加藤和樹が『真田十勇士』で中村勘九郎の相棒、霧隠才蔵に挑む!

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『真田十勇士』に出演の加藤和樹(撮影/石橋法子)

『真田十勇士』に出演の加藤和樹(撮影/石橋法子)

この秋、堤幸彦監督が手掛ける『真田十勇士』舞台映画が同時期に開幕・公開される。真田十勇士の一人で、2014年の初演舞台で、大槍を操るワイルドな由利鎌之助を演じた加藤和樹。今回の映画版でも由利鎌之助を演じるが、再演の舞台では新たに霧隠才蔵に役替わりする。霧隠才蔵は、中村勘九郎演じる猿飛佐助の相棒で、初演の由利鎌之助とは正反対の魅力を放つ、”クールビューティー”な忍者役だ。公演中の主演ミュージカル『1789』の合間を縫って開かれた、三社合同取材会の模様をリライトしてお届けする。

■「視線で殺す、惚れ惚れするような霧隠才蔵を作り上げたい」

ーー『1789』公演中にありがとうございます。休む暇もありませんね。
いや、そうでもないですよ。今日はW主演の小池徹平くんが出演しています。ちょこちょこと休みがあるので、昨日もお買い物してました(笑)。

ーー(笑)。『真田十勇士』の再演が決まりました。今回は霧隠才蔵役です。
先日、映画のクランクアップの記者会見があったのですが、その日にプロデューサーから「(舞台は)才蔵で」と言われて「…え?」って。ちょうど映画の撮影現場でも、舞台には出られない方がいるのは聞いていたので、みんなで「才蔵役は誰になるんだろうね」と話していたので。結果を聞いて、自分が一番驚きました。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー鎌之助とは、ガラリと雰囲気が変わりそうですね。
そうですね。鎌之助とは全然キャラクターが違いますし、当初は中村勘九郎という男の隣に立つのが、自分でいいのかという葛藤とプレッシャーがありました。そこで、事前に勘九郎さんとお話させて頂く中で、勘九郎さんも快く受け入れてくださったので、これは全力でやらせて頂こうと。必死にくらいついていきたいと思いました。

ーー初演では、勘九郎さん演じる猿飛佐助の「動」に対し才蔵は「静」、しかも美男子でなくてはならないという設定でした。
だから、何で僕なのかなと(笑)。だって、鎌之助は髭もじゃの男臭い役として演じていたので。今回は多少小綺麗になったかな。演じるからには、勘九郎さんの胸を借りて、最大限に格好いい、見ていて惚れ惚れするような才蔵を作り上げなくてはいけない。使命感にも似た気持ちでいます。凄く動けてクールなんだけど、内側に静かに燃える闘志を秘めている、霧隠才蔵という一人の男を演じたい。

ーー公式サイトの動画インタビューでは、「さらに色気の部分をプラスしたい」ともお話されています。加藤さんが思う色気とは?
才蔵に関しては目線だと思っています。忍びなので眼力を使い、キッと目線だけで動けなくするとか、目で殺す。そこは火垂(篠田麻里子)との関係性も関係してくるのかなと。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー視線や内側に秘めた闘志で魅せる、演じがいのある役になりそうです。
最終的にそれが色っぽくみえればいいなと。ドラマなどを見ていても、今の目の流し方はセクシーだなと思う表現がありますが、それは演じる側の意図というよりも、見る側がそう感じた、ということだと思います。わざとではなく、やった結果セクシーに見える。それを舞台上でどこまで大きく見せられるかが、今回の課題でもあります。

ーー佐助と才蔵の幼馴染みでもある、女忍び・火垂とのドラマも見所のひとつです。
惚れられつつ、同時に命も狙われるという危険もはらんでいる。今回、火垂役の篠田麻里子さんとは初共演です。アクションも出来る方だと思いますし、初演とはまた違った火垂になると思います。「愛しているから殺す」というような、命を奪い合う中での愛情や、関係性がリアルに見えたらいいなと思います。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーーNHK大河ドラマを始め、映画、舞台、小説へと真田人気が広がりを見せています。
世間的に誰もが知る物語に出演できることはとても光栄なことですし、期待感とプレッシャーも感じています。個人的にも今年はアーティストデビュー10周年で、現在は帝国劇場からスタートしたミュージカル『1789』で主演を務めさせて頂き、こうして大きな作品が続いて自身の節目にも重なることに、運命的なものも感じます。今が頑張り時だし、踏ん張り時。だからこそ、霧隠才蔵としてしっかりと、作品に名前を残せるようにしたい。

ーー中でも本作は、真田幸村を支えた10人の勇者たちの活躍が描かれます。
真田幸村メインの作品とは違うアナザーストーリーとして、歴史の影にこういうことが実はあったのでは、と思わせたら勝ちだなと。この作品のテーマが「嘘か、本当か」で、嘘をつき通せば本当になる、ってところを僕らは押していきたい。そのために、命を懸けてヘタレな幸村様を”本物”にしていく。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹


