「みんなに感謝の気持ちを込めて」鈴木このみがバースデーライブのステージで伝えた笑顔のメッセージ
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鈴木このみ Birthday Live 2016~Cheers!!!~ 2016.11.5(Sat) 幕張メッセイベントホール
鈴木このみ ©MAGES.
“鈴木このみの誕生日を楽しみたい!”そう思わせるような活気が会場中に満ちあふれていた。2016年11月5日はアニソンアーティスト・鈴木このみの記念すべき20回目の誕生日。節目の年ともいえるこの日、会場となる幕張メッセイベントホールには5000人ものオーディエンスが彼女をお祝いしに会場へ駆けつけた。力強いロックな歌声と迫力を兼ね備えながらも、お茶目な女の子の一面を見せる。彼女の笑顔に込められたメッセージとは何だったのか、3時間半の模様を一挙紹介。
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“20歳の誕生日までにワンマンライブを20回行う!”
鈴木このみの目標は見事に達成された。開演と同時に場内の照明が落とされ、モニターにこれまでのライブ映像のダイジェストが流れる。1stから19thまでのワンマンライブの経緯が、私たちの視界に飛び込んできた。全国を行脚した鈴木が、遂に念願の20本目のワンマンライブを幕張の地で開催。客席から彼女の誕生日をお祝いしたいという歓声が沸く。その声援に応えるかのように、鈴木このみが赤い和装風の衣装を着て、メインステージに登場した。
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オープニングナンバー「CHOIR JAIL」のイントロが流れた瞬間、会場が熱狂の渦に包まれる。スタートから全力全開で加速し、持ち前の笑顔で観客を迎え入れる鈴木の姿に、思わず筆者も釘づけになってしまった。そのまま「DAYS of DASH」「Nice to Me CHU!!!」と、笑顔を絶やすことなくフルスロットルで歌声を届ける。不思議と彼女の笑顔を見ていると、自分たちも頬が緩んでいた。まるで、彼女が楽しさと同時に元気を与えてくれるかのように、フレッシュでパワフルな魅力を実感する。
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さらに、勢いを助長するかのように「真聖輝のメタモルフォシス」「世界は疵を抱きしめる」と2曲続けてロックチューンを披露。激熱のライブパフォーマンスに高まる衝動を抑えきれなくなりそうだった。熱いライブを展開する鈴木のライブだったが、特に印象的だったのは彼女の“笑顔”だ。キレのある歌声と屈託のない笑みが今でも脳裏に焼きついている。
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MCに入ると、鈴木は「ありがとー!」と満面の笑みでオーディエンスに手を振った。彼女にとって19歳は大きな1年だったと明かす。長く住み慣れた大阪から上京し、ワンマンライブ20本を成し遂げたことは、彼女にとって大きな経験であり、多くの人たちと作り上げた密度の濃い年だったとのこと。会話をしながらも、スタッフやファンに対する感謝の気持ちを態度で示す姿から、彼女の人となりが伺える。謙虚さを持っている鈴木だからこそ、周りにいる人たちは彼女の力になったことは言うまでもなかった。
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その後、緑のワンピース衣装にチェンジした鈴木は「Don’t stop me now」「miss blue」とダンスナンバーを立て続けに歌った。ここからダンサー2人がメインステージに登場し、彼女とダンスパフォーマンスを繰り広げる。歌声だけでなく、ダンスからは少しなまめかしさも感じさせ、大人な雰囲気を感じた。
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さらに、これまでの流れを一転させて、バンドメンバー全員の奏でる音楽でアコースティックコーナーへ進展する。上京してから、一緒に仕事をしているスタッフ、遠くにいる家族や友人など、心配してくれる人たちに向けて、お礼の気持ちを持ちながら「夢の続き」を歌った。彼女の歌声から受け取ることができたのは、優しさを歌声に乗せてお返しする真摯な気持ち。自然と耳を傾けて、聞き惚れてしまうほどだった。
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続けざまに、「竜星鎮魂歌」「銀閃の風」を男性4人のコーラス隊と共に、荘厳な合唱でオーディエンスの鼓膜を揺らした。このときだけはコンサート会場かと錯覚してしまうかのような心境になる。これほどまで圧巻する20歳のアーティストを見たことはなかった。鳥肌が立つと同時に、涙腺が緩み、涙がこぼれ落ちそうになるほどだ。
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再び熱いライブに戻ると、「AVENGE WORLD」「This game」のロックナンバーでホール中を轟かした。「幕張いくぞー!」と鈴木の一声に、ヒートアップするオーディエンス。彼女自身もボルテージが最高潮になり、楽しさを全身でアピールする。ライブは中盤だというのに、「楽しくて仕方がない!」とMCで語るほど、燦々と輝く笑顔を見せた。誕生日や記念すべき日など関係ない。大きなステージで大勢の観客と一緒に盛り上がることができる、それが彼女にとって何よりも幸せだったと笑顔で表現してくれた。
