エレファントカシマシ・宮本浩次に訊く “さあ行こうぜ どでかい明日へ” 50代最初のシングルは何故こんなに輝くのか

インタビュー
2016.7.29
エレファントカシマシ・宮本浩次

エレファントカシマシ・宮本浩次

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エレファントカシマシのニューシングル「夢を追う旅人」は、オリンピックを応援する明治の企業CMソングとして書き下ろされた曲だ。温かなパワーがダイレクトに音楽に変換されていて、聴くと胸が熱くなり、力が満ちてくる。この曲が説得力を持っているのは、人生は喜びともに悲しみにあふれたものでもあるという認識、前提に立って歌われているからだろう。デビューして28年あまり、50歳を迎えた今だからこそ、書くことができた作品。50代を代表する名曲が早くも誕生した。アルバム『RAINBOW』からこのシングルまでの歩みについて、ボーカル&ギターの宮本浩次に聞いていく。


――アルバム『RAINBOW』をリリースした直後の2015年11月19日からツアーが始まりました。初日の豊洲PITでもバンドが前に進み続けていることが見えてくる素晴らしいステージを展開していましたが、ツアーではどんなことを感じましたか?

初日の豊洲PITはライブハウスでしたが、ツアーはホールの会場が多くて。広いホールでみんなの声が響き渡っているのがよくわかって、うれしかったし、自信になりました。今でも週に2回ぐらいは最新アルバム『RAINBOW』の冒頭の2曲をよく聴くんですが、「RAINBOW」という表題曲を作れたことは自分にとって、とても大きかったんですよ。「ファイティングマン」がアマチュア時代や10代のまとめの曲であり、「悲しみの果て」が20代のまとめであり、「俺たちの明日」が30代のまとめだったとしたら、「RAINBOW」は自分にとっての40代までの思いをダイジェストで盛り込めた自信作になりました。アルバム制作の最後のほうでできた曲なんですが、この曲を作ることで、自分の中にあった迷いを吹っ切ることができた。その手応えを、制作した時だけでなく、ライブでも感じることができたのは大きかったですね。もちろんファンのみんなも聴いてくれてるわけだから、当然盛りあがるわけですが、みんなが心の底からワーッと声を出しているのがわかったのがうれしかったです。

――「RAINBOW」はライブでさらにその威力を発揮する曲ですよね。人々を巻き込んでいくとてつもないパワーを感じました。

ありがとうございます。会場に来てる人って、みんな、仲間じゃないですか。心の底から僕らを応援してくれてる人がほとんどだと思うし、その気持ちに加えて、「RAINBOW」という曲に対するみんなの安心感……っていうと変なんだけど、エレファントカシマシはまだこういう曲を発表していけるんだなっていう気持ちを強く感じたんですよ。具体的に言葉があったわけではないんですが、ライブでそういう思いを肌で感じられたことは大きな糧になりました。最終的に金原千恵子さんのストリングス・チームに入っていただいて、東京国際フォーラムと大阪フェスティバルホールでやった新春ライブでは、バンドのグルーブと相まって、「なからん」であるとか、「昨日よ」であるとか、アルバム『RAINBOW』の楽曲を現時点でのひとつの完成形としてみんなに聴いてもらうことができたし、『RAINBOW』は今の自分たちの精一杯のものを出し切って作ったアルバムなんだってことを僕ら自身が確信できたツアーになりました。

――バンドが成長し続けてきたからこそ、『RAINBOW』というアルバムを作ることができたんだと思いますが、同時に、『RAINBOW』の曲をライブでやることで、またさらにバンドが前に進んでいるという印象も受けました。

「RAINBOW」という曲は村山さん(村山☆潤)っていう現場監督にも手伝ってもらいながらですけど、久しぶりにスタジオでリズム隊の2人が同時に演奏して、勢いのある音を録れた喜びがツアーにも反映されたんじゃないかと思います。どんどん演奏していくごとに、メンバーもみんなのお客さんの喜びを吸収してどんどん自信を深めることができた。バンドのデビュー30周年が近づいてきたんですが、30周年に向けて、幸先のいいスタートが切れました。

エレファントカシマシ

エレファントカシマシ

――新春ライブは2016年1月4日から1月11日まで行われたわけですが、その後はどんな日々を送っていたのですか?

