白洲迅、須賀健太、大東駿介らが語る18歳の監督の素顔とは！

ドラマ「なんでやねん受験生」完成披露試写会および記者発表会見

CS放送のフジテレビTWOで、8月30日（日）17:00からドラマ「なんでやねん受験生」が放送される。それに向けて8月27日（木）フジテレビ局内にて完成披露試写会および記者発表会見が催された。

本作は、演出家の才能発掘のため、CS放送フジテレビONE/TWO/NEXTが昨年から立ち上げた「ドラマ甲子園」の第2回大賞を受賞したもの。年1回、全国の高校生に広く呼びかけ、1時間のドラマ脚本を募集した中から大賞に選ばれると、執筆者本人の演出でプロのスタッフがサポートし、プロの俳優たちの出演でテレビドラマとして制作されるという夢のような企画だ。

今回その大賞を受賞したのは兵庫県の18歳、丸山美海さんが書いた「なんでやねん受験生」。受験期に恋をしてしまった男子と女子。ロミオとジュリエットのように見えないところでいちゃいちゃしていたが、やがて自分が抱いているこの想いが本当に恋なのか、受験生であることのしがらみや障害のなか逢瀬を重ねていることに酔っているだけではないか、というか僕らは本当につきあっているのか？などと疑問を持ち始める。集中力も成績も下がる一方で、ひとまず距離を置くことにした二人だが、受験当日にばったり再会！しかも隣の席で！

そんな二人の受験日当日と、この1年で二人の間で起きた出来事をいったりきたりしながら物語は進んでいく。

コメディタッチの青春ストーリーである本作について、フジテレビの執行役員総合開発局長の清水賢治は、会見冒頭の挨拶で「作家にとって必要なのは発想力。丸山さんの作品は発想力と勢いがある」、また鹿内植プロデューサーは、「丸山さんは物事を伝える能力が高い。頭の中を整理できている」と高く評価。とはいえ、ドラマの演出業も初体験の丸山さんは、初めて会う出演者や自分よりはるかに大人のスタッフたちに囲まれ、撮影に必要な専門用語もまったくわからない状態で臨んだ日々を振り返り、「初日から3日目までの埼玉の深谷ロケがきつかった」と振り返っていた。

そんな丸山さんと一緒に仕事をしたキャストたちからは、次々と称賛する声が。この日会見に出席したのは、主人公カップルの白洲迅と吉岡里帆、試験監督役・白鳥久美子（たんぽぽ）、マスクマン役の須賀健太、そして二人が通う塾の熱血講師役・大東駿介。白洲は「（丸山）監督は本読みのときに作品に対するイメージをきちんと言葉にできる人。それを観て（当時、丸山さんが）高校生であることが一気にアタマのなかからふっとんだ」、吉岡は「とにかくものおじしない。撮影の最初のほうは『私はこうしたい』とやりたいことを伝えていたが、後半には大人のスタッフたちがアドバイスしたことをしっかりひろって『ではこうしましょう』とやり方を変えていた」と現場で成長する姿を伝えていた。

一方。撮影中のエピソードについて話が振られると、須賀は「僕はマスクをしている役ですが、このマスク、私物ではなく衣装（小道具）なんです。1日に30枚とか40枚とか使ってて申し訳なかった」と裏話。それに対して「撮影、暑かったもんねー」（※撮影は冬設定）「マスクのCM来るかもよ」などとツッコミやフォローが入ると「CM待ってます」とノリツッコミに応じる須賀。そして白鳥は「監督がときどき漏らす『フフッ』という笑いに、監督の頭の中にまた新しい1つのドラマができているんじゃないかと。次に会うときはぜひ私を主演にした作品を…」とすかさず売り込むと、須賀も「僕もいつか監督の作品で主演を」とアピール。出演者からの公開オファーに照れ笑いが止まらない丸山さんだった。

大東は、自身がこの仕事を初めて10年目にあたることに触れ、「撮影前、監督と百戦錬磨の大人たちが打ち合わせをしていたんです。まずは撮影現場の専門用語を覚えないと、という段階ではありますが、そんな中、つたない言葉でも監督には自分で撮りたいイメージがあって。それに対して誰一人監督の言葉を聴き逃さず『これをどうにか俺たちの力で形にしよう』としている姿にものすごく感動しました。『技術』は時間が経てば身につくかもしれないが、「想い」には人が集まるんだな、モノ作りの基本はこういうことなんだと。10年やってこなれてきたこともあるけど、こういう想いは忘れちゃいけないんだ」と今回の撮影を振り返っていた。

そんな丸山さんは「いつか舞台の戯曲を書きたい。ミュージカルが大好きなんです。大学に入ったら戯曲の勉強をしっかりやって筆力をつけたい。そして一人前になって皆さんに恩返ししたい」と語っていた。将来、演劇のフライヤーのなかで丸山さんの名前を目にする日も遠くない話となりそうだ。