藤原竜也、山本裕典のミニインタビューも!『鱈々』(だらだら)の稽古場に密着!
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『鱈々』藤原竜也、山本裕典
韓国を代表する劇作家・李康白(イ・ガンペク)が1993年に発表した傑作4人芝居『鱈々(だらだら)』が、2016年10月に東京・天王洲 銀河劇場にて上演される(11月以降、長野、静岡、大阪、福岡、鹿児島でも上演される)。9月23日(金)、本作の稽古が行われている都内スタジオにお邪魔し、その様子を見学した。
この日見学したのは、マジメで几帳面なジャーン(藤原竜也)と、ジャーンとは対極的に粗暴でいいかげんなキーム(山本裕典)が住みこんで働いている倉庫の中。中村ゆりが演じるミス・ダーリンの父親であり、彼らの倉庫に荷運びをするトラック運転手役(木場勝己)とキームが花札に興じる場面から続くシーン。
『鱈々』藤原竜也、山本裕典
手の内、そして考えていることがすぐ態度に出てしまうキームに対し、次々と賭け金を巻き上げていく運転手。運転手がキームに発する言葉はまるで人生の渡り方を教える親鳥のよう。
そこに現れたミス・ダーリンは、父親のやり口にあきれ果て、怒りをぶつける。
一方ジャーンは一人黙々と倉庫の荷物をチェック。どうやら何かトラブルがあったらしい。外に出ていった父とキームをヨソに倉庫に残ったミス・ダーリンは、ジャーンに対して何を語るのか…。
『鱈々』木場勝巳、山本裕典
『鱈々』中村ゆり
キリのいいところまで稽古を通すと、演出の栗山民也が立ち上がり、演出卓から椅子ごとステージに移動して、4人の動きに細かく指示を入れる。4人は各自の台本に栗山からの指示を丁寧に書き込む。「大事な事は大きく言うだけじゃない。低くつぶやくことで大事さが伝わる」「直線で相手を見るのがいちばん強い力を生み出す」「今見えているものの裏のドラマを見せる」
セリフのメリハリに加え、そのセリフがいちばん生きる動きをどうとるべきかを示す栗山。
一瞬の休憩のあと、同じ場面を再度通すと、目に見えておもしろさが倍増する。先ほど受けたばかりの指導をすぐ体現する4人の反応の良さもまた印象的だった。
『鱈々』藤原竜也、山本裕典
栗山の演出について、藤原は「(演出の)スピードが速くて。ご自身の中にこの戯曲に対するイメージが出来上がってて、そのイメージを僕らに与えてくれている。間の取り方やそこから生まれる僕らの関係性を明確に提示してくれる。それを小屋入り~初日に向けて演出家として計算しながらやっている。ついていく方としては言われた言葉を大事にキャッチしていかないと栗山さんのスピードについていけない。短い時間だけど深くていい時間をいただいてます」と語る。
一方、山本は栗山からの指示をうまく体現できないこともあるようで、「『あー、そうだった!』『あー!クソー!』と毎日思っています。そして竜也くんに『しっかりしてくれよ』と怒られます」と苦笑する。
また「いまだに稽古場に行くのがツライ(笑) 朝起きたらまたあの緊張感のある稽古場に行くのか! 俺、今日ちゃんとできるのかな? とかいろいろな感情が沸いてきます。マラソン大会の前の週みたいな気持ち」と思わず本音を口にすると、横から藤原が「それはいい緊張だよ」と優しいフォローが入っていた。
藤原と山本の二人芝居となるような場面も多々ある。「僕らはこの空間で生きているときについ台本を追いかけようとするんですけど、栗山さんはそこで立ち止まらせようとする。リズムだけで行かせないようにする。そこがうまいなあと思うんです」
『鱈々』藤原竜也、山本裕典
タイトルの『鱈々』からしてもどんな内容となるのか、まるで想像がつかないこの舞台だが、藤原は「4人でこのシンプルで、そして深い作品を栗山さんと共に作っています。深くていい芝居になればいいなと思ってます」そして山本は「4人それぞれが新鮮なキャラクターで、あまり見たことがない人物だと思うので、僕がお客さんだったらそこがおもしろいと思いますね」と期待を持たせる二人だった。
<東京公演>
◆日程:2016年10月7日(金)~10月30日(日)
◆会場:天王洲 銀河劇場
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※11月にツアーあり(長野、静岡、大阪、福岡、鹿児島)
■作:李康白(イ・ガンペク)
■演出:栗山民也
■出演:藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝己
■公式サイト:http://hpot.jp/stage/dara