ちゃんと休んで、自分達のペースでやっていかないといけないなって考えていたので、ツアー前に「ツアーが終わったら1か月休ませてくれ」って事務所の人間にお願いしていたんですよ。なぜならば、楽曲を作るためにはそれなりに時間が必要だから。いろいろ考えることもあるし、やることもある。コンサートも自分たちにとって大事なんだけど、今や、ツアー以外にも夏フェスがあり、春フェスもあったりするじゃないですか。自分たち目当てじゃない人たち、ちょっとだけ興味を持っている人たちにも、もっと自分たちの音楽を聴いてもらいたいという意味でもフェスは大好きなんだけど、ツアーとフェスばっかりやっていると、曲作りをいつやればいいんだってことになる。合間に曲を作るのにも限度がある。メンバーもそれぞれ結構ガタが来たりして、そんなに無理はできない。僕も病気になったし、トミ(冨永義之)も腱鞘炎になったし。追い込み続けることはできないので、『RAINBOW』のツアーが終わったら、1か月休みをもらって、そこからまた曲を作っていこうって話していたんですよ。

――計画どおり、ちゃんと休めたんですか?

1か月休みました。メンバーもみんな、休みまして、完全に音楽をやらない時期がありました。

――その間はどんなことをやっていたんですか?

もともと車が好きなんですが、ずっとドライブしてなかったので、車に乗って、いろんなところに行きました。奈良に行きたいって思い付いたその日に、そのまま行ったり、目的地を決めないで旅をしたり。僕は昔から城が好きなんですが、宇和島城にも行けましたし、そこから思い付きで、小学校からずっと憧れていた備中松山城にも行くことができた。もともと散歩好きなので、お城に行って、城下町をぶらぶら歩くだけで感激しまして。そういう意味ではしっかり休めました。

――音楽以外のことに集中することで、気持ちの切り替えができそうですよね。

そうなんですよ。とてもいい時間になりました。

――ニューシングルのタイトル曲「夢を追う旅人」はのCMのオファーがあって作った曲とのことですが、どんなオファーだったのですか?

“POWER!ひとくちの力”という明治の企業のキャッチコピーの言葉を入れて曲を作ってほしいというオファーでした。

――そこまではっきりと言葉が指定されていると、制作する上でのハードルはかなり高いのではないですか?

こういうケースはめったにないですね。今までもドラマや映画のテーマソングのオーダーをいただいたりしたんですが、ここまで明確なオーダーはなかったと思います。朝日新聞の全面広告にレスリング日本代表の選手が旗を持っている写真が掲載されていて、その旗に“POWER! ひとくちの力”とデカデカと載っちゃっているような企業のコピーですし、とても言葉が強いんですよ。

――確かにインパクトがあります。

しかもCMとして流れるわけだから、15秒あるいは30秒の中に“POWER!ひとくちの力”という言葉を入れなきゃいけない。つまりほとんどその言葉によって支配されていると言ってもいいくらいで。“POWER!ひとくちの力”って、僕が逆立ちしても考えつくようなタイプの言葉じゃないし、明解なメッセージが入っている言葉だし。最初はレコード会社や事務所のスタッフも“宮本には難しいんじゃないか”って考えていたと思うんですよ。「宮本さん、どうしますか?」って言われましたしね。でも明治の人たちから「宮本さんに明治の企業CM曲を作ってほしい」って言っていただいたこと自体は本当にうれしかったんですよ。ちょうど『RAINBOW』というアルバムに手応えを感じて、自信を深めた時期だったし、これから30周年に向かって開かれた気持ちでいい歌を歌っていくぞっていうタイミングで、指名でタイアップの話をいただくのは本当にうれしかった。でもみんなが心配したとおりで、“POWER!ひとくちの力”って文字通りパワーのある言葉だから、最初はどうやっていけばいいんだろうって悩みました。

――突破口はどこにあったんですか?

