2016年夏アニメを振り返る! どのアニメが編集部の注目を集めたのか?SPICEアニメライター座談会

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2016.10.10
『甘々と稲妻』公式サイトより © 雨隠ギド・講談社/「甘々と稲妻」製作委員会

『甘々と稲妻』公式サイトより © 雨隠ギド・講談社/「甘々と稲妻」製作委員会

好評企画となったことで、春アニメまとめに続いて今年の夏では何が強かったのかを編集部4人が集って喧々諤々と言葉をかわしたので、その様子をまとめてみよう。秋アニメも始まりつつある中での対談なので、期待している秋アニメに関しても触れているので、2倍美味しい内容になっていると思うので、楽しんで皆さんの夏アニメベスト作品を考えてもらいたい。

 

今年の夏は雷系が強い!

鶴岡:本日はよろしくお願いします。まず最初に良かったタイトルをばーっと挙げちゃって、そこから特筆作品をピックアップする感じで行きたいと思います。

岡本:自分は、『B-PROJECT』、『ツキウタ』、『チア男子』、『ReLIFE』をしっかり見ました。『モブサイコ100』『サーヴァンプ』は見途中って感じですかね。

加東:『甘々と稲妻』、『あまんちゅ!』、『天鏡のアルデラミン』、『ベルセルク』、『Thunderbolt Fantasy』、あとは『アクティブレイド』と『アンジュ・ヴィエルジュ』って感じです。

taichi:『91Days』と『ReLIFE』をしっかり見ました。『あまんちゅ!』は原作追っていますがアニメは見途中です。

鶴岡:『あまんちゅ』、『甘々と稲妻』、『クロムクロ』、『モブサイコ100』、『ダンガンロンパ3』、『NEW GAME』、『ラブライブサンシャイン』、『ベルセルク』、『Thunderbolt Fantasy』かなー。結構みんなかぶりますね。

加東:それぞれの覇権はどうでした?

鶴岡:『ThunderboltFantasy』か『甘々と稲妻』ですね。

岡本:雷系ですね?

鶴岡:そうです、雷系です(笑)

岡本:自分はくやしいですが『B-PROJECT』ですかね……。

taichi:一押しだと『91Days』ですね!

加東:『91Days』よかったですよね、でも『甘々』かなぁ……『ラブライブ!サンシャイン!!』も後半に向けてよかった気がします。

鶴岡:『サンシャイン!!』は賛否両論ありましたけど、自分は好きでしたね。

加東:あとみんなあまり注目してなかったかもですが、『アクティブレイド』も『アンジュ・ヴィエルジュ』もすごい良かったんですけどね。

岡本:『アンジュ』まったくわからないんですがどんなかんじでした?


加東:まあ元ネタはカードゲームなんですけど、結構主人公たちの女の子の心の動きがちゃんと書かれていた気がする。僕、カードゲーム系アニメってやっぱりカードを売ることも含めてどうしても商品説明が強くなる傾向があると思うんですよ。そこに『selector』がカードゲームをやりながら恐ろしく濃い人の業みたいなものを書いて新境地を見せて。

鶴岡:いきなり濃い話になったな(笑)

加東:アンジュもカードの世界観を生かしながら、ちゃんと少女の成長譚になってた気がするんです。これからもゲーム原作のアニメって増えるけど、ただゲームの世界観、っていうんじゃなくて色々ストーリーやキャラがしっかりしていかないと作品として厳しい時代になると思う、あとアンジュは主題歌との親和性が良かった。

鶴岡:なるほど、一番槍ありがとうございます。では続いて、まったり系を先に倒しましょう。『あまんちゅ!』、『甘々と稲妻』それぞれ見た方コメントを。

加東:taichiさんから!