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その後「Before too long」で驚きの演出がステージ上で繰り広げられる。なんとメインステージ中央のセットが回転し、おおきなバースデーケーキが登場したのだ。突然の舞台セットに言葉を失いそうになるが、ケーキの上で鈴木がギターを構えていた。自らギターを演奏し、バンドサウンドに合わせて歌う光景を見て、面白い情感があふれる。歌やダンスだけでなく、ステージ全体で粋なパフォーマンスがさく裂した。
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さらなる高みへ熱量を上げるかの如く「約束の続き」「Fly to the stars」とキラーチューンを放つ。スピードを落とすことなく、「LLL:CONNECTION」「I say “Happy day!”」と爽快なアッパーチューンを歌い上げた。途中、ステージ上でノースリーブの白衣装に着替え、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」を繰り出し、ラストスパートへと突入する。
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4人のダンサーを交えて「Absolute soul」「Beat your Heart」と、一気にラストまで駆け抜けていった。そして、ラストナンバーは『Re:ゼロから始める異世界生活』前期OPテーマ「Redo」だ。キレのある声量にたぎるような想い、大声を張り上げたくなる衝動にかられる。最後は5000人のオーディエンスと一緒にジャンプし、爆発音と共にライブを締めくくった。
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その後、アンコールで再びステージに戻ってきた鈴木は「こうやって多くの皆さんが集まってくれて、今日のステージのためにたくさんの方が協力してくれて、ホントに楽しいライブができたなと思っています。ありがとうございます!」と感謝の言葉を述べて、深々とお辞儀をする。バースデーライブのために力を尽くしてくれた人たち、応援してくれる人たちに対する感謝の気持ちを忘れない謙虚な姿勢。アンコールでは“ありがとう”の気持ちを歌声に乗せて響かせた。
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アンコール曲の「Love is MY RAIL」を歌い終わると、はにかむ笑顔で「ありがとう!」とオーディエンスに一言。さらに「Nice to Me CHU!!!」を再び熱唱し、オーディエンスと一体感を作り出していく。曲中に、バンドメンバーとダンサーから鈴木にサプライズプレゼントが送られた。それは、イチゴで飾られたバースデーケーキとダンサーのパーカーの背中に“KONOMI★HAPPYBIRTHDAY”の文字がプリントされたメッセージだ。驚きながらも喜びをあらわにして、ケーキにのったイチゴを一口つまみ「美味しい!」とにこやかにコメント。彼女の笑った顔を生み出したいという、メンバーならではの贈り物に筆者もほくほく顔になった。
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興奮冷めやらぬ雰囲気のオーディエンスたちの期待に、鈴木はダブルアンコールを敢行。ラストソング「あなたに」をアカペラで独唱し、幕張メッセイベントホールに鈴木の歌だけが鳴り響く。その最中、彼女はマイクを下ろし、自身の声だけで観客の耳に歌声を届けた。彼女の美声がホールの隅々まで反響し、アーティストとしての威厳を見せつける。けれども、彼女が途中でマイクを下ろした本当の理由は、会場に集まってくれた人たちに感謝の気持ちを、彼女なりの行動で示したからだと思った。
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鈴木このみが観客と一緒に作り上げた楽しい時間、バースデーライブを成功させてくれた感謝の気持ち、彼女の笑顔から様々な感想が伝わってくる。これまで彼女は熱血のロックアーティストと思っていたが、今回のステージを見て間違いだということに気づかされた。ファンとの交流や仲間との関係を大切にするシンガーの女の子。だからこそ、彼女のために力を尽くしたいという人が多くいるのだろう。そして、相手に対する感謝の気持ちを忘れない彼女だからこそ、5000人のオーディエンスと共にバースデーライブを大成功に収めることができたのだと思う。
レポート・文=野島亮佑
M2. DAYS of DASH
M3. 「ごめんね」のシンデレラ
M4. Nice to Me CHU!!!
M5. 真聖輝のメタモルフォシス
M6. 世界は疵を抱きしめる
M7. カオスシンドローム
M8. Don’t stop me now
M9. miss blue
M10. 夢の続き(Acoustic ver.)
M11. 竜星鎮魂歌
M12. 銀閃の風
M13. AVENGE WORLD
M14. This game
M15. Tears BREAKER with piano
M16. MY SHINING RAY
M17. Before too long
M18. 「わたし」をくれたみんなへ
M19. 約束の続き
M20. Fly to the stars
M21. LLL:CONNECTION
M22. I say “Happy day!”
M23. 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い
M24. Absolute soul
M25. Beat your Heart
M26. Redo
[ENCORE]
M28. Nice to Me CHU!!!