『Dramatic Musical Collection 2015』東山義久、峰さを理、彩輝なお座談会

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2015.8.2
 撮影/アラカワヤスコ

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華麗なるミュージカル・ナンバーを、ショー形式でゴージャスボイスが紡ぐ『Dramatic Musical Collection2015』が、7月29日から幕を開けた。(8月2日まで天王洲 銀河劇場にて)。

大作ミュージカル『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』をはじめ、誰もが知っているあの作品のあの名曲をピックアップ、ダンスとともに展開する、まさに珠玉のミュージカル・ショーといってもいいステージだ。この舞台に出演する東山義久、峰さを理、彩輝なおの3人に、ショーの内容やお互いについて語ってもらった。

撮影/アラカワヤスコ

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おまかせしますと言った以上は覚悟を決めて(笑)

──この作品はいわゆるミュージカルの名曲をもとに構成する、ダンスと歌のショーという形ですね。

東山 皆さんもご存じのミュージカルの名曲を、題名通りドラマティックに紡いでいくというもので、僕も今までにいくつか有名なミュージカルに出演させていただきましたので、基本的には縁のある作品の中から選んでいます。昨年上演して好評だったショーですが、今年はまた出演者も新たになりますので、構成も新しく作り直しています。

──峰さんと彩輝さんは、このショーに出演する話を聞いたときは?

 私は昨年の公演は観ていないのですが、譜面をいただいてみたらほとんどが初めての曲ばかりで、どうしようと思っています(笑)。私は意外とミュージカルに不勉強で、「歌いたい曲はありますか?」と聞かれたのですが「おまかせします」と言っちゃったものですから(笑)。でも出演させていただくと決めた時点で、もう俎板の上の鯉ですから(笑)、覚悟を決めて。でも想像以上にたいへんです。

東山 峰さんとのご縁は、僕がダンサーとして初めて出たショー『THE SINGERS』(1999年)で、峰さんはトップの立場でいらっしゃって、その後、うちのメンバーも一緒に出演させていただいたりしました。歌はもちろん素晴らしいし、舞台に出たときのオーラとか説得力はすごいなといつも思っているんです。

彩輝 ありますよね。説得力(笑)。

東山 ある作品で、主役の方を立てながらもすごい存在感で舞台を引き締めているのを拝見して、ぜひうちの舞台にも出てほしいなと思ったんです。

 いやいや、引き締まるかどうか(笑)。
 
撮影/アラカワヤスコ

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──彩輝さんは東山さんとの共演は三度目だそうですが、こういうコンサートのような形式のものでは初めてでは?

彩輝 私はミュージカルコンサート自体もあまり縁がなかったんです。でも宝塚100周年を機に去年のシアタークリエ『ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL 2014夏』とか、歌の舞台のお仕事をいただくことが増えてきて。

 宝塚にいた時より上手になってるよね。

彩輝 嬉しいです(笑)。少しずつでも進歩しないといけないので。

 たぶん男役の声で歌うのって無理していたんだと思う。その無理がなくなったのでラクになったのよね。

彩輝 確かに無理はしていました。よく声を潰してましたから。

 自由に出せるようになったのよ。

彩輝 そう思います。でもそうなったらまた男役が来たりするんです(笑)。

 あるある(笑)。

彩輝 でも現役の頃より楽しんで男役をやれるようになりました。やっぱり前はいっぱいいっぱいでしたから。今回、このショーの中でも、『エリザベート』のトートをさせていただけるのが嬉しくて。

東山 僕と峰さんもトートで、それぞれルドルフとの「闇が広がる」を歌います。

 私、憧れだったの、トート。もうちょっと遅く生まれていたら宝塚でやれたかもしれなかったのに(笑)。今回、やっとトートをやれます。
 
撮影/アラカワヤスコ

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全バージョン観たくなる「闇が広がる」

──峰さんは東山さんの印象は?

 私は初対面だったその『THE SINGERS』で、なんて綺麗な男の子だろうと。それにダンスがすごくしなやかで、この人はきっと伸びていくだろうなと思ってました。ヨシ(東山)のダンスは大好き。ずっと見ていたいくらい好きです。

──今回、一緒に踊る場面などは?

 誰が踊るねん!無理むり!(笑)

東山 本当は峰さんの歌で踊りたいと思っていたんですが、そこはうちのメンバーにまかせて、僕は歌を。なんか峰さんの前で歌うのは恥ずかしくて(笑)。

 歌えるようになったじゃない!『"D"~永遠という名の神話~』(2009年)で共演したとき「歌えるようになったね」と言ったでしょ?

東山 いやー、まだまだ。

彩輝 私も今回稽古場で、東山さんが『レ・ミゼラブル 』のアンジョルラスを歌ってるのを聞いたとき「本物だ!」って。 

──彩輝さんは東山さんと共演しての印象は?