taichi:『ARIA 』もですけど天野こずえ先生の描く世界観が凄い好きで、今回もどのようにアニメの演出で表現されるのか放送前から気になっていました。


岡本:いま情報見てて知ったんですが「音楽:GONTITI」だったんですね!? 神アニメ確定じゃないですか! 夏で、伊豆で、ゴンチチ。最高。

加東:いや、神アニメですよ(笑)。

鶴岡:『あまんちゅ!』はぴかりとてこの友情から、二人の世界が広がって行くさまが回を重ねるごとに染み入ってきてよかったですねえ。

加東:そして『甘々と稲妻』はもう、なんか『孤独のグルメ』で植え付けられた深夜飯テロ耐性に加えて、子供とシングルファザーの切なさが相まってもう……腹減るわ心は切ないわ。


鶴岡:いろいろ心のアラートが鳴るアニメでしたね

岡本:心のアラート……!!!

加東:結構僕のTwitterには作品で作られたご飯を後日作ってみました! って写真も上がっていたりして、あれから自炊楽しくなったって人もいますね。

岡本:はは~、そういうSNS波及的な効果もあったのですね。

加東:「ご飯は心を許した好きな人と食べると何杯も美味しい」っていう根本的な事を思い出させてくれた名作だと思います


夏アニメは切ないのが伝統

鶴岡:名言ありがとうございます! 話題を変えまして、岡本さんの覇権はどこが推しでした?

岡本:『B-PRO』はずるかった。


鶴岡:ずるいというのは?

岡本:女性向け作品のなかでは話題性がピカイチだったかなと思います。大嵐のフェスのなかで上半身裸コンサートやらせたり、

CV西川さんで西川さんを模したキャラが出てきたりだとか。

taichi:西川さん声優やっても上手いからなぁ。

岡本:あとは最後闇落ちしたんです実は。

鶴岡:ほほう?

岡本:主人公の女の子A&Rの上司だった凄腕オネエ社員みたいな人がいたんですけれど、実はそのオネエ社員がB-PROにこれまで起こった災難を全部仕組んでいたんです。

加東:口あんぐりした、あれ。

taichi:そんなどんでん返しが……。

岡本:B-PROが所属していた芸能事務所や主人公のお父さんに恨みがあったらしくって。本当にさいご「あああ!?!」って声でました。

鶴岡:それはインパクトあったでしょうね。taichiさんと岡本さんが両方見ていた『ReLIFE』、自分も最後まで楽しく見てましたけど、感想を聞かせていただければ。

加東:俺見ていないので是非!


岡本:『ReLIFE』、岡本とtaichiさんは舞台もみたんですよ。

taichi:人付き合いのもどかしさとか丁寧な描写されていて、凄い良いアニメでした。

岡本:高校生に若返る薬、っていうSF的な背景がありながらも、細かい描写はまさに高校時代の青々しい感じがでていて、もうノスタルジーがすごかったです

taichi:高校生の青春と見ても、アラサーの恋愛話として見ても面白くて良いなぁと。

鶴岡:人間関係の細やかさが非常によくでてた。決定的なヒロインが居ないんだけど、みんな魅力的。直球の告白とかニヤニヤ要素満載で。

岡本:告白やばかったっす。

taichi:狩生への恋心を意識しだした大神くんが可愛すぎる……。

岡本:大神くんはんぱない、後半急に頭角表してきました。

taichi:日代さんのネタをバラすところのシーンが凄い良かったです…ああ、そうきたのかって気付かせが

taichi:舞台で先にネタバレしてたのが惜しかった……。

岡本:でも舞台観た勢的には小野賢章すげえって感じです。

taichi:賢章さんの熱の入った演技は本当すごい

岡本:迫力あります~声優しか知らない方も一度みてほしいですね、舞台役者の小野賢章。

鶴岡:シリーズ構成が『SHIROBAKO』の横手さんと『おお振り』の兵藤さんなのは今気づきましたね、そりゃ名作になるわー。

taichi:あとEDに懐メロが流れるんですけど、世代的にストライクで。その回の話にも凄いマッチした選曲だったので凄い良くって。そういう意味でも、見てるこちらまで若返った気がして素敵なアニメでした。二期期待!

