柚希礼音×横田栄司×平間壮一×吉野圭吾×G2×小林裕幸が語る『ミュージカル バイオハザード ―ヴォイス・オブ・ガイア―』

インタビュー
2016.8.12
バイオハザード ―ヴォイス・オブ・ガイア―

バイオハザード ―ヴォイス・オブ・ガイア―

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世界的に大ヒットを続けるサバイバルゲーム『バイオハザード』が、『ミュージカル バイオハザード ― ヴォイス・オブ・ガイア ―』として世界初のミュージカル化を果たす。脚本・演出のG2による完全オリジナルストーリーで繰り広げられる壮大なスケールの本ステージは、どのようなカタチで観客の前に現れるのか──。主演の柚希礼音、脚本・演出のG2と共に、横田栄司、平間壮一、吉野圭吾の役者陣&監修の小林裕幸(CAPCOM)が、まだ見ぬ世界への期待を語り合った。

――『バイオハザード』の世界をミュージカルに、という構想は以前からあった企画だったんですか?

小林:『バイオハザード』は20周年を迎えますが、今やハリウッド映画にもなった作品なので、まだやったことのない面白いエンタメとしてはなにがあるだろうと考えたとき、「ミュージカルが最適なのかなぁ」という答えにたどり着きました。これまで舞台のお仕事もやらせてもらっていた中、ミュージカルはまだやったことがなかったんです。でも、なによりも柚希さんに出ていただけることが決まり、演出でG2さんにも入っていただくことができ、素晴らしい布陣が揃った。なのでもうこれはG2さんがやりやすい形で自由にやっていただこう、と決めたんです。G2さんが描きたい世界を大事にすれば、おのずと素敵な舞台になるはずですから。

監修:CAPCOM 小林裕幸

監修:CAPCOM 小林裕幸

――ゲーム原作は通常、決まりごとや世界観に関わる縛りも多いですよね。

小林:そこもできるだけ自由に、と。ただ、『バイオハザード』とタイトルがつく以上、オリジナルではありますけど基本的なルール……たとえば出てくるゾンビについてとか、そういう部分だけはしっかり監修させていただいて。

G2:小林さんは最初から「なんでもやってもいいよ」と思っていらしたんだろうけれど僕のほうは、やはりゾンビの世界とは距離を感じていたので(笑)。最初に「僕だったらこういうことしかできませんよ」という原案みたいなモノを出させていただいたんです。そうしたらもう「どんどんやってください」と。もちろん、お伝えいただいたいくつかのルールのようなものはちゃんと守りながら、このミュージカルだけの世界を生み出すことができました。

小林:ゲームの設定ってもう20年もやっているとホントにものすごくたくさんあるんですけど、僕なりの“『バイオハザード』で大事なところ”をお伝えして。具体的に言うと、クローンとか超能力とかはナシにしてください、とか。ゾンビの出現に関しても例えば現代で可能な科学力、技術力、ウィルスや病気など、この世の中で起きそうなことを理由づけにして欲しい、というのはお願いしました。柚希さんのリサがもう超能力で全部解決できちゃうとかあまりにもなんでもアリだと、観ているほうも安心しちゃって。ハラハラドキドキがなくなっちゃいますからね。あくまでもヒューマンドラマ、そして生身のアクションでお客様にドラマを伝えて欲しいという思いはありました。

作・演出:G2

作・演出:G2

――柚希さん演じるリサ・マーチンは、凛々しく大胆不敵な女性。ヒロインであり、ヒーローでもあるような……。

柚希:そうですね。まさにヒーロー感も持ち合わせたヒロインだと思うので、イメージは「ちゃんと自分の足で立ち、勇敢に立ち向かう女性」。愛と勇気を持った女性を伸び伸びと演じたいです。

G2:柚希さんはこれが宝塚を出られてから初めての主演ミュージカルで、僕もオリジナルのミュージカルは小振りな劇場ではやったことがあるけれどこうした大きな劇場でやるのは初めてです。お互い初めてを持って出会った同士なので、稽古でも新鮮な感動の中で生まれていくモノを大事にしたいですし……仲良くもしたいですけど、お互いせめぎあって、ね。

柚希:はい!

