つかこうへい 初演ver.の『出発』が9PROJECTによって42年ぶりに上演へ
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北区つかこうへい劇団で、つかこうへいに師事し『飛龍伝’90』(紀伊國屋サザンシアター)で主演を演じた高野愛と小川智之の2人と、演出の渡辺和徳が結集した演劇ユニット“9PROJECT”は、70~80年代の初期のつかこうへい作品に焦点を当てて活動を続けている。そんな彼らの5回目となる公演が、1974年につかが文学座に書き下ろした作品『出発』であることがわかった。
同年、つかこうへいは『熱海殺人事件』で岸田國士戯曲賞を当時最年少で受賞。一気に時代の寵児となった彼の次回作に期待が集まる中、そのプレッシャーをはねのけるように発表したのがこの『出発』だった。
文学座での初演後は、つか自身の演出によって改訂を重ねながら幾度となく再演され、近年では錦織一清演出、戸塚祥太主演によって大きく改訂を施されて上演されたが、この初演バージョンが上演されるのは実に42年振りとなる。
9PROJECTのモットーは、やりたいことをとことんやる。自分たちが今やりたいこと、挑戦したいことを3人で徹底して話し合い、純粋に芝居に向き合っていくことだ。つか自身に鍛え上げられ、また、つかこうへい初期の作品を改定を施さずに上演するという挑戦を続けてきた9PROJECTだからこそできる、復活上演に期待が膨らむ。
<ストーリー>
岡山家の当主、岡山八太郎が蒸発した。その噂は、すぐにご近所に知れ渡っていた。ある者は昨夜電
信柱の陰で見たといい、ある者は失踪の理由をアレヤコレヤと言い立てる。しかし、当の岡山家の食
卓は、厳粛なる空気に包まれていた。
血塗られた家系を持つ岡山家の当主たる岡山八太郎が蒸発したのである。ただフラリといなくなった
わけではない。そこいらのホステスと逃げ出したわけでもない。高尚かつ哲学的な意味を持って蒸発
したのに違いないのである。そしてこの寒空の下、残してきた家族を思い、それでも帰るわけには行
かないその身の不幸を嘆きながら、涙を流しているのに違いないのである。
であるならば、その父の帰りを待つ家族一同も、それ相応の覚悟を持って日々の暮らしを営まなくて
はならない。今、岡山家の一同は“正しい家族の在り方” を目指し、意地と覚悟をぶつけ合う…。
果たして、父親は帰ってくるのだろうか。
果たして、岡山家の体面は保たれるのだろうか。
父親の蒸発した一家を舞台に、つかこうへいが家族の在り方を問いかける。
つか版、正しい家族の在り方講座!
日程:2017年2月7日(火)~12日(日)
火・金:19:00/水・木:14:00 & 19:00/土:14:00 & 18:00/日:14:00
出演:小川智之・渡辺昇・高野愛・木村佐都美・浦島三太朗・農坂夢香
席種:全席自由席のみ
料金:一般 3,500円(前売・当日とも)・学生 2,500円(要 学生証)