加東:なんだろう、今ものすごい見てなかったことを後悔している……。

岡本:是非見てください!

加東:というか、なんかやっぱり夏のアニメって切ないの多いよね、『あまんちゅ!』もそうだし、昔の作品で言えば『凪のあすから』もそうだし、大ヒットの『君の名は。』もそうじゃないですか

鶴岡:『時をかける少女』もそうね。

加東:ああそうだ、『サマーウォーズ』もそうだし。『あの夏で待ってる』『ばらかもん』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』と、どんどん出てきますね。

鶴岡夏アニメは切ない説……提唱していきましょう。

関東の夏は金曜日が熱く燃えた

加東:原作好きとしては『ベルセルク』は興味深かったですな。


岡本:わ、聞きたい。

加東:長い長い原作の最初の頃のエピソードと中盤以降、触を超えたエピソードをうまく混ぜていたかと。

taichi:触までは読んでいたのですが、そこから未読だったのでアニメで触れてみたいですね。

鶴岡:個人的な意見ですが、『ベルセルク』は実験的なことをしても作品パワーで押し切れたのが良かった。音響一つ取っても、ゴドーが剣を焼き直ししてから剣の音が変わったり、後半に連れて作品が良くなっていくのが感心しました。クリエイターサイドはこの難物をよくぞ倒したなあと。まだ余地はありますが、一つの解を得た気がします。

加東:後はもういいところで入ってくる平沢進の挿入歌「灰よ」ですよ……。

鶴岡:「灰よ」が無ければ見られなかった。そこまで言わせる平沢進師匠恐るべしです。音楽担当の鷲巣さんが悪いわけじゃないんだけど、『ベルセルク』って言うと平沢師匠欲しいじゃないですか。

加東:それは仕方ないんです、平沢師匠がゴッドハンドなんで。

岡本:いま楽曲だけきいてますけど、なんだこれすげえ。

鶴岡:平沢師匠はワンアンドオンリーなので。

加東:『剣風戦記ベルセルク』で「Forces」を味わった俺達はもう平沢進なしではベルセルクを見れないんだ……。

taichi:一段落したところで、『91Days』いいですか!?

加東:おっきた!!!


taichi:『バッカーノ』が凄い好きだったんですよ、方向性は全然違うんですけど。だけどマフィア物はやはり雰囲気が味あっていいなーと、1話からハードボイルドな世界観に引き込まれました。

鶴岡:静かに終わる感じなので、それはそれで味わい深いんですけどちょっと不満だったかも。

taichi:でも自分は12話で何もかも滅茶苦茶になったあとの最終回の静かな余韻が好きで、想像を考えさせられる終わり方が良かったです。

鶴岡:そう言う視点だとあれで正解の気もしますね。

加東:1クールアニメの終わり方って難しいよね。

taichi:あとラザニアが食べたくなるアニメでしたっていうのと、津田健次郎さんの演じるファンゴが良い味出してました。

岡本:みればよかったかなあちょっと後悔……。

加東:かなり渋かったよ

岡本:『ジョーカーゲーム』でおなかいっぱいになってました……。

加東:ああ、なるほど(笑)

鶴岡:金曜日続きですみませんが、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』を評価しないと夏は追われない!

岡本:サンダーボルト!気にはなっていました!

加東:『サンボル』は今からでも遅くないから見て欲しい。

岡本:んぬぁ~まじっすか~!


taichi:人形劇なんですか?

加東:そうです、台湾の布袋劇って作品。

鶴岡:簡単にご説明すると、伝統芸能と最新の技術、声優の融合という前看板に偽りなし、気持ちいい武侠もののシナリオとあいまって作品として素晴らしかったんですけど、人形劇としてのレベルが高すぎて奇術通り越して魔法の粋なんですよね。

加東:足さばき人形じゃないあれ、でも人間でも出来ないよアレ。

taichi:PV見たら凄い!めっちゃ動いてる!