■「堤監督が突拍子もないことを言うので、ほんと勘弁してほしい(笑)」

ーー初演と映画を経験されて、改めて気づいた本作の魅力とは?
舞台上で何が行われるか分からない、というところではないでしょうか。初演では、フライングあり、プロジェクションマッピングあり、盆が回ってセットが動く中を駆け巡っての立ち回りあり。夏の陣ではずっと走りっぱなしで、その道中に仲間が一人ずつ欠けていく。体力のすり減り方がすごくリアルで、泣けるシーンでもあったのですが、ハードでした(笑)。今回も、舞台に立つまで何が起こるか分からない。演出の堤さんがまた、突拍子もないことを言うかもしれないので。

ーー突拍子もないんですね(笑)?
そもそも初演で鎌之助の顔に傷があるのも、稽古中に「片目をつむって立ち回りができないか」と監督に言われたのがきっかけです。そこから片目を閉じて稽古を重ねて「でき…ますね」と。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー片目だと距離感がむずかしいのでは?
すごく難しかったですね。自分自身というよりは、共演者の方々に槍があたるといけないので。最後の夏の陣は見えないように目を開けていますが、簡単な立ち回りと普段は片目を閉じて演じていました。

ーーそんな加藤さんに、勘九郎さんも信頼を寄せています。今回は歌声にも期待されているとか。再演はミュージカル!?
歌に関しては、監督にも言われました。こっちがノーといっても、この人たちは本当にやらせるので、ほんと勘弁してもらいたいです(笑)。初演で才蔵を演じた松坂桃李くんも、無茶ぶりされてたから。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー確かに初演はハードな立ち回りに加え、コミカルな場面も満載でした。
台本にはそんなこと書かれてないんですよ。でも、やるんです。勘九郎さんも稽古中は色々とアドリブを試されますし、監督の「ちょっとこれやってみて」で日替わりネタができたり。一番面白かったのが、高橋光臣さん演じる筧十蔵。「芸州浪人、筧十蔵」と名乗って登場する場面があるのですが、それを見た堤さんが「ゲイだったら、どうなるの?」と。その一言で、筧十蔵がゲイキャラになりました。光臣さん稽古場でめちゃくちゃ悩んでましたもん、「俺そんな役作りしてきてない!」って(笑)。

ーー(笑)。加藤さんも一足先に映画(9/22公開)の現場で、無茶ぶりの洗礼を受けたとか。
はい。たった3行の場面なんですけど台本に「敵武将の馬を奪って、敵陣に突っ込んで行く」とあって、俺馬乗れないよと。でも監督に「出来るんでしょ?」と言われ、「はい出来ます、やらせてください!」って(笑)。

ーーそこから練習されたんですね。
早速乗馬教室に通って、馬を引いて歩くところから始めました(笑)。馬の上で槍を振り回し、すれ違いざまに武将を斬るというシーンもあったので。合戦の撮影では人間が上げる「うぉー!」という雄叫びに馬が驚いて動かないこともあり、コントロールするのが大変でした。でも千葉や和歌山でロケを行い、200人近いエキストラさんにも集まって頂けたので、とてつもなくスケール感のでかい作品に仕上がっています。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー映画と舞台、それぞれに見所がありそうですね。
そうですね。舞台はキャストも違いますし、舞台でしか出せない魅力がある。自分自身も映画を見てから挑むと、ちょっと気持ちが違うかもしれません。同じ作品を同時期に映画と舞台で見られるって、すごく贅沢なことだと思います

ーーまた、歌手デビュー10周年の今年は、持ち歌全80曲を演奏するライブも開催します。
自分の中での挑戦と、応援してくさるお客さまへの感謝の気持ちです。80曲を2日間に分けて演奏します。ライブというより耐久レースに近いかも(笑)。4月のワンマンライブでも「夏までに体力をつけて、みんなでがんばりましょう!」と伝えました。ライブって、みんなで作り上げるものだと思っていますので(笑)。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

ーー下半期も体力勝負ですね。
「やればできる」がモットーなので大丈夫です。今目の前にある課題はやってできないことはない。ただ、「どこまでできるのか」は自分次第なので、生半可な気持ちではやりたくない。それをやりきった先に、新たな道が見えてくるんじゃないかなと思います。

ーー最後にお客様へメッセージを。
中村勘九郎を筆頭にこれだけのキャストが集まり、その演技を生で見られる、絶対に笑って泣ける作品です。壮絶な立ち回りには手に汗握り、僕らの呼吸まで感じとれると思います。新たに生まれ変わった舞台『真田十勇士』を劇場で体感してください。

『真田十勇士』に出演の加藤和樹

『真田十勇士』に出演の加藤和樹


 
公演情報
スペクタクル時代劇「真田十勇士」

■脚本:マキノノゾミ
■演出:堤幸彦
■出演:中村勘九郎、加藤和樹、篠田麻里子、高橋光臣、村井良太、駿河太郎、荒井敦史、栗山航、望月歩、青木健、丸山敦史、石垣佑麿、山口馬木也、加藤雅也、浅野ゆう子 他
http://sanadajuyushi.jp
 
◎一般発売:
【東京・横浜】2016年6月4日(土)
【関西】2016年6月12日(日)
 
<東京公演>
■2016年9月11日(日)~10月3日(月)
■新国立劇場 中劇場
 
<横浜公演>
■2016年10月8日(土)~10月10日(月・祝)
■KAAT神奈川芸術劇場
 
<関西公演>
■2016年10月14日(金)~10月23日(日)
■兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

 

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