彩輝 やっぱりダンスは本当に素敵だし、リーダーとしての牽引力があるなと思います。

 そう、引っ張る力がある。

彩輝 それと進化し続けようとするところがすごいなと思いますね。

──峰さんも彩輝さんは、同じ宝塚星組出身ですが、在籍した時期はずれているんですね。

彩輝 峰さんは私が初めて宝塚を観たときのトップさんですから、本当に大先輩なんです。でも麻路さきさんが間にいて繋いでくださってて。

 3人で姉妹みたいに仲が良いのね。長女が私で、マリコ(麻路)が次女で、さえちゃん(彩輝)が三女。マリコちゃんがブラジルから帰国するとよく一緒にご飯を食べたり。

彩輝 峰さんのお家に泊まりに行ったり。

東山 友だち感覚ですね(笑)。

 でも、今までOG公演でしか共演してなくて、だから今回は嬉しいし、すごく楽しみ。

彩輝 『DREAM, A DREAM』のとき、ジャズの場面で峰さんと一緒で、すごく楽しかったんですけど、今回はなんとトートとルドルフで共演するので、緊張します!

 ルドルフは歌ったことないのよね?

彩輝 はい。初役です(笑)。
 
撮影/アラカワヤスコ

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──トートを3人で交代というのがすごいですね。峰さんは観客の立場で観ていらした『エリザベート』はいかがでした?

 素晴らしい作品だと思います。深いし、訴える力も強い。もちろん音楽的にも素晴らしい。なによりも出演している人全員が生きている作品だと思います。

東山 そうなんですよね。全員が素敵に見えるんです。

──東山さんは2000年と2001年にトートダンサーで出演していますから、やはり思い入れがあるでしょうね? 

東山 まだダンスを始めて間もない時期で、初めて出演した大作ミュージカルが『エリザベート』だったんです。なんといってもドラマティックな作品ですし、僕はそれまでダンスしか知らなかったのですが、『エリザベート』に出て、そのあと『レ・ミゼラブル』で歌をやって。ミュージカルを目指す機会になったし、歌はストレートに伝わる力があるなと、そこに魅力を感じるようになりました。このショーでも、前後に物語があるミュージカルの曲をどこまで表現できるか。まだまだなんですけど、そこを目指していきたいなと。

 ダンスも歌も一緒なのよね。どちらも魂だから。

東山 はい。がんばります。
 

──「闇が広がる」を歌うということですが、それぞれ相手役のルドルフはどなたですか?

東山 僕は法月(康平)くんと海宝(直人)さんです。
 

彩輝 私は法月くんと組みます。

 さえちゃんのルドルフは、私とだけ組むのよね。

──男性同士の組み合わせも、女性同士もあるし、女性トートと男性ルドルフもあるし、いろいろな組み合わせが楽しめますね。

 全バージョンを観たくなるでしょう?(笑) 。

撮影/アラカワヤスコ

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名曲が次々に出てくるおもちゃ箱のようなステージ

──彩輝さんはトートは、新人公演でもサヨナラ公演でも演じているんですね。

東山 僕、彩輝さんのトートを観に行きましたからね。

彩輝 ありがとうございます(笑)。退団して10年経って、途中で『エリザベート ガラ・コンサート』(2012年)に出させていただいたり、最近やっとこの作品との向き合い方が出来てきて、今のほうがかえって近くなっています。その中にどっぷり入るのではなく、自分にとって大事なものとして句読点のマルを置けるような、1つの区切りがついたという気がします。それだけ大切な作品で、だから一回りしないといけなかったんです。今は、その時その時で感じたまま向き合っていける、そういう作品になったと思っています。

──女優さんになって、また向き合うのは感覚が違うでしょうね。

彩輝 それが醍醐味というか、両方できるわけですから。不思議なんですが、男役の時の感覚はすんなり戻ってきたりするんです。それを楽しめたらいいなと。もちろん緊張感も身体が覚えていて、ぞわぞわするんですけど、でも1曲なので集中力を大切に、他の曲との切り換えを大事にしようと思っています。このショーは、ただ曲を切り取って歌うコンサートとは違っていて、作品のその場面のエッセンスをぎゅっと伝える作品だと思うので。

 『エリザベート』に限って言えば、出演していたさえちゃんとかヨシは強いと思うんですよ。観ていて想像するものと経験したものは違うから、私は2人に比べて経験がないから「どうする?」と。

東山 大丈夫ですよ、存在が帝王だから(笑)。

彩輝 そう、「説得力」ですから(笑)。
 

──昨年のOGバージョン『CHICAGO』のビリーなど、男役の凄さを感じました。

彩輝 本当に素晴らしかったです。

 退団して27年、日本物以外で男役したのは初めてだったんです。ショーでは燕尾を着たこともあったし、日本物の男役は抵抗ないんですけど、洋物のお芝居ではどうしても男役をやりたくなかったんです。

彩輝 でもカッコよかったし、すごくチャーミングでした!
 