ずっとその言葉を見ているうちに、確かにそのとおりだなと気付きまして。僕自身、憂鬱な時でもご飯を食べると、元気になるんですよ。入院してたときでも、体自体は元気でしたから、ご飯だけはおかわりして食べていて、そうしたらいつのまにか元気になっている。“POWER!ひとくちの力”って生きていることとピタッと重なる言葉だし、実にストレートな表現じゃないですか。最初は強すぎると思ったんだけど、よくよくみると、そのとおりだなって思ったんです。で、なぜエレファントカシマシを選んだんだろうって考えたら、みんな、宮本のパワーがほしいんだな、ドーンと言ってほしいってことだなって。それが僕らを選んだ理由だなって。そうかと。考えれば考えるほど、“POWER!ひとくちの力”がだんだん光り輝くフレーズだと思えてきた。なんで輝くのかっていうと、僕らは明るい気持ちで生きてるばっかりじゃないわけで、いつも悩んでいるし、どうやったら良い歌ができるだろうと思っているし、なんでこんな嫌な思いするんだろうって感じているからなんじゃないかなって。喜びと悲しみが胸にうずまいて青春してきた、中年になった昔の少年だし、それこそ10代20代のころに思い描いたヒーローとは違うけれど、老いさらばえて朽ち果てて死んでいく俺たちが、ほんとはヒーローだったんだぜって歌ってる「RAINBOW」と、“POWER!ひとくちの力”っていう言葉は、一緒っていうと言い過ぎだけど、実は共通するところがたくさんあるんじゃないかなって。

――確かに、「RAINBOW」の持っている喜びも悲しみも抱きしめていくパワーと、“POWER!ひとくちの力”って、繋がってくるところがありますね。どちらも根源的な生命力が描かれている。

そうなんですよ。みんなと話したり、考えたりする中でだんだんわかってきて、答えがそこにありました。コマーシャルとしては、若いアスリートがオリンピックでメダルを目指して頑張っていくストーリーってわかりやすいじゃないですか。でもオリンピックでメダルを目指している人たちだけの歌ではなくて、みんなにもちゃんと届いていく歌にしたいわけで。それこそ自分も30周年に向けて、もう1回、今の自分の精一杯の歌を歌い続けていきたいわけだし。自分達が落ち込んだり悲しかったり、シリアスな部分を抱えているからこそ、“POWER!ひとくちの力”という言葉が輝くんだ、そこも踏まえて描いていけばいいんだってわかってきたら、すんなり自分のものになっていきました。

――食べ物は口から摂取してエネルギーになりますが、音楽は唇から発せられて、聴き手にパワーとして伝わっていく機能があります。“唇から心へ”というフレーズによって、音楽と食べ物とが見事につながっていくところもすごいなと思いました。

ありがとうございます。“唇から心へ”っていう言葉が出てきて、自分でもこれはいいフレーズを見つけたなと思いました。“POWER!ひとくちの力”という言葉に引っ張ってもらった部分もありますね。

――“POWER!ひとくちの力”という言葉に負けないパワーのある歌詞が並んでいて、テーマと真正面から向き合って消化して、自分達の歌にしているところも素晴らしいですね。

もし僕に元気のないときに、この“POWER!ひとくちの力”という言葉を使って曲を作る依頼がきたとしたら、言葉にパワーがありすぎて、言葉に負けちゃったかもしれないし、もしかしたら自分達にこんな話も来なかったかもしれない。僕らがそれまで着実にバンドで30年近く歩み続けたことも、誰かがどこかで評価していてくれて、この曲につながったんじゃないかなって、全部良い風にとらえています。

――“さあ行こうぜ どでかい明日へ”って50代となったこの時期に歌えるとこともいいですよね。“友よ”と歌うことで、子どもであれ、年を重ねた人々であれ、あらゆる年代に響くんじゃないかと思いましたが、そのあたりは?

生きてる自体が夢を追う旅をしているってことだと思うので、どんな年代にも該当すると思います。最初にヒントをもらった時にコマーシャルについても説明していただきまして。今はアスリート編なんですが、コマーシャル自体もおじいさん達が出てきたり、いろいろな種類があるらしいんですよ。自分もこれから年老いていくんですが、でもいつまでたっても、生きている限り、夢追う旅人なんじゃないかって心から思えて、自分のものにできました。

――曲自体もダイナミックで温かくてパワーがあります。サビ始まりの曲ですが、このサビのメロディは言葉に導かれて出てきたんですか?

