ヨナス・カウフマン主演のヴェリズモ・オペラ代表的2作品を6/19深夜放送
ザルツブルグ復活祭音楽祭公式サイトより
6月19日(日)深夜24時からNHKのBSプレミアム「プレミアム・シアター」で、「ザルツブルク復活祭音楽祭2015」よりヨナス・カウフマン主演のヴェリズモ・オペラ二作品を放送する。
毎年、キリストの復活祭(イースター)の時期にオーストリアのザルツブルク祝祭大劇場で開催される「ザルツブルク復活祭音楽祭(ザルツブルク・イースター音楽祭)」は、1967年にオペラ上演を目的にヘルベルト・フォン・カラヤンが創立した音楽祭だ。そのメインオーケストラをベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が長年務めてきたが、サイモン・ラトル時代の2012年に撤退してしまった。それを受け継ぐ形で2013年からは同音楽祭の芸術監督にクリスティアン・ティーレマンが就任、彼が首席指揮者を務めるドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)が演奏をおこなう“新時代”に突入した(ちなみにティーレマンはドイツ・ベルリン生まれで、かつてカラヤンの薫陶を受けベルリンフィルで演奏したこともある)。
6月19日(日)深夜24時からは、2015年に開催された同音楽祭から、マスカーニの歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』(初演1890年)と、レオンカヴァルロの歌劇『道化師』(1892年)が放送される。演奏はもちろんティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団。
両作品は、1890年代からイタリアで台頭したヴェリズモ・オペラの代表作として知られる。ヴェリズモ・オペラとは、同時代のイタリア・ヴェリズモ文学の影響を受けたリアリズム重視の歌劇である。内容的には庶民の日常生活や暴力の生々しい描写、音楽的には激しい感情表現と重厚なオーケストレーションを特徴とする。その代名詞ともいうべき二つの歌劇をまとめて聴けることは貴重である。
さらに注目は、その二作品とも、“21世紀のキング・オブ・テノール”と称される人気No.1のドイツ人テノール歌手、ヨナス・カウフマンが主演していることだ。ダークでロマンティックかつ強靭な歌声で今や世界中から引く手あまたのスーパースターが歌うヴェリズモ・オペラを、ティーレマン指揮の重厚な演奏で堪能できるのだから、オペラファン垂涎といえるだろう。
なお、番組後半では、20世紀来の“世界三大テノール”の一人、プラシド・ドミンゴが、2013年にドイツのローレライ野外劇場でおこなったコンサートの模様が放送される。ワーグナーのオペラから、レハールのオペレッタ、さらにはブロードウェイ・ミュージカル・ナンバーまで幅広く歌う。
全放送に渡って、見どころ、聴きどころ満載のプログラムである。
6月19日(日)24時~25時25分(6月20日 午前0時~4時25分)
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
歌劇「道化師」
<演目>
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」(全1幕)
マスカーニ 作曲
サントゥッツァ:リュドミラ・モナスティルスカ
トゥリッドゥ:ヨナス・カウフマン
ルチア(トゥリッドゥの母):ステファニア・トツィスカ
アルフィオ:アンブロージョ・マエストリ
ローラ(アルフィオの妻):アンナリーザ・ストロッパ
<演目>
歌劇「道化師」(全2幕)
レオンカヴァルロ 作曲
ネッダ/コロンビーナ:マリア・アグレスタ
カニオ/道化師:ヨナス・カウフマン
トニオ/タデオ:ディミトリ・プラタニアス
ペッペ/アルレッキーノ:タンセル・アクセイベク
シルヴィオ:アレッシオ・アルドゥイーニ
<合唱>ドレスデン国立歌劇場合唱団、ザルツブルク・バッハ合唱団、 ザルツブルク音楽祭および劇場児童合唱団
<管弦楽>ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
<指揮>クリスティアン・ティーレマン
<字幕>米沢啓子
<出 演>
プラシド・ドミンゴ(テノール)(2、4、5、7、9、11、13、16曲目)
エンジェル・ブルー(ソプラノ)(3、11、12、13、14、15曲目)
ミカエラ・エステ(ソプラノ)(5、8、9、11、15曲目)
<指揮>ユージン・コーン
1. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲 ワーグナー 作曲
2. 楽劇「ワルキューレ」から ジークムントの愛の歌「冬の嵐は過ぎ去り」 ワーグナー 作曲
3. 歌劇「タンホイザー」から おごそかなこの広間よ ワーグナー 作曲
4. 歌劇「タンホイザー」から 優しい夕べの星よ ワーグナー 作曲
5. 歌劇「椿姫」第2幕から 二重唱 ヴェルディ 作曲
6. 歌劇「ローレライ」序曲 ブルッフ 作曲
7. 喜歌劇「ほほえみの国」から 君はわが心のすべて レハール 作曲
8. 喜歌劇「ジュディッタ」から 私の唇にあなたは熱いキスをした レハール 作曲
9. 喜歌劇「メリー・ウィドー」から 唇は黙っていても、バイオリンはささやく レハール 作曲
10. 喜歌劇「軽騎兵」序曲 スッペ 作曲
11. 喜歌劇「こうもり」から 一週間もただひとりで ヨハン・シュトラウス 作曲
12. サルスエラ「ユダヤの子」から スペインの歌 ルーナ 作曲
13. サルスエラ「ルイサ・フェルナンダ」から わが故郷 エストレマドゥーラに モレーノ・トローバ 作曲
14.「マイ・フェア・レディ」から 踊り明かそう ロウ 作曲
15.「アニーよ銃をとれ」から あなたにできることなら バーリン 作曲
16. ベサメ・ムーチョ ヴェラスケス 作曲