#野水映画 “俺たちスーパーウォッチメン” 第六回レビュー『レジェンド 狂気の美学』

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TVアニメ『デート・ア・ライブ  DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス  怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。

『ダークナイト ライジング』(12)で悪役・ベインに抜擢され、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)のマックス役で一躍有名になったトム・ハーディ。私は記事下のプロフィール欄に書いてしまうほどのハーディ好きである。まるでプロレスラーのようながっちりとした肉体、相手を射抜くような目力、なのにちょっとはにかんだ笑顔は子犬のように可愛らしい! サイモン・ペッグについても「子犬のように可愛らしい」と言ったが、私の中ではペッグはチワワで、ハーディはラブラドール・レトリバーだ。『レジェンド 狂気の美学』は、そんなハーディの魅⼒を2倍楽しめる映画なのである。
 

トム・ハーディ×トム・ハーディ 夢の競演 (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

トム・ハーディ×トム・ハーディ 夢の競演 (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright


1960年代初めのロンドン。イースト・エンドの下層からのし上がった双子のギャング、レジー・クレイとロン・クレイ。レジーは一見人当たりの良い切れ者で、ロンは同性愛者を公言し精神的に不安定で凶暴な性格の持ち主だ。他者には計り知れぬほどの固い絆で結ばれた一卵性双⽣児の2⼈は、今や街を掌握するほどの権力を⼿にしていた。そんな中、部下の妹・フランシスと恋に落ちたレジーは、悪事と手を切ることを彼女と約束をする。それが気に食わないロンは、反発し破滅的な⾏動を繰り返すようになる。やがて、警察の執拗な捜査の手が迫り、兄弟の絆は綻び始めてゆく。

クレイ兄弟は実在したギャングで、ロンドンでは“切り裂きジャック”と並ぶほど有名な二人だ。いまだにファンクラブまであるという!現在東京で開催中の『シリアルキラー展』でも絵が飾られるほど認知されている犯罪者である。その兄弟レジーとロンを、ハーディは1⼈2役で演じることを買って出たのである。レジーはいつもの精悍で格好良いハーディ。対するロンは、眼鏡を掛け、薄気味悪ささえある無表情なハーディだ。メインビジュアルを⾒ただけでも私は胸が高鳴るが、ハーディ好きならずとも、その演じ分けには興味が湧くのではないだろうか。

ロンの顔つきには、レジーよりもふっくらとした印象を出すため、⻭型から作った詰め物を入れて⾓張った顎のラインを出すなど、かなりの手間を掛けているという。また、ハキハキと明瞭に喋るレジーに対し、ロンはモゴモゴとこもったような声でねっとりと喋る。こんな細かいところにまでこだわりが⾒えるのだ。その対⽐は、まるで陰と陽。同じハーディが演じているようには⾒えないのだけれど、ただ一つ⾔えるのは、どちらももれなく“悪カッコいい”ということだ!
 

『キングスマン』に続き、ステキなスーツ姿を見せてくれるタロン・エガ―トン (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

『キングスマン』に続き、ステキなスーツ姿を見せてくれるタロン・エガ―トン (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright


さらに私がキュンキュンきたのは、タロン・エジャトン(エガートン)! ロンの恋⼈、マッド・テディ・スミス役を演じているのだが……テディって! もう名前からして可愛い! それだけで顔がにやけちゃう! 本編ではいつもロンの隣に座り、無邪気な笑顔でケラケラと声を上げて笑っている。あぁ、天使か……! 台詞や出番こそ多くはないものの存在感があり、インパクトはとても⼤きい。私と同じく、『キングスマン』(15)のエグジー役でエジャトンに一目惚れした方は間違いなくグッとくることだろう。そのエジャトンが、ハーディと恋⼈同⼠……出来ることならもっとイチャイチャして欲しかった!
 

フランシス役は『エンジェル・ウォーズ』のエミリー・ブラウニング (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

フランシス役は『エンジェル・ウォーズ』のエミリー・ブラウニング (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright


おっと失礼、取り乱してしまった。本筋に戻ろう。実話を基にしているということもあり、物語は淡々と進んでいくが、私はレジーとロンの関係性から⽬が離せなかった。愛するフランシスを傷つけられてもなお、傍若無⼈に振る舞う弟を⾒捨てられないレジー。兄だけには甘え、心の底を覗かせるロン。双子(あるいは男兄弟)の愛や執念というものは、それほどまでに深いものなのだろうか……。私が一人っ子だからかもしれないが、「そんなに足を引っ張られるなら、ロンなんか自分のそばに置かなきゃいいのに!」と何度思ったことか! けれど2⼈のそんなもどかしいほどのやり取りは、まさにこの作品の肝と⾔ってもいいだろう。ハーディが何度もテイクを重ねて作り上げた、ナイトクラブでの兄弟大喧嘩のシーンは見どころの一つなので、じっくりと堪能してほしい。
 

『レジェンド 狂気の美学』 (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

『レジェンド 狂気の美学』 (C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright


ちなみに劇中では、レジーの恋⼈・フランシス視点のナレーションが度々はさみ込まれる。序盤ではこのナレーションにはあまり必要性を感じられなかった。クレイ兄弟の物語なのに、なぜフランシスが喋るんだろう、と思ったほど。だが、最後まで観れば、ナレーションが伏線であることがわかるはずだ。

『レジェンド 狂気の美学』は6⽉18⽇(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町 他にて全国公開

イベント情報

『レジェンド 狂気の美学』
 

(C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

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原題:Legend
(2015年/イギリス、フランス/英語/131分/5.1ch)

監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド(『L.A.コンフィデンシャル』『ミスティック・リバー』『42~世界を変えた男~』)
出演:トム・ハーディ(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レヴェナント:蘇りし者』)/エミリー・ブラウニング(『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』)/タロン・エガートン(『キングスマン』)/デヴィット・シューリス(『ハリー・ポッター』シリーズ)/ポール・べタニー(『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』)/クリストファー・エクルストン(『マイティ・ソー/ダークワールド』)他

日本語字幕:佐藤栄奈
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム/R15+
(C) 2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.Copyright

 

野水伊織 関連情報
京都アニソンスペシャルライブ

日程:8月20日(土)
時間: 開場15:00/開始 16:00
会場:KBSホール(京都府)
チケット:前売 4,980円(税込) / 当日 5,480円(税込)
※当日ワンドリンク制(500円)

出演: AiRI/アース・スター ドリーム/千菅春香/野水いおり/MICHI/Luce Twinkle Wink/Ray

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