そうです。ああそうか、こういうことなのかって、歌の世界観を自分のものにできたと感じた瞬間があって、そのまま夜中にスタジオに行って、ギターも何も使わないで、アカペラで歌っていったんですよ。サビからそのまま歌って、それを録音して、その後からギターを入れていきました。

――歌が真っ直ぐ届いてくるのは、そうした直観的な作り方をしたからなんでしょうね。せつないAメロも広がりのあるBメロも、この曲の持っているパワーをさらに際立たせていると感じました。

そうだと思います。“POWER!ひとくちの力”というのが非常にストレートだから、どうやったら輝くかって考えたときに、せつないからこそ、ご飯を食べて、元気になると思ったし、だからパワーをチャージしたくなるんじゃないかなって。そうやって、パワーを充填して、人はまた出かけていくんじゃないかってことを歌いたかった。それでAメロがああなりました。

――歌もひと言ひと言にパワーが詰まっていて、真っ直ぐ届いてきて、とてつもないパワーの搭載量だなと感じました。

今回、アレンジャーの村山さんにもお願いしたんですが、ストリングスは入れたくなかったんですよ。シンプルにいきたかった。最初、歌から始まるじゃないですか。ギターも何も入ってない状態で作ったでしょ。だから音数を少なくしてシンプルにして、エレファントカシマシの最小限の音で歌が真っ直ぐ響くといいなって考えていました。

――歌入れはどんなテンション、どんな状況で?

もともと僕は人に喜んでもらうのが大好きでして。小学校のときから給食の時間にみんなの前で演説して、みんなが笑顔になってくれるのがとにかくうれしいという目立ちたがり屋だったんですが、その性分は50歳の今になってもなにも変わらず(笑)。広告代理店の人たちが歌詞を入れた状態のものをみんな、ものすごく喜んでくれたんですよ。「これはいい歌だよ」って。そうやって喜んでくれるのがすごくうれしかったので、その夢、期待を壊さないようにというか、ちゃんと伝わるようにってことは思ってました。みんなのパワーももらって、自信を持って歌えました。

――バンドの演奏もパワーがつまっていて、バンドサウンドもとてもいいですよね。

ありがとうございます。歌モノなんだけど、実はエレファントカシマシのロックだと僕は思っています。ちょっと真っ直ぐすぎる言い方かもしれませんけど、バンドっぽいし、自分達のロックになったなと。

――オファーがあった上での曲作りについて、良いところ、難しいところ、今、どう感じていますか?

時期にもよると思うんですよ。今回は「RAINBOW」という楽曲を作ることで40代を総括できたし、自信を持って歌った歌がファンにしっかり届いたってツアーで身をもって感じることができて、満足のいく日々を送っていた時期のオファーだったじゃないですか。しかもエレファントカシマシの30周年に向けての第1弾として、こんなに素敵な話をもらって、全部いいふうにとらえられたので、張り切って曲作りにのぞめました。そんなことって、めったにないんですけど(笑)。だからとても良かったと思っています。この曲のおかげで目を覚まさせられた部分もありましたし。

――というと?

もう1回自分達の自信を取り戻すことができたなって。「RAINBOW」という楽曲だけだと、いい意味でもあるんですが、ネガティヴな部分、落ち込んでいく部分に焦点を当てて、そこを拡大して歌っていくことで、進んでいこうとする歌だったんだけど、「夢を追う旅人」ではさらに一歩進んで、“POWER!ひとくちの力”という言葉によって、さらに明るい気持ちを自分たちのものにできたし、輝く明日を目指して生きていきたいという気持ちをしっかり形にすることができた。若いときに抱いていたやみくもな大きなロマンとはまた違うんだけど、生きてるからこそ、そこにある明るい明日を自分のものにしたいっていう思いを歌えて、本当に良かったなって思ってます。タイアップによって、自分がいい歌と思える歌に引っ張ってもらって、すごく自信になりましたし、そういう意味でもタイアップって素晴らしいですね。みんなが期待しているよりも、もっともっといい歌にすると、とても喜んでくれるんです。お互いに鼓舞できるところもいい。時期によってはできない、それは無理!って思ったかもしれないですけど、自分が地に足がついた状態でいれるときにこの話をいただいて、30周年を祝福されてるって思えたので、うれしかったです。幸先のいい第1弾になったし、エレファントカシマシの歌として、フェスやライブで正々堂々と歌いたい曲になりました。

エレファントカシマシ・宮本浩次

エレファントカシマシ・宮本浩次

――2曲目の「i am hungry」はテレビ東京系ドラマ24『侠飯~おとこめし~』のオープニング・テーマとして書き下ろした曲とのことですが、これはどんな流れから作ったのですか?

