえるサウンドの変化を提示したA9。前作『銀河ノヲト』で徹底したバンド感、5人の音にこだわった作品を作った彼らが、今作ではいきなりスタイリッシュな大人サウンドへと華麗にシフト。そんなA9の最新作にまつわる話題から、メンバー自身による『LIGHT AND DARKNESS』全曲解説をお送りする。



――新作ではアートワーク全般を将さんが担当されたそうですが。アートワークのキーワードとなったものは何だったんでしょうか。

将(Vo):最初にテーマとして“光と闇”という二つの相反する要素をコンセプトにした二部構成のツアーをやりたいというのがあり。そこは沙我君(B)が語ってくれると思うんですが。それをアルバムに反映させたのが今作なんです。

――えっ? つまり、今作はツアーコンセプトが先にあって、それに合わせてアルバムを作ったということですか?

将:そうです。ライヴという本質から逆算して作品を作っていったほうがいいんじゃないかという考え方なんです。僕らはもう10年以上もバンドをやっているので「A9がライヴやります。来てね!」だけでは面白くないと思ったんですね。ある意味、いままでは僕らの名前、イメージ、期待感だけでファンの方にはチケットを買って頂いてた訳ですよ。

――それは音楽ライヴでは普通ですよね?

将:でも、そこにはファンの方に対して甘えてる部分があるなと思ったんです。なので、今回は僕らが次のライヴでどんなものを提示できるのか。その内容までを一歩踏み込んで考えた上で、そこに向かうためのインビテーションとなる作品を作ろうと思ったんです。

――なるほど。

将:それで、アートワークはアルバムのジャケットが肝だと思ってたので、そこから作りました。ジャケットは、闇=ブラックホール。それが爆発しているところに光、希望の象徴としての白い鳥が、(先が見えない)闇に向かって飛び込んでいくというものを描いたんです。

――アーティスト写真もそこと連動しているんですか?

将:光と闇の別解釈として、静と動というのもライヴのテーマになるねというのはメンバーとも話をしていたことだったので、アー写はそこをテーマに作りました。背景は海なんですけど、モノクロの海に幾何学模様の亀裂が入って、そこからメンバーが現れて、静寂だった海が動きだすというニュアンスですね。その静と動をつなぐ幾何学模様が「PRISMATIC」という今作の収録曲のタイトルにもリンクしていたり。自分の中ではすべてがつながってますね。

――メンバーのスタイリングも、今回は将さんがやられているということですが。

将:はい。お世話になっているJULIUSさんとDIET BUTCHER SLIM SKINさんというブランドをメインに使わせて頂いて、メンバーの個性が出るようにスタイリングしました。

――では、沙我さんに質問なんですが。今回、二部構成のライヴをやろうと思った一番の動機は何だったんですか?

沙我(B):いままでやってないからですかね。『銀河ノヲト』のツアーで俺らはアジアまで回ってやり尽くしたんで、これ以上やってもこなれた感が出てしまう。と考えたときに、俺ら自身ステージ上でフレッシュな気持ちでやれるものを試す新しい時期なんじゃないかなと思ったら、漠然と二部構成というのを思いついて。そこから広げていった感じです。

――アルバムの方向性に関して、イメージしていたものは何かあったんでしょうか。

沙我:最初から『銀河ノヲト』とは違う感じにしようというのはありました。それで、サウンドに関してはいまの空気感をちゃんと意識してやろうと、漠然と思ってました。それで、ライヴが二部構成になるならどんな曲が必要か、じゃあこの曲はこんなアレンジにしようというのでできたのが今作。だから、今回はアルバムもライヴもすべては“二部構成”というワードから始まった感じです。

――そうして生まれた『LIGHT AND DARKNESS』は、確かに『銀河ノヲト』とはまったく別物の、おしゃれでスタイリッシュな作品に仕上がっていたんで正直びっくりしました。こんなサウンドも作れるバンドだったんですね。

ヒロト(G):できたばかりなで、まだ客観的には聴けてないんですが。本当に作ってる最中はどんなものになるのか、自分でも分からなかったんですよ。いままで通りパッションは込めて作ってるんだけど、今作は曲がコンパクトで、アルバム通してもトータル25分しかない。昔は長い曲ばっかりやってたのに。一瞬で聴き終わるこの感じが、新鮮でいいなと思いました。

Nao(Dr):僕はいいと思いますよ。つまみみたいで。聴いててお腹いっぱいにならないんですよ!

ヒロト:それだ、それそれ!!

