英国ロイヤル・バレエ団『ロミオとジュリエット』『ジゼル』 旬のプリンシパルたちで魅せる物語バレエの真髄
2016年上半期バレエ・シーンのハイライトとなるであろう英国ロイヤル・バレエ団の来日公演が、目前に迫ってきた。
英国ロイヤルは、慎み深く、気品ある“ロイヤル・スタイル”と演劇的な物語バレエの伝統を大切に保持してきたカンパニーとして知られるが、近年は気鋭の振付家たちに作品を委嘱、果敢にレパートリーを拡充している。
3年ぶりとなる今回の来日では、お家芸であるケネス・マクミラン版『ロミオとジュリエット』と、細やかな演出で劇的効果を高めたピーター・ライト演出『ジゼル』を上演。世界から集まった旬のプリンシパルたちが連日出演し、それぞれのドラマを織り上げていく。どちらの演目も、ダンサーの組み合わせによって様々な解釈の可能性が広がるので、どのダンサーで観るべきか、悩ましいところだ。
2作品ともに共演するのは2ペア。ローレン・カスバートソンとフェデリコ・ボネッリは、ロイヤル・スタイルを体現するカップルで、じわじわと想いが溢れ、私たちの心に迫ってくることだろう。一方ナターリヤ・オシポワとマシュー・ゴールディングならば、ダイナミックかつドラマティックに見せてくれるはず。
英国ロイヤル移籍後、あっという間に世界的なダンスール・ノーブルに駆け上がったワディム・ムンタギロフが今回組むのは、サラ・ラム(『ロミオとジュリエット』)とマリアネラ・ヌニェス(『ジゼル』)。パートナーにより、どんな化学反応が見られるのかも楽しみだ。
同じダンサーで2作品を観たり、異なるペアで同じ作品を観たり、自分なりのテーマを決めるのもよいだろう。
文:守山実花
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)
英国ロイヤル・バレエ団
『ロミオとジュリエット』 6/16(木)〜6/19(日)
『ジゼル』 6/22(水)〜6/26(日)
東京文化会館
問合せ:NBSセンター03-3791-8888
http://www.nbs.or.jp
『ロミオとジュリエット』 6/16(木)〜6/19(日)
『ジゼル』 6/22(水)〜6/26(日)
東京文化会館
問合せ:NBSセンター03-3791-8888
http://www.nbs.or.jp