いい曲を渾身の演奏で 白狐ステージの大トリを飾ったHalo at 四畳半がグドモに渡したバトン

レポート
音楽
2016.11.5
Halo at 四畳半  撮影=白石達也

Halo at 四畳半  撮影=白石達也

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八王子天狗祭 【白狐ステージ】 Halo at 四畳半

10分以上前から、白狐ステージのトリを飾るHalo at 四畳半を待つファンでフロアの7割は埋まっている。「ハチテン」参加バンドの中では20代前半と、まさにこれからが楽しみな世代だけに初見のオーディエンスも混ざってなかなかの熱気を孕んで行く。

Halo at 四畳半  撮影=白石達也

Halo at 四畳半  撮影=白石達也

つい2週間前に左足を骨折したというギターの齋木孝平は座っているものの、高くギターを掲げて音も存在もアピール。加えて、ついにトリというタイミングで白狐ステージの出音のバランスも随分いい状態に。渡井翔汰(Vo,Gt)のよく通りつつもコシもある声がダイレクトに歌を伝えてくる。ギターと歌があり、曲をメンバー全員の演奏でも”歌う”ようにアレンジできる演奏力が、冒頭の「春が終わる前に」でも「アメイジア」でも明確にわかる。AメロがありBメロがありサビに向かって解き放たれる感覚は、聴き手の気持ちと深いところでシンクロしている。

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

「みんなグドモにいつ行こうか?って気持ち分かります。でもグドモにバトン渡せるのは俺らだけなんで、終わったらダッシュで天狗ステージに気持ちを持っていってください」と、白井將人(Ba)が言う。誰より彼らが見たいのだ。

最後のバトンを渡す気持ちともリンクする”信号”を意味する「モールス」が、まさに鼓動のようなビートも相まって、心に明かりを灯す。そして90年代以降の邦楽ギターロック・バンドの良いところをぐっと凝縮したようなロマンチックな「箒星について」も、このバンドの曲作りの筋力を実感させてくれるものだった。

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

それぞれのバンドがそれぞれのかたちでグドモと出会っている。Halo at 四畳半は、グドモのコンピレーション盤への参加を契機に「音楽で生きていくっていう夢の上を歩き始めた」と渡井が告白する。実感がこもっているだけに、「夢を人に語るのは勇気がいるけど、それは意味があると思う。言うことで、今、夢の上を歩いてるから」と。

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

Halo at 四畳半  撮影=Ayumi.Takamatsu

美しいメロディを持った疾走感のあるナンバー「シャロン」で、渡井は何度も自分の中の何かがねじ切れたように叫びながら歌い、時に巻き舌になる。”夢の上を歩く覚悟”がほとばしる瞬間。愚直なまでに演奏に徹し、グドモへの敬意に替えた彼ら。ライブが終わりステージを後にしても、しばらく前方のオーディエンスは動かなかった。
 

取材・文=石角友香 撮影=白石達也、Ayumi.Takamatsu

Halo at 四畳半  撮影=白石達也

Halo at 四畳半  撮影=白石達也

 
セットリスト
八王子天狗祭 【白狐ステージ】 Halo at 四畳半
1. 春が終わる前に
2. アメイジア
3. モールス
4. 箒星について
5. シャロン

 

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