Nao:だから、どれだけ聴いても疲れないんです。うぉー、うわーっていう感じが今作のアレンジの方向性にはなくて。しかも、将君が裏声をたくさん使って歌ってるんですね。だから、いつものパワフル感よりも気持ちいい感じで聴けるので、おすすめしますね。新しくA9になった僕らの大人サウンドを感じられる仕上がりになったと思います。

沙我:ベースはいままでで一番好きです。ロックベースを弾くよりも、こういうリズムに隙間があるベースを弾くほうが楽しいですね。サウンドに関しては、リズムセクションがいままでと一番違いますね、演ってる側としては。ギターも今回は重ねるというよりは引き算だし。おしゃれとかスタイリッシュって、無駄がないってことじゃないですか。無駄がない分、裸になるし、センスが問われる。だからこそ、一つひとつのパートは緻密に詰めてやりましたね。ギターの音もほぼ歪んでないんですよ。ここまで歪んでないのは初めてですね。

将:いまのメンバーの話を聞いてたら、元々A9はこういう音楽性だったなと思い出しました。

――えぇー!! そうなんですか?

将:はい。周りのバンドは“Oiコール”が入る煽り曲だらけという頃にバンドを結成したので、あまりそういのに混ざりたくないって感じで、最初は未完成のポストロックみたいな。メロディアスでちょっとおしゃれな曲が多かったんですよ。でも、ライヴの盛り上がりを求めて激しい曲がだんだんと増えていったんです。それを考えると、今作は原点回帰なのかなという気もしてきました。「名前は、未だ無日。」という(アリス九號.時代の)デビューシングルは歌モノだけなんですよ。そこに戻ったのかなと自分は思いました。

虎(G):確かに! 「九龍-NINE HEAD RODEO SHOW-」という激しい曲がメジャーデビュー作になったので、イメージはそっち寄りになってるのかもしれないけど、それまでは激しい曲をメインにやろうとするバンドでもなかったし。よくよくアルバムを聴き返してみると、やりたい感じはこっちなのかなという感じがします。あと“向いてる”というのもあると思います。バンドとしてはポップな方が向いてて、あんまりハードなことをやってもやっぱり向いてないんですよね。だから、今作はすごく自分たちに合ったアルバムができてるのかなと思いますね。

――ポップな方がフィット感があるんですか?

虎:周りからもポップなものが合ってるといわれるんで、内面からにじみ出てるんじゃないですかね。ポップ感が(微笑)。

将:Naoさんのドラミングが生きるのはこういう音楽なんですよ。

虎:そうだね。

Nao:フュージョン好きなんで(笑顔)。

虎:みんなの経験値的にもポップ寄りなんですよね。

Nao:ファンの神曲が「春夏秋冬」ですから。

将:神曲(笑)。自分でいった。

ヒロト:音に余白がある方が合ってるんですよ。そこにオーディエンス、ファンのパワーが加わることで、さらにその曲が力を持っていくんで。余白があった方が自分たちには合ってる気がします。


A9

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2nd EP『LIGHT AND DARKNESS』全曲解説
◆M1. PRISMATIC

――なるほど。では、ここからはメンバー全員で全曲解説をして頂こうと思います。まず1曲目の「PRISMATIC」からお願いします。

将:原曲の作者と仕上げたメンバーが違うという、すごくバンドらしい作り方をしたので、ある意味一番バンドサウンドしていると思います。

ヒロト:この曲が持ってる空気感はライヴで映えそう。PVを撮って、よりその感じが強まったので、ライヴが楽しみですね。

Nao:ポップな部分が作業をしていくなかでどんどん増していった曲です。

沙我:原曲の時点ではアルバムのなかの1曲という感じだったんですけど、ここはもっとこうしたほうがいいんじゃないかなという感じでアレンジしていったら、ここ最近では一番いい曲になりました。ライヴでも昔からある曲のように一発でハマると思います。

虎:さっきコンビニで流れてるのを聴いて、めっちゃいいなと思いました。

Nao:えー、いいな~。俺も聴いてこよう。

将:結構流れてるのかな?

