尾上松也、坂東巳之助らで賑やかに初日鏡開き!「新春浅草歌舞伎」

レポート
舞台
2017.1.6


若手俳優の登竜門として、勢いのある若手たちがそれぞれ大役に全力で挑戦、歌舞伎名作を華やかに上演する「新春浅草歌舞伎」。今年の第一部(11時~)は、年始挨拶の「お年玉」にはじまり、夫婦の情愛を描く『傾城反魂香』と「義経千本桜」から舞踊劇『吉野山』が上演される。また第二部(15時~)も「お年玉」にはじまり、「双蝶々曲輪日記」から『角力場』、白井権八と幡随院長兵衛の『御存鈴ヶ森』、そして最後は滑稽な舞踊の『棒しばり』と、一部二部とも歌舞伎の面白さをいっぱいに詰め込んだ公演となっている。

その初日を祝う鏡開きが1月2日の朝、会場の浅草公会堂前で行われ、服部征夫台東区長、松竹の我孫子正副社長、出演者の尾上松也坂東巳之助中村壱太郎中村隼人、中村梅丸、そして中村錦之助が登場した。

【出演者挨拶】

尾上松也
皆さんあけましておめでとうございます。朝早くからお集まりいただきありがとうございます。私はこの「新春浅草歌舞伎」に出演させていただき、3年目を迎えまして、より向上していければと思っております。今年は、例年と比べますとちょっと少ない人数になりますが、このメンバーならではの団結でつとめられればと思っています。このお正月は、二座で襲名興行が行われ、おめでたい空気に包まれております。私たちもそのめでたさに乗りまして、この浅草の町で華やかにつとめたいと思っております。私は昼の部は『吉野山』、夜の部では『角力場』、そして『棒しばり』を演じさせていただきます。どの演目も非常に楽しい演目でございますので、毎日毎日精進の気持ちを忘れずに頑張りたいと思っております。また区長のお話にもありましたように、浅草芸能大賞の新人賞を頂戴いたしましたので、その賞にも恥じないようにつとめていきたいと思いますので、皆様1ヵ月間、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

坂東巳之助
皆さんあけましておめでとうございます。坂東巳之助でございます。3年目を迎えることができました。個人的なお話になりますが、浅草という町は、毎年年末に坂東流の「歳末チャリティー舞踊会」を行わせていただき、年越しは浅草寺の鐘つきに参加させていただいておりますので、3年前、「新春浅草歌舞伎」を松也さんをはじめとした我々の世代でを上演することになったとき、本当に嬉しく思いました。そして3年目、こうしてここから1年を始めることができるのも、本当に応援してくださる沢山の皆様のおかげだと思っております。ありがとうございます。今年もその喜びと、この浅草という町の活気を取り込んで、2017年、最高のスタートを切れるように頑張ってまいりますので、応援なにとぞよろしくお願いいたします。

中村壱太郎
皆様、あけましておめでとうございます。 中村壱太郎でございます。3年ぶりに浅草の地に戻ってくることができました。本当に嬉しく思っております。またこの地で、浅草公会堂で歌舞伎ができるという喜びに、今、満ちあふれております。残念ながら私は第1部だけの出演でございます。(全員から「えー?」という突っ込み)2部も出ましょうか?乞うご期待です(笑)。とりあえずお年玉には出させていただきますのでぜひ(笑)。歌舞伎は初日から千穐楽まで舞台が変わっていきますので、一度二度といわず、三度四度五度と観ていただければと思います。私は女方をつとめさせていただきますが、女方として舞台を支え、盛り上げていけますよう頑張っていきますので、どうぞ千穐楽までよろしくお願いいたします。ありがとうございました!

中村隼人
あけましておめでとうございます。 中村隼人でございます。私も3年連続、この舞台に立たせていただくのですが、今年は昼の部1役、夜の部3役と合計4役もつとめさせていただきます。いつもは僕が一番年下というお話をさせていただいてましたが、今年は、見てください、僕よりもフレッシュな梅丸くんがいますので!(笑)といってももともと彼は沢山出演しているのですが。一番年下ではないので、気持ちをしっかり引き締めて臨みたいです。また、新年からこれだけ大きなお役を4役もやらせていただくというのは、本当にありがたいことですので、丁寧に、役に命を吹き込んでいきたいと思います。皆様、ご観劇のほどよろしくお願いいたします。

中村梅丸
皆様、新年あけましておめでとうございます。 中村梅丸でございます。5年連続でこの「新春浅草歌舞伎」に出演ということで、今年もこの浅草の地でお正月を迎えられることを、とても嬉しく思っています。この「新春浅草歌舞伎」は、僕たちが大役に挑ませていただくのですが、今、ご覧いただけますように、浅草の各お店から僕たちの幟を出していただいたりと、地域密着型のお芝居として浅草の方々が盛り上げてくださる温かい公演です。今、隼人さんが言ってくださいましたように一番年下で、相変わらずの弟ポジションではございますが(笑)、お兄さんたちの熱意に負けないように、千穐楽まで一生懸命つとめたいと思いますので、どうか応援のほどよろしくお願いいたします。

中村錦之助
皆様、あけましておめでとうございます。 若手の中村錦之助です(笑)。でも、この座組の中では私は中間くらいで、まだまだ若手でございます。また今年は、第二部だけの出演ですので、まだ切符をお求めでない方、すでにお求めの方も、ぜひ二度三度とご見物くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

その後、全員で「ヨイショ」の掛け声も賑やかに酒樽が開かれ、行列した観客に升酒が振る舞われた。

【取材・文・撮影◇榊原和子】


〈公演情報〉

「新春浅草歌舞伎」
第1部
お年玉〈年始ご挨拶〉
一、近松門左衛門 作
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場
二、義経千本桜
吉野山(よしのやま)
第2部
お年玉〈年始ご挨拶〉 一、双蝶々曲輪日記
角力場(すもうば)
二、四世鶴屋南北 作
御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
三、岡村柿紅 作
棒しばり(ぼうしばり)
●1/2~26◎浅草公会堂
出演◇尾上松也、坂東巳之助、中村壱太郎、中村隼人/中村錦之助
〈お問い合わせ〉ホン松竹 0570-000-489
http://www.asakusakabuki.com


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