大阪の劇団「スクエア」無期限活動停止へ

劇団の方向性を見定めるため、20年の歴史に一旦ピリオド。

劇団創立20週年記念公演『芸人コンティニュー』の上演を間近に控えている大阪の劇団「スクエア」が、8月31日（水）に劇団の公式サイトで、本公演終了後に劇団活動を無期限で停止すると発表した。

スクエアは1996年に、上田一軒と森澤匡晴によって結成された。脚本を森澤、演出を上田が担当という二人三脚体制で、ちょっとおかしいけど身近にいそうな人たちが起こす、ドタバタテイストのワンシチュエーション・コメディを上演。誰もが親しみやすいその笑いは、普段演劇を見ない層まで幅広く支持されている。2005年には「釜山国際演劇祭2005」で初の海外公演を行い、熱狂的と言えるほど受け入れられ、その笑いが海外でも通用することをアピールしてみせた。また平行して活動していたサラリーマンバンドユニット「ザ・バックストリート・シャイニングス」では、音楽と笑いを融合させたネタで新境地を開いている。

無期限停止の理由として、劇団は「20年間自分たちのコメディを模索してきたので、ここらで今後の劇団の方向性を見定めるために一旦休止を設けることにしました」と説明。もしかしたら短期間で復活するかもしれないが、現在の形のスクエアが見られるのは、次回公演が最後の機会になるともコメントしている。

奇しくも次回作『芸人コンティニュー』は、解散する漫才コンビを中心としたお笑いをめぐる群像劇になるという。おそらくスクエア自身の「笑い」と「芸」への思いも、率直に反映されているであろう舞台、ぜひ足を運んでおきたい。