HAPPY「今日は踊り狂って、俺らの音楽の一部になってくれたら嬉しい!」ツアーファイナル、ライブレポートをお届け
HAPPY「今日は踊り狂って、俺らの音楽の一部になってくれたら嬉しいです!」全国ツアーファイナル ライブレポート!
最新EP「To The Next」を携え、5月21日の東京・新代田FEVERから始まった全国ツアー。「HAPPY Tour 2015 To The Next」9本のワンマンを含む全国17カ所18公演を回って、この日ついにファイナル公演を迎えた。
リキッドルームに足を踏み入れると、すでにパーティは始まっていた!Opening Guest DJを務める2人組エレクトロ・ユニット、80KIDZがアッパーなダンスチューンで徐々に埋まっていくフロアへ大音量で送り出す。天井にはミラーボールが映す光が煌めき、ライブ前のドキドキ感をさらに増幅させる。彼らがremixを手がけた「R.A.D.I.O. -80KIDZ remix-」を織り交ぜ、HAPPYへとバトンをつないだ。
客電が落ち、SEが流れるとメンバーがステージに登場し、客席から思わず歓声があがる。一瞬の静寂を挟んで、1曲目「The world began with a number」からライブが始まった。まばゆい照明を受けて、Alec(Gt/Vo)、Ric(Syn/Vo)、Chew(Gt/Syn)、Syu(Ba/Syn)、Bob(Dr/Vo)の5人の姿が浮かび上がる。
「Cycle of Life」では、ハイトーンな甘いボーカルがハッピーな気分に拍車をかける。「リキッドルームのみなさん、HAPPYのワンマンへようこそ!調子はどうですかー!」HAPPYのメンバーは、人懐っこい笑顔でギターを弾くAlecと、クールにシンセを操るRicのツインボーカル。Chewはギターとシンセを、Syuはベースとシンセを、それぞれ楽曲ごとに持ち替える。Bobはドラムを叩きながらMCをしたり、ボーカルを披露したり。
彼らの甘いマスクとスタイリッシュな風貌、そして若さという武器は、HAPPYの鳴らすサウンドと空間をより魅力的に仕上げている。(ちなみに、今回のツアーからニューヘアスタイルのChewは、メンバー全員ウェービーなロングヘアの中で、唯一のショートヘアが新鮮!)。
ライブは、今年5月にリリースした1st E.P.「To The Next」と、昨年8月にリリースした1st Album「HELLO」の曲を中心に進んでいく。そんな中で披露された新曲「Lovely Life」は、スイートなハーモニーが最高にラブリーな一曲。
エンディングにAlecが“みなさんに愛と平和が訪れますように!”と添えた。ドラマーBobが歌う「Government Center」を挟んで、ヘヴィな低音ビートが鳴り響くHAPPYを代表する一曲、身も心も踊るシンセポップ「Lift This Weight」。どこか日本人離れしたHAPPYのメロディは、せつなくて心地よい。MCでは、あっという間にツアーはファイナルだったそうだが、Alecの家は「帰ってきたら、ガスも電気も止まっていた」とか。そしてライブは後半戦突入へ。Alecが「今日は踊り狂って、俺らの音楽の一部になってくれたら嬉しいです!」と叫んだ。
行ったことは無いけれど、インドをイメージして作ったという「HAPPYの世界旅行」とのタイトルで紹介した未発表曲「E」は、エキゾチックな雰囲気のあるインスト曲。「Magic」「Run Run Run」に続けて、シンセの音で遊ぶようなイントロで始まった「Teen's Communication」、そして意外にもクラッシュの疾走感あるパンク・ナンバー「I Fought the Law」をカバー。
爽快なギターソロにドラムのアッパーなビートで弾みがつくと、「R.A.D.I.O.」でAlecのエモーショナルなボーカルが爆発!フロアも大きく揺れ、最高潮にヒートアップ!「Pity Xmas」のイントロの低音が響くと、フロアから歓声が大きくあがった。スぺーシーなシンセサイザーの音色に、会場は幻想的なムードに包まれた。そんなイノセントな雰囲気を破って「Wake Up」のキラキラと華やかな盛り上がりへ。フロアからの歓声も入り混じって濃密なサウンドに圧倒された。
「最高です、ありがとう!」「俺ら、初めて18本もツアーをまわったんですけど、いろんなことありましたね」と札幌や盛岡など、打ち上げでのキャラの濃い面々との思い出話の数々をダイジェスト的に披露。「全部、最高やったということです!」「いろいろと出会いがあったんで、また次につなげられるように俺らもがんばります。ここでまた最高のパーティをするんで、また来てください!」と宣言。そして最後はツアータイトル曲「To The Next」を。スローナンバーをツインボーカルで交互に歌い上げる、HAPPYならではの美しいアンサンブルで本編を締めくくった。
アンコールに応えてメンバーがステージに再び登場。「R.A.D.I.O.-80KIDZ remix-」に続いて80KIDZとのコラボ企画が進行中であることを明かし、HAPPYがフィーチャリングされる80KIDZの作品が9月16日にリリースされることを発表した。いよいよこのツアーが終わってしまうのを、名残惜しそうに最後の曲へ。「ほんま最高でした!僕らが好きな曲、2曲やって帰ります!」。Alecのシャウトが優しく響く「Stand By Me」のカバー、そしてラストナンバーは「Win Key Gun」。キラキラした幸福感がグッとこみあげてくる、エンディングを飾るにふさわしい曲だ。「HAPPYでした!ありがとう、また会いましょう!」
ツアーを終えて、確実に成長して帰ってきた彼ら。そして彼らの前には、また目指す道が広がっている。このワンマンの余韻に浸りながら、ネクスト・レベルの彼らに逢える、次のステージを楽しみにしよう。
[Photo by Kazumichi Kokei]
2015年6月26日(金)恵比寿・LIQUIDROOM
SET LIST
1. The world began with a number
2. Cation
3. Cycle Of Life
4. Lucy
5. Time Will Go On
6. Swinging Singer Star
7. Lovely Life
8. Government Center
9. Lift This Weight
10. E
11. Magic
12. Run Run Run
13. Teen's Communication
14. I Fought the Law
15. R.A.D.I.O.
16. Pity Xmas
17. Wake Up
18. To the Next
EN1. Stand By Me
EN2. Win Key Gun