コブクロは『TIMELESS WORLD』ツアーで何を表現し、伝えたのか?【クロスレビュー その1】

レポート
2016.12.19
コブクロ 撮影=後藤武浩

コブクロ 撮影=後藤武浩

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KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana
2016.11.20(SUN)さいたまスーパーアリーナ

コブクロの全国ツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana』が12月17日(土)、18日(日)の京セラドーム大阪公演をもち終了した。2005年にリリースされた大ヒットアルバム『NAMELESS WORLD』とリンクした最新アルバム『TIMELESS WORLD』を携えた今ツアーで、コブクロは何を表現し、伝えたのか? ツアー中盤となった11月20日(日)のさいたまスーパーアリーナの模様を、仕事を通して長きに渡りコブクロを観てきた元『ORICON STYLE』編集長の田中久勝氏と、小学生の頃にコブクロの音楽に出逢ったことがきっかけで“音楽に関わる仕事に就きたい!”と思ったというSPICEライターの新人シマザキの二人によるクロスレビューでお届けする。


「言葉にならない言葉を探す旅」

コブクロのライブを初めて観たのは、確かメジャーデビュー前の2000年12月、大阪厚生年金会館(現オリックス劇場)芸術ホールだった。1000人ちょっとの中規模ホール。ストリートライブで培った、人に“想いを届ける力”にひきつけられたのを覚えている。2001年にデビューしてからの二人の活躍は改めて書かないが、ミリオンヒットを飛ばし、ライブはスタジアム、ドームと規模は大きくなっているものの、二人のライブでのスタンス、お客さんへの向き合い方は、大阪厚生年金会館で観た時と、1ミリも変わっていないと、『KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD』の11月20日さいたまスーパーアリーナ公演を観て思った。はからずも「ストリートでの初めてのステージは、高さ20cmの小さな台の上でした」と小渕健太郎がお客さんに語りかけていたが、20cmの小さな台が少し大きくなっただけのさいたまスーパーアリーナのステージという感じで、二人は変わらず遠くに届けようと、懸命に歌っていた。

6月15日に発売された2年半ぶりのオリジナルアルバム『TIMELESS WORLD』を引っ提げての今回のツアーだが、このアルバムは2005年に発売して、シングル、アルバムを通じて初めてランキング1位を獲得した大ヒットアルバム『NAMELESS WORLD』とタイトル、ジャケットのアートワークがリンクしたものになっている。10年という時間がもたらした二人の成長、そして変わらない想い、ますます大きくなる聴き手への感謝の気持ちが表れている、彩り鮮やかで賑やかなアルバムだ。自ずとライブも彩り豊かな世界が広がり、深い感動をもたらしていた。

コブクロ 撮影=後藤武浩

コブクロ 撮影=後藤武浩

アルバム『TIMELESS~』の壮大なオープニングナンバー「SUNRISE」からライブはスタート。「この日この場所でしか生まれない音楽、この日この場所だけの言葉」(小渕)を共有し、楽しむ二人と1万9000人の旅が始まった。ダイナミックな曲はより大胆に自由にダイナミックさを表現し、繊細さが求められる楽曲はより繊細に歌い、バンドとストリングスが放つ素晴らしい音が歌に寄り添う。小渕の歌はさらに優しさと切なさが、黒田俊介のそれはさらに強度と太さが増し、歌がより豊潤になって、伝わり方が変わってきたように思える。感動がさらに大きくなって伝わってくる。

