台湾で国民的人気を誇るシンガー・ソングライターのクラウド・ルーが日本初の単独公演で満員のファンを魅了

レポート
2016.11.24
クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

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今月11日、クラウド・ルー(盧廣仲/Crowd Lu)が、東京・原宿のアストロホールで初の単独公演を行い、日本のオーディエンスのハートをガッチリと掴んだ。

クラウド・ルーは、台湾・台南出身のシンガー・ソングライター。日常に寄り添ったユニークな視点で綴られた歌詞に、思わず口ずさみたくなるメロディー、そして彼の自然体のスタイルは、台湾で国民的な人気を誇っている。前髪厚めのヘアスタイルと大きなメガネというルックスは、一度見たら忘れられないインパクトがある。

クラウド・ルー

クラウド・ルー

2008年にデビュー・アルバム「100種生活」をリリースした彼は、翌年の金曲奨(台湾のグラミー賞と言われる音楽賞)で、最優秀新人賞と最優秀作曲賞(「100種生活」)を受賞している。今年発表された「What a Folk !!!!!!」」は、5枚目のオリジナル・アルバムで、8月には、4度目となる台北アリーナ公演を大成功させたことも記憶に新しい。

昨年はサマーソニックへの出演を果たしたが、彼のステージを観ていた台湾人のグループが「こんなに近くでクラウド・ルーのライブを観られるなんて台湾じゃありえないよ!!」と興奮気味に話していたのがとても印象に残っている。今回のアストロホール公演は即完。このサイズのライブハウスで彼のライブを観られたのはかなりプレミア、いや、奇跡だったかもしれない。日本で台湾のアーティスト/バンドのライブに行くと、台湾や中華圏のファンが大半を占めていることもあるが、今回は日本のファンの数がかなり多かったように思う。

そんな、日本でも人気上昇中のクラウド・ルーは、会場が暗転すると、3人のバンド・メンバーに続いて遠慮がちにステージに登場。1曲目「我愛你」の冒頭のアカペラ部分で、早くも鳥肌がたった。ソウル溢れる歌声に会場中が息を飲み、一瞬にして彼の世界に引き込まれた。スティーヴィー・ワンダーが脳裏に浮かんだほどのグルーヴが効いた節回し、ファルセットなど、彼の歌声が自由自在にフロウする様は聴いている側までもが爽快な気分になれる。

 

ライブでは、曲によって12弦を含む3つのギターを使い分けていたが、彼のギター・プレイがまた素晴らしかった。音のひとつひとつや、音と音のちょっとしたスペースにも魂がこもっており、その音色は、彼の本能の赴くままに奏でられているようだった。フォーク、ジャズ、ソウル、ファンク、ロックなど、彼が聴き親しんできたであろう様々なジャンルの音楽が彼のフィルターを通ることにより「クラウド節」全開のサウンドが生まれており、「3歳の時、おじいさんに教えてもらい、初めて覚えた曲」だという童謡の「桃太郎」も、溜めが多くて渋めの、彼らしいアレンジで聴かせてくれた。

クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

MCは、全編ほぼ日本語。カンペを見て、照れながら日本語を話し、うまく言葉が出てこないときは髪の毛をグシャグシャにしたり、メガネの位置を直したりする仕草にも彼のチャーミングなパーソナリティーが滲み出ており、会場のあちらこちらから「可愛いー!」との声があがっていた。

2時間弱。アップテンポな曲から、胸がキュンと締め付けられるようなバラード、変拍子の曲や弾き語りにマウストランペットまで、クラウド・ルーの魅力がほとばしる最高のセットリストだった。歌詞は北京語(台湾語の楽曲もある)だが、例え歌詞の意味がわからなかったとしても、メロディーと彼の感情のエネルギーによって、曲のストーリーが言葉を超えて伝わってくるところも大きな魅力のひとつである。

クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

クラウド・ルー Photography Viola Kam (V'z Twinkle)

アンコールでは、「このヴァージョンは初めて歌います。キンチョウ……」というMCに続き、「一定要想信自己」の日本語ヴァージョンをサプライズで披露。彼が一語一語を噛みしめるように大切に歌っていた日本語詞は、とても自然に、スーっと馴染むように心に響いてきた。クラウド・ルーは、「心」で歌って、「心」で演奏するアーティストだと思う。その場にいる全ての人をハッピー・オーラで包み込む彼の屈託のない笑顔に癒されながら、今後の日本での活動への期待が高まった。

 
作品情報
盧廣仲『What a Folk !!!!!!』
 

01. Happy Chakra
02. 一坪半 
03. 手機仔(一)
04. 夏天的歌
05. 月光備忘錄
06. 今天睡在這裡
07. 善良的眼鏡
08. 手機仔(二)
09. 星座愛情故事之巨蟹座可不可以繼續說愛
10. 結婚鑽戒
11. 一定要相信自己

発売日(台湾):2016/6/7

 

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