G2:お互いがお互いを見張りあって(笑)、高いところにいきたいです。

柚希:私、この『ミュージカル バイオハザード』がホントに楽しみで。なんといっても本当に自分が女として初めてお芝居する舞台ですから、どうやって喋ろうかなとか、どうやって歩くんだろうとか、まずそういうところからも新鮮ですよね。まぁ、宝塚時代から男とか女とか抜きで「人間の心とは……」という部分を大事に演じてきた思いは変わらず大事にしていきたいですし、やはり表の歩き方とか喋り方とかばかりにとらわれず、本当に大切なところをちゃんと見つめ、みなさんに教わりつつ頑張りたいなと思っています。

ビジュアル撮影時の柚希礼音

ビジュアル撮影時の柚希礼音

――共演のみなさん、まずは……無骨な武闘派、ベルナルド・チャベス役の横田さん。会見では「新人です」などとごあいさつもされていましたが(笑)、確かにミュージカルでお名前を拝見するのは新鮮です。

横田:ミュージカルはこれまでも数本経験があるんですが、どちらかというと辛い思いをしまして、未だ修行中ですね(笑)。でも今回はG2さんに声をかけていただいたということで、瞬時に「やる!」ってお返事しちゃいました。準備稿も読ませていただいたんですが、えらい面白くって! ただ、ミュージカルの台本って、Mナンバーのところになると太い字になるんですけど、「あれ? 俺結構太い字のところあるぞ」って、密かにヘンな汗かきましたけど(笑)。そこも含めてひとつひとつチャレンジしていきたいです。

G2:チャベスっていうキャラクターはちょっと特殊でね、主役とも不思議な絡み方をするんです。アクションも彼が一番強い設定。会見で四十肩とか言ってたけど、そんな場合じゃないからね(笑)。

横田:(笑)。僕は、この中でも一番強いらしんですよ!

G2横田さんはそういうキャラクターの役割を総合的に判断して、ミュージカル界じゃないところからスカウトさせていただいた、という形かな。ミュージカルチームをいい意味でかきまわしてくれる存在として、場を引っ張って行ってくれたらなって思ってます。

横田栄司

横田栄司

――吉野さんは空軍大佐のモーリス・グリーン。クールなイメージですね。

吉野:ちょっと堅物、なのかな? 僕は今、このミュージカルの音楽がどんな世界観になるのかっていうのがすごく楽しみなのと、いろんなシーンをどういうふうに……会見でG2さんから「海の中」と言うワードも出ましたけどね。そういう見せ方がどうなるのか興味津々なんです。できれば僕も海の中にいられたらいいな、と思いますし(笑)。G2さんとは何度かご一緒してますけれど、意見を交わしながら共に舞台を創っていくことができる、素敵な演出家さんです。

G2:ありがとう。吉野君は非常に真摯で真面目に作品に取り組む方ですけど、すっごく良くできるところとすっごく変なところがあって(笑)、そのヘンなところに行ってくれるのも魅力なんですよ。どうせだったらこういう風に飛んで行こうよって、“ヘン”を一緒に愉しめる人。今回はわりと硬派な魅力が全面に出てますが、その中にまた吉野くんらしい魅力を散りばめてもらえたらなって期待してます。

吉野圭吾

吉野圭吾

――そして、リサと常に行動を共にしているロブロを演じるのは平間さん。先輩方の中にいらっしゃる様子がフレッシュです。

平間:うれしいですよ、ほんとに。嬉しいし、楽しみですけど……今は緊張しかしてない(爆笑)。ホント、僕こそ新人なのでね。今回はとにかく若いからこそ出せるパワーを生かし、自分にできることを存分に頑張りたいなって思っております。『バイオハザード』とは子どもの頃に出会って、第一印象からすっごく怖かったのを今でも覚えていて、たぶん、その影響でいまだにホラー映画とかも見れない(笑)。なので、まずはやつらのことを知ろうと「ゾンビ」って言葉を調べてみたら、「何らかの力を得て死体が動き出す」と。余計正体が解らなくなっちゃいましたけど(笑)そんな、わからないところ、謎めいた部分も含めてこの物語に大いに魅力を感じています。

G2:平間君は敏捷なので、とにかくそういうシーンを担ってもらいたいですし、あと、ロブロはリサのことが好きなんですよ。そんなちょっとキュンとくるパートを担ってもらおうかと。

平間:あ、はい。そうなんです。リサが好きです!

