己龍、「龍跳狐臥」千秋楽で念願の日本武道館に立つ

レポート
音楽
2015.8.6
「己龍 47都道府県 単独巡業~龍跳狐臥~千秋楽」の様子。(写真提供:B.P.RECORDS)

「己龍 47都道府県 単独巡業~龍跳狐臥~千秋楽」の様子。(写真提供:B.P.RECORDS)

己龍が7月31日に東京・日本武道館で47都道府県ツアー「龍跳狐臥(りゅうちょうこが)」の千秋楽を迎えた。全国各地を巡ったツアーの締めくくりにふさわしく、武道館公演では朱色の巨大な鳥居や太鼓橋などを設置したステージセットや、楽曲に寄り添った照明や映像の演出、さらに火柱、爆薬、銀テープといった特効が5人の気迫あふれるパフォーマンスを鮮やかに際立たせた。

開演後、スクリーンに己龍が結成からこれまでに行ってきたツアータイトルと、当時のライブ映像が映し出される。その後、狐のお面を被ったメンバーが巨大な鳥居の奥から登場。黒崎眞弥(Vo)が「俺たちにとってすべての始まりの曲だ。死ぬ気で応えてくれ!」と声を張り上げ、バンド結成後に初めて音源化された初期ナンバー「アナザーサイド」で武道館公演の火蓋が切って落とされた。

酒井参輝(G)と九条武政(G)は妖艶な動きを見せつつテクニカルなプレイを繰り出し、一色日和(B)と遠海准司(Dr)はときにパワフル、ときに繊細なグルーヴを生み出して、キレのあるバンドサウンドを響かせた。また木魚とお経の音が薄く流れる転換時には黒崎が結成から8年で武道館のステージに立てたことに改めて感謝の意を表してから、「とっとと化けの皮、剥いでしまえ! 俺たちが見たいのはデブスにドブスのとんでもねえツラなんだよ!」「それだけ醜いツラしたお前らを愛してくれるのは、俺たち以外にいないだろ」と毒付いた言い回しで観客を煽り立てた。

ライブの中盤に5人はミドルチューン「狐」で重厚なサウンドを響かせ、激情的なバラードナンバー「露一筋」へと続ける。さらに「後ノ今宵」では「もういいかい?」「まーだだよ」とかくれんぼの定番フレーズを取り入れたファンとの掛け合いに興じた。遠海によるドラムソロコーナーでは、遠海がバスドラム4台を使った派手なプレイで観客を魅了。ドラムソロ明け、5人は軍歌を想起させるナンバー「靂霹ノ天青」を演奏してから「鬼遊戯」「愛怨忌焔」と攻撃的なナンバーを連投する。そして本編は「暁歌水月」での大きな盛り上がりの中で締めくくられた。

本編終了後、スクリーンには新衣装を着たメンバーの姿が。ここでは11月に新曲「泡沫」が発売されることと、2016年1月8日に東京・Zepp Tokyoで単独公演を行うことが発表された。さらに「泡沫」のミュージックビデオのオフショットなどで構成された映像が流されたあとに、メンバーがグッズのTシャツを着てステージに再登場。メンバーそれぞれがこの日に迎えた武道館公演に対する思いを述べた。中でも酒井は両親に武道館に立つ自分の姿を観せられたことなどを語るなど感慨もひとしおの様子。また一色は「これからもみんなをつかんで、離さないぞ」と話して観客を笑顔にさせた。己龍はエモーショナルなパフォーマンスとともに「見世物鬼譚」からラストナンバー「叫声」までアンコールで4曲を披露し、全都道府県を巡るツアーと、念願の武道館でのライブの幕を降ろした。

己龍 47都道府県 単独巡業~龍跳狐臥~千秋楽
2015年7月31日 日本武道館公演 セットリスト

01. アナザーサイド
02. 九尾
03. 残月
04. 鬼ノ傀儡
05. 井底之蛙
06. 雛奉
07. 悦ト鬱
08. 朔宵
09. 狐
10. 露一筋
11. 後ノ今宵
12. 紅椿
13. 靂霹ノ天青
14. 鬼遊戯
15. 愛怨忌焔
16. 暁歌水月
<アンコール>
17. 見世物鬼譚
18. 天照
19. 空蝉
20. 叫声

己龍単独公演

2016年1月8日(金)東京都 Zepp Tokyo

音楽ナタリー
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