黒田が久々に作詞・曲を手がけた「Tearless」は、EDM調の異彩を放つアレンジだが、ライブ映えする作品だ。MCではお笑い芸人ばりの掛け合いで笑わせ、バラードで泣かせ、とにかくその“メリハリ”に多くの人は引き付けられ、二人が作り出すエンタテイメントに酔う。歌もMCも全ての根底に流れているのはお客さんに“想いを伝える”という想い。「Flag」や「同じ窓から見てた空」など、二人の原点であるストリートライブをやっていた時代の想いを描いた歌は、深く深く心に染み入る。「黒田の声にメッセ―ジを感じたから書いた」(小渕)と言い、歌い始めた「桜」、そして「蕾」「未来」の3曲を歌い終わった瞬間、客席からスタンディングオベーションが起こり、心からの大きな拍手はしばらく鳴りやまず、大きな感動に会場が包まれた。

コブクロ 撮影=後藤武浩

コブクロ 撮影=後藤武浩

その感動の余韻の中、後半は「サイ(レ)ン」「tOKi meki」「SPLASH」「LOVER’S SURF」と盛り上がる楽曲を並べ、本編を締めくくった。アンコールは「桜」(2005年)のカップリング曲「今と未来を繋ぐもの」。未来を見据えた二人が今歌うべき、歌わなければいけないと選んだ1曲だ。「この歌を歌うためにここまできたといっても過言ではない」(小渕)というメッセージと共に歌い始めた「STAGE」が最後の曲だった。この曲はファンと二人の強いつながり、絆を歌っている珍しいタイプの作品。二人が日ごろから自分たちを支えてくれている人たちだけに向けて書く曲はこれまでほとんどなかった。ファンへの感謝の気持ちを改めて伝えたかったのだ。小渕が音楽と出会い、一人で音楽を作り始め、音楽を通じて多くの人とつながり今の自分達がいる、そんな初期衝動を歌にしているかのように、シンプルなコードだけで作られている。だからより歌がダイレクトに伝わってくる。

コブクロ 撮影=後藤武浩

コブクロ 撮影=後藤武浩

ファンはコブクロのライブに何を求めているのだろうか? もちろん十人十色、それぞれのファンがそれぞれの想いを抱えて会場に足を運ぶから、感じ方、感動の大きさが違うのは当然だ。でも小渕がライブ中に「“見えない言葉”を探している人が僕達のファン」と言ったように、自分は今何がしたいのか、どこへ向かっているのか、そしてどこへ行きたいのか、どうしたいのか――コブクロの歌は、そんな多くの人が抱えている事に対峙している歌が多い。小渕が聴き手に向けて書き下ろしているのだ。聴き手が言葉にできない想いを言葉に紡いでいる。だから生きていくために背中を押してくれる言葉とメロディが溢れている。涙を流しながら聴いているファンが多く、涙で気持ちが浄化され、またエネルギーを充電して、帰っていく。そんな大切な“役割”を果たしている二人が、真摯に音楽に向き合い続ける理由はここにある。今回のライブでは、未来を見据えた二人の想い、強い決意が伝わってきた。それは、真摯に音楽と向き合うという変わらない気持ち、そしてより強く、より優しい歌を作らなければいけないという想いだ。それを胸に、これからもまた新たな出会いを求めて、全国でライブを行なっていく。二人とファンの“言葉にならない言葉”を探す旅は続く。

取材・文=田中久勝 撮影=後藤武浩

【クロスレビュー その2】>>コブクロは『TIMELESS WORLD』ツアーで何を表現し、伝えたのか?<生粋のコブクロ育ち編​

セットリスト
KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana
2016.11.20(SUN)さいたまスーパーアリーナ

01. SUNRISE
02. 六等星
03. hana
04. SNIFF OFF!
05. 奇跡
06. Tearless
07. Flag
08. 同じ窓から見てた空
09. 何故、旅をするのだろう
10. NOTE
11. 桜
12. 蕾
13. 未来
14. サイ(レ)ン
15. tOKi meki
16. SPLASH
17. LOVER'S SURF
18. 今と未来を繋ぐもの
19. STAGE

 

テレビオンエア情報
『KOBUKURO LIVE TOUR 2016“TIMELESS WORLD”supported by Ghana』の模様が2017年春にCS放送「TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画」でテレビ初独占放送!
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