柚希:いやぁ~、もう、ね(照)。お芝居でそんなこと体験したことがないので……ちょっと恥ずかしいです。でも、魅力的な女性になれるよう頑張りたいです。

小林:結構リサはモテモテなんですよね。

G2:そうなんですよ。

柚希:ありがとうございます(笑)。台本を読みながらそのモテモテの部分もじっくり検証したんですけど……リサは誰かにすごく甘えているわけでも媚びているわけでもない。自分の記憶を失ってしまって、そんな自分自身とも戦いながら本当に勇気を持って必死に人生を歩いていて――。その姿に触れた周囲の人たちが、なんとなく「がんばれ」って思ってくださるのかなというように感じたので、そこはひとつの拠り所でしょうか。みんなに自然に好きになってもらえるよう、女性だからと言ってヘンにカワイクしようとかモテようとかせずに、しっかり自分を生きることに専念したいです。

平間:素敵だと思います。

平間壮一

平間壮一

――ストーリー展開はやはり観てのお楽しみ、という部分が多いとは思うのですが、今、ここでお伝えいただける範囲内でみなさんが思う本作のみどころというと?

吉野:特に後半。お話があっち、こっち、そっち!って、いろいろな場所に飛んで、とてもスピード感のある展開になってるんです。特にすごく楽しみなところがあって、こんなの観たらお客様は絶対ワクワクしちゃうんだろうな~って思いながら台本をめくってます。シーンもですが、ゾンビも次から次に押し寄せてきますので、いろんなドキドキが楽しめますよ。

平間:僕も最初に台本を読んだときに「これをどうやって舞台でやるんだろう」って思いました。物語のスケールもでっかいし、あっちこっちへと場面が飛んで。それを2時間ちょっとの中でどうやって見せるのか……すごく楽しみです。

小林:役者さんの力の見せどころですね。

横田:ホントですね。こうしてオリジナルの新作舞台をいちからつくれるなんて、とても幸せです。みんなで力を合わせ、まだお客様が見たコトのないモノを創れたらいいんじゃないかな。稽古も楽しいですね。

吉野:これをきっかけにもしかしたら今後、ミュージカル版のゲームが出ちゃうかもしれないですよ。歌いながらゲームしたりとか。

G2:でもね、ホントに今回の作品が成功したら、それはとっても素晴らしいことですよ。日本だとこういうスケールの大きな作品って、大抵は海外から権利を買って上演することが多いじゃないですか。しかも、やって、終わり。でも今回は日本から出ていくオリジナルということを前提に創っているので、それこそこの先、みんなでワールドツアーとか──。

柚季横田平間吉野:ええ~っ!?

小林:あ~。言っちゃいましたね(笑)。

吉野いや、でも、あるかもしれないですよ。

G2うん。そういう部分も含めてね、今回はやっぱり僕らの『バイオハザード』を生み出してみたいな、とは思っています。
 

――イマジネーション、かきたてられます。演出的にも最新技術を駆使したり、いろんなアプローチのできるステージだと思うのですが。

G2:映像はあまり使う予定にはしていないんです。僕が台本の段階から意識したのは、役者がその言葉を発することによってお客さんのイメージが広がる台詞を書きたい、ということでした。やっぱり舞台上ならではの面白さを大事にしたいんです。