虎:流れてるよ。俺行くたびに聴くもん。

Nao:それで「この曲いいっスね。誰の曲ですか? 調べて下さい」とかいって。

将:バレるバレる(笑)。

ヒロト:店員さんは嫌っていうほど聴いてるはずだから。

 
 
◆M2. DARKER AND DARKER

将:ヒロトの真っ直ぐで綺麗な心がこもった曲に、ネガティブなタイトルをつけるのが好きなんです(微笑)。すごく美しい曲です。

ヒロト:闇のなかで光を見ている曲です。ライヴでは、みんなでここから飛び出そうぜというパワーを出せたらいいなと。

Nao:プリプロをしているときに“モグ“というヒロト君が飼ってる犬が毎日僕を見つめて「この曲どう叩くんだ!」といってきた曲(笑)。

沙我:昔の懐かしい感じがしますね。昔はヒロト曲が多かったからそういう感じがするのかな。基本的にヒロトが書く曲のテイストは変わらないんで。プリプロもだいたい決まってNaoさんが困るという(笑)。

Nao:それでモグが「どうするの?」って(笑)。

沙我:そこから新しい感じが出たりするんですよね。そして、この曲を頭に持ってくることによって、このアルバムの受け入れられ方が違うんじゃないかなと思ったんですよね。だから、前の方に持ってきました。

虎:ライヴで広がる曲だと思うんで、早くライヴでやってみたいなと思います。

◆M3. SILVER

将:沙我君がまた売れ線の曲を作ってきたなと。JR SKI SKIのCMに使われたいなという妄想でひたすら歌詞を書いてました(微笑)。

ヒロト:やっぱそうなんだ(笑)。僕もギターソロ作ってるとき、そういう感じだったんですよね。ちょっと田舎の甘酸っぱい感覚のなかで風景が動いてる。そういう匂いを感じました。

Nao:これは結成間もなく12年目を迎えるドラム&ベースが生み出した……何もの?

将:賜物。

Nao:賜物です(笑顔)。こういうことができるようになって嬉しく思いました。

沙我:俺も結成当時はこんなベースを弾くとは思ってなかった(微笑)。いまは自然とできてるから嬉しいですね。こういうテンポ感で自分が曲を書くと、昔っから冬っぽくなってばっかだなと、いま話を聞いて思いました。

虎:この曲はどちらかというとディスコ調で。去年『サマソニ(SUMMER SONIC)』を観たぐらいからそういう楽曲をやりたいなと思ってたんですけど、どうやればいいんだ? という感じだったので。このアルバムで一つの形ができて嬉しいです。

◆M4. INSOMNIA

将:曲の世界観がすごく強かったんで、ボーカルはなるべくその世界に溶け込むようなイメージで歌いました。今回のアルバム全体にいえることなんですけど。最近すごくBillboardなんかの洋楽ヒットチャートを聴いていて、同じ言葉をリピートしてても飽きさせない歌って大事なのかなと思ったんですね。だから、この曲も歌詞はひたすら同じことを繰り返してるんだけど、多彩なアレンジの展開によって退屈な感じにはなってないんです。そこがバンドマジックだなと思いました。

ヒロト:かっこいい曲ですね。音の渦のなかに自分が入っていくイメージ。ライヴではお客さんもこの渦のなかにグイグイ飛び込んできて欲しい。

Nao:久々にエンドレスで1曲リピートができる曲ができたなと思いました。飽きない!!

沙我:この曲を始め、アルバムはなんと、すべて“宅録”で作りました。

Nao:自宅で全部録ってるという。

虎:これは沙我君がベースを弾かずにギターを弾いてるやつだよね? 「ギターは俺が弾く」っていいだして。

ヒロト:そう。だから、ギターは3人編成でやってるんです。

将:あのベースは?

虎:シンベ(シンセベース)。さすが沙我センパイ、発想が違うなと(笑)。でもライヴはどうするんだろうって。

沙我:そうだ! どうしようか。

虎:どうなるのかライヴをお楽しみに!

◆M5. ANIMUS

将:『LIGHT AND DARKNESS』だからネガティブな感情を歌った楽曲も必要だなと思って、自分的には敵意とか憎悪というテーマでこの曲を作りました。このアルバムに違う色を入れることに貢献できたかなと思ってます。