「夢を追う旅人」は単独指名で来た話だったんですが、「侠飯~おとこめし~」はコンペっていうんですか、いろいろ競合があって、勝ち取るみたいなパターンで決まったタイアップで。ノリノリの時期だったし(笑)、ドラマの主題歌で、しかもすごく楽しそうなドラマだったので、“絶対に獲りにいくぞ、勝つぞ”って気合いを入れて作りました。「男らしくてソウルフルな声でよろしくお願いします。応援歌じゃなくて、男らしく言い切っている歌がいいです」という、ストレートな発注のされ方だったんですよ。きっとみんなは1曲しか作ってこないだろうけど、俺たちは2曲作ろう、テレビ東京のみなさんにやる気をアピールしようって思って(笑)。歌詞はまだ入っていない状態でしたけど、ソウルフルで男らしくて、元気な歌を2曲作って出しまして。

――聴き手にエネルギーを注入するという意味では、「夢の旅人」とどこか共通する点もあります。“i am hungry”というストレートな表現がいいですよね。

「侠飯~おとこめし~」ってことから、“i am hungry”って連想しまして。この曲も喜んでもらえたみたいで、良かったですね。こういうリフで引っ張っていく曲って僕らは少ないんですが、しっかりリフで押せる曲になったのがうれしい。Aメロとサビが同じリフなんだけど、メロディーが違うという。ビートルズみたいな展開になっているところが自分としては自慢のポイントです(笑)。

――かなり声が高くて、ハイトーンで突き抜けていく曲ですね。

ハイトーンすぎるので、もうちょっと下げようかと思ったんですけど、デモテープの段階で、ドラマのタイアップが決まりまして。デモテープでは適当に裏声で歌っていたんで、こんな高いと思ってなかったけど、いざしっかり歌ってみたら、とてつもなく高かった(笑)。でも決まった後になって音を下げるのも、勢いが削いじゃうので、もうヘビメタばりに裏声を使って、ハイトーンで押しました。タバコをやめたおかげで、裏声が伸びるようになったので。

――歌詞の中に曜日が入っていて、サラリーマンの日々が描かれているとも取れる歌です。曜日感覚のなさそうな人がこういう歌を作るというところも面白いなと思いました。

僕は最近、オフっていうのがすごく好きで。若いときはオフが嫌いだったんですね。バンドの初期のころはそれこそオフばっかりでしたし。30代くらいまで、ずっと働いていられればいいのになって思っていました。でも中年になってきて、オフってすげぇいいなって思うようになってきた。それが日曜日じゃないにしても、自由だなって。最近は洋服を買うのがちょっとだけ趣味になっちゃって。どういうことかって言うと、そこで自由を買ってると思ったんですよ。……いつも黒と白のシャツじゃないですか。

――確かに白と黒のイメージが強いですね。

しかも買うところも同じだった。それをわざと変えて、ユニクロみたいなところも行ったし、いろんなところに行って、しかも黒と白じゃない服を買ったんですよ。紺とかベージュとか。それで心が自由になりました。

――それはおもしろいですね。

みんな、あるじゃないですか。休日になると、ネクタイはずす気持ち。それと一緒かもしれない。休日になって、ちょっと恥ずかしんいだけど、わざと帽子をかぶったり、白じゃない紺色の服を着て歩いたりしたら、すごく解放された気持ちになったんですよ。近所を散歩してるだけなのに、太陽がさんさんと降り注いでるだけで、リゾート地を歩いてるみたいな気になっちゃった。

――安上がりでいいですね(笑)。

ただ、残念ながら、休日ってあっという間だし、リゾート気分が消えてしまった時の感覚って、僕の実感でもあるんです。

――「i am hungry」の中の<暮れゆく空にdandy>はそういう心境ともシンクロしているわけですね。

男子は武士は食わねど高楊枝じゃないけど、粋だったりダンディーだったりがかっこいいと思っていて。「侠飯~おとこめし~」だし、ダンディという言葉があるといいかなって。僕自身はダンディとはほど遠いですけど(笑)。

――今回のシングルが50歳になって初のシングルということになります。50歳になってみて、今後について思うことはありますか?