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──今回は、「闇が広がる」以外に男性パートの歌とかあるのですか?

 あるんですよ!有名なミュージカル曲が(笑)。

彩輝 それにもう1人、宝塚出身のAKANE LIVさんと3人で、宝塚時代に歌ったものもあります。

東山 新しいミュージカルから懐かしいミュージカルまで、30数曲入ってますから。

彩輝 おもちゃ箱みたいですよね。

 宝石箱よ(笑)。

東山 ゲストも玉野和紀さん、藤岡正明さん、大山真志さん、それに海宝さんとすごいメンバーですからね。

──では、最後にそれぞれ抱負を一言ずついただければ。

彩輝 今、1場面1場面作っている真っ最中で、ふだんD☆Dさんとはお芝居などでご一緒させていただいてますけれど、今回は振付と演出の森(新吾)先生を筆頭に、それぞれの役割を果たしつつ、いつもと違う「どミュージカル」を(笑)、皆さんが作っているのがとても素敵で楽しいです(笑)。

東山 確かに僕らは、あんまり「どストライク」のミュージカルはやらないから(笑)。

彩輝 そこに心くすぐられながら、きっと舞台に行ったら一緒に、濃厚で個性的な世界を、弾けた世界をお届けできると思います。ぜひ観にいらしてください。

 森さんは、5月の『マスカレード2015』を観て、面白い感性の人だなと思ったので、この名曲の数々をどう料理してくださるか楽しみですし、お客様にも楽しみしていただきたいです。

東山 僕自身、ミュージカル俳優としては若輩だと思っているので、峰さんや彩輝さんはじめ、皆さんの胸をお借りして、東山義久としての表現でステージを飾れればと。僕ならこのナンバーをこう表現するというのを観ていただければ。素晴らしいゲストとレギュラーキャストに恵まれたので、僕たちにしかできないミュージカル・ショーをお見せしたいと思っています。ぜひ足をお運びください。劇場でお待ちしています。

峰さを理 東山義久 彩輝なお 撮影/アラカワヤスコ

峰さを理 東山義久 彩輝なお 撮影/アラカワヤスコ



ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカル『Shocking!Shopping』で初舞台。00年『エリザベート』のトートダンサーで一躍注目を集める。03年に結成した「DIAMOND☆DOGS」ではリーダーを務め、総合演出も手掛ける。13年にEntertainment Dance Performance Show『BOLERO』を立ち上げる。ミュージカル、ストレートプレイ、ダンス作品などジャンルを問わず多方面に表現活動を展開中。最近の出演舞台は『ニジンスキー~神に愛された孤高の天才バレエダンサー』Dramatic super dance theater『サロメ』オフブロードウェイミュージカル『ALTAR BOYZ』『CLUB SEVEN 10th stage!』DIAMOND☆DOGS DANCE OPERA『マスカレード~Final』など。

みねさおり○福井県出身。1972年、宝塚歌劇団に入団。入団2年目で新人公演の主役に。星組トップとして抜群の実力を誇り、『哀しみのコルドバ』、『紫子』、『別離の肖像』などの名作を残した。87年退団後、女優に。『ハロルド・ピンター・コレクション』、市川猿之助演出『イダマンテ』、欧州公演にも参加した『サド侯爵夫人』など数々の舞台で活躍するほか、日本舞踊家西崎峰として舞踊会や宝塚公演の振付家として活躍中。最近の舞台は『DREAM, A DREAM』『FABULOUS REVUE BOYSⅡ』←ここをカット『ミリオンダラー・ヒストリー』TAKARAZUKA 100th Anniversary OG version『CHICAGO』など。

あやきなお○神奈川県出身。1990年、宝塚歌劇団に入団。『ベルサイユのばら』で初舞台。在団中は彩輝直。月組・星組・専科で活躍。04年に月組トップスターに就任。05年『エリザベート』で退団。現在は女優としてミュージカルからストレートプレイまで、和洋を問わず幅広く活躍中。主な舞台は『プロデューサーズ』『暗くなるまで待って』『愛と青春の宝塚』『ガブリエルシャネル』『ピアフ』、最近の出演舞台は『アニー』『ピトレスク』『マホロバ』『ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL 2014夏』『ファウスト・オデッセイア』など。

【取材・文/榊原和子 撮影/アラカワヤスコ】

 

〈公演情報〉



『Dramatic Musical Collection 2015』

構成・音楽監督◇宮﨑誠
演出・振付◇森新吾
出演◇東山義久、キム・テフン、ペク・ギボム、法月康平/峰さを理、彩輝なお、AKANE LIV/DIAMOND☆DOGS
スペシャルゲスト◇玉野和紀(7/29日)/藤岡正明(7/30、31日)、大山真志(8/1日)、海宝直人(8/2日)
●7/29~8/2◎天王洲 銀河劇場
〈料金〉S席¥8,800 A席¥7,000(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉 http://gingeki.jp/
演劇キック - 宝塚ジャーナル
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