しょこたん初舞台、ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』初日前日の会見レポート

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(左から)上山竜治、小西遼生、中川翔子、一路真輝、良知真次

(左から)上山竜治、小西遼生、中川翔子、一路真輝、良知真次


2012年に韓国ソウルの演劇街テハンノで誕生し大ヒットとなった、心理スリラー・ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』の日本版再演が5月14日より東京・世田谷パブリックシアターにて幕を開ける。韓国オリジナル版は、脚本・演出・音楽をソン・ユンミという女性のクリエイターが手掛けたが、日本では演出に鈴木裕美、上演台本に田村孝裕、翻訳に高橋亜子をそれぞれ迎え、新鮮な解釈の加味された名作に仕上がった。ドイツの心理学者の家で火事が起こり、猛火の中を女性家庭教師メリーが4人の養子たちを救出するが、その翌日にメリーは失踪、子供たちもその出来事を覚えていない。その夜、いったい何があったのか、という謎めいた物語がミュージカル・ナンバーに乗って繰り広げられてゆく……。

出演者は前回に引き続き、子供たちに小西遼生・上山竜治・良知真次、家庭教師に一路真輝がキャスティングされたほか、今回、中川翔子が子供たちの一人アンナの役を新たに演じることとなった。中川にとってはこれが初舞台となる。5月13日の夕刻、ゲネプロ(公開総通し稽古)に先立ち、5人の出演者たちが舞台衣裳のままメディア向けに会見を行った。

まず養子ヘルマンを演じる上山竜治が「今回は再演ですが、初参加の中川翔子さんがとてもキレイな歌声なのでドキドキしながらやらせていただいてます」と挨拶。続いて最年長の養子ハンスを演じる小西遼生が「新生“ブラメリ”は前回と違った、新しいものが稽古場で作られた。とても良い仕上がりになったので楽しみにして見に来てください」と述べる。ハンスやヘルマンの義妹にあたるアンナを演じる中川翔子は「舞台、ミュージカルは初挑戦になります。一路真輝さんやイケメン兄弟たちに囲まれて、皆さんの優しさに感謝・感動しています。稽古場でボコボコになりながら、魂を全裸にして挑む勢いです。愛や歌や悲しみや狂気など色々な要素を持つアンナを全力で演じてゆきたい」と語った。家庭教師役の一路真輝は「中川さんの参加によりフレッシュに仕上がってるので、よい感じで初日を迎えられそうです」と自信満々に瞳を輝かせる。一番年下の養子ヨナスを演じる良知真次は「(自分は)唯一記憶の残っているという、作品中のキーパーソンを演じる。新参加の中川翔子おねえさんをできるだけ支えてゆきたい」と話した。

その後は、質疑応答タイム。中川翔子の初舞台について、どう思うかを訊かれて上山は「彼女はものすごい人見知りで、最初の頃は全く彼女は目をあわせてくれなかった。最近ようやくコミュニケーションをとってくれるようになった」と暴露。中川は「再演で、非常に評判のいい作品に、初舞台の私が参加することで、皆さまの足を引っ張ってはならないと、最初の頃は顔がガチガチの岩石みたいに硬くなっていました。胃薬も飲んでいました。皆さんと雑談しなければと思いながら、つい不眠症になりがちなところに、皆さんがバナナや椅子を出してくれて、感動や感謝でいっぱいになりました」と当時の様子を説明。

さらに中川、初舞台に臨むにあたり何か新たにしていることは? と問われると、「稽古場では全部が初めてのことばかりで、今日までアッという間に時間が経った感じがします。カラダだけは壊すまいと、自炊をしてお弁当も自分で作るようになりました。お弁当少女になって女子力をあげたじゃないか自分、と思ったのですが、蓋を開けたら弁当が腐ってて(笑)。ホウレンソウのおひたしなんですが、前の晩にこしらえたのが、翌日の夜まで開ける機会がなくて。すっかりドロドロになってました。ゲス料理です(笑)」 脇から上山が「でも、タマゴいただいたんですよね」、小西が「あれはおいしかった」とフォローしかけると、中川がボソっと「あれは、かなりギリギリのやつで…」と呟く。上山がギョッとした表情で「あれギリギリだったの? なんでくれたの?(笑)」と詰め寄り気味に。

そんな中川のことを一路が「アンナの役は大人になると心を閉ざすけれど、子供時代を演じるときの翔子ちゃんはすごく可愛い。私は教師の役なので、役の気持ちを翔子ちゃんから貰っています」と褒める。良知も「中川さんは初舞台と思えないほど、台詞やダンドリが早く入って、歌も堂々としてる」と更に持ち上げたところで、上山が「走ること以外は本当に素晴らしいんです。でも、走るのだけはメチャクチャ遅いんですよ(笑)」と、急に突き落とす。そこに小西が「動きのわりには、全然前に進んでないなぁ!って」と輪をかけるので、良知「なんだか、そこが見どころみたいになっちゃうじゃないですか(笑)」

記者から「中川さんは稽古場でボコボコにされてると仰ってましたが」と質問が出ると、すかさず一路が「私たちは彼女をボコボコにしていませんよ」と釘をさす。すると中川、「皆さんにはとても優しくしていただいていて……一路さんに抱きつくシーンでは、ついお尻を撫で回しちゃうんです(笑)」と。 良知「その時“今お尻触っているの誰?”って、うちら男三人が疑われてしまって(笑)」

稽古が始まって早い段階で、コミュニケーションが深まるようにとみんなでもんじゃ焼きを食べに行ったりもしたという。そういう場で“しょこたん語”が披露されるのかとの質問も出たが、中川「普段、私は意外と黙ってるんです」と否定。すると良知が「でも彼女の着てるTシャツには“ギザ”って書いてあった」と言う。一路は「共演者たちで彼女のライヴを観に行ったんです。そこで色々な“しょこたん語”を知りましたね。レベル31って何だろうって思ったんですが、ああ年齢のことなんだな、とかね」 これに対して中川がポロっと「ありがとうございまみたす」と返すや、周囲は「おおっ」と湧き立った。

12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄についてコメントを求められた一路は「ある劇場でお会いした時に、いつか一緒にやろうねと言ってくださった」と明かし、「それがもう叶わなくなったことがとても残念です。蜷川さんが残した業績はこれから代々語り継がれてゆくでしょう。今はただ感謝の気持ちでいっぱいです」と答えた。

最後に改めて中川が、「『ブラック メリーポピンズ』は、人間とは? 家族とは? 心とは? ……といった色んな闇が駆け巡る過程で、自分自身の人生ともリンクして、感情が引き裂かれるような、そして人の愛の温かみを感じさせてくれるような作品です。そんな作品に初舞台で参加できたことがとても幸せです。全身全力で挑みたいと思いますので、ぜひお越しください」と締め括って、会見場を後にした。なお、ゲネプロの模様も、追って紹介する。

公演情報
ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』
 
■脚本・作詞・音楽:ソ・ユンミ
演出鈴木裕美
上演台本田村孝裕
訳詞高橋亜子
出演中川翔子、小西遼生、良知真次、上山竜治、一路真輝
 
●5/14~5/29◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉S席9,000円 A席7,000円
●6/3~5◎兵庫県立芸術文化センター  阪急 中ホール
●6/9◎福岡市民会館
●6/17◎愛知県芸術劇場  大ホール
〈お問い合わせ〉キューブ 03-5485-2252(10:00~18:00)
〈公式ホームページ〉http://m-bmp2.com/

 

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