ヒロト:この曲だけすでにライヴでやってまして。質感は新しいんですけど、スッと入ってくる力を持った曲です。

Nao:デジタル感が新鮮で、制作中から“いいな”と思ってました。

沙我:将君の曲はテンポが速いんでリズム隊が大変なんです。ライヴで1回やったんですけど、弾いてる最中に“なんだこれは!?”と思いました。ツアーが心配だなぁ。

虎:ライヴで盛り上がる曲です。アルバムのなかにもうまく溶け込みました。

◆M6. BLOSSOM

将:個人的に、この1年間ひたすらMaroon5を聴いてたんですよ。アダム(Vo)になりたいという僕の気持ちが2%ぐらい表現できた(笑)。

ヒロト:アコギが効いてますね。目を閉じて聴いてほしいな。

Nao:アコギを弾くのに、メンテに出しててアコギがなかった曲です(笑)。

ヒロト:どうしてもそのアコギで弾きたかったんですよ。

Nao:という、こだわりの曲です(微笑)。

ヒロト:ちなみにそのアコギは68年製で、俺が人生で一番最初に買ったアコギです。

Nao:僕は一番悩んだ曲ですね。どうやって自分らしさを出せばいいのか。

沙我:最後に作って最後に録った曲です。これでやっと明日からゲームできるぞ、という爽快さもありつつ(微笑)。難しい曲でした、元からロックサウンドの必要性がなかったので。ベースは程よくメロディアスという力加減で弾きました。

虎:俺が作った曲だよね?

将:うん、そうだよ(微笑)。

虎:これぐらいのテンション感の曲がやりたかっただけです。最近、曲を作るときにギターに興味が無くなっちゃって、みんなに聴かせるときも俺の曲はギターが入ってなくても成立する曲になってるんですよ。さすがにこれはバンドでやるにはギター入れなきゃと思って、入れた感じです。

◆M7. HE SOUNDS OF GALAXY

――最後はインストの「THE SOUNDS OF GALAXY」。これは作曲者のヒロトさん、お願いします。

ヒロト:イメージ的には『銀河ノヲト』があって、ツアーをやって。そこから今作を繋いでるイメージ。だから、『銀河ノヲト』の各パートの音が見え隠れするものにしました。よーく聴くと分かります、みんなの音が。ボーカルの素材が“大橋君”だっけ?

将:そう! そういう謎の言葉に。

ヒロト:聴こえるってエンジニアがツボってました(微笑)。そんなネタも探しながら聴いてみて下さい。


A9

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――それでは現在開催中の全国ツアー『TRUTH IN LIGHT AND DARKNESS』についてです。今ツアーの大きなポイントは、二部構成という部分だと思うんですが。

将:今回は映像を使う予定なんですよね。

沙我:一部と二部で当然見せ方が違うんですけど。ライヴというのは通常ステージ上から客席に向けてやるものじゃないですか? でも、普通スタジオで練習してるときは僕らは円になって狭いところで目線を合わせてやってるんですね。実はそれが一番バンド感、うねりがあるんですよ。通常の形態でやってるときはそこまで深くバンド感は感じられないですから。なので、一部では普段お客さんが観ることがない、スタジオで俺らがやってるそのテンション感、空気感を感じてもらおうと考えてます。タイトルは『TRUTH IN LIGHT AND DARKNESS』ですけど、DARKNESSの部分はバンドのSOULといえるかもしれない。それを映像を付けたりして表現したとき、果たして観に来た人たちにどう伝わるのかは、やってみないと分からないんですけど。でも、面白いんじゃないかなという感じがしています。いままで観たことがないものですからね。

インタビュー・文=東條祥恵

>>A9インタビュー:不動のメンバーで歩み続けてきた11年、いま5人の心にあるものとは?

 

リリース情報
2nd EP『LIGHT AND DARKNESS』
A9『LIGHT AND DARKNESS』

A9『LIGHT AND DARKNESS』

2016年4月13日発売
NINE-0002 ¥2,500+税

NINE HEADS RECORDS
[収録曲]
01. PRISMATIC
02. DARKNER AND DARKER
03. SILVER
04. INSOMNIA
05. ANIMUS
06. BLOSSOM
07. THE SOUNDS OF GALAXY

 

イベント情報
A9 TOUR 2016 「TRUTH IN LIGHT AND DARKNESS」
4.16(SAT)ステラボール
4.21
THU 札幌cube garden
4.24
SUN 青森Quarter
4.26
TUE 新潟NEXS NIIGATA
4.27
WED 仙台darwin
4.29
FRI 郡山Hip Shot Japan
5.1
SUN 金沢AZ
5.3
TUE 京都FANJ
5.4
WED Kobe SLOPE
5.6
FRI 名古屋ボトムライン
5.8
SUN 浜松窓枠
5.13
FRI 岡山CRAZY MAMA KINGDOM
5.15
SUN 広島クラブクアトロ
5.19
THU 大阪BIG CAT
5.21
SAT 福岡BEAT STATION
5.29
SUN TSUTAYA O-EAST

 

 

 

 

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