岡本:ニトロ、グッスマ、澤野さん、TMR、虚淵さんって強キャラすぎでは……。

鶴岡:なんでこんなことできるの? っていう「クエスチョン」に包まれながら、キャラクターたちの活劇を愛でる作品。ラブコメもあるよ!

岡本:ラブコメ !?!? そのイメージはなかった!

加東:ラブコメありましたねえ。武侠好きな僕としては満点でした。

鶴岡:同じく満点。あんなに潔いものを出されたらどうしようもない。

加東:アニメだったり人間がやればそれはそれで凄い良いものになると思うんですけど、あれを人形劇でやることに意義があると思うんですわ。そこで、「アニメ」に括って良いのかって話もあるけど……。

鶴岡:僕は布袋劇という「特撮」だと思ってます、なのでアニメ側の作品かな~、と。

加東:ああ、なるほど!たしかにあれは特撮!

岡本:これ、日本でいかようにも進化できそうですね……。かわいい女の子でもいいわけじゃないですか? そうでもない?

taichi:ドールでも出来そうですよね。

岡本:そうなんすよ、これドール層も見てるのかなあと思いまして。

加東:ああ、そういう目線もあるのか。

鶴岡:『プリンプリン物語』とかリメイクしたらいいのかな?

岡本:現代版、こわいけどみてみたいかもしれないです(笑)

加東:まどマギ外伝とかじゃないですか…?

taichi:自分は『ローゼンメイデン』を思い出します……。

加東:あああああああ、それだ!

 

期待の秋は実りの秋になりそう!


鶴岡:よし、時間です! とりあえず一通り出揃いましたので、秋のオススメ2本! お願いします!

岡本:『ALL OUT!!』と『ユーリ!!! on ICE』。

 


加東:『ユーリ!!!』はマジ覇権ありますよあれ。一話見て度肝抜かれた。

taichi:主人公が情けない感じで好きになれないタイプだったんですが、スケートしてる姿を見て一瞬で手のひら返しました…かっこよすぎる。ロシアのユーリも口が悪くてあざとい!

加東:作画もキャラもストーリーも主題歌も本気ですよね。

taichi:作画引き込まれるなぁ。自分のはみんなに言われそうだから先に言っておきます! 『響け!ユーフォ二アム2』がやっぱり鉄板です!

鶴岡:かぶったー(笑)


taichi:あぶねぇ! 『ユーフォ』は見ていて深い息が漏れてしまうような空気感の演出がやっぱり凄いなーと。

鶴岡:相変わらず青春ドラマしっかりやってて百合百合しいし満点でしたね、第一話。そんな僕は『ブレイブウィッチーズ』と『3月のライオン』を推します。この2つは間違いない。

 


加東:『魔法少女育成計画』と、『終末のイゼッタ』。あれは凄いものになると思う。『ドリフターズ』も僕的にはマストですね、楽しみでしかない。

 


鶴岡:『ドリフターズ』は期待感だけで飯が三杯食えます。

加東:結構期待作多いんですよ、WHITE FOXの初オリジナル作品『装神少女まとい』も気になってる。あれ? 超豊作?

鶴岡:豊作ですね?

加東:『WIXOSS』の新作もあるし、『ガーリッシュナンバー』も気になりますし、ショートアニメなら遂にやってきた『学園ハンサム』もある。

鶴岡:2本だけって言ったのに(笑)

加東:申し訳ない、でも現状『ユーリ!!!』は本当に凄い、あれと『ユーフォニウム』と『3月のライオン』、『ドリフターズ』があるだけでもこの秋は凄いです!

岡本:実は『うたプリ』もいます。『ハイキュー』もいます。『刀剣乱舞』もあります。女子向けもやばいっすよ!

加東:『オルフェンズ』も二期あるし、『SB69』もあるし、『なのは』の新作スピンオフもあるし、志倉千代丸の新作『オカルティック・ナイン』もある。実りの秋だ!

taichi:秋の夜長はみんなでアニメ見ましょう!

 

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