横田:わかります。劇場でしか体験できない、お芝居でしか見ることのできない楽しみがいろいろ詰まっている台本なので……G2さんも先日「観終わった後に楽しい気持ちになれる」とおっしゃっていたのでね、お客様がそういう気持ちになれるように、僕ら役者も全力を尽くします。

柚希:ゲームは目の前の映像だけでこっちには直接ゾンビの害はないんだと解っていても怖いのに、舞台ではそれが客席の目の前で展開していくなんて! 怖いところはより怖いだろうし、劇場の体温や空気感がハラハラドキドキを増幅させてくれるはず。そして最終的にどうなるのかも、お客様は一体感をもって見てくださる。楽しみですね~。あ、でも油断していると、いつかゾンビが後ろから出て来るかもしれないですよ……なんて(笑)。

G2:舞台装置はベーシックな感じではあるんだけど……でも、大変なことにはなります、相当(笑)。簡単に言うと、アメーバ状になってるんですよ、セットが。

柚希:アメーバ状??

G2:そう。固いのに、柔らかい。

柚希横田平間吉野:ええーっ!?

G2:それをみんなで分解して形づくって空間をつくっていくようなイメージ。こう言うと抽象的だけど、そこから役者がそれをなにととらえるか、なにと見立てるか。その感情が空間に乗っかることで、お客さんを瞬時に違う世界に連れて行くことのできるセットだと思いますよ。あとはもちろん、歌の力もあるし。なにかホントに……想像力、こちらのイマジネーションを駆使する表現で、より一層感覚的なモノ、感じることが満載の舞台にしたいとは思ってるんですけどね。和田俊輔さんの曲もとってもいいです。今まさに続々とあがってきてるところで。

柚希礼音

柚希礼音

――陸上から海中まで、みなさんがサヴァイヴしながら戦い、活躍して行く姿が目に浮かんできます。

柚希:ゲームとも映画とも違うオリジナルのミュージカルと言うことで、自分自身もこの『バイオハザード』の世界に突入していくのがとても楽しみですし、リサ・マーチンと出会い、初めての女性のお芝居をいろいろ愉しみながらやっていけたらと思います。すごすぎるメンバーのみなさんと一緒に、新しい『ミュージカル バイオハザード』をお見せしたいですね。

G2:今回はいろいろなものが『バイオハザード』という原作のゲーム、宝塚歌劇、僕、音楽の和田くんと、出自の違う多彩な要素を結集させて行く面白さが大きな魅力。そういう多様な味わいを含んでいると、たとえばゲームファンじゃない方、映画ファンじゃない方、宝塚をご覧になったことのない方にも、新たな“ミュージカル バイオハザードというジャンル”が提示できるし、見る側にとっても非常に門戸の広い作品になっていくはず。あの『バイオハザード』ですし、ゾンビですが(笑)。大丈夫、どうか怖がらずに見にきてくださいね。
 

――怖いゾンビのその先にある、人間ドラマ、歌と芝居のパフォーマンスが新鮮な感動に繋がるはず……と。

小林:最低2度は観て欲しいなって思ってます。というか、2度観ることで味わえる楽しさがホントにたくさんなので。

G2:そうですね。それぞれの活躍を存分に愉しんでください。

バイオハザード ―ヴォイス・オブ・ガイア―

バイオハザード ―ヴォイス・オブ・ガイア―

撮影=鈴木久美子 インタビュー・文=横澤由香

公演情報
ミュージカル『バイオハザード-ヴォイス・オブ・ガイア-』

■日時・会場:
2016年9月30日(金)~10月12日(水)赤坂ACTシアター
2016年11月11日(金)~16日(水)梅田芸術劇場メインホール

■脚本・演出:G2
■作曲・音楽監督:和田俊輔
■出演:柚希礼音/横田栄司、渡辺大輔、平間壮一、海宝直人(Wキャスト東京)・村井成仁(Wキャスト大阪)、KYOHEI/壤晴彦/吉野圭吾 ほか

■原作:CAPCOM (ゲーム『BIOHAZARD』)
■監修:小林裕幸(CAPCOM)
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場

■公式サイト:http://musical-biohazard.com/

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