新設劇場で本日開幕、劇団四季「キャッツ」新たなステージングもお目見え
劇団四季 ミュージカル「キャッツ」東京公演より。(撮影:下坂敦俊)
劇団四季のミュージカル「キャッツ」が、東京都品川区に新設された専用劇場、キャッツ・シアターで本日8月11日に開幕。ステージナタリーでは、開幕に先駆けて同劇場で8月9日に行われたプレビュー公演の様子をレポートする。
「キャッツ」は、アンドリュー・ロイド=ウェバーがT.S.エリオットの詩集をミュージカル化した作品。都会のゴミ捨て場を舞台に、年に1度開かれる舞踏会に参加するために集まった24匹の猫たちが描かれる。四季では1983年に東京・西新宿のテント式劇場「キャッツ・シアター」での初演以来、これまでに全国9都市で公演を実施。総公演回数は約9800回、総入場者数は約960万人を数えている。首都圏での上演は、2012年の横浜公演以来6年ぶりだ。
開演のアナウンスと共に客電が落ちると、オープニング音楽が鳴り響く中で最前4列の客席が舞台と共に回転する。やがて暗闇の中に、猫の目をかたどった緑色のライトを頭に着けた俳優たちが現れ、客席通路を駆け抜けながら観客を猫の世界へと引き込んでいく。
劇中では個性豊かな猫たちの生き様が、歌としなやかなダンスに乗せて紹介されていく。奔放でワイルドな雄猫、ラム・タム・タガーが雌猫たちのため息を誘うアップテンポのナンバー「ラム・タム・タガー~つっぱり猫」では、客席も巻き込み場内が盛り上げられ、俳優だったと言う老猫アスパラガスが演じる劇中劇「グロールタイガー~海賊猫の最期」では、海賊船をイメージした舞台装置の上で勇壮なアクションが繰り広げられる。さらに「ミストフェリーズ~マジック猫」の場面では、“グレートマジシャン”と称される黒猫ミストフェリーズが次々にターンを繰り出し、観客からの拍手喝采を浴びた。
なお今回の上演版では、楽曲の改訂に伴って一部振付とステージングに変更が加えられている。近年はカットされ、今回復活した「ランパスキャット~けんか猫」では、ゴミのオブジェを身に着け犬になりきった猫たちと、彼らが繰り広げるにぎやかなけんか、そしてそれを仲裁するランパスキャットの衣装に注目だ。また「ジェニエニドッツ~おばさん猫」では、これまでのタップダンスに加えてボディパーカッションを取り入れた振りが付けられる。さらに「マンゴジェリーとランペルティーザ~小泥棒」では、歌詞はそのままに曲調が変化し、2匹の泥棒猫が息の合った軽やかなダンスを見せる場面も。上記以外にも随所に変更が加えられているため、長年のファンは楽しみにしておこう。
劇場内はエレキギター、おもちゃの鍵盤楽器、ゲーム機など、モチーフの実寸の3倍ほどの大きさで作られたゴミのオブジェで埋め尽くされている。劇場のある品川区にちなんだオブジェも“ご当地ゴミ”として多数設置されているので、ぜひ劇場で探してみては。
ミュージカル「キャッツ」の公演は8月11日からスタートし、ロングラン公演が行われる。なお本作は今年18年11月11日に日本初演35周年を迎えるほか、来年19年3月12日には日本公演通算1万回公演を達成する。
劇団四季 ミュージカル「キャッツ」
2018年8月11日(土・祝)~
東京都 キャッツ・シアター
曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
詞:T.S.エリオット