新聞の広告でみたのかな、フランス人の言葉だったと思うのですが、孫引きの最たるものなんですけど、“40代は若者の老人期”で、“50代は老人の青春期”なんですって。ホントに実感してますね。洋服もそうだけど、僕は今、自由を手に入れられているって思ったし、自分の本当にやりたいことをちゃんと自分で考えてやれていると思ったんですよ。『RAINBOW』と「夢を追う旅人」を作って、50歳になって、いいスタートを切れたんじゃないかと思っています。しかもこの先には30周年というわかりやすいお祭りも控えている。いい場所にいるので、“老人の青春”を満喫っていったらなんだけど、ノリノリで楽しい日々を送っていけたらと思っています。幸い元気で歌ってますし、これからも心にピタッとくる歌を探して続けていけたらと思ってます。


インタビュー・文=長谷川誠

リリース情報
48th Single「夢を追う旅人」
8月3日(水)発売
「夢を追う旅人」

「夢を追う旅人」

1. 夢を追う旅人 ※明治 企業CM 「POWER! ひとくちの力 登坂絵莉選手篇」 CM ソング
2. i am hungry ※テレビ東京系ドラマ24『侠飯~おとこめし~』オープニングテーマ
3. 夢を追う旅人(Instrumental)
4. i am hungry (Instrumental)
 
●初回限定盤 (CD+DVD)UMCK-9856 ¥2,300(税抜)+税
「夢を追う旅人」初回限定盤特典:撮り下ろしミニポスター

「夢を追う旅人」初回限定盤特典:撮り下ろしミニポスター

DVD ※初回限定盤のみ収録
新春ライブ RAINBOW SELECTION 大阪フェスティバルホール
 
OPENING
あなたへ
TEKUMAKUMAYAKON
なからん
昨日よ
シナリオどおり
永遠の旅人
愛すべき今日
歩いてゆく
Under the sky
雨の日も風の日も
3210
RAINBOW
めんどくせい
Destiny
ズレてる方がいい
ファイティングマン
 
全17曲収録

●通常盤 (CD) UMCK-5606 ¥1,100(税抜)+税
 
M-1「夢を追う旅人」
M-2「i am hungry」

 

ツアー情報
エレファントカシマシ ZEPP TOUR 2016
・10/01(土)Zepp Namba         開場17:00/開演 18:00
キョードーインフォメーション ℡:0570-200-888 (全日 10:00~18:00)
・10/02(日)Zepp Namba         開場16:00/開演17:00
キョードーインフォメーション ℡:0570-200-888 (全日 10:00~18:00)
・10/08(土)Zepp Nagoya        開場17:00/開演18:00
サンデーフォークプロモーション ℡:052-320-9100 (全日10:00~18:00)
・10/09(日)Zepp Nagoya        開場16:00/開演17:00
サンデーフォークプロモーション ℡:052-320-9100 (全日10:00~18:00)
・10/14(金)Zepp Tokyo          開場18:00/開演19:00
DISK GARAGE ℡:050-5533-0888 (weekday 12:00~19:00)
・10/15(土)Zepp Tokyo          開場17:00/開演18:00
DISK GARAGE ℡:050-5533-0888 (weekday 12:00~19:00)
・10/22(土)Zepp Sapporo 開場17:00/開演18:00
ウエス ℡:011-614-9999 (月~金 11:00~18:00)
 
チケット代          1Fスタンディング・2F指定 ¥6,500(税込、別途ドリンク代必要)  

 
エレファントカシマシ 日比谷野外大音楽堂 2016

27年連続 日比谷野外大音楽堂 2016 公演開催決定!!

1990年 初の野音から、27年連続となる日比谷野外大音楽堂公演が決定!
今年は、2days開催!!
 
■公演日・開場/開演
2016年9月17日(土) 16:30/17:30
2016年9月18日(日) 16:00/17:00
■会場
日比谷野外大音楽堂
■チケット料金
指定席・立見 6,900円(税込)※3歳以上チケット必要
■チケット一般発売日
2016年8月27日(土)
■お問い合わせ
DISK GARAGE 050-5533-0888 (月~金 12:00~19:00)
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