『100万回生きたねこ』成河&深田恭子が大阪で会見。
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「サーカスのような感覚で足を運んで下さい」(成河)
世界中で愛されているベストセラー絵本を、イスラエルを代表するクリエイターコンビ、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックが演出したミュージカル『100万回生きたねこ』。びっくり箱のような仕掛け満載の美術と、物悲しくも懐かしい音楽によって原作の世界を見事に立体化した作品が、成河&深田恭子をW主演に迎えて再演される。今月から始まる東京公演を前にして、この2人の会見が大阪で行われた。
果てしなく転生を繰り返すねこを演じる成河は、野田秀樹やジョン・ケアードの舞台などでキャリアを積み、最近は『マッサン』(NHK)などの映像出演も増えている注目の俳優だ。舞台は百戦錬磨の彼でも、本作の初演を「観たことのないものだった」と振り返る。
「楽しさがありながらも詩的で哲学的で、すごく衝撃を受けました。再演にあたって、いろんな人にこの役のオーディションを薦めていただいたので、恐る恐る受けてみたんですが…決めていただいたのが、まだ半信半疑で(笑)。でも演出家の2人がものすごくオープンで「(初演を)焼き直すつもりは毛頭ない」と言ってくださったので、この人たちなら身を任せられると思いました」
一方、彼に愛される白いねこを演じる深田恭子は、これが舞台初挑戦。初演の舞台を映像で観た時に「世界観や音楽などすべてに魅了され、ぜひこの役で初舞台に立てればと思いました」と、成河と同じくこれまでにない衝撃を受けたという。
「とにかく涙が止まらなかったですし、この感情をどこに持っていったらいいんだろうと、何とも言えない感覚になりました。(初舞台への不安は)ないと言ったら嘘になりますが、そういったことは付き物だと思いますし、この世界に入れていただけるという喜びの方があります」
稽古はすでに佳境に入っているそうだが、2人の話からはのびのびとした楽しい現場であることがうかがえた。
「舞台のお稽古は、何から何まで初めてなので驚きがいっぱいあります。朝から夜中までロケというのと違って、始まる時間も終わる時間もちゃんと決まってて、こんな生活って初めてだなあと(笑)。今は何でも楽しいですね、毎日」(深田)
「深田さんは新しい環境を素直に楽しんでいる感じがして、舞台畑の僕らからしたら逆にすごく新鮮ですし、みんな本当に癒やされてます。一方でインバルさんは、稽古中でもずっと絵を描いてるんですよ。「こんな美術があったらいいなあ」って、稽古をほったらかして絵を描いていて、結構みんな困ったりして(笑)」(成河)
さらに「どういう人に観ていただきたいですか?」という質問には、こんな回答が。
「原作がとても素晴らしいですし、インバルさんとアブシャロムさん独特の世界観も、本当にアートでいてかわいらしいんです。「こういう人に」というよりも、皆さんにいろんな想いを必ず感じていただけるようなミュージカルではないかな、と思います」(深田)
「本当に門戸を開いてるというか、子ども連れからお年寄りまで、それぞれの感じ方ができる作品を目指していると思います。でもとにかく、楽しい舞台なんですよ。何が起こるかドキドキワクワクしながら、サーカスのような感覚で足を運んでいただけたらと思います」(成河)
ちなみに「何に生まれ変わりたいですか?」という質問には「女性になって女優を目指したい」と答えた成河に対し、「(生まれ変わる)ねこちゃんを毎日見ていると「大変そうだなあ」と思うので、生まれ変わりたくない。もう終わりでいいです(笑)」となかなか予想外の返答をしてくれた深田。いかにもかわいらしいカップルになりそうな、この2人を中心に繰り広げられる『100万回生きたねこ』が、ますます楽しみになった。