[韓国PLAY]お茶の間で人気のおじさま俳優が集結!『僕らの女たち』開幕

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2016.12.11
サイモン役のウ・ヒョン(左)とポール役のユ・ヨンス

サイモン役のウ・ヒョン(左)とポール役のユ・ヨンス

サイモン役のチョン・ソギョン

サイモン役のチョン・ソギョン

韓国でいまトレンドになっている“アジェファタール”なベテラン俳優たちによる演劇『僕らの女たち』が開幕し、プレスコールが開催された。

(※注 アジェファタール=아재파탈。おじさん(アジェ)+オムファタールを組み合わせた流行語。「素敵なおじさま」の意味。)

35年来の親友である、ポール、サイモン、マックスという3人の中年男性が“妻抜き”で集まった、ある一夜の出来事を描く本作は、フランスで最も権威ある戯曲賞モリエール賞を二度受賞経験のある劇作家エリック・アスーが2013年に発表したコメディ。仏初演時には、リシャール・ベリー、ジャン・レノ、ダニエル・オートゥイユなど、日本でも映画を通じて知られている有名俳優を起用して上演。その後、映画版も2015年に制作されたというヒット作だ。

写真左から)ポール役のユ・ヨンス、サイモン役のウ・ヒョン、マックス役のキム・グァンシク

写真左から)ポール役のユ・ヨンス、サイモン役のウ・ヒョン、マックス役のキム・グァンシク

アジア初演となる今回、俳優チョ・ジェヒョンが主宰するスヒョンジェカンパニーの制作作品だけあって、ドラマ、映画界で“シーンスティーラー”と呼ばれる名優たちがズラリと揃った。なかでも注目は、名門、延世(ヨンセ)大学神学科の同級生で、大親友を公言しているアン・ネサンとウ・ヒョンの舞台初共演だ。(ドラマ撮影の都合でアン・ネサンはプレスコール不参加)

しかし、ウ・ヒョンは当初舞台出演を躊躇していたという。「ネサンがこの作品の台本を読んで“これは演らなきゃならない”と執拗に誘ってきた。意外にもテレビで『SHOW ME THE MONEY』(※注 ヒップホップのラッパーが多数出演する大人気サバイバル音楽番組)か何かで、失敗しても果敢に再挑戦するスターたちの姿を見て“人生は常に挑戦するものなんだ、諦める必要はない”と思って出演を決めた」とあくまで親友の誘いに乗ったわけではない点を強調。「見た目では演劇出身で長年苦労してきた俳優だと思われがちだが、18年くらい前に一度出ただけで今回が舞台デビューのようなもの」と語り、笑いを誘っていた。

(写真左から)マックス役のイ・ウォンジョン、サイモン役のチョン・ソギョン、ポール役のソ・ヒョンチョル

(写真左から)マックス役のイ・ウォンジョン、サイモン役のチョン・ソギョン、ポール役のソ・ヒョンチョル

本作は『僕らの女たち』というタイトルに反して、女性キャラクターはひとりも登場しない。マックス役のイ・ウォンジョンは「男3人しか出てこないので、息つく暇もない。女優が一人でもいれば稽古も楽しいのに、男しかいないからつまらないし大変だ。加えてマックスは後半にラップをやるシーンがあるが、生まれて初めてラップをやった。でもダメなものはダメだ(笑)」と自らダメ出ししていたが、おじさまたちのラップシーンは見どころのひとつとなるだろう。

サイモン役のウ・ヒョン

サイモン役のウ・ヒョン

劇中冒頭で、「妻を殺してしまった!」と青い顔をしてやってきたサイモンのため、親友ポールとマックスは一緒にさまざまなアリバイ工作を考えようとする。その間、3人は過去の恨みごとを掘り返したりと、すったもんだの展開となっていく。イ・デウン演出家は「普遍的情緒を盛り込みながら、騒動を通して彼らが再び友情を確かめ合い、人生を振り返るような話だ。タイトルのように、3人の男たちが嫉妬や猜疑心などまるで女性のような姿を見せるところが観客の共感を得られるのではないか?」と作品の魅力を紹介していた。

脚色を担当しているのは、ミュージカル『ラフマニノフ』『僕とナターシャと白いロバ』の演出など、今年は八面六臂の活躍で、韓国舞台シーンでいま最も注目を浴びる劇作家、演出家のオ・セヒョク。「海外の戯曲は初めて脚色したが、言葉は違ってもコメディの言語は同じだと感じた。人間は完璧ではなく足りない部分が多くて厄介なものだということを、可愛らしく包み隠してあげたかった」と原作への共感と愛着を見せていた。

イ・デウン演出家(左)と脚色を担当したオ・セヒョク

イ・デウン演出家(左)と脚色を担当したオ・セヒョク

また、大統領についての会話が出てくるなど、セリフには原作にはない時事風刺が多数盛り込まれている。イ・デウン演出家は「面白い作品を良い先輩たちと準備している間に、時局が良くなくなった。週末の抗議集会にも行けず、稽古した。その無念な思いを作品に反映してみてはどうか、と観客が共感できるセリフを追加した。観客の反応も良い」と説明していた。

最後にウ・ヒョンは「男性の観客が見たいと思う作品はヒットするらしいので、男性に見てもらいたい。そしてお金がある方は、キャストの組み合わせでまったく違った印象があると思うので、何度も見に来てほしい(笑)」と、ユーモアたっぷりにアピールしていた。

お茶の間でも人気のベテラン俳優たちの名演を、直に堪能できるヒューマンコメディ『僕らの女たち』は、2017年2月12日まで、大学路のデミョン文化工場3階にあるスヒョンジェシアターで上演される。


【公演情報】
演劇『僕らの女たち』(우리의 여자들)
■日程・会場:2016年12月2日~2017年2月12日 スヒョンジェシアター
■出演
・ポール役:アン・ネサン、ソ・ヒョンチョル、ユ・ヨンス
・サイモン役:ウ・ヒョン、チョン・ソギョン
・マックス役:イ・ウォンジョン、キム・グァンシク
■原作:エリック・アスー(Eric Assous)「Nos Femmes」/翻訳:イム・スヒョン/演出:イ・デウン/脚色:オ・セヒョク

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