最強の来日キャストと共に歌うコンサート『アイ・ラブ・ミュージカルズ』新妻聖子インタビュー
新妻聖子
ヨーロッパで15万人を動員したミュージカルコンサートが、七夕の日に、日本武道館で開催される。世界最高峰のミュージカルスターが来日し、名作ミュージカルのベストナンバーをオーケストラの生演奏と大スクリーンをバックにダイナミックな演出で魅せる『アイ・ラブ・ミュージカルズ』。そのコンサートにスペシャルゲストとして出演する新妻聖子に話を聞いた。
新しい刺激がもらえるコンサート
──海外アーティストとの共演はいかがですか?
昨日の自分を超えていくには、常に学んで、新しい刺激が欲しいので、海外のアーティストとご一緒すると自分の想像を超えた経験ができ、大きく成長できるチャンスだと思います。
──ピーター・ジョーバックさん、ラミン・カリムルーさんとは共演経験がありますね。
『ミス・サイゴン』の曲をデュエットしたとき、クリス役経験者であるそれぞれのクリス像が全く違っていたのが印象深かったです。初めて外国人のクリス役の方と歌ったのですが、目から入る情報としてクリスそのもの。しかも、英語が母国語ではない私が、外国人の英語に追随して歌うシチュエーション全てが作品そのもので、キムもこういう感じだったのかなと。憧れの世界に連れて行ってもらえるような夢の感覚で、初めて生まれる感情もありました。
──ノーム・ルイスさん、シエラ・ボーゲスさんの印象は?
ラミンさんと「The Phantom of the Opera」を歌わせて頂いたとき、「最後の最高音を軽々と出せる人を、君やシエラなど世界でも数人しか知らないんだよ」と伺って、ぜひシエラさんの歌も近くで聴いてみたいと思っていました。ノームさんもミュージカルファンなら一度は名前を聞いたことがあるトップスター。ブロードウェイでアフリカ系初のファントムを演じた歴史を作ってきた方で、期待が高まります。ミュージカル、歌、音楽を通して、世界各地の方と新しいご縁ができたり、再会できる機会が奇跡的で幸せです。一期一会、噛み締めて楽しみたいと思います。
──どんな曲を歌いたいですか?
3人のファントムにクリスティーヌも来日しますから、『オペラ座の怪人』は私も楽しむことに徹します(笑)。『レ・ミゼラブル』では、シエラさんがファンティーヌを歌うと思うので、私はエポニーヌを。みんなで『One Day More』もやりたいですね! 『ミス・サイゴン』では、ラミンさんと「Last Night of the World」を、欧米人のエレンとも歌ってみたかったので、シエラさんと「I Still Believe」を、そして「命をあげよう」が歌えたら最高です。夢が広がりますね!
上質な演劇に垣根はない
──コンサートならではの難しさはありますか?
ハンドマイクで一曲ごとにステージに上がり、その空気に溶け込むところからスタートしなければいけないので、おそらく技術としてはコンサートの方が難しいと思います。ですが、自身が演じた事のある役に関しては特に、曲のイントロを聞くと、パブロフの犬のように反応し、その世界に入り込んでしまいます。音楽の力に勝るものはないですね。
──オーケストラとの共演はいかがですか?
曲の境界線がぐんと広がりますね。広い会場が大好きなので、武道館でどんな響きになるのか最高に楽しみです! 大きいスクリーンで映像があったり、素敵な衣裳もつけていたり、照明もドラマティック。壮大な空間になると思います。
──ミュージカル初体験の方に魅力を教えてください。
ピーターさんが考案した『アイ・ラブ・ミュージカルズ』は、演劇的なショーの要素を含んだミュージカルのヒットメドレーで、世界の最強キャストが揃います。ストレートプレイ、歌舞伎、ミュージカルなど、上質な演劇に垣根はないと思うので、演劇ファンという時点で、その魅力にきっとはまってしまうと思います!
──お客様へメッセージを。
今、改めて武者震いをしています。舞台上の私たちも最高に楽しみますし、お客様にとっても最高に楽しいコンサートになると思います。名曲が続き、ミュージカルのピークの感動がこれでもかと押し寄せる、感情的に忙しいコンサートになるかもしれません。ハンカチをご用意頂いて、飛び上がって拍手をする準備をしてお越し下さい。錚々たるスターのみなさんの中にいて、とても不安なので、大きな声援を私にもくださったら嬉しいです。ぜひ力をください!
【取材・文・撮影/岩村美佳】
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