‟超感覚ジジイ”から逃げきれ!VR感覚で挑む恐怖のミッション『ドント・ブリーズ』#野水映画 “俺たちスーパーウォッチメン”第十五回

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(C)2016 CTMG, Inc. All rights reserved.**ALL IMAGES ARE PROPERTY OF SONY PICTURES ENTERTAINMENT INC.  FOR PROMOTIONAL USE ONLY. SALE, DUPLICATION OR TRANSFER OF THIS MATERIAL IS STRICTLY PROHIBITED.

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TVアニメ『デート・ア・ライブ  DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス  怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。

 

先日Twitterで、「野水さんはこの作品観ますか?」と訊かれた作品がある。応援して下さる方々も、最近では私の趣味がよく分かってきているようで……。あぁ観たとも! トレーラーを観てから、ずっとワクワク楽しみにしていたとも! そんなホラー映画大好きな私が推す作品が、いよいよ日本で公開される。それが「息をするな」という意味のタイトルを持つ『ドント・ブリーズ』だ。

駄目な親と決別し、妹と街を出るために資金が必要なロッキーは、彼氏のマニー、友人のアレックスと共に、大金を隠し持つ盲目の老人宅に強盗に入る。しかし、その老人は盲目ながら元軍人で、屈強な体と超人的な聴覚を誇っていた。かすかな音にも反応して容赦なく襲い掛かってくる老人……そしてその家の地下室には、衝撃的な秘密が隠されていた。

 

“強いジジイ”映画にハズレ無し……あなたは“誰目線”で観るか!?

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個人的な話なのだが、どういうわけか“強いジジイ”(おじいちゃん、ではなく、愛をこめて敢えてジジイと呼ぶ!)が登場する作品は、わりかし私の好みにピタッとハマる傾向がある。ジジイがゾンビとバトルする『ロンドンゾンビ紀行』(12)、若造ギャングにお仕置きするジジイギャングが活躍する『皆殺しの流儀』(14)などなど。歳をとって弱々しく見える老人が若者を差し置いて活躍する姿は、小気味が良く、爽快感があるのだ。だからこそいつの間にかカッコいいジジイたちを応援し、そちら側目線で感情移入していくことが多い。本作で主人公たちの敵となる盲目のジジイも、物凄く強い。

だがしかし、素直に応援できるかというと……悩ましい。というのも、登場人物たちの行動理念がとても様々だからだ。主人公となる少女・ロッキーは、劣悪な家庭環境から妹と脱するためにお金を手に入れようとし、友人のアレックスは密かに思いを寄せる彼女を放っておけずに協力することに。ロッキーの彼氏・マニーはちょっとパリピなギャングもどきなので省略するが(笑)。一方のジジイも、愛する娘を交通事故で亡くし、その時にもらった多額の示談金しか縋るものが無い哀れな存在だ。監督で脚本も担当したフェデ・アルバレスは映画を観る際、制作側に誰の味方をすべきか決められてしまう作りが嫌いだという。だからこそ全員を背景に仄暗い理由を持つ人物にすることで、観る側に誰の応援をするかを委ねたそうだ。ちなみに私は、アレックスを応援していたことを報告しておく。

 

まるでVRホラーゲームのような緊張感! 暗闇の演出と効果音の妙

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スリラーとホラーのいいとこ取りをしているんじゃないかと思う本作は、タイトル通り息をするのをためらうような演出が満載だ。舐めるように意味ありげに辺りを映し、無駄にドキドキさせるカメラワークや、登場人物たちの息遣いが隣で聞こえるような効果音は、まるで流行りのVRでプレイするホラーゲームのよう。

まして目が見えないジジイは、ほんのちょっとの音にも反応して機敏に襲ってくるので、実写映画化もされたゲーム『サイレントヒル』の、音に反応するバブルヘッドナースか!と心の中でツッコミを入れてしまったほど(知っている人はうんうんとわかってくれるはず)。特に、別段広いわけでもない一軒家でバトルが繰り広げられるのでなおさら怖い。様子をうかがいながら家の中を探るアレックスが、廊下でジジイと鉢合わせするシーンはさすがに息を飲んだ!アルバレス監督と共に脚本を担当したロド・サヤゲスは、スプラッター表現に頼らない脚本づくりに励んだという。その結果、血は出なくともこうして緊張する演出が随所に散りばめられているので、思う存分楽しんでもらえることと思う。

しかし、本当に恐ろしいのはあらすじにも書いた“地下室”での一連のシーンだ。哀れにも見えたジジイの正体がそこで明らかになるのである。……いや、もちろん怖い。ゾッとした。でもどーーしても、プロデューサーでもあるサム・ライミのエッセンスが色濃く出ている一面なんじゃないのか?と思ってしまったのだ! え?どういうことかって?観ればわかります。ちょっとだけヒントを言うならば、ライミ監督の『スペル』(09)的な匂いを感じるというか(苦笑)。と、こんな感じで一瞬戸惑いはしたものの、冷静になると「こりゃ怖いぞ……」という感覚にじわじわと襲われた。イヤ~な感覚。このクライマックスこそがジジイの真髄だったのだ。

私の期待に見事に応えてくれた本作。お腹いっぱい!皆さんもぜひ最後まで、この超人ジジイ攻防戦に焦らされ、恐怖してみてほしい。


『ドント・ブリーズ』は、12月16日(金) TOHOシネマズ みゆき座ほかロードショー。

作品情報

映画『ドント・ブリーズ』
 


監督:フェデ・アルバレス(『死霊のはらわた』(13)) 脚本:フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス(『死霊のはらわた』(13)) 
製作:サム・ライミ(『死霊のはらわた』(81/13)『スパイダーマン』シリーズ)、ロブ・タパート(『死霊のはらわた』(81/13) 
出演:スティーヴン・ラング(『アバター』)、ジェーン・レヴィ(『死霊のはらわた』(13))、ディラン・ミネット(『プリズナーズ』)、ダニエル・ゾヴァット(『イット・フォローズ』) 
 
公式サイト:http://www.dont